柴田裕之のレビュー一覧

  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    格差の起源
     なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

    目次:人類史の二つの謎
    第1部 何が「成長」をもたらしたのか
    第1章 最初の一歩
    第2章 停滞の時代
    第3章 水面下の嵐
    第4章 蒸気エンジン全開!
    第5章 停滞から成長へ
    第6章 約束の地
    第1部のまとめ――成長の謎を解く
    第2部 なぜ「格差」が生じたのか
    第7章 光と影
    第8章 制度の痕跡
    第9章 文化的な要因
    第10章 地理が落とす影
    第11章 農業革命の遺産
    第12章 出アフリカ
    第2部のまとめ――格差の謎を解く

    第1部では、なぜ人類がこの200年くらいで急に豊になったのか?に関しての考察を進め、第2部では現在拡大しつづける格差はどのようにして起こってきたのかを考察しています。
    前者の肝は、人的資源の充実による知の蓄積と進歩があげられ、後者の肝は、地理的要因と多様性があげられています。
    中でも面白かったのは、豊になるためには多様性と技術の進歩にほどよいトレードオフがあり、その条件を満たしたものが豊になってきたということ。また、マルサスの罠から逃れ人口増加と技術の進歩のトレードオフにいたったものが豊になっているということです。
    何事も行き過ぎはまずく、中庸を良しとするということでしょうか。
    これに照らすと、日本は多様性を高めることによってより豊になることができるということ。
    今後の施政の参考になり得る知見かと思います。

    竹蔵

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    2026年09月26日
  • NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク

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    情報は真実を運ぶものではなく、人をつなげるものだという。言われてみれば、真実は複雑でコストが高く、虚構のほうが安くて強い。真実が負けるのは不公平だからではなく、そもそも競技が違うからだった。
    いちばん怖かったのは魔女狩りの章。存在しないものが、印刷と自白によって自分を裏づける証拠を生産していく。今のエコーチャンバーとまったく同じ構造に見えた。
    読み終えて思うのは、自己修正は心構えではなく仕組みの問題だということ。気をつけようという意志は疲れた日に折れる。疑う手間を下げる設計のほうが確実だ。
    真実と秩序の両立した例は、最後まで出てこない。それは達成される状態ではなく、続ける作業として書かれているからだと思う。

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    2026年09月13日
  • なぜ悪人が上に立つのか―人間社会の不都合な権力構造

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    めちゃくちゃ面白い!しかも読みやすい!いわゆる学者の論文みたいな堅い話ではなく、非常に身近で分かりやすい文章&訳で書かれているのでサクサクよめる。
    今の日本の社会、政治、警察、検事、企業、学校など多くの人を取り締まる側にいる人達に不満を感じている人には、どのような人をどのように選任し、クリアな社会を継続していけるのか等の答えがあると思う。日本人全員が読んで欲しい1冊。

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    2026年09月08日
  • サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福

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    上巻と合わせて読み終わりました。
    ボリュームありますが、地球史における人類の位置付けを与えてくれる本でした。

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    2026年09月06日
  • サピエンス全史 上 文明の構造と人類の幸福

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    面白くスラスラ読み進めました。
    地球を単独の種が支配し続けている・他の種の存続を脅かすといった視点を持ったことがなかったので新鮮でした。

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    2026年09月06日
  • 独裁者の倒し方―暴君たちの実は危うい権力構造

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    独裁者の実態が赤裸々に、そしてロジカルに理解できた。

    彼らは挑戦者になりうるエリート達に、自分を支持するメリットを感じるほどには良い目を見させながら、しかしそのうちの誰かが自分を脅かすほどの影響力を持たないようにバランスをとり、そして自分に逆らうことのリスクを思い知らせるために恐怖を与え、しかし絶望により団結して歯向かってこない程度に安定を与えないといけない。

    さらに軍もまた厄介で、他国や国内の反対勢力に対抗するために強力である必要はあるが、その力が自分に向かわないように複数の組織を打ち立てて牽制し合わせなければならない。

    市民の反乱もまた足をすくわれるリスクとなる。特に市民に銃を向けてしまうと混乱が収拾できなくなる。

    そして、高齢や病気によって先が長くないと知れると一気に支持を失いかねない。かといって予め後継者を決めておくとその後継者が自分を目障りな存在として扱うことになる。

    そして、これらのどれかをうまくコントロールできずに失脚すると、民主主義国家の元元首の引退後の姿とは似ても似つかないほどに、悲惨な結末を迎えることとなる。

    習近平もプーチンも金正恩も、アフリカの多くの国の独裁者も、いかに強力に見えようが、いかに狂気じみて見えようが、終わらない脅威に脅えながら極めて理性的に支配維持の努力を続けているということだ。ランニングマシンに乗ったように、走り続けなければならない。

