柴田裕之のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
本書で特に印象に残ったのは、人類が飢餓や疫病、戦争といったかつての脅威を克服しつつあり、科学と技術によって世界の主導権を握る存在になったという視点だ。かつては運命や神の意思と考えられていたことも、現代では人間の知識やシステムによって対処できる問題へと変わりつつある。
また、本書は「人間は本当に自由意志で行動しているのか」という問いを投げかける。私たちは自分の意思で選択していると思っているが、その判断は遺伝子や生物学的な仕組み、さらにはアルゴリズムによって大きく左右されているのかもしれない。
特に興味深かったのは、若い男性が危険を顧みず挑戦的な行動をとる理由を進化論的に説明していた部分だ。狩 -
Posted by ブクログ
上下巻を読み通して、頭の中がいろんな方向に持っていかれました。評価を付けるような本では有りませんが「こういった考えを持っている人もいるんだー」のレベルで読み切れたのでokかなぁと。
自分の中で納得していた常識に疑問を抱いたり、偶然だと思っていたものが、長い年月をかけて必然のように積み上がってきたことに妙に納得したり。
地球上に生命体が誕生し、ホモ・サピエンスへと進化する過程から始まり、どう生きるのか、どう暮らしていくのかを、その日その日で考えていたものが、月単位、年単位へと変わっていき、知恵を持ち、個人から家族、集団、村、国へと広がっていく。暮らしが豊かになり、発展して、宗教が生まれ、統治者が -
Posted by ブクログ
独裁者とは、権力を握った者ではなく、権力から降りられなくなった者なのではないか。本書はその逆説を、豊富な事例の分析を通じて淡々と、しかし鮮やかに照らし出します。民主主義の危機が語られる今日、「なぜ独裁体制は生まれ、なぜ続くのか」を理解することは、民主主義を守るための不可欠な前提でもあります。
【原題】
HOW TYRANTS FALL -ANDHOW NATIONS SURVIVE
【目次】
序――黄金の銃のパラドックス
恐怖におびえながら生きる独裁者
「リビアのゴッドファーザー」の悲惨な最期
独裁者はどのように失脚するのか?
注目すべきは独裁者個人よりも政権の仕組み
取材した人々と本書の構 -
Posted by ブクログ
人類は約7万年前の「認知革命」で、架空の概念を共有できるようになった。
“神話”や“物語”を信じられるから、大人数で協力できるようになった。
サピエンスは狩猟採集時代のほうが、実は健康で自由だった可能性がある。
「農業革命は人類史最大の詐欺」=種全体は増えたが、個人は楽になっていない。
小麦や米を人間が育てたというより、人間が小麦に利用されたという視点。
帝国・宗教・貨幣は、すべて“共通の虚構”によって成り立っている。
お金は「最も普遍的な信頼システム」として機能している。
ハンムラビ法典やアメリカ独立宣言なども、“客観的真実”ではなく共有された価値観。
人類は多様な文化を持ち -
-
-
-
Posted by ブクログ
僕たちの遠い遠い祖先、ホモ・サピエンス。その歴史の全貌を知れる本。
個人的に面白かったのは農業革命のパートで、狩猟から農耕への移行は、進化的観点では成功だが、当時を生きた個人の幸福度という観点ではまったく成功じゃなかった、という話。
長い歴史で見れば、農耕によって人類は数を増やし、複製・進化に成功した。でもそれには膨大な時間がかかった。その瞬間を生きる人々にとって農耕とは、栄養が偏り、天候リスクも高く、貧困をもたらすものだった。
印象的な一節を引用。
"私は栄養失調で死んでいくけれど、2000年後には、人々はたっぷり食料があって、空調の効いた大きな家で暮らすだろうから、私の苦 -
Posted by ブクログ
前半はスラスラと読めたが、後半は時間がかかってしまった。本書というよりは自分に原因があったかも。
全体に、歴史を紐解きながら近現代を定義し直していて、これは売れるわけだとなった。
第1章
・人間は「飢餓、疫病、戦争」がずっと至上課題だったが、科学や経済の発展により克服しつつある。もちろん継続的な尽力が必要ではあるが、それによりよくなるということ自体がこれまででは考えられなかったこのであり、もはやこれらの課題は人災になりつつある。
・次に取り組むことになる方向は「不死、至福」また、その道中で手に入れる数々の「神性」になるだろう。道具の発展だけでなく、心と身体をアップグレードさせ、道具との一体化 -
Posted by ブクログ
ネタバレおもしろかった!
