柴田裕之のレビュー一覧

  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    ネタバレ

    初期の農耕社会は狩猟採集民より生活水準は低下した。
    狩猟技術の向上で、獲物が減少し農耕に移行せざるを得なかった。
    イースター文明は魚の取りすぎで人口が80%近く減少した。
    統一成長理論=現代の経済成長とマルサスの時代の停滞を統合する理論。
    産業革命のころは4歳から働かされた。小さな手は繊維工場の機械の詰まりを取り除くのに好都合。
    工業化の進展で子供に可能だった単純作業が自動化され、児童労働の恩恵が減った。同時に教育を受けさせる価値が高まった。工場法で1833年に9歳未満のこどもの労働は禁止された。

    人口転換=1870~1920年ごろに出生率が30~40%低下した。
    食糧難の時代に平均結婚年齢

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    2023年02月07日
  • ホモ・デウス 下 テクノロジーとサピエンスの未来

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    大きな歴史の流れを踏まえた上で、未来の人間像を論理的に予想する。生物はアルゴリズムである(著者の主張でなく分子生物学分野での定説とのこと)と捉えた上で、他種に比べやや高度なアルゴリズムの生命活動を営む人類(=サピエンス)でも、AIの進歩により大半は存在価値を失い、「無用者階級」へ追いやられる。残った一部のAIを使いこなすエリートが、科学技術により、生物学的限界を突破するアップグレード(=ホモ・デウス誕生)を行い、無用者階級の支配、切り捨てが行われ、現在のようなサピエンスの社会構造は終焉を迎える。という説。
    この望ましくない未来像の可能性を回避するためには、その未来像につながってしまう選択肢を選

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    2023年01月19日
  • 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版

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    死とうまく向き合えば成功するかも

    成功するには具体的な目標を立て、イメージしろとはよく言われている。
    そして、7つの習慣では自分が弔事を読んでもらうイメージを持てと書いてあった。
    人生の最終目標は死ぬことである。ということは死をイメージしておけば人生は成功するのかもしれない。死については怖いイメージしかなく、ある本には怖いのは情報が少ないからだと書いてあった。
    この本を読んで、死に対する怖さの原因、死のイメージを変えてうまく向き合って利用の2点を学ぶことができた。

    ・死んだところで、世界は大して何も変わらない
    ・死んだあとは無になる。夢見ずに寝てるのと同じ。いつも経験してるし怖いことなんて

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    2023年01月12日
  • 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義

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    「死」とは何か?この深遠なる謎に対して、まったく未知の、あるいはこれまで抱いていた概念がガラリと変わるような、そんな知識を授かることを期待していましたが、その期待は外れました。著者はドラスティックに断言します。「人は機械である」と。機械は壊れてしまえばもうおしまい。つまり、魂など存在せず「死」は一巻の終わりであり、その後は無であると。私も、もとよりこの考えでしたが、それでは救いがない。どこかで永遠不滅の魂というものが存在することに期待を寄せていました。けれども、本書を通じて、そもそも「死」を深遠なる謎などと見なすことが不適切である、と考え直しました。そこには「死」に面と向き合うことを避ける心理

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    2022年12月24日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    人類の「発展」にこれだけの格差がついた理由を解き明かす一冊。まずは素直にそうだろうなと読める。気候、それがもたらす害虫などの生態系も人類の発展に大きな影響をもたらした。また、人類の誕生の地であるアフリカから遠くなればなるほど、集団の多様性が薄れていくという指摘には驚いた。漫然と逆だと思っていた。すると、日本人の均一性、移民を忌避する気質にも、人類誕生の日からの必然性がともなっているのだろうなというのが感想。

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    2022年12月08日
  • 生存する意識――植物状態の患者と対話する

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    事故や病気で脳が損傷し、生きてはいるが反応がない、意識がない、いわゆる植物状態となった患者さんたち。実は、そのうちの15%〜20%の方は、周囲で起こっていることを認識し、理解しているし、コミュニケーションを取ることができることがわかったという驚愕の事例。まだまだ検証が必要ではあるものの、技術の発達や、診療の工夫により、今までわからなかったことがわかるようになり、それによって、定義や判断基準が大きく変わることになる。今まで話しかけても意味がないと考えられていた患者さんが、実はそのことを認識していて、我々にわかるように反応はできないけれど、ちゃんと思考している。これは、その後の治療方針や、もっとい