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    2026年09月05日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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    私たちは互いに不確実な偶然ので繋がり合っている。効率ばかりを追い求めるのではなく、ゆとりを持つことでレジリエンスを高めることが重要だ。筆者の本は2冊目だが、ドラマチックに展開するのが本当に上手く、最後まで面白く読めた。

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    2026年09月04日
  • NEXUS 情報の人類史 下 AI革命

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    衝撃的な内容だった。
    便利な道具ではあるけれど、相手は人間じゃない、心がある訳じゃないというのを忘れないように利用したい。

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    2026年09月03日
  • NEXUS 情報の人類史 下 AI革命

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    情報が増えれば真実や知恵が増えるわけではなく、情報ネットワークは真実だけでなく虚構や誤りによっても秩序を形成する。ゆえに、人類がAI時代の強力な情報ネットワークを生き延びるには、自らの可謬性を認め、強力な自己修正メカニズムを備えた制度を構築し続けなければならない。以上が主要な主張。

    ただ、コンピュータや情報ネットワークに、認識論的な意味での『可謬性』を帰属させられるのか?の疑問がずっと残る本でもあった。例えばFacebookの推薦アルゴリズムが「エンゲージメント最大化」を目的としていて、ロヒンギャへのヘイトを大量に推薦したとして、アルゴリズムは間違えたのか?とは言えない。
    目的関数に対しては、むしろ正しく動いた可能性がある。「その結果は人類にとって望ましくない」と判断しているのは人間だ。著者は絶対的な価値判断を情報ネットワークにも用いている。そこはもやもやする。

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    2026年09月03日
  • ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

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    人間(ホモ・サピエンス)は、進化していくことで遺伝子工学を発展させ、データイズム(情報宗教)へ向かうことを示唆している。
    人間の感情や思考も、アルゴリズム(生命をデータ処理のプロセスとして捉える考え方)に過ぎないという考え方に共感した。
    AIやバイオテクノロジーが進化していくことで、人間もその一部になっていくのかも知れない。

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    2026年08月31日
  • サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福

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    今年の初めにこの1年間に読破すると決めた3つの本のうちの1つ。やっと読み終わった。上巻を読んでからもだいぶ経ってしまった。

    上巻もだけどすごい読み応えがある。
    点と点が線になっていくような、俯瞰的に人類の歩んできた道を知ることができて、とにかくめちゃめちゃ面白い。
    これはホモ•サピエンスとして必読の書でしょう。

    ホモ•サピエンスの推測される未来について「未来のテクノロジーの持つ真の可能性は、感情や欲望も含めて、ホモ•サピエンスそのものを変える」と警鐘されている。
    AIの台頭によって、ホモ・サピエンスの最大の特徴でもあった物語を作り出す力さえ、AIに乗っ取られてしまう可能性がある。

    ホモ•サピエンスはこれまで発展を繰り返してきたが、果たして人類や個人はそれで幸福になっているのかという、最後に著者からの鋭いメッセージ。
    ここでブッダの教え(そもそも幸福とは外部の条件によって決まるものでも、内なる感情とも無関係であると。感情はすべて束の間のものであり、感情の追求をやめることで、心の緊張が解け、未来や過去ではなく今この瞬間を生きることができる)が引用されている。自分とは何者であるのかを知ることが幸せのカギであると。

    ホモ•サピエンスの存続が危ぶまれる今こそ、この本を通してホモ•サピエンスとは何であるのかを学びつつ、我々は何を希望しているのかという著者からの問いに一人一人考えていく必要があると感じた。
    これは必ず再読しよう。

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    2026年08月30日
  • サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福

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    まぁ面白かった。今までの価値観が一掃された。こんな本は読んだことがなかった。
    科学革命から幸福についての話に入ってからがかなり興味深かった。取るに足らない存在だったサピエンスがここまでー神に近い存在まで文明を発展させたが、それは幸福に繋がっているのか。その視点が全ての人類史において不足している、というのは至言

    神話も文化も企業も国家もジェンダーも宗教も現代の幸福の基準も全ては虚構だということ点を知れて、かなり気が楽になった。
    予測不可能で変化が早い現代においては今考えていることや悩んでいることも全て無意味になるようなシンギュラリティが訪れうる、という点は目からウロコもの

