柴田裕之のレビュー一覧

  • 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義

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    ネタバレ

    筆者の論が綺麗に進んでいくからこちらも賢くなったような気がして楽しい本。説得してみせよう、とい前書きで述べられていたので、説得されてみようと、かなり素直に無批判に読んだ。ところどころ引っかかる点はあったけれど(例えば我々読者は筆者の述べるほど素直にある物事を信じるのは難しい。)たしかに7割8割は彼の言っていることに納得した。自殺の合理性だとか、不死が悪いものであるだとか。けれど死は恐れるべきではなく感謝するものだとは若干無理がある気がする。剥奪説に則って、死が、我々の人生から、今後起こり得た素晴らしい出来事を奪うことが理解できるために悲しみを抱く。というところまでは納得できる。しかし、少しばか

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    2026年02月08日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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    素晴らしい。

    「人生は自分次第だなんて、大嘘である。」
    帯の文章。

    宗教であれ、哲学であれ、文学であれ、脳科学であれ。
    結論としては、自由意識、的なものは存在しないのではないか。というところに突き当たるようだ。
    今起こっている、目の前の出来事に、丁寧に、誠実に向き合うことは、自らを大切にすることであって、重要ではあるが、少し俯瞰的にみれば、自由にその態度、アプローチを選んだ、ということでもないのではないかということに気がつく。どこか、割り切れない考え方だという気はするが。

    「私たちが現代に不安を覚えるのは、制御不可能な世界を制御しようという思いが頭から離れないからかもしれない。そのような

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    2026年02月07日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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    正直11章までは「なんかまあそうだね」という感じで読んでいたけど12章の自由意志についての考察がそれまでの議論をドンデン返し的にひっくり返しつつ、わかりやすく入ってきてとても良かった。

    「もし人生を最初まで巻き戻し、再生ボタンを押したら、全てが同じ展開になるだろうか?」

    著者は、決定論は正しい、世界は非決定的だが、それは量子の奇妙さだけに起因する、という立場を取る。科学的に見るとこの考え方を覆すことはできない。

    では人間の自由意志とは?そんなものはないと著者は思いつつそれでも世界を楽しむためのヒントを提示する。それでも良いと思えるくらいに世界は広くて興味深い。

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    2026年02月07日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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    世界や人間は脆く偶然に満ち、合理性を求める事は危うい

    偶然性という私の人生のテーマにカオス理論が加わった

    中島岳志「思いがけず利他」や宮崎真生子・磯野真穂「急に具合が悪くなる」などの名著とリンクする、名著だった!

    ただ、自由意志の章はやや唐突な感じ。國分功一郎「中動態の世界」や妹尾武治「僕という思考実験」のほうが深みがあったかな

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    2026年02月02日
  • NEXUS 情報の人類史 下 AI革命

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    イランで統制目的でカメラとAIによる監視がされていると聞いて、技術は使い方だと思った。しかし、企業として成功してきたYouTubeとfacebookであってもAI(アルゴリズム)を用いて、結果的に扇動的な役割を担っていた。正しいと思われる目的を人間が設定しても、AIが導く最適解が、人間が想定していたレールから外れた想定外の副作用を招くことがあるのだと理解した。

    AIに対して人間の身体性の優位性も面白い。既にロボットの分野は大きく発展傾向にあるが知識よりは難易度が高く遅い。聖職者のように人間だからこそ務まるものもあるというのも面白い。

    情報の分散化に関しても興味深かった。情報が分散しているこ

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    2026年02月01日
  • NEXUS 情報の人類史 下 AI革命

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    AIの発展が引き起こすかもしれない人類の危機について多面的に述べている本である。情報が非常に多いので、この書評で要約することがとてもできない。しかし、幸なことに、著者の書いたエピローグと、訳者の書いた解説を読むと、この本で著者が言いたいことが、比較的コンパクトにまとまって説明されている。なので、先にエピローグと訳者解説を読んでから本編を読むのが良いかもしれない。

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    2026年02月01日
  • NEXUS 情報の人類史 下 AI革命

