柴田裕之のレビュー一覧
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序盤の第0章がとてつもなく長く、面白かった。
暴力や飢餓などよりも、現代では砂糖(糖尿病)で亡くなる人の数の方が多いのだそう。
そして、自殺者の数が戦争などの暴力で亡くなる人の数を上回ったということにも納得してしまった。
人類を苦しめていた飢餓の時代は終わった。
戦争も争いもない時代に人間はどこを目指すのか。
人間は科学の発展によって長生きが出来るようになるのだが、そのためには健康な身体が必要なので、アップグレードしなければならない。神に近づかなくてはならない。ホモ・サピエンスではなく、ホモ・デウスになるのだと。
大まかにいうとこのような内容。
序盤でお腹いっぱいで読み終えるまで苦痛だった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ・人間至上主義革命
価値判断の基準が人間の感情になった
浮気
中世:相談:教会 神の教えに背くものとして、すぐに断罪された
現在:セラピストや友人 自分自身の感情と向き合うようにアドバイスされる
「で、あなたはどう感じるの?」
政治:有権者が一番よく知っている
芸術:観る人の目が決める⇒マルセルデュシャンの便器が芸術になる
音楽:かつては、作曲家の才能ではなく神の手によるものだと考えられていた
・ヒューマニズムの経済への影響
顧客が常に正しい
←ギルドや君主がパンなどの商品の「正しい」基準や生産量、価格を決めていた
⇒消費者が価格を決める=正しい価格
それに合わせて商品を作る⇒乳房が重くて歩けない乳牛や肥大化しすぎて歩けない鶏(スーパーサイズミー2にあった)といった商品が生まれる
開発者、生産者は損益を見て「正しいことをしている」と判断する
・教育への影響
外部が意味と権威を与えていた⇒自分でどう考えるかを教える
・神々、妖精、悪霊がいた空間⇒何もなくなり、
代わりに内側が充実し、内なる力を得る
天国や地獄も内側にある
人に施しをする⇒内に天国を味わう
=ニーチェ「神は死んだ」
神(かつての判断基準)は抽象概念になった
神を信じなくても代償がない 個人の選択、感情で決めること
・ヒューマニズム
全ての個人が単一の内なる自己を持っている
・聖書×論理:×が重要 どちらが欠けても無になる 聖書は必須
⇒科学革命:知識=観察に基づくデータ×数学
・科学:価値、意味には対処できない
科学者は倫理的判断はできない
⇒中世との併用
・倫理的判断はヒューマニズムが回答
知識=経験×感情
経験:感覚×情動×思考
感性:①自分の感覚と情動と思考に注意を払うこと
②それらの3つが自分に影響を与えるのを許すこと
・物語:行為主体(騎士物語、英雄譚など既に完成された自分物が主人公)⇒感情や経験が主体となる
・戦争:王や英雄にのみ焦点 その他は群衆で個性はない 一兵卒には注目しない
戦争の意味は宗教が与える「神がそうお望みになった」
戦争は地獄、でも天国の入り口でもある(ジハード)
例)一兵卒の死や苦しみは例えばカトリックかプロテスタントで異なる
⇒個人の苦しみに焦点 プラトーンや西部戦線異状なし
どの戦争かは意味がない その人が苦しんでいる⇒これは悪いこと⇒戦争全体が悪い⇒皇帝や聖職者が支持しているのなら、彼らが間違っている
個人の経験=あらゆる意味の源泉
・ヒューマニズムの分裂
宗派と同じで分裂した
経験の解釈が異なる
①自由主義:一人ひとりが等しく、政治などより何より重い
@米国では保守主義
