柴田裕之のレビュー一覧

  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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    帯にあるように「私たちは何もコントロールしていないが、あらゆることに影響を与えている」ということを、カオス理論をベースに、進化生物学や歴史から様々なエピソードを挙げて論じている。脳科学、行動科学の知見から、因果関係や物語を作り上げてしまう脳の仕組みを解説し、最終的には自由意志はないと結論している。記述は論理的で科学的な成果に基づいており、わかりやすく整理されている。それを踏まえて最終章では、偶発性や不確実性にゆだねて現在を享受することに重きを置くことを提案している。
    最新の科学の知見が、仏教の縁起や「今を生きる」ということにつながるものと感じた。
    また、著者の引用する書籍に、ニコラス・タレブ、

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    2025年11月29日
  • サピエンス全史 上 文明の構造と人類の幸福

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    認知・農業・科学の3大革命により人類は進化した?していない?色々と考えさせられる事の多い本でした。
    歴史の一連の流れに沿って書いてあり、読みやすいと思いました。

    認知革命のあたりはあまりに古く分かっていない事の方が多いようですが、その頃の人類が何を美しいと感じ何を考えていたのかを想像するのも楽しいなと思いました。
    しかしそれこそがまさに目の前にない事を想像する人類が認知革命により手に入れた能力と思えばなかなか興味深いです。

    帝国と言う概念の部分では、グローバル化とそれに伴う境界の曖昧化とありますが、本書が書かれたのがまさに2013年の二期目のオバマ大統領の頃と考えると納得です。
    それから1

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    2025年11月28日
  • 21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考

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    現代のカントかなと思わせる程多岐にわたる論点を取り上げ、主張が展開されており、圧倒される。そこまで技術が発展するかなと感じる点もあるが、圧倒的な知識からの説明にただただ納得させられてしまう。同時に自分で考えないとダメだなあと反省させられる。今年一番の考えさせられた本。

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    2025年11月26日
  • サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福

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    ◾️サピエンス全史は大きく4部構成。認知革命、農業革命、人類の統一の前半分が上巻。人類の統一の後ろ半分と科学革命が下巻。
    ◾️科学革命は人類が意図せず始めたものであり、現代では科学を意図的に活用して何かを成し遂げようとしている。でも、誰も答えを持っていないということだった。
    ◾️科学革命が起き始めた1500年頃から、現代までの歴史を巨視的に見る本書は、内容が濃密過ぎて消化しきれない。何度も読み返してみたい1冊だ。

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    2025年11月24日
  • TIME SMART(タイム・スマート)―お金と時間の科学

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    ・ほとんど誰もが時間とお金のトレードオフに直面している。しかし、それはいつでも意思決定を改善できる。

    ・ほとんどの人が時間をお金ほど大切にはしていない。お金にばかり目を向けると不安と孤独感が蔓延し、金銭的にもそれ以外の形でも高くつく。それが「タイム・プア」。
     
    ・テクノロジー(スマートフォン、SNSなど)はストレスとタイム・プアを招く。むしろ手持ち無沙汰は価値があるがある余暇携帯で、さらにタイム・リッチになるのを助ける。
     
    ・私たちはタイムトラップを克服する力を持っている。毎日、小さな計画的ステップを踏む必要がある。最初は楽ではない。体を鍛えるのと同じ。
     
    ・タイムリッチになる方法は、

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    2025年11月21日
  • サピエンス全史 上 文明の構造と人類の幸福

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    人類の歴史を、まるでドキュメンタリー映像を見ているかのような語り口で辿ることができる(ということは、訳も秀逸ということである)。

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    2025年11月18日
  • NEXUS 情報の人類史 下 AI革命

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    上巻は、主に歴史をたどる。ホモデウスとはまた違う切り口で、料理しなおしてまたこんなにも語れるのかと、著者の雄弁さには舌を巻く。第3章にある、著者の父親の体験が心に残る。