    著者頭良すぎる、NEXUSも読もうかな。
    抽象的な話多すぎて読むのまじで時間かかった。内容が凝縮されすぎている。

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    2026年08月29日
  • 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義

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    まずこの本は「大学の講義まとめ」であるため、読んでいても登場人物が劇的な展開を迎える壮大な「物語」ではなく、読書を通じて自分で思考、そして哲学する「授業」だなと感じました。

    そのため小説等に比べると、より論理的思考力を用いて読む必要があります。
    いくつか感想を拝見すると、本当に論理を理解できているのか不安な方もいらっしゃいます。

    免れない運命である「死」に対してかなりロジカルに考えることができた読書体験でした。

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    2026年08月21日
  • 孤独の科学 なぜ寂しくなるのか なぜつながりを求めるのか

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    本書の要点は、以下のとおり。
    ●孤独感を感じるのは、社会的生物であり「群居せざるを得ない」種である人類が進化の過程で獲得した機能であり、痛みや冷たさを感じるのと同様に生存に必要な機能である
    ●孤独感を感じると過度に警戒的になって複雑な関係性を制御する実行制御力が大きく損なわれることとなる。原初の社会では、孤立した際に周囲のもの全てに脅威を感じて警戒モードに入ることは生存確率を高める結果を生んだであろうが、現代の複雑な社会ではそれがマイナスのループを生んでますます孤立し孤独感を強める結果になりかねない。
    ●さらに、現代社会の設計思想が人類の本質に最適化されておらず、コミュニティは弱体化し、人々は表向きは繋がりよりも経済的利益を追求するように生きざるを得ない。孤独感を感じる生物種がこうした社会を形成してしまっているが故に、孤独は現代社会の巨大な課題であるが、重要政策課題とは捉えられていない。
    ●社会全体で、コミュニティを維持し、再構築し、強化する取り組みが必要だろう。
    ●一方で、個人としてできることもある。人は他者に何かをしてもらうよりも、他者に貢献したときの方が繋がりを実感できる性質を持っている。孤独感の負のループに陥りそうになったときには、些細なことで良いから他者貢献や他者との繋がりを生むような行為を意識的にとっていくことが大事である。まずは第一歩として孤独感の正体と対処法を科学的に認識することが大事である。

    選択圧による帰結として孤独感を説明する客観性と納得性、そのうえで救いを提示する良書。

    孤独感を回避する手法として、バーチャルな手段の限界には言及していたが、AIパートナーについてどうなのかも言及して欲しかった。

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    2026年08月23日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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    文章はとても読みやすい、がしかし、とても長かった。
    偶発性と収束性、収束的に見えるが偶発的なのが現実。
    ヘンリー・ルイス・スティムソン陸軍長官が京都都ホテルに泊まっていなければ今の京都は存在しない。
    一方で悲劇的な長崎の例もある。
    これは偶然以外の何者でもない。

    映画『スライディング・ドア』を例に、偶然の巡り合わせの重要性に触れている。

    カオス理論の様にわずかな調整、違いだけでも予測不可能になりうる。天気予報ですら2週間先は予測不可能。決定論とは食べ合わせが普通に考えても悪い。

    大腸菌の例では、人間は神のようにポーズボタンや、巻き戻しもできる。そんな中でも偶発的に新たな長期進化実験はとても刺激的で興味深い。
    偶発的収束性とでも呼べる人生・世界に我々は住んでいる。
    どの瞬間も大切なのだと。

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    2026年08月13日
  • サピエンス全史 上 文明の構造と人類の幸福

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    一度挫折し、何度もおすすめされ、、どう考えても興味のある中身であることが明確になり再読。面白すぎた。差別、ヒエラルキー、神話、宗教。この辺りの学びは、なぜ今まで学ばなかったのか……と悔しくなるほど。なんて興味深い生き物なんだ、ホモサピエンス。知れば知るほど、ここに、真理が詰まってる。

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    2026年08月09日
  • サピエンス全史 上 文明の構造と人類の幸福

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    人類が、どのように進化し、どのように社会や国を構成してきたのか、その背景がよく分かった。

    地球史や生物学史的に見れば、サピエンスが社会や国を構成し始めたのはほんの最近のことで、生物学的な進化がそれに追いついていないという話はとても興味深い。
    それは、生物学的な追いつきもそうだが、近年の社会の急激な変容に対して思考が追いつかない(多様性の尊重、パワハラ、セクハラなど)のも似たようなことが起こっているように感じた。