②社会主義的:個々の自由が対立する 例)難民とメルケル首相
他者の欲求と経験にも目を向ける
党と職種別組合が一番よく知っている
③進化論的:争い=自然選択 人がランク付けされる
争い=有益
・戦後~70年代:民主主義より共産主義の方が強かった
民主的選挙の結果を受け入れられるのは、共通の価値観や歴史などがあるから
・自分で決めること=自由意志、内なる自己、魂 これらはない
例)ロボラットの実験
単一の自己はない⇒自由主義が揺らぐ
・経験する自己:その時々の意識 記憶がない
物語る自己:記憶と決定 ピーク&エンドのみ⇒苦しみを総計せず平均する、時間の長さは関係ない
⇒出産の苦しみを喜びに⇒また妊娠出産できる
・物語る自己:
暴走した物語を整合性が取れるように別な物語を作る
「我が国の若者たちは全て犬死しなかった」症候群
犠牲が大きいほど期待が大きくなる=苦しみに意味を見出そうとする
⇒戒律・儀式
企業や政府だけでなく、個人も同じ 破綻した結婚を続ける、将来性のない仕事を続ける(サンクコスト)
過去の苦しみが全く意味がなかったことを認める<苦しむことを続ける
お金がなくて空腹、ダイエットによる空腹、ラマダンの空腹
同じ空腹でもそれぞれ意味が異なる
二つの自己は分裂しているが、絡み合っている
・自由主義者:自由経済と民主的選挙を支持
←一人ひとりが比類なき重要な存在、その一人が選んでいる⇒権威の源泉
・21世紀はこの自由主義が壊れつつある
①人は経済的有用性と軍事的有用性を失う⇒経済と政治制度が人に利さなくなる
②経済、政治制度が集合的人間には価値を認めても、無類の個人には価値を認めない
③経済、政治制度は一部のアップグレードした超人のみのためのものになる 新たなエリート層
・自由主義が支配的イデオロギーだったのは、妥当性があるからではなく、経済、政治、軍事的に理にかなっていたから
例)フランス革命は、女性や老人まで動員した
独裁より民主政治の方が兵士が良く戦うから
女性参政権は、一次大戦で女性の役割が大きかったから
・21世紀は、軍事は人員よりテクノロジーが重要 ドローンやサイバーワーム
・専制君主やクーデター後の革命政府が民主主義を選ぶのは、経済的理由
・メリットがなくなったとき、自由と人権は守られるのか?人間にしかできないことが少なくなっている
・意識と知能は分離しつつある
同居しているのが人
スーパーインテリジェンス:意識を持たない知能が人を超える能力を持つ
・知能と意識、どちらが優れているのか?
政治、軍事、企業としては、意識はオプションで主観的経験は不要
・人は産業革命の馬になりつつある
AIに仕事を奪われる⇒再学習(この再学習の過程で学習者をモニターすることでAIはより賢くなる)
AIの方が賢いのに、再学習する意味はあるのか?
医師や弁護士もデータの積み重ねだからAIの方が優れていることになる
しかも、情動に動かされることも、疲れることもない
一人の医師を育てても一人の医師しかできないが、AIなら無限なので、資金時間を投資する価値がある
・情動の無いアルゴリズムに診断されたいかという疑問⇒人間もアルゴリズム
AIの方が感情を読めるので、その人に合わせて対応可能
さらに、相手の情動によって影響を受けない
・機械が人の仕事を奪うという恐れは常にある
⇒人の方が上手にできる仕事があった←これは自然の摂理ではない=このことが続くとは限らない
・人:身体的能力+認知能力
産業革命時:身体的機能を機械に取って代わられても認知機能を必要とする仕事なら機械より上手にできた
・AIがアルゴリズムで人を超えたら?