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    2022年11月24日
  • それはあくまで偶然です 運と迷信の統計学

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    生きていれば運が良かったとかついてなかったとかいう経験を何度もすることだろう。この本は、そんな運について因果関係を持たせることが可能かということを、運が良かった人の実際の話、宝くじ、占星術、運にまつわることわざといった例をたくさんあげて、一つずつ解説していく。

    人は出来事に対して物語を欲してしまうのだ。それが神を生み、救われることもあれば、争いになってしまうこともある。しかし、科学には物語など必要なくて、出来事はただ起こるだけなのだ。それでももしかしたらと神頼みをしてしまう自分がいる。

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    2022年11月03日
  • 生存する意識――植物状態の患者と対話する

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    面白かった。植物状態の人間に意識は、人格はあるのか?どうすればそれを証明できるのか?という謎にせまる研究者の本。なかば著者のエッセイのような趣で、植物状態となった患者の人となりにも触れ、家族の献身にも目を向ける。著者は子供の頃に生死をさまよう壮絶な闘病生活を経験しており、母親の脳腫瘍による死、元恋人の突然の植物人間化という個人的な事情にも突き動かされ、たくさんの患者との実験、ふれあい、科学技術の進歩を通して植物人間の隠された意識へと手を伸ばしていくのだ。
    意識があるのかないのか不明な「グレイ・ゾーン」と呼ばれる状態はまさに人の生と死のはざま。必然的に常にドラマティックになり、どうか実験でいい成

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    2022年08月28日
  • ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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    ・人の眼は、人の肌の色の変化を捉えるように進化してきたか、なるほど。さすが社会的生物。
    ・顔の前に二つの目があるこの形態、立体視のためではなく、(目と目の間隔も小さい)障害物の向こうを透かしてみるために有利か、一理あるな。
    ・錯視は見て処理している間に過去になる現在(未来)を見るための情報処理(未来予見)の副作用。まあ、表現はともかく、ね。
    ・ただ、4勝の「霊読」とおどろおどろしい表現をしているが、文字を読む事については、「自然を視覚的に理解できるように進化した脳で文章(文字)をたやすく読めるのは、文字が数千年かけて自然に類似するように進化させられたからだ」
    「眼のための文字」と「手のための

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    2022年08月07日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    全く図表が出てこないのでなかなか読むのに疲れます。IoTしかり太陽光しかり限界費用ゼロの世界観が詳述されます。他方でネットゼロ排出の世界に向けては水素や二酸化炭素の吸収のような途方も無いコストがかかる分野への研究開発・インフラ投資も必要な訳で分野に応じたメガトレンドの見極めは大事になるでしょう

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    2022年07月18日
  • TIME SMART(タイム・スマート)―お金と時間の科学

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    "Time is money"というが、お金よりも時間中心のマインドセットにする方が総じて幸せになれるのに、人はお金を増やすことに執着しがちだと述べた上で、"タイム・リッチ"になるための方法を具体的に紹介した本。

    よくあるタイム・トラップとして、
    ・テクノロジーとの絶え間ない接続
    ・働くこととお金を稼ぐことへの執着
    ・時間の価値の過小評価
    ・多忙のステータスシンボル化
    ・手持ち無沙汰の嫌悪
    ・「イエス」と言った(引き受けた)後、しまった(時間がない)となりがち
    といったことが挙げられているなど、わかっていてもやりがちで、なるほどと思うことが多かった。

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    2022年06月11日
  • 21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考

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    この人が結局言いたいのは、現実に多く広がる虚構に騙されてはいけない。そのためには、まずは虚構を知ることであり、その上で自ら調べることである。
    この人が大切にしたいことを1つ述べるなら、真実と言う言葉が1番あうと思う。真実とは一体何なのか?自分の心の中に出てきた疑問と向き合い続け、読者に最良の教えを伝えようとする姿勢がこの人から伝わってくる。だからこそ、世界的ベストセラーになるんだと思う。この人の新刊がでたら、また読みたいと思う。

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    2022年05月12日
  • 21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考

