柴田裕之のレビュー一覧
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帯にあるように「私たちは何もコントロールしていないが、あらゆることに影響を与えている」ということを、カオス理論をベースに、進化生物学や歴史から様々なエピソードを挙げて論じている。脳科学、行動科学の知見から、因果関係や物語を作り上げてしまう脳の仕組みを解説し、最終的には自由意志はないと結論している。記述は論理的で科学的な成果に基づいており、わかりやすく整理されている。それを踏まえて最終章では、偶発性や不確実性にゆだねて現在を享受することに重きを置くことを提案している。
最新の科学の知見が、仏教の縁起や「今を生きる」ということにつながるものと感じた。
また、著者の引用する書籍に、ニコラス・タレブ、 -
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認知・農業・科学の3大革命により人類は進化した?していない?色々と考えさせられる事の多い本でした。
歴史の一連の流れに沿って書いてあり、読みやすいと思いました。
認知革命のあたりはあまりに古く分かっていない事の方が多いようですが、その頃の人類が何を美しいと感じ何を考えていたのかを想像するのも楽しいなと思いました。
しかしそれこそがまさに目の前にない事を想像する人類が認知革命により手に入れた能力と思えばなかなか興味深いです。
帝国と言う概念の部分では、グローバル化とそれに伴う境界の曖昧化とありますが、本書が書かれたのがまさに2013年の二期目のオバマ大統領の頃と考えると納得です。
それから1 -
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・ほとんど誰もが時間とお金のトレードオフに直面している。しかし、それはいつでも意思決定を改善できる。
・ほとんどの人が時間をお金ほど大切にはしていない。お金にばかり目を向けると不安と孤独感が蔓延し、金銭的にもそれ以外の形でも高くつく。それが「タイム・プア」。
・テクノロジー(スマートフォン、SNSなど)はストレスとタイム・プアを招く。むしろ手持ち無沙汰は価値があるがある余暇携帯で、さらにタイム・リッチになるのを助ける。
・私たちはタイムトラップを克服する力を持っている。毎日、小さな計画的ステップを踏む必要がある。最初は楽ではない。体を鍛えるのと同じ。
・タイムリッチになる方法は、 -
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上巻は、主に歴史をたどる。ホモデウスとはまた違う切り口で、料理しなおしてまたこんなにも語れるのかと、著者の雄弁さには舌を巻く。第3章にある、著者の父親の体験が心に残る。
下巻は、21-22年に主に執筆したらしいが、未来予測がすごすぎて25年の今読んでもまだまだフレッシュ。民主社会最大の成功の鍵であった、自己修正メカニズムをAI規制にも組み込めるのか?アルゴリズムによる人間の傀儡、シリコンカーテンによる陣営間の対立で、AIが真に活用されるべき環境保全やグローバル課題にはまったく活用されないコクーン状態、大国が無料でデータを吸い上げ利益は還元されないデータ植民地化での格差拡大、などなどディストピ -
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ずっと感想を書いたと思っていたぐらい、自分のものになった、自分の一部であり続けてほしい
一冊だった。
昔から、言葉にできない不安から逃れるために予定を埋め、目標を立て達成に向けて突き進む、という癖があったが、
その生き方をいつまで続けるんだろうと思っていた矢先に出会った本だった。
もともとは職場の騒音に悩まされて手に取ったが、生き方を見直すチャンスをもらえるとは思わなかった。
この社会が忙しすぎると感じる人にぜひ読んでほしい。
私は読み終えた側から、気づいたらまた細々としたことで脳を埋めようとしてしまっているが、その弊害を頭ではわかっているつもりなので、少しずつ余白を楽しめるようになれそうな気 -
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Posted by ブクログ
読んでいてずぅ〜っと面白い。
知的好奇心が刺激され続けてページをめくる手が止まらない。
一方で内容は一読して簡単に理解できるものではないので、何度も読み返して時間がかかる。
自分の人生の中でも「最高」に近い読書体験であったことは間違いない。
内容としては、人類の歴史について、鳥の視点よりも広い、宇宙を飛ぶスパイ衛星の視点で論じたもの。(本人のたとえから引用)
歴史の中で各種の「革命」が起こったが、自分が注目したいのは二つ。
認知革命と農業革命。
認知革命は言わずと知れたもの。簡単に言えば言葉によって人がコミュニケーションを取れるようになったということ。
ただ、ここで面白いのが認知革命の -
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人は、その感情さえも所詮は脳内化学物質のやり取りでしかないのだから、つまるところアルゴリズムなのだ…テクノロジーの進歩とともに人もアルゴリズムの1つになってきている…という主張をどこかで見て引っ掛かりを覚えていたが、本書はこのモヤモヤをキレイに晴らしてくれた。全くもってアルゴリズムそのものだが、私たちの感情や行動は他人や周りの環境に何らか影響を与え、それがまた自分にも影響を与えるすごい複雑系なのだと。
だから、この世の全てはXだからYになるという単純な話ではなく、どこかに予測不可能な偶然性が常にひそんでいる。自己啓発のような人間の努力はもちろん大切だが、偶然性や複雑系によりアウトプットが変わっ -
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