柴田裕之のレビュー一覧
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時流を捉えた書籍で面白かったですね。独裁者から見る国家観というのはこういうものかと非常に納得感がありましたし、なぜ習近平が側近を粛清し軍を弱体化させるのか、なぜプーチンが国内の情報工作に躍起になるのか、本書籍を読むと独裁者の行動様式の背景がとても理解できます。
タイトルの通り、独裁者をいかに倒すかという章もありますが、特効薬もなく時間がかかる大変難しい問題だと認識しました。
直近ハメネイ師の殺害が報じられてますが、残念ながら外国勢力による政権交代はことごとく失敗してきた歴史があります。トップが変われどシステム自体が変わらなければ、新たな独裁者が空白を埋めるだけですし、内戦リスクもあり、民主化に -
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ネタバレ科学書……というより思想書かな。
最近読んだ「数理モデルはなぜ現実世界を語れないのか」あたりでも似たような内容が書かれており、最近の社会思想に対するカウンターなのかな、と。
究極的に言ってしまうと、ベルクソンが語るように必然と偶然は神の視点でしか分からなくなってしまう。この二つは「同じ条件、同じ時間で私たちは違う選択が出来る」か否かで別れてしまうからだ。(そしてそれは検証できることではない)
ただ、何かボタンを掛け違えることで、人の生死は変わってしまうことは十分ありうるし、それは(カオス的なため)私たちがコントロールできることではない。
出来ることがあるとすれば、この世界は不確実であり複雑で -
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なかなか難しい内容。上巻は高尚過ぎてお手上げだったが、下巻は自分の専門分野のコンピュータ関連の具体例多く、面白い内容が多かった。
AIをアーティフィシャルインテリジェンス(人工知能)ではなく、エイリアンインテリジェンス(人間のものとは異質の知能)と考えた方が良いほど、AIの判断による人類の破壊の危険性に言及されており、恐ろしかった。
特に具体的にコンピュータコミュニケーションがどの様な流れで人間の想定とは全く異なる事が起こるのか説明されており、可能性として普通にあり得る世界と分かったのが、とても恐ろしかった。
自分や子供が生きている間にどれだけ世界が変わるか、恐れても仕方が無いが、この本の想 -
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濃厚な内容。途中でメモしてないと全てを要約することは極めて困難。個人的な学びとしては、①「虚構」(架空の事物について語る能力を身につけたこと)により、人間は大規模な協力体制を築き、急速に変化する環境に対応できるようになり、これが「認知革命」であること、②「農業革命」は人類にとって肯定的なものとして捉えられてきたが、一般的な農耕民はむしろ狩猟採集民よりも苦労することとなった。だがこれによって爆発的な人口増加がもたらされたのも事実であること、③人類の文化はたえず変化しているが、人類にとって普遍的な秩序となりうるのが、「貨幣」「帝国」「宗教」の3つであることだった。
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アルゴリズムによって決断される物事は決して偏見や感情を含まない公平性が極めて高いものであると思う。ただ正しさは暴力にもなりうる。一個人の幸せという観点から考えると文句の言う余地がないということは私達自身を守る言い訳を失うことを意味する。例えば過去の階級制社会を見てみる。農民などの人々は今の時代よりも幸福度が高かったと言われている。階級制社会によって理不尽にもどれだけの努力を重ねたとしても自分たちは貴族になれないというのに。
そこで人々を守ったのは言い訳であると思う。「しょうがない」と思わせられること、そしていまいる自分を否定しないですむこと、それが彼らから焦燥感や不足感を取り除くことにつながっ -
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◯ コンピューターはもし力を委ねられたら、現に惨事を招くだろう。なぜなら、コンピューターは可謬だからだ。(147p)
◯ 民主主義の存続にとって、ある程度の非効率性は利点であってバグではない。(161p)
◯ 私たちは話し合いができるかぎり、共有できる物語を見つけて互いに近しくなることができるだろう。(251p)
★上巻で魔女狩りやクラーク狩りの歴史を学んだのは、AIがそれを引き起こす可能性を理解するためだった。
★AIは偏見を持つし、間違う。目標達成のために有機体では考えられない手段を持ち得る。AIに権限を与えてはいけない。人類はグローバルに協力し、AIを規制する機関を設立しなくては -
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独裁者の権力構造に関して分析された本
タイトルは「独裁者の倒し方」だけれども、この件に関しては最終章のみ
大部分は、独裁者の権力構造や独裁体制の維持に必要な条件などについて語られている
まぁ、それらの前提条件があってこその最終章なので、間違いではないけれども、タイトルを狙いすぎな印象はある
独裁者がその地位に居続けるにはどうやればいいかという視点で語られるため
ある意味で、一時期流行った完全マニュアル本のように「独裁者完全マニュアル」のようである
ただ、独裁者の成り方は一部で、なってしまった後の方が多い
独裁者が失脚するとどうなるのか?
2790人の国家支配者のその後を追った調査では、 -
Posted by ブクログ
上巻では、大規模な人間社会をまとめ、管理するテクノロジーとして、神話と官僚制のことが取り上げられた。
下巻は、AIの登場によりそれがどのように変容するかが論じられる。
歴史上の強力な独裁者も、その管理には抜け穴はできた。
管理するコスト、技術にも限界があったからだ。
ところが、コンピュータは24時間365日稼働することができ、こうした限界を突破できる。
また、AI間で人間には理解できない形の新たな「神話」を形成してしまう可能性もある。
そういえば、先週AIだけがメンバーになれるSNS「Moltbook」が話題になった。
そこには独自言語や独自宗教を作ろうとする動きがあるという。
もはやこの本 -
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Posted by ブクログ
読み応え抜群。普段はほとんどノンフィクションは読まないが、フィクションのようなノンフィクションだった。統合失調症と家族を題材にしながら、家族の中のトラウマがかなりあって、追体験をしているかのようで読んでて少し辛かった。12人の子ども全員に強烈なトラウマがあって、12人の子どもの母親にもトラウマがあって、時代背景もあるのだと思うが、全てが良くない方向に向かっていき、完全に機能不全の家族だった。12番目の末娘が成長して、みんなを助けるに至った心境が計り知れない。家族の問題について、ここまで詳しく語り出版したことは、とても勇気のいることだったと思う。
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Posted by ブクログ
「情報の人類史」。
「情報技術の人類史」ではない。
本書での「情報」とは何か。
人々が「真実」を表していると思うそれを共有することで、人々を結び付けるもの、とまとめらるだろうか。
この結びつきが、タイトルでもある「ネクサス」。
この意味での「情報」を扱うテクノロジーの一つが「物語」。
これは何となくイメージしやすい。
神話がある社会を結束させることを思えば。
負の事例も含め、大小規模のいろんな例が思い浮かぶ。
面白いのは、この技術の中に、真実の探求という方向性と、社会秩序の維持(のために真実追究に制限をかける)のせめぎあいが生まれてくるということ。
しかし、共同体を維持するには、現実的な -
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