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    コロナ禍のもと、初めてユヴァル・ノア・ハラリを知った。様々な知識人が発言したが、人文分野では最も信頼できる人だと思った。それで初めて著書を紐解くべく予約して6カ月、今度はウクライナ問題が勃発した。本書はウクライナを「予言」はしていない。けれども、「予見」はしていた。とても示唆に富む話が多かった。

    21のissueのうち、「戦争」のみに絞って参考になった所をメモしたい。それだけでもかなりの量になると思う。

    ⚫︎過去数十年間は、人間の歴史上最も平和な時代だった。暴力行為は、初期の農耕社会では人間の死因の最大15%、20世紀には5%を占めていたのに対して、今日では1%に過ぎない。
    ←そうかもしれ

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    2022年05月10日
  • 21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考

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    人類学とか歴史学という観点とは違い、社会学、地政学などざまざまな角度から現代社会の各諸問題について語られていて、一般教養として勉強になった。

    人類の敵は核戦争、気候変動、技術的破壊の3つと言われていたことが、自分の中ではとても納得だった。

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    2022年04月15日
  • 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版

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    初めこの本を取った時手っ取り早く死ぬことについて考えたかったのだが、本書ではまず魂の有無について、人格についてを論じていくため、好奇心がついてこずなかなか読み進めるのが大変だった。ただ有名な哲学者の意見を引用し、それについて批評していく形式については他の哲学の勉強にもなりわかりやすかった。私が本書を読んで至った結論は私たちは死んだら無になるだけなので、それまでに懸命に生きれば良いのだろう。死ぬことについて恐れず今生きていることを感謝して生きたい。

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    2022年02月28日
  • 限界費用ゼロ社会 <モノのインターネット>と共有型経済の台頭

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    モノのインターネットと共有型経済の台頭による経済パラダイムの大転換について、3Dプリンター等の事例をもとに変革のメカニズムと未来展望を説明。

    メルケル独首相のアドバイザー等を務めるジェレミー・リフキン氏による2015年の書。

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    2022年02月26日
  • TIME SMART(タイム・スマート)―お金と時間の科学

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    ネタバレ

    時間に投資する、の項目で、自分がお金を払ってもやりたくない作業を明確にすることが大切というところが発見。
    何を外注したいのか理解する。
    料理の買い出し、下ごしらえ、片付け、洗濯の片付け、消耗品の在庫管理など。

    価格比較して購入するのをやめる。それで100ドル浮いたことより、時間を10時間節約できた方が効果的。そのとおり

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    2022年02月25日
  • 「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版

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    講義調でやや冗長ながらも、死と徹底的に向き合う全750ページ超は、人生を再考する恰好の機会と視点を与えてくれる。
    死といかに向き合うべきかは、すなわちどう生きるべきかと同義であり、ゆえに死とうまく向き合うことは、うまく人生を生きるために欠かせないことなんだと改めて。剥奪説の考察など、なるほどと膝を打つ論考も随所に。

    "人生は、何もしないには長過ぎるが、何かをするには短すぎるーーあまり時間はない。人生は、二、三度のやり直しをするには十分に長いが、その機会はそれほど多くない。だから私たちは注意を払わなければならない。人生で何をするべきか、人生をどう満たすべきなのか、何を目指すべきなのか

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    2022年01月30日
  • サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法

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    EQをのばす本
    1.自己認識:情動の自覚→客観性→自信
    2.自己統制:情動を抑え込むのではなく選択する
    3.動機づけ:整合性、理想の未来、レジリエンス
    4.共感:優しさ
    5.リーダーシップ:思いやり

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    2022年01月24日
  • TIME SMART(タイム・スマート)―お金と時間の科学

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    端的に言うと、幸せになるためには【時間】>【お金】であると言うことを述べている本。
    人間はどうしてもお金に価値があると考え、お金基準に物事を判断してしまう生き物であり、お金を払ってでも自分の時間を確保すべきだと主張している。生きて行くために最低限必要なお金さえ確保出来ているのなら、この考えは極めて正しいと思う。何億も持っているお金持ちが、もっと稼がないとと無理をして幸せになれない理由がよく分かった。なお気を付けないと行けないのは、この本にはどうやったらタイムリッチになれるか、具体的な方法までは書かれていない事。まあ人それぞれ状況が違うので仕方ないと思うが、具体的な方法を期待している人はご注意く

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    2021年12月23日