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    AIが台頭するこれからの時代に、我々サピエンスはどのような心持ちで対峙したら良いのか。
    これから来るAIや情報の時代に対して、どのように思考し歴史から学ぶのか。
    上記について下巻では著者の見解を明かしてくれる。
    今までの産業革命や印刷などの技術の革命とは違い、AI革命は今までの前例にない変革になるそう。確かに歴史を考察すると今起こっているAIの進歩は、予想もつかない事態を起こしかねない。
    ただ、予測ができないから恐るのではなく、著者も繰り返し言うように歴史を考察し、学ぶ事で備える事ができると感じた。

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    2026年01月28日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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    何を意図した本なのか分からないまま読み進め、終わってみれば、世界観(この世界の解釈)に関する本であったと気付く。
    その意味では、哲学書や思想書に近いのではないか。
    とはいえ、難解なものではなく、偶然が世界や人生を変えたことに関するおもしろいエピソードがたくさん書かれているので、それを読むだけでも価値はあると思う。

    本書が語っているような世界観は、既に自分のものとなっている部分と重なっていた。
    違いがあるとすれば、本書が自由意思論よりも決定論的な考えを採っている部分であろうか(カオス理論が決定論と矛盾しないという説明には納得したが)。
    本書の立場によれば、同じ人が同じ経験をしてきたと仮定した場

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    2026年01月27日
  • サピエンス全史 下 文明の構造と人類の幸福

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    サピエンス全史上下巻読み終えた。
    感想をまとめるには内容が壮大かつ濃厚すぎた。

    「ヒトして」「サピエンスとして」「動物として」の私の感情が終始入り乱れ、過去現在未来を概観した上での私の在り方を見つめ直す必要があると感じた。

    この流れでNexusにも手をつけよう。
    著者のアップデートされた未来予測がどうなっているか、今から楽しみだ。

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    2026年01月26日
  • NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク

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    昨年の参院選でポピュリズムや陰謀論が話題になったが、そのあたりの歴史や解説もあり面白かった。
    民主制は複雑でわかりにくいが、だからこそ成り立っていることを忘れず、簡単なわかりやすい答えを提示するような陰謀論やポピュリズムに流されないように気をつけなければならない。

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    2026年01月25日
  • NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク

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    歴史的観点からAIを限りなく抽象化して眺めた深い洞察に感銘を受けた。作者の生物的なストーリーに捕らわれていたって良いから、人類がAIを巡る賢い選択を行い、人間、人間以外の全てのものとの協力のストーリーを眺めていきたい。

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    2026年01月18日
  • 統合失調症の一族 遺伝か、環境か

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    「遺伝か環境か」に対して明確な答えは得られないが、個人的には、冒頭に描かれる母ミミの子育て(完璧主義や冷酷さ、暴力を容認する放任主義)には、環境要因の影響を感じずにはいられなかった。

    統合失調症は人生を一変させる恐ろしい病であると改めて痛感させられたとともに、身内に当事者もおり、100人に1人がなる病とも言われているので、身近に苦しむ人がいる可能性にも想像力を働かせたいと思った。

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    2026年01月18日
  • サピエンス全史 上 文明の構造と人類の幸福

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    ホモサピエンスだけなぜ生き残ったのか、大型動物の絶滅、残酷な家畜化、小麦や米に支配されているなど、地球誕生から農業革命の途中まではロマンに溢れた興味深い話が多かった。
    貨幣経済や帝国主義以降は読んでいて疲れる歴史の羅列。

    上巻前半だけでも学びが多かったので、評価は星5

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    2026年01月16日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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    私たちの人生や性格が偶然や予期せぬ出来事によってどれほど形作られるかを、科学的・哲学的視点から丁寧に解き明かしています。読むと、自分の選択や偶然の関係性を改めて考えさせられますね。でも、本当に「偶然」と「必然」の境界は存在するのか、それともすべて後から意味づけされているだけなのか、少し疑問が残ります。

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    2026年01月16日
  • ホモ・デウス 上 テクノロジーとサピエンスの未来

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    序盤の第0章がとてつもなく長く、面白かった。
    暴力や飢餓などよりも、現代では砂糖(糖尿病)で亡くなる人の数の方が多いのだそう。
    そして、自殺者の数が戦争などの暴力で亡くなる人の数を上回ったということにも納得してしまった。
    人類を苦しめていた飢餓の時代は終わった。

    戦争も争いもない時代に人間はどこを目指すのか。
    人間は科学の発展によって長生きが出来るようになるのだが、そのためには健康な身体が必要なので、アップグレードしなければならない。神に近づかなくてはならない。ホモ・サピエンスではなく、ホモ・デウスになるのだと。
    大まかにいうとこのような内容。