    下巻は、21-22年に主に執筆したらしいが、未来予測がすごすぎて25年の今読んでもまだまだフレッシュ。民主社会最大の成功の鍵であった、自己修正メカニズムをAI規制にも組み込めるのか?アルゴリズムによる人間の傀儡、シリコンカーテンによる陣営間の対立で、AIが真に活用されるべき環境保全やグローバル課題にはまったく活用されないコクーン状態、大国が無料でデータを吸い上げ利益は還元されないデータ植民地化での格差拡大、などなどディストピ

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    2025年11月14日
  • サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福

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    非常に大きな視野で歴史を解説している。
    資本主義について考えさせられる。
    幸福とは何か、哲学的な問いについても記述されている。
    人とは何か、クローンをどう考えるか、など根源的な問いを考える機会を本書は与える。
    単なる歴史を振り返るだけでなく、深く人について、考えさせる一冊。

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    2025年11月08日
  • サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福

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    主にマクロな視点でサピエンスの隆盛を考察した上巻とは毛色が異なるがこちらも面白い。
    下巻ではサピエンス自身が自ら生み出した虚構(帝国や資本主義、AI)に呑み込まれていく様が現在を通過点として描かれている。
    遅かれ早かれ科学は暴走すると立場には残念ながら説得力がある。

    私達は何を望みたいのか、との問いは、何を望むべきなのかに置き換えることはできないのだろうか。

    長生きして100年ごとに再読したらきっと面白い。
    そんな本に出会えた幸運を嬉しく思う。

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    2025年11月07日
  • 静寂の技法―最良の人生を導く「静けさ」の力

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    ずっと感想を書いたと思っていたぐらい、自分のものになった、自分の一部であり続けてほしい
    一冊だった。
    昔から、言葉にできない不安から逃れるために予定を埋め、目標を立て達成に向けて突き進む、という癖があったが、
    その生き方をいつまで続けるんだろうと思っていた矢先に出会った本だった。
    もともとは職場の騒音に悩まされて手に取ったが、生き方を見直すチャンスをもらえるとは思わなかった。
    この社会が忙しすぎると感じる人にぜひ読んでほしい。
    私は読み終えた側から、気づいたらまた細々としたことで脳を埋めようとしてしまっているが、その弊害を頭ではわかっているつもりなので、少しずつ余白を楽しめるようになれそうな気

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    2025年11月05日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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    ネタバレ


    偶然の積み重ねて、自分の人生が成り立っているなと改めて実感させられた本。

    私たちの意思とは何なのか私たちが自分が決定しているって思ったことがどんな些細なことでも周りに影響与えているそのつながりが人生を作るそんなことがわかったような本でした。

    エピソードやそこに書いてある表現がとても面白くてもう一度読んでみたいなと思ったんです。

    そして最後に、私たちはいかに効率性とかそういうのを大事にしがち。だけど、その無機質な感じでいいのか、その偶然を考えるとか、偶然がわかる余裕がないみたいなそんな気がしました。

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    2025年10月31日
  • ホモ・デウス 上 テクノロジーとサピエンスの未来

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    ダイヤモンド博士の「銃・病原菌・鉄」+「情報」にアップデートした作品

    人類史における「宗教の物語」から「情報の物語」への変容を描いている

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    2025年10月30日
  • 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義

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    ネタバレ

    ・死は本人にとって何が悪いのか。剥奪説(相対的に、本来教授できたことのロス)、存在要件
    ・存在要件 存在しない無数のラリー 緩やかな存在要件。死後の剥奪と生前の剥奪の違い。過去と未来の価値は違いそう
    ・快楽主義 完璧なバーチャル人生はあり?
    ・死ぬのは良いことである(不死は永遠な長期的に見れば悪いこと。すべてに飽きても死ねない!)
    ・人生は、何もしないには長すぎるが、何かをするには短すぎる