①生物=有機的なアルゴリズム
②有機的・非有機的ということはアルゴリズムには関係ない 例)そろばんは木でもプラスチックでも同じ効用
③有機的アルゴリズムができて非有機的アルゴリズムができないということはない
今は有機的アルゴリズムの方が有利だが、AIに取って代わられるという予想がどんどん早くなっている←AIの進化+人間の専門化
・富と影響力がAIを使えるごく一部の大富豪か法「人」かAIに集中してしまう AIも法人と同じように人格をもつかもしれない
アルゴリズムが人を支配した例)5000年前のシュメールは神々に所有されていた
・芸術もAIが人を超えつつある
人が作った方が「魂がこもっている」というのは幻想
・無用者階級が生まれる
AIに取って代わられる仕事は知的労働で8~9割、肉体労働でも7割くらい
考古学者は利益を生まないから代わられる可能性はほぼない
・今の子どもたちが学んでいることは、彼らが40位には無用になっているかもしれない
今までは、人生は学ぶ時期⇒働く時期だったが、これが壊れかかっている
自分を作り替え続ける必要がある
人は何かをする必要がある、さもないと頭がおかしくなる
必要とされない人:コンピューターゲームと薬
人間の人生と経験は神聖であるとする自由主義が崩れる
・自由主義(人間には価値がある・個人主義)の脅威:人間が軍事的・政治的に無用になる
経済・政治:人間を必要とするが、個人を必要としない⇒個人は権威と自由を失う
・個人主義
①個人は分割できない=単一の本質=内なる本物の自己がある
②本物の自己は完全に自由
③私は他人には発見できない自己を知りうる、私だけが内なる本物の自己に会える存在=他人は私を知ることはできない
これら3つをすべて生命科学は否定する
①自己は分割可能=多くのアルゴリズムの集合体、つまり単一の自己はない
②自由ではない 遺伝子と環境圧によって形作られる 自由に決定を下すことはない
③外部のアルゴリズムは自分より、自分を詳しく知りうる←身体と脳をモニターすることで可能に
・20C はすべてのデータを取得・分析することができなかったから、実質的に個人主義が成立した
・外部アルゴリズムが内部アルゴリズムに侵入可能⇒個々のアルゴリズムはネットワーク化されたアルゴリズムになる
完璧なアルゴリズムでなくても、自分より優れたアルゴリズムならそれに従うようになる
既に病院では個人はない
例)血糖値センサー iPhoneでホルモンをコントロールする 人は介在していない
スマートおむつなどもある
例)アンジェリーナジョリーの乳房切除の決定
内なる自己の声より、遺伝子情報を優先
・健康のために、スマートデバイスやメールを通じて個人データを進んで提供している=各社は無料で情報収集している
既にGoogleはインフルエンザの流行予測ができるし、完璧な健康を設計しつつある
・DNA検査の発展
23&ME 遺伝子検査で健康上のリスクがわかる
こういった検査はデータ量がものをいう⇒プライバシー保護の意識が低いので、中国企業が台頭する可能性がたかい
Googleはピークエンドや忘れてしまうこと、最近の記憶を重視する、体調といった影響から誤った判断をすることがない⇒人は人生の重大な決定を任せるようになる=そのほうが正確だから(そのほうが賢明と言えるか???)
物語る自己より、もっと自己を知るモノができてしまったら?データがどんどん集まるからGoogleはどんどん進化する・人間の自己理解は進まない
・選挙もFBのほうが正確に予測できる
・AI アドバイザー⇒代理人⇒君主へ
全てをAIにゆだねたら、自分の健康すらハッキングされる可能性がある
生物学に責任
・アップグレードし続けたらかつては物語だったブルーブラッドやバラモンなどの
「選ばれしもの」が実現する
身体的・認知的に他の人より優れた人間ができる
・20Cの医学の発展:ワクチン 西洋上流階級⇒全世界に広がる
豊かな人から一般に普及しすべての人が医学の発展の恩恵を被る
21Cは同じようにはいかない
20C:病気を治す 平等主義
21C:健康をアップグレード エリート主義
豊かな人が優れた人になる医療
過去の人より、同時代の人と比べるのが人間 今の私たちより良い医療を受けられるからと言って、同時代の豊かな人より劣る医療しか受けられなかったら慰めにならない