    序盤でお腹いっぱいで読み終えるまで苦痛だった

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    2026年01月14日
  • ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

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    ネタバレ

    ・人間至上主義革命
    価値判断の基準が人間の感情になった
    浮気
    中世:相談:教会 神の教えに背くものとして、すぐに断罪された
    現在:セラピストや友人 自分自身の感情と向き合うようにアドバイスされる
    「で、あなたはどう感じるの?」

    政治:有権者が一番よく知っている
    芸術:観る人の目が決める⇒マルセルデュシャンの便器が芸術になる
    音楽:かつては、作曲家の才能ではなく神の手によるものだと考えられていた

    ・ヒューマニズムの経済への影響
    顧客が常に正しい
    ←ギルドや君主がパンなどの商品の「正しい」基準や生産量、価格を決めていた

    ⇒消費者が価格を決める=正しい価格
    それに合わせて商品を作る⇒乳房が重く

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    2026年01月12日
  • サピエンス全史 上 文明の構造と人類の幸福

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    ふと思う。自分はこれまでの歴史に積み上げられたもののうえで何不自由なく暮らしている。あまりにも当たり前すぎて気に留めなかったが、これまでの悠久の時間のなかでたくさんの犠牲が生まれたはず。どのような犠牲のうえで今の自分が存在できているのか。知りたくなった。

    気が遠くなるような歴史を知ることは自分のたったひとときの存在を見つめなおし、内省を深めるきっかけになるとも思った。

    本書を読んでいる最中、夜空の月を眺めると自分の存在のちっぽけさが鮮明になり、日々の悩みなど霧散してしまうような、ずっとそんな感覚に満たされていた。

    しっかり内省を促すことができたので、『よし!2026年!やったるで!』と意

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    2026年01月07日
  • NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク

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    情報とは何かを人類の歴史に沿って定義。「物語」としての伝達(主に口承)から「文章」主義、そして聖書やコーランの様な聖典による真実の伝達・伝承。これらが編纂される事で神の教えが人や時代の変化により変えられてしまうことのない様にする事(しかし、これは不可能)。また、情報手段の進化を軸に、民主主義と全体主義の歴史展開の中で情報はどの様な役割を果たし、社会秩序の維持にどの様に影響を与えてきたのか。
    西欧における「魔女狩り」の歴史と情報との関わり(情報技術が進化した事により、「魔女狩り」が本格化した)や同じ全体主義でもファシズムのナチスドイツと共産主義のスターリニズムでは全く違う展開や結構をもたらした事

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    2026年01月06日
  • NEXUS 情報の人類史 下 AI革命

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    ネタバレ

    AI革命がもたらす人類の未来はユートピアかディストピアか。
    AI革命が活字印刷術やラジオ・テレビなどの情報革新をもたらす技術とは決定的に違う点がある。後者はあくまで人間の意思によって成り立つ技術(人間により使われる技術)であるが、AIは人間の意図を介さず情報を処理・生成し、しかもコンピュータ同士が新たな繋がりを持ち始める。これにより、人間の意図しない思いもよらない結果をもたらす危険性があり、これを人間が制御しきれない危険性が想定される(人間の想定する目的と一致しない「アラインメント(一致)問題」)。
    AIは政治にどのような影響をもたらすのか。民主社会と全体主義の社会でそれぞれ危惧される点を述べ

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    2026年01月06日
  • 「偶然」はどのようにあなたをつくるのか―すべてが影響し合う複雑なこの世界を生きることの意味

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    過去約3年間の、ものの考え方を全て覆された気分。

    第1章にて、あるアメリカのスティムソン夫婦の、京都旅行の物語。偶然の京都旅行がキッカケで、日本の原爆投下の場所を京都から変更した陸軍長官スティムソンにより、偶然、京都の40万人の命が救われたという衝撃的な内容からスタート。

    第2章からは、偶然が世界を作る物語、その理論の根拠となる実験や出来事について解説し、第4章では私たちが、偶然という不確実性を無視し、この世界には目的や理由があると信じてしまう理由、その生き物であることの理由を私たちの脳の働きから解説。6章では、不確実性ではなくリスク、いわゆる確率論を信じることの危険性とその解決策。

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    2026年01月08日