柴田裕之のレビュー一覧
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第二次大戦後のアメリカ、12人兄弟一家。12人のうち女の子は下の2人だけ。10人の男の子のうち6人が統合失調症だった。本当にこんな家族がいたのか!という驚き。表紙を飾る階段にずらりと並んだ家族写真は圧巻。
1945年の長男誕生から2017年に母親が亡くなるまで、それぞれの兄弟に起こった事例と家族の対応を克明にリポート。家庭内暴力や性的暴力、その当時の精神科の治療方法などなど。
何より驚くのは、この事実を公表したいと思ったのが、ある意味被害者的な立場にいた2人の妹達だったということ。両親が亡くなったあと、生存する関係者全ての同意を取り、執筆者まで探したという。単なる家族の記録にとどまらない。この -
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外部騒音(物理的な音) 情報騒音(多すぎる情報) 内部騒音(自分の内なる声)
環境のコントロールももちろん重要
騒音にただ耳を傾 けると自分の中に静けさが訪れることがある。
→あるがままを受け入れるとほぼ同じ
フロー状態や一体感でも静寂は作れる。
→静寂は没頭と同じ意味とも捉えることができる
つまり、自分の中でプラスの波とマイナスの波のバランスがうまく取れている状態を作ればいい。
今の世の中はモノや情報があるれすぎてプラスの波が大きすぎることがほとんどなので、
静かにできるマイナスの状態を意識的に増やせばバランスが取れることがほとんど。
→健康に良い食事と同じ考え方。
何もない「 -
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IoTを中心としたインターネットの発展によって、財やサービスを1ユニット当たり生み出す費用がゼロになる。物質を追求する資本主義社会から、他者との親交を追求する協働型コモンズの社会が到来するという、2015年当時では先進的な主張が展開される。
限界費用ゼロになるというのは、ケインズが「100年後に人間は労働から開放される」と主張したものの、人間の飽くなき物質的追求欲を見誤ったように極端だとは思うが、先進国のGDP的成長率が低減していく中で、「本当の幸せとは何か」を考える風潮や世代は増えている。テクノロジーの飛躍的進化を享受した後、人類は何のために何を目指すべきかを考えさせられる良著。事例は冗長に -
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空白を意味のない会話で埋めてくる人を鬱陶しいと思ったことはないだろうか。質問の答えを考えている間に、重ねて何か言ってくる人にちょっと黙ってほしいと思ったことは。私はある。
質問の後に訪れる短い沈黙、会話の途中の少考で生じる静寂、本書ではそういう「間」が日本独特の文化として紹介されている。著者はその初感を”文化的な奇行”とまで書いているが、それは自身が育ってきた文化によって条件づけられた”空白を埋めたいという衝動”があるからだと言う。アメリカでは内向型の人はさぞ生きにくいであろう。
私たちの日常は騒音に溢れている。スマホやSNSの発達で常にオンラインでいることが当たり前になって、少しでも目を離 -
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audibleで視聴した。
そのためザックリの内容理解。
気が向いたら、本のバージョンも読みたい(上巻など完全に忘れてしまった。笑)
宗教至上主義から、人間(個人)至上主義にそして、データ(AI)至上主義に変化していくと書かれていた。確かに、生成AIの台頭を含めハラリさんが予想する未来に近づいている気がする。
火の鳥未来編の様に人工知能から神託を受ける様な世界になる未来線、もしかしたら生きてる内にあるのかなとも思ってしまう。
また、AIやテクノロジー、生命科学を味方につけたものとつけないものの格差はどんどん広がっていくのでないかとの考察も
また、ところどころ皮肉が効いたジョークが入って -
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ヒトの色覚はヒトの肌の色の変化をしっかりと見分けることを基準に定まった。であるから、それ以外の色の見え方は偶然の産物。りんごが赤く見えるのも、その色覚の進化の結果であるらしい(場合によれば黄や緑に見えるようになったかもしれない)。肌の色は血流量や酸素飽和度の変化により変わる。それが健康保持や生命保持に関わる人類生存のキーになるものであるので、色覚もそれが最優先され、それに連係して、他の物の色の見え方も決まっていった。肌の色の変化は人間が意識的に変えられる物ではなく(例えば怒りの感情が高まると血流量が増え、顔が赤くなるが、これは自分の意思ではコントロール出来ない。よく、感情が顔に現れるのは平然と
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人類が気を付けるべきことや将来の可能性について考察した本。私たちの生活は、技術の進歩によってすぐに変わるかけではない。しかし。気づいた時には昔よりも進歩した社会になっているかもしれないことを思い知らされた。ホモ・デウスに比べると現実問題に焦点を当てているので、読みやすいものとなっていると感じた。
第5部に分かれているが、テクノロジーと政治面の課題は将来に繋がる問題、残り(欲望、真実、レジリエンス)はとりわけ現在解決できそうな具体的な問題について述べられている。
まず、目覚ましい発展を遂げているテクノロジーが生み出すアルゴリズムは、私たちの意思決定の判断をするかもしれない。すると、大量 -
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所有しない経済。クラウドから好きなコンテンツを楽しみ、3Dプリンタによるインフラに居住し、シェアリングされた車で移動。ユニバーサルアクセス可能な電力やネットワークを使い、バーチャル空間で人間関係を満足させ、性欲を満たす。
資本主義の跡継ぎとして共同型コモンズで展開されるシェアリングエコノミーがある。そうする事で過剰な生産が抑えられ、地球にも優しい。人間の労働にもゆとりが生まれ、貧富の差も縮小する。
理想は分かるが、これだとグローバル公共経済を実現した共産主義にならねばならず、プラットフォーマや、そのシェアリングインフラを保守、提供する側のモチベーションはどのように保たれるのか。脱成長論は究