・20Cは大衆の時代だった
戦争、経済で大量の人員が必要だった⇒大衆医療が終わる可能性
・すでに少子化で教育費が高騰 日本や韓国
⇒超エリートの出現⇒一般人が奴隷化する可能性⇒自由主義の崩壊
・テクノヒューマニズム
ホモデウス=アップグレードした心身を持つ=第二の認知革命の可能性
・今の心は標準未満の人と西洋エリートであるWIRED( Weird, Educatd, Industrialized, Rich, Democratic)のみを扱っている=研究されていない点が多い
研究のサンプルは心理学を学ぶ学生ばかり 特に米国偏重
かつていた人類や動物の心理も不明、理解できていない
他の動物より人間が情動や経験で優れているかどうかわからない
・テクノヒューマニズムはWIREDと標準未満の研究から心をアップグレードしようとしている
例)ポジティブ心理学
・人間は嗅覚や夢を見る、注意力といった能力を衰えさせて、システムに適応していった
アップグレードすると、なんらかの能力がダウングレードする可能性
・テクノヒューマニズムはどの部分を伸ばすか決められる=自分の欲望・意思をデザインできる
例)罪悪感に苛まれる元兵士がプロザックを服用する
多くの人は内なる声に耳を傾けたくない⇒内なる声のボリュームを上げ下げできる ←本当の内なる声はない
欲望と意思をデザインできるようになったら、ヒューマニズムの前提が崩れる
・データ「教」:森羅万象はデータの流れでできているという考え
全ての現象、物の価値はデータの処理にどれだけ寄与できるかできまる
既に科学界では主流
←①生命科学(150年)×コンピューターテクノロジー(80年)
①生物=生化学的アルゴリズムでしかない キリン、トマト、人間の違いはアルゴリズムのみ
②高性能の電子科学的アルゴリズムが設計可能になった
動物と機械の境界線がなくなる
・単一包括理論が可能になる
音楽、経済、生物、すべてが科学になる
・データ⇒情報⇒知識⇒知恵
データ教では、人は膨大なデータ量に対処できない⇒アルゴリズムに任せるようになる
・資本主義:分散型データ処理 1つのミスがあっても他が補える
共産主義:集中型データ処理 1つのミスが致命的
冷戦に勝てたのは、変化に対応しやすかったから
倫理などの問題ではない
民主主義と独裁も分散と集中という点で同じ構造
・政治:テクノロジーに遅れている⇒ビジョンを描けない⇒国の管理しかできないようになる
・市場に任せる=人や地球にとって良いことにならない可能性=市場にとって良い方向に進む
全く新しい誰も制御できないシステムが生まれている⇒ホモサピエンスは滅ぶ
人=すべてもののインターネット(車、密林の木々、冷蔵庫なども)の一部でしかなくなる
全てのもののインターネット:宇宙にも広がる⇒人は全体を理解できない&どんどん広がり続ける
一部の宗教に似ている
・データの流れが最重要に⇒人よりももっと優れた存在が出てくる
・データ至上主義=1789年(仏革命)以降の新しい価値を生み出した動き
表現の自由とは異なる
情報の自由=情報に与えられる 表現の自由を脅かす
表現の自由=人に与えられる 人が自由に考え表現する・しない自由
・人がデータを持つ<データが自由に広がる権利
良いことは全て情報の自由次第という考え
・既に人々はデータフローの一部に「なりたがっている」
プライバシー、自立性、個性の放棄
←経験は共有されなければ無価値 自分のうちには価値がない
・聖書⇒人間中心⇒データ中心へ
・自分を知りたい⇒DNAと生体データだけでOK
かつては、美術館や登山、日記だった
・古代 力=データへアクセスできること 現在 何を無視するか
・現代
①科学は一つの包括的な教義に収れんしつつある
生き物=アルゴリズム 生命=データ処理
②知能は意識から分離しつつある⇒知能だけのAIの発展 倫理やイデオロギーが欠けている
③意識を持たない高度な知能を持つアルゴリズムが自分より自分を知るようになる
・上記への疑問
①生物は本当にアルゴリズムにすぎないのか?生命はデータ処理だけなのか?
②意識と知能どちらが重要なのか?
③社会、政治、日常はどうなるのか?
