柴田裕之のレビュー一覧
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小さな子どもの時から、
人は自制する事ができる子と出来ない子がいて、
その結果、人生にどのように影響があるかを書いた本。
考えされられた。
我慢することは、大人でも難しいことである。
それを幼少のころに身につけていれば、成功する確率はあがるだろう。
本書はその事を半世紀の調査で実証したといえる。
内容(「BOOK」データベースより)
『マシュマロをすぐ1個もらう?それとも我慢して、あとで2個もらう?』これは、行動科学で最も有名なテストのひとつマシュマロ・テストである。このテストの考案者である本書の著者ウォルター・ミシェルは、マシュマロを食べるのをがまんできた子・できなかった子のその後 -
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ネタバレ「今マシュマロを一つもらうか、しばらく待って二つもらうか」
我々の意思決定には辺縁系を中心としたホットなシステムと前頭前野を中心とした認知的なクールなシステムがある(という二律背反構造をモデル化したものはセイラー以来、多数あるが、やはり代表的なのはカーネマンか)。
未就学児童に対するマシュマロ・テストで、クールなシステムを働かせて待つことができる能力とその後の人生の成功との間には強い相関がある
ただし、この能力は持って生まれたものではあるが、その後のトレーニングによって強めることもできるし、場合によっては(自制心があるはずのクリントンがモニカ・ルインスキーとの事件を起こしたように)ホットな -
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ネタバレ人間の道徳的な行動のカギはオキシトシンという化学伝達物質。平均的に女性の方が多い。
オキシトシンを増やすには、信頼を込めて人と接するだけでよい。それだけで相手はオキシトシンが急増する。
自然界では、環境からのシグナルによって、リラックスして安全な事がわかるとオキシトシンが急増する。
オキシトシンの分泌が促されると、今度は快感を生じさせるドーパミンとセロトニンが分泌される。セロトニンは不安を減らして気分をよくする効果があり、ドーパミンは目標志向行動や衝動、強化学習に関わっている。
「共感」はオキシトシンレベルの上昇と直結している。
信頼されるとオキシトシンレベルが上がり、より信頼される -
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「昔は良かった」という人達がいるが、現在の世界は50年前に比べて格段に良くなっている。便利なものはより便利に、より安く入手・使用することができるようになった。平均寿命も延び、乳児死亡率も低下している。
著者は自分が「合理的な楽観主義」だという。資源の枯渇や環境汚染が騒がれているが、新たな資源の可能性はいくらでもある。また環境汚染でも、排気ガスが発する有害物質は減っている。この先の世界もそう悲観するものではない。
ということが具体的なデータを並べて示されている。
著者は原子力発電が主力になっていくとしているが、これは東日