    農耕革命の文脈では、それまでの狩猟採集生活から、労働の負担や階級の創出、疫病のリスクが生まれたという観点はとても面白い。
    生活を豊かに、食糧を楽に安定的に確保するために畑を耕し作物を栽培する。結果として人類は日々働かなければいけなくなり、労働者と支配者の階級が生まれ、特定の土地での疫病や不作のリスクも負うことになった。
    これは現代社会のあらゆる技術進展においても同じことが起きていると思う。コンピュータが発明され、電子メールが使えるようになると、今まで手紙でのやりとでは不要だったメッセージの返信も必要になる。AIについても同じようなことが言えるんだと思う。AIに学習をさせたり、プログラミングが必要だったり、ファクトチェックが必要だったり。
    本当に便利になっているのかという再検討は行われない。それを仕事や生活に取り入れて生活していくしかない。

    人類の進化において「虚構」を共通認識できたことが大きく影響しているという点については確かにと思った。国や、社会、会社、貨幣など、抽象的で実体はないものを認識で共有化できたからこそ人類はここまで発展できた。

    また、帝国主義は批判的に語られることが多いが、人類の歴史上、征服と被征服の歴史は繰り返されており、本の「純正」とされる文化もどこが別の民族を征服して成り立ってきているという観点はなるほどと思った。

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    2026年08月07日
  • NEXUS 情報の人類史 下 AI革命

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    人類は情報を必ずしも真実として扱うのではなく、秩序を立てる、あるいは維持するために活用してきた。例えば、貨幣、国家、宗教など。これらについて著者は「共同主観的現実」と呼び、水は水素分子と酸素分子からできているといった事実と区別している。そしてこの共同主観的現実を形作る能力がホモ・サピエンスを地球上で優位な種となる原動力となったと指摘している。著者は、この「共同主観的現実」が人間ではなく  AIが形作るという、今まで人類が経験したことのない時代がいまや今やすぐそこに来ているという。
    ここで著者は、自己修正メカニズムという考えを提示する。例えば、聖書や共産主義、全体主義などは自己修正メカニズムがない(乏しい)、科学や民主主義は自己修正メカニズムが機能する、という具合だ。
    自己修正メカニズムがない(乏しい)共同主観的現実を形作ると、人類は往々にして惨禍をもたらした。十字軍、魔女狩り、ナチスの台頭、スターリン下のソ連など。もし、人間でなくAIが共同主主観的現実を形作るようになったら、人類はいったいどうなるのか?
    AIは、我々炭素ベースのニューロンやシナプスの働きの結果表出される共同主観的現実とは異なり、全く異なる仕組み、それも人間には到底理解できない仕組みで共同主観的現実を形作ると著者は警鐘を鳴らしている。一例として、SNSよる偏向した投稿や動画が自動再生されるなどして拡散し、ミャンマーでのロヒンギャ族の弾圧やブラジルで泡沫候補が大統領に当選するなどの事態が現実に起きている。
    人間には及びもつかない考えや決定を行うAIが社会参加すると、国家、社会、市場、軍隊などの形態が必ず変化する。人類が経験したことのない、極めて重要な局面にあると著者は主張する。
    では、いったい我々はこれからAIとどのように向き合っていけばいいのか?それは当然に一言で答えの出るものではないだろう。まず第一に我々人類全員が人類史上類のない重大な局面にいることを自覚すること、また特にSNSをはじめとした情報の洪水に翻弄されず、多様な情報を整理しながら熟議をはかることなどが、個人レベルから国家レベルまで重要になるのだろう。言うは易し、行うは難し、であるが・・。


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    2026年08月07日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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    ネタバレ

    小説が好きなのは、プロットがしっかりしていて、予期せぬことご起きても、それは伏線があり、回収されただかだと思うと、スッキリしたり、愕然としたりする。
    それに対して、現実は筋書きはないし、本当に予期せぬことが起きる。想定したようにならないことが、いくつもの偶然によってカオスになっていく…文章で書くと混沌しか描けないが、だからこその彩を感じ、この本を読む前と後では世界が違って見える。
    正直、全くわからないところもあり、読むのに時間がかかったが、これは何度でも捲り返したい。

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    2026年08月03日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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    なんと素晴らしい内容だろう。この一冊を書き編んでくれた全ての人に感謝したい。新たに買い足し、家族に贈ろうと思う。

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    2026年07月30日