・神聖(不死、至福、神のような力)の獲得を目指すようになった理由
①戦争、飢饉、疫病の克服
②歴史は空白を許さない 充足より渇望
③ヒューマニズムを突き詰めると神聖の獲得を目指すことに繋がる
Googleが出てきた時、GPSが発達して欠かせないものになったとき、ベータ版から使っているAIがどんどん賢くなっていることに気づいたとき、
その時々で感じていた恐怖を言語化してくれた感がある。
著者が強調しているように、これらは可能性の一つでしかなく、未来は作っていける! -
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情報とは何かを人類の歴史に沿って定義。「物語」としての伝達(主に口承)から「文章」主義、そして聖書やコーランの様な聖典による真実の伝達・伝承。これらが編纂される事で神の教えが人や時代の変化により、変えられてしまうことのない様にする事(しかし、これは不可能)。また、情報手段の進化を軸に、民主主義と全体主義の歴史展開の中で情報はどの様な役割を果たし、社会秩序の維持にどの様な影響を与えてきたのか。
西欧における「魔女狩り」の歴史と情報との関わり(情報技術が進化した事により、「魔女狩り」が本格化した)や同じ全体主義でもファシズムのナチスドイツと共産主義のスターリニズムでは全く違う展開や結構をもたらした事など、興味深い話が満載である。
上巻は前置き的な内容であり、ハラリ氏が展開したかった本旨は下巻で展開されるか。 -
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ネタバレAI革命がもたらす人類の未来はユートピアかディストピアか。
AI革命が活字印刷術やラジオ・テレビなどの情報革新をもたらす技術とは決定的に違う点がある。後者はあくまでも人間の意思によって成り立つ技術(人間により使われる技術)であるが、AIは人間の意図を介さず情報を処理・生成し、しかもコンピュータ同士が新たな繋がりを持ち始める。これにより、人間の意図しない思いもよらない結果をもたらす危険性があり、これを人間が制御しきれない危険性が想定される(人間の想定する目的と一致しない「アラインメント(一致)問題」)。
AIは政治にどのような影響をもたらすのか。民主主義の社会と全体主義の社会でそれぞれ危惧される点が述べられる。民主社会ではAIによる執拗な情報収集から、いかに個人のプライバシー領域を保持することが保障されるか、これがキーである。そして国家・政府などの機関が一方的に国民・市民の情報を把握する一方向性を否定し、国民・市民も国家・政府の情報を知る双方向性を持つことが大切である。これにより、自己修正機能が政治に働き、AIによる政治利用の誤謬を修正することが可能である。全体主義では権力者がAIにより国民を完全にコントロールできる力を得ることが可能になる。一方、その権力者がAIに権力維持を脅かされる危険性も増す。全体主義の独裁者は自分の地位を脅かすNO2的存在に最も警戒心を持ち、自分に全ての情報が一元的に上がってくるようなシステムを望む。しかし、その膨大な情報を分析するにはAIに依存せざるを得ない。その結果、AIの判断に従わざるを得ず、結局は最終的な権力行使の判断をAIに委ねてしまう皮肉な事態となる。そのAIが暴走すれば(例えば核兵器の使用に関する判断など)、人類にとって取り返しのつかない結末を迎えることとなる。
また、AIによるネットワークが発達した世界では、戦争は実際に武器を使用するものだけでなく、相手の国にさまざまなハッキングによる攻撃をしかけ、相手国をコントロールしたり、混乱させるようなことも想定される。これを防ぐために、国家体制の違う国の間では相手国とのネットワークを遮断して、独自のネットワークシステムを構築することになる。著者はこれをかつての冷戦の「鉄のカーテン」になぞらえて、「シリコンのカーテン」と呼ぶ。これにより世界が分断されれば、地球的な規模で取り組まなければならない問題(例えば地球温暖化など)を国家体制の違いを越えての国際的協力体制を築くことができなくなってしまう。
しかし、著者は人間には部族や国家、民族の違いを越えて協力しあう力があり(歴史学者である著者は歴史的事実を踏まえて)、必ずしも悲観的な未来ばかりを想定はしていない。決定論的未来像ではなく、人間の可能性にあくまでも希望を抱いている。 -
Posted by ブクログ
・ほとんど誰もが時間とお金のトレードオフに直面している。しかし、それはいつでも意思決定を改善できる。
