柴田裕之のレビュー一覧

  • 生存する意識――植物状態の患者と対話する

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    植物状態と診断され、見かけからは全く反応がないように見えるひとに、意識がある場合があるという事実に、驚いた。これまでは、専門医師が診断しているので、植物状態イコールその時点で意思を持たず、かつ、将来も回復は困難なものと思い込んでいた。
    植物状態と診断されても、見た目には何の反応も示さなくとも、意思がある場合があることは、当事者やその家族にとってはものすごく重要な事実だ。医療やケアの仕方も変える必要がある。
    また、著者も言われている通りだと思うが、人間は一人では今の我々のような人間にはなれない。他者との関係が自分であり、他者もまた同じである。

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    2019年02月27日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    原著は2014年刊行ですが、2018年末現在、日々萌芽する限界費用ゼロなシェアリングサービスを予測しています。資本主義の膨張競争の果てに待つのは破滅ではなく、IoTで強化された協働型コモンズでの共生ならば、それは人類にとってとても望ましい事に思えます。
    人類が年間に使う470エクサジュールのエネルギーは太陽の88分の放射に等しい、とか明日から使える知識が山盛りです、が、全編文章がちょっとくどい気も。

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    2018年12月19日
  • 経済は「競争」では繁栄しない

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    信頼を示せば自分も信頼して貰える
    共感 寛大さ 向社会 善循環
    ソーシャルメディアで善循環
    科学的に古代の社会の正しさが証明された

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    2018年10月17日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    ネタバレ

    ネット等の台頭により、単位増加に伴う限界費用がゼロに近づき、あらゆるものの価値観が変わろうとしていることを幅広く深く紹介した本。3年前ではありながら名著。

    <メモ>
    ・スマートシティ文脈のIoT。構造的健全性を評価し、修理を判断。自動車や歩行者の最適化を図る。駐車スペースを知らせる。交通情報。保険料率の適正設定。照明の最適調整。ごみ収集ルート最適化。
    ・IoTは地球の生態系管理の向上のため。急速に自然環境に適用されつつある。
    ・セキュリテイシステムの高度化。
    ・第三次産業革命では、IoTにより、生物圏の複雑な構成の中へ人類が自らを再統合し、地球上の生態系を危うくすることなく、劇的に生産性をあ

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    2018年08月05日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    なんとなく気になっていた「限界費用ゼロ社会」、詳しく読んで納得。今後の社会の変化の基礎となる、前提条件を学んだ気がする。限界費用ゼロということは希少性を生み出すことができなくなるわけで、購入=所有では利益が出せなくなる。シェアリングエコノミーの勃興はこれがベースになっていると考えると腹落ちする。著者は、エネルギーさえコストゼロに近づくと予想していてその先端がドイツであると評価。日本は建設コスト・維持コスト・管理コストが高い原発にこだわっていて両者の差は広がるだろうと予言している。一方、西洋では当たり前の「共有地の悲劇」が起こらない数少ない地域が日本であるとして期待もしている。

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    2018年05月28日
  • サルは大西洋を渡った――奇跡的な航海が生んだ進化史

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    The一般向け学術書みたいな軽いノリの語り. 大陸移動説以後のあれやこれやはよく知らなかったが、まぁそういうことも当然あるだろうな、くらいの感想.

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    2018年03月09日
  • 繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史

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    まず読み切った自分褒めたい 笑

    人類は交換と専門化によって発見や発明を繰り返して進化してきた。今、世界的な社会問題としてある貧困や人口爆発、地球温暖化だって、乗り越えられるはず。
    このことを大量のデータや過去の前例を踏まえて理論的に説明した「合理的楽観主義」の本。

    読み終わって思ったのは、社会全体が変わっていくことを恐れてはいけないということ。状況は変わっていくのに自分たちが変わらなければ当然自分たちが苦しくなっていく。その変化に対応する、むしろ、その変化を自分で引き起こすくらいの気持ちと力が求められてる気がした。

    少なくとも、今の自分の周りの人たちは安定を求める人が多い。きっとその価値

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    2017年12月03日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    ネタバレ

    面白かった。
    ホントにこんな社会がやってくるのかは、今暮らしてる僕らにかかってるんだろうけど、ワクワクした。
    きっとこれから混乱するんだろうなぁ。けど、全く新しいルールでできている世界、楽しみです。

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    2017年11月01日
  • 地球を「売り物」にする人たち

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    気候変動に伴う様々なビジネスを狙う人たちを取材した本。元の文章も長いんだろうけど、人の名前が多かったり、翻訳が直訳だったりと読みにくかった。

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    2017年05月24日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    GNUがある程度成功しているのは、それなりに収入が保証されている研究者が仕事の片手間にやっているからで、利益を求めない世の中への貢献がトレンドになりつつある例として挙げられるのはどうかとも思う。

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    2017年05月06日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    技術の進展が限界費用をほぼゼロにすることにより起こる、変化の経済・社会的側面に迫るもの。
    歴史的な流れの中での考察。
    潤沢、幸福とは何か。

    日本の現状に対する認識興味深い。ザ・ヨーロッパ的思考。

    ・人間の思考、提案もフリーで集約できることによる新たな開発の方向性
    ・シェアリングの先の所有権の放棄と物質管理の容易化があるのか
    ・資金もフリーで集約できることによる社会の多様化があるのか