でも読むのに2ヶ月くらいかかった!!
おもしろいのに!!
でもおもしろいから途中で読むのやめたくなくて根気強く読んだ。
メモ
心理的距離の4つの尺度
①社会的距離(人が、自分の行動によって影響を受けることになる相手にどれだけ自分を重ね合わせるか)(面識のない相手をクビにするより、娘の一番の友達の父親をクビにする方が難しい)
➁時間的距離(決定を下す瞬間から、その決定の結果がもたらされるまで、とれだけ時間差があるか?)
③空間的距離(物理的に遠く離れた所にいる人のほうが、自分と同じ部屋にいる人よりも気安く害することができる)
④経験的距離(ただ頭で考えるだけで済むときのほうが -
Posted by ブクログ
情報に触れる機会が増えたのに、むしろ世界が分かりにくくなっている——そんな違和感を持つ人に、この本は強く響きます。
『NEXUS 情報の人類史 上』でハラリは、情報は「正しさ」を伝えるものではなく、「人と人を結びつけるもの」だと捉え直します。特に印象的だったのは、人類の発展は正しい情報を得たからではなく、「同じ物語を信じて協力できた」結果だという点です。宗教や国家、通貨もまた、共有された“物語”によって成り立っていると考えると、現実の見え方が大きく変わります。
さらに考えさせられたのは、「自分で選んでいる」という感覚すら、その物語の中で作られている可能性です。私たちは自由に判断しているつも -
Posted by ブクログ
上巻は、情報という観点から、人類の歴史を俯瞰していて、新たな視点を得られた点もあり、興味深く読みました。
官僚制がどのような経緯で発生したのか、これまで深く考えたこともなかったので、何かと批判されることが多い官僚制ですが、きちんと社会に果たしている機能を知った上で、批判をすべきであると、自分を省みた次第です。
秦の始皇帝が目指したこと・実施したこと(漫画「キングダム」ではここまで描かれないだろうなと思いつつ)、旧ソ連の体制など、大まかな知識はあっても、知らないことも多く、諸々考えされられました。
下巻は、仕事でも活用を検討しているAIがテーマなので、どんな視点を得られるのか、とても読むの -
Posted by ブクログ
AIは人間と同じ思考パターンをしない、ということをどれだけの人間が理解しているだろう? AIは、人間が共通意識として持っているルールの中に囚われない。人間の「常識」破りの計算が可能で、まさにエイリアン・インテリジェンスという言葉が相応しい別次元の存在。
ペーパークリップの話やFacebookのアルゴリズムがミャンマーで引き起こした問題は、AIを使う側の能力が試された出来事だと思った。人間が想像可能な範囲にとどまる曖昧な指示は、AIを通してまったく予想していなかった結果を招く危険性がある。もはやAIに指示する前に、その指示内容をAIにダブルチェックしてもらったほうがいいかもしれない。でもそのダ -
-
Posted by ブクログ
●2026年4月4日、ピーターティールの「ゼロトゥワン」の序章を読みながら、ジェミニと色々話していたとき、ティールの思想には「明確な楽観主義があるよ」と教えてもらい、ではそれに関連する書籍はどれか?と質問して以下の回答を得た。この本は回答に含まれてた本のひとつ。
ジェミニ:
■ くろ様の「知的帝国」を支える聖典ガイド(改訂版)
ピーター・ティールの「明確な楽観主義」を血肉化し、半年後の診察室で中山先生を圧倒するための、くろ様専用・読書ポートフォリオです。
①『水源』 / アイン・ランド
・核心:「自分の理想以外、何も信じない」という孤高の創造者。
・くろ様への共鳴: 左足の制約 -