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    2025年10月27日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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    ブライアン・クラースの本を読んで、「偶然」に対する見方が変わった。
    自分の考え方も、生き方も、出会った人も――すべて偶然の積み重ねだと思うと、「自由に考えたっていいじゃないか、どう考えてもいい」と、心が少し軽くなった。
    私たちは何もコントロールしていないかもしれない。それでも、誰かに影響を与えている。という帯の言葉にもあるように、だからこそ、比べず、焦らず、今を丁寧に生きようと思う。
    この本から、未来を考えすぎず、ただ「人に優しくある」そうありたいと思っている。
    それだけで、世界は少しずつ変わっていくのだと思う。

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    2025年10月20日
  • サピエンス全史 上 文明の構造と人類の幸福

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    読んでいてずぅ〜っと面白い。
    知的好奇心が刺激され続けてページをめくる手が止まらない。
    一方で内容は一読して簡単に理解できるものではないので、何度も読み返して時間がかかる。
    自分の人生の中でも「最高」に近い読書体験であったことは間違いない。

    内容としては、人類の歴史について、鳥の視点よりも広い、宇宙を飛ぶスパイ衛星の視点で論じたもの。(本人のたとえから引用)

    歴史の中で各種の「革命」が起こったが、自分が注目したいのは二つ。

    認知革命と農業革命。

    認知革命は言わずと知れたもの。簡単に言えば言葉によって人がコミュニケーションを取れるようになったということ。
    ただ、ここで面白いのが認知革命の

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    2025年10月22日
  • サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福

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    ずっとサピエンスの歴史を追ってきて、おしまいのところで幸福論と将来の人類が扱われる構成が巧み。特に最後に問われる「私たちは何を望みたいのか?」という問いが深い。「そんなの腹いっぱい食べることじゃないか」「お金持ちになりたいに決まってる」「健康と不老長寿でしょ」といった定番の回答が、これまでの議論ですべて先回りされているのだ。

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    2025年10月19日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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    人は、その感情さえも所詮は脳内化学物質のやり取りでしかないのだから、つまるところアルゴリズムなのだ…テクノロジーの進歩とともに人もアルゴリズムの1つになってきている…という主張をどこかで見て引っ掛かりを覚えていたが、本書はこのモヤモヤをキレイに晴らしてくれた。全くもってアルゴリズムそのものだが、私たちの感情や行動は他人や周りの環境に何らか影響を与え、それがまた自分にも影響を与えるすごい複雑系なのだと。
    だから、この世の全てはXだからYになるという単純な話ではなく、どこかに予測不可能な偶然性が常にひそんでいる。自己啓発のような人間の努力はもちろん大切だが、偶然性や複雑系によりアウトプットが変わっ

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    2025年10月17日
  • NEXUS 情報の人類史 下 AI革命

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     情報テクノロジーの歴史について、様々な事例を本に解説されていてとてもわかりやすかった。
     そして、事例の一つ一つがとても興味深く、見識に富んだものだった。
     情報テクノロジー歴史をもとに、AIの危険性を重点に置き説明されていた。
     AIはただの情報テクノロジーではなく、主体になり得る情報テクノロジーであることに気付かされた。
     欲望のままにAIからもたらされるメリットにばかり目を奪われるのではなく、危険性をはらんでいることを認識しなければならない。
     ホモ・サピエンスの名の通り、賢き人にならなければならない。
     

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    2025年10月17日
  • サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福

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    人類の成長と未来についてマクロ視点で語る本。
    人類がホモ・サピエンスだけではないところから始まって、近未来の予想までを順を追って説明してくれる。
    あまりにも明快に、そして言いにくいこともバッサリと述べている。
    モヤっとしていた歴史というか人間というものが非常にクリアにくっきりと見えてくる。
    孔子がこの本を読んだら死んでしまうのではないかと思うくらい人間の本質を掴んでいるように思える。
    外国の本に良くある言い回しで読みにくい部分はあるけれど、全ての人にオススメです。

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    2025年10月16日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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    カオス理論とか意思決定とか大好きなので、結論はまあそうだろうねって感じだけど、エピソード等々面白く読めました。訳者もすごく上手。

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    2025年10月13日