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    2017年04月23日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    資本主義は素晴らしく世界を進歩発展させたのだが、このままでいいの?という疑問も膨らませている。協働型コモンズが来るのかどうかの予測は別として、そんな未来の方が幸せかもしれない。

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    2017年04月11日
  • マシュマロ・テスト 成功する子、しない子

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    再読したい。
    自己調整におけるhot/coolの両システムをいかに機能させるか。システムのバックグラウンドとしてagentの信念体系や価値観が大きく影響しそう。

    心の病にも鎮痛剤が効くという研究が面白かった。

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    2017年01月04日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    ネタバレ

    シェアリングエコノミーの話をこえた未来予測に非常に感銘を受けた。
    これまでの第1次、2次産業革命の社会の変容と合わせての現在起こりつつある第3次産業(社会)革命ととらえるアプローチが斬新かつ面白かった。
    これらの革命は決して、産業にとどらず社会自体をかえていく、第3次革命がたどり着くところが、1次革命以前のコモンズ(共有地)と言う。ただし、規模はインターネットを基盤とする世界規模の。
    そこには、資本主義の次に来る、協働社会。語られている事象をとらえれば、確かにこのまま資本主義が続くというより協働社会の実現を感じずにはいられない。
    その原動力は、物欲より共感を重視するミレニアル世代。
    ミレニアル

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    2016年12月31日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    ★資本主義を突き詰めるとシェアリングエコノミーになる。稀少な資源を奪い合う時代から、潤沢な資源を分け合う時代へ。そのための障害は、地球温暖化問題、食糧問題、テロの問題。3つをいっぺんに解決できないだろうか。例えば人工光合成みたいな技術で。ミドリムシもいいかも。

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    2016年12月16日
  • マシュマロ・テスト 成功する子、しない子

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    【子供の為にできる事5つ】
    *どう育って欲しいか手本を子供の人生で重要な人物が手本を自ら示す事。大きな影響を与える。
    →ストレス、欲求不満、情動への対処法。自分が成し遂げた事を評価するときの基準。他人の気持ちに対する共感、感受性。態度、目標、価値観。躾の戦略、規律の欠如など全て

    *子供との約束を守る事
    →欲求充足の先延ばしを厭わないようにする為

    *幼いうちから「自分には選択肢があってそれぞれの選択肢には結果が伴うのだ」と学ぶ手助けをする事が大事。
    ご褒美を上手く利用すれば適切な選択肢を促せる。

    *「良い選択→良い結果、悪い選択→悪い結果」を幼いうちに認識するのを手伝う事。

    *楽しいけれ

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    2016年11月05日
  • 繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史

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     技術革新は終わらず、すすめば進むほど世の中は良くなる、との主張。過去よりもすべて良くなっているという。大気、温暖化等の環境問題も、技術開発効果により、発覚時のころからは大幅な改善がみられる(悪化の状況が緩和されているので良い)。楽観的に考えてよい。
     確かに一理ある。すぐあおり文句に影響されてしまうが・・・

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    2016年09月19日
  • 繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史

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    分業は、交換という性向のおかげで達成された。
    交換→分業→専門化→革新→時間の節約→生活の多様化→豊かになる。

    資産市場は、投機、群集心理、不合理な楽観主義、独占や超過利潤、などで相場が上下する。

    合理的な楽観主義。危機を脱却できる。

    国内で格差が拡大しても、世界で見れば格差は縮小している。統計のパラドックス。
    健康面、教育面では確実である。

    ソローの自給自足は、現代では成り立たない。
    労働の分割ではなく労働の掛け合わせ

    物々交換の開始
    交換は発明された=犬は交換しない。
    男女による分業。

    捕食者が獲物を獲り尽す前に、捕食者が激減する。
    人類は、他の代替のお捕食物を開拓することで、

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    2016年05月27日
  • 経済は「競争」では繁栄しない

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    サブタイトルにある「愛と共感の神経経済学」に惹かれ購入。社会や個人が幸福で繁栄の道をたどるのか、広い意味で貧しいままなのかを決めるのは、資源の有無や技術力、軍事力ではなく、互恵関係や信頼性だという。個人的経験に照らして考えても、不幸や出来事に見舞われている状況を見ると、それが映画であっても涙するし、一緒に成功を祝える仲間たちとは一生付き合いたいと思える。昨今求められるリーダー像もこう言った考え方に立脚しているものが多いのは、みな、薄々感じていたり求めていたりするからなのだろう。信頼性を構築するのに手っ取り早く実践できるのは、嬉しい時も悲しい時もハグ。フリーハグってなんじゃと思っていたけど、こう

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    2016年04月15日
  • マシュマロ・テスト 成功する子、しない子

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     自分をいかにコントロールできるか。「ありのままで」自分の本能に身をゆだねてしまうとどうなるか。今回の本は、マシュマロを使って「自制心」とその後の人生」について書かれた本だ。

     その場で自分のほしいものを手に入れてその場の快楽(この実験では1個のマシュマロ)を手にするか、それとも先延ばしして後に得られるもっといい快楽(ここでは2倍のマシュマロ)を手に入れるか。我慢できた園児たちの人生を追ってみると、「肥満指数が低く、自尊心が強く、目標を効果的に追及し、欲求不満やストレスにうまく対処できた」というように、いい方向の人生を歩んでいる。

     意志の力に関して、生まれ持ったものなので、どうにもならな

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    2016年04月03日