・ほとんどの人が時間をお金ほど大切にはしていない。お金にばかり目を向けると不安と孤独感が蔓延し、金銭的にもそれ以外の形でも高くつく。それが「タイム・プア」。
・テクノロジー(スマートフォン、SNSなど)はストレスとタイム・プアを招く。むしろ手持ち無沙汰は価値があるがある余暇携帯で、さらにタイム・リッチになるのを助ける。
・私たちはタイムトラップを克服する力を持っている。毎日、小さな計画的ステップを踏む必要がある。最初は楽ではない。体を鍛えるのと同じ。
・タイムリッチになる方法は、「こんまりメソッド」とも共通点があるらしい。時間使用のこんまりメソッド。「この活動にときめくかどうか」。ときめかなかったらその活動はやらない。
・比較しながらの買い物はしない。最安値のものを見つけるために節約できるお金の額よりも価値が高いことが多いらしい。時間の方が貴重。
・私たちはお金の価値は把握できるけれど、時間の価値は把握しにくい。
→だったら最初から時間が一番大事という価値観で行動するのはどうだろうか。
・時間がもったいない約束やお誘いは断る。でも、理由を時間にしない。用事や別の人の約束を使うと良さそう。
・また時間が大切だからと言って断る時、すぐ断るのではなく延期する。この点だけ?締め切りの延期をオススメされている。 -
Posted by ブクログ
ずっと感想を書いたと思っていたぐらい、自分のものになった、自分の一部であり続けてほしい
一冊だった。
昔から、言葉にできない不安から逃れるために予定を埋め、目標を立て達成に向けて突き進む、という癖があったが、
その生き方をいつまで続けるんだろうと思っていた矢先に出会った本だった。
もともとは職場の騒音に悩まされて手に取ったが、生き方を見直すチャンスをもらえるとは思わなかった。
この社会が忙しすぎると感じる人にぜひ読んでほしい。
私は読み終えた側から、気づいたらまた細々としたことで脳を埋めようとしてしまっているが、その弊害を頭ではわかっているつもりなので、少しずつ余白を楽しめるようになれそうな気がする。 -
Posted by ブクログ
いつものように著者の知識による比喩がとても分かりやすく理解しやすい。とは言えだいぶ難解でもあるハイカロリー本!
科学が発展を遂げるに従って、人類が自由主義の到来からここ2世紀信じて来た内なる自己が生体アルゴリズムの結果に過ぎないことが明らかになり、ビッグデータによってすべて人間の意思の外の"外部"で決められる事が出来、自己決定すら危うくなる…自由主義の時代を担ってきた人間至上主義が崩壊する…その場合の未来にホモ・サピエンスは消滅する。著者のこの予測は当たるだろうか?この未来が気に入らなければ変えるよう何らかの努力することが必要だ…という内容。
特にこの下巻での、人間の"生きる意味"はない、人が自分の経験から人生に与えようとする意味は虚構に過ぎない…という、著者の合理的な見解は去年からまさにジャーナリングを実行している私に刺さって致命傷笑
でもそうして自分を理解しながら生きていきたいからジャーナリングは続けていきますが!
天文学者や物理学者、それと著者のような哲学者はこれだけ合理的な思考をするので無神論者だったりするがまさにそれで著者はイスラエル出身だがユダヤ教にもキリスト教にもイスラムにも神は死んだと言うし教典を未だめくっているうちは21世紀に出発しようとしているホモ・サピエンスの恐らく進歩の最終列車に乗り遅れるだろうと容赦なく言う。
また何度も出てくる、意識と知性はどちらがより高等なのか?動物と人間では、どちらも意識はあるが人間は知性があるからこの地球上でより優れているのだという考えは、より知性あるコンピュータが生まれた時人間はコンピュータよりも劣等種になるというのか?という疑問、SF小説ではよく読むこのテーマが現実世界で身近になって来た現在、鳥肌が立った。
何がすごいって邦訳のラグもあり私が今読んだというのも有るけどこの本自体は10年近く前に出版されたものなんですよね。
その当時にこれだけの内容を書ける頭脳…!
シンギュラリティにはまだ十数年かかるだろうけどその時人類はどうなっているのか…
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匿名
購入済み現在当たり前のように受けている恩恵が、今後急速に発展した結果悲惨なことにつながりかねないことを改めて実感した。無知が本当に危険なので、危機感を持つべきだと思った。