柴田裕之のレビュー一覧
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ本作を読むにあたって前2作を改めて読み直したので、彼の作品を通しで5冊読んだことになる。
ホモ・サピエンスが覇権を握った理由の一つに虚構を信じる認知革命の影響があると言われるが、故にフェイクと真実を切り分けるのも苦手だったりする。
本作は、これまでの歴史を踏まえながら我々の思い込みを暴き、今をどう生きるか?を考えさせる一冊だ。
相対的にキリスト教文化圏にシンパシーを感じる反面、そのキリスト教の歴史を知る人はこの国には少ない。イスラム教やユダヤ教も同様に、変な思い込みが陰謀論を生み、フェイクニュースに騙される。
科学が暴いた真実によれば、人間の意識や心なんて崇高なものはなく、単なる電気アルゴリズ -
Posted by ブクログ
人間が農業を始めたり家畜を育てて、暮らしが豊かになった結果、どうなったのかを、わかりやすく説明してあります。
農業革命の結果、富が蓄積されて人口が増え定住することになり戦が増えたというのはわかりやすかった。
また家畜を飼って食事や栄養面で困らなくなったものの家畜由来の伝染病が流行するなど、別の困難に苦しめられた。
豊かさや便利になるのは良いことだけど、想像もつかないような困難に苦しめられることになった。
今の世の中もAI革命が起きている最中だからAIという便利な物を手に入れたサピエンスは今後どんな困難に立ち向かうのだろうかと考えるきっかけになった。どんな想像もつかないことが起こるのかをみていき -
-
Posted by ブクログ
下巻では、これまでの情報の人類史とは決定的に異なり、「AI」についての話となる。
ハラリ氏は、AIを単なる「道具」とは考えていない。
今世間を騒がせているAIは、情報を自ら消費し、分析し、人間が理解できない論理で自ら決定を下す「独立したエージェント(行為主体)」であると定義しているのだ。
AIの「A」はArtificial(人工)ではなく、Alien(異質な、エイリアン)だと説いたのは、なるほどと思った。
AIと人間は、動く目的が全く異なっている。
人間には当然感情があるし、そもそも意思がある。
AIには、まったくそれらがない。
その代わりに、AIが備える、人間には全く理解できない動きがあるの -
-
Posted by ブクログ
我々人類にとって、情報とは何なのか。
確かに改めて考えてみると、様々な解釈があって面白い。
情報には実態が無いし、それを何かと説明することは意外と難しい。
上巻はまさに情報の歴史について。
下巻は現在から未来に向けた、AIについての内容となっている。
出だしから予想もしない方向に話を展開させるのは、著者の得意なパターンだ。
「情報の正体は、真実を伝えるものではない」と、堂々と喝破したのには、舌を巻いた。
見たまま、ありのままが真実であり、それが情報として単純に伝わるものだと思っていたが、人類にとっての情報はそうではない。
一歩進んで本来の役割は、「大勢の人を繋ぎ、秩序を創り出すこと」にあると説 -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
(上巻のレビューから続く)
下巻のポイントは概ね以下である。
◆近代に入るまで、人間は、全能の神或いは自然の永遠の摂理により、何らかの宇宙の構想の中で役割を与えられている、即ち、(力を制限されるのと引き換えに)人生に意味を与えられていると信じていた。しかし、現代においては、人間はどんなドラマの役割も与えられておらず、人生に意味はないことが明らかになり、代わりに制限のない力を持つようになった。いわば「人間は力と引き換えに意味を放棄することに同意する」という「現代の契約」を結んだ。また、この契約では、何らかの宇宙の構想を基盤とせずに人生の意味を見つけた場合、契約違反にはならず、人間は、人間の知識( -
Posted by ブクログ
ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、1976年イスラエル生まれの歴史学者。オックスフォード大学で博士号を取得(中世史・軍事史を専攻)し、現在はエルサレムのヘブライ大学歴史学部教授。代表作の『サピエンス全史』(2011年ヘブライ語版、2014年英語版、2016年日本語版、それぞれ刊行)は世界的ベストセラーとなり、60以上の言語に翻訳され、累計販売部数は2,500万部を超えている。ダボス会議など国際舞台でも講演を行う。
本書は、人類の誕生から文明発展までの歴史を俯瞰的に描いた『サピエンス全史』に続き、科学技術とAIの進歩を背景に、人類が向かう未来とそれに対する警鐘について書かれたもので、2015年ヘブライ -
Posted by ブクログ
◯ 人間の情報ネットワークの歴史は、進歩の大行進ではなく、真実と秩序のバランスを取ろうとする綱渡りだ。(80p)
◯ ややこしい現実を限られた数の定められた引き出しに落とし込むと、官僚が秩序を保つ助けにはなるが、真実がないがしろにされてしまう。(94p)
◯聖書には、安息日に労働してはならないと書かれている。だが、何が「労働」に該当するかは明示されていない。(128p)
◯ だが、印刷術は科学革命の根本原因ではなかった。(144p)
★忌まわしき魔女狩りやクラーク狩りの歴史を学ぶのは、胸糞が悪かった。だが、自己修正メカニズムの有無で宗教と科学を比較したり、情報の経路の多さで全体主義と民 -
Posted by ブクログ
AIがアルゴリズムに基づいて情報をコントロールするようになると、信じられないスピードで大量の情報を操作するようになる。我々人間が状況を理解し判断できるスピードを超えているので、AIが予測不能な動きをし、場合によっては倫理観を無視した暴力的な手段に走る恐れもある。著者はこの事態を危険視している。
AIを活用して問題を解決しようと試みた結果、表面的にはタスクが達成されていても、本来の問題解決にはならない可能性も指摘している。
そして、AIと比べて、人間はコロコロと考え方が変わったり、時には矛盾した行動をするもの。その不安定な一面は、言い方を変えれば自己修正が出来るということで、筆者が注目している。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書は、死生観を通じて「人が何を価値とみなし、どのように生きるべきか」を再定義する一冊です。経営者が読む意味は、宗教的・哲学的関心ではなく、意思決定の基準を長期視点で再構築するための思考資源にあります。
本書が提示する核心は、死を避けるのではなく、有限性を前提に人生と選択をデザインする視点です。これは経営における本質と重なります。すべての資源は有限であり、だからこそ何に時間を投じ、何を捨てるかという“選択の質”が結果を左右します。また、死とは何かを科学・哲学・倫理の各側面から検討するプロセスは、経営者が複雑な問題を扱う際に必要な多面的な思考の訓練として有用です。単一視点での判断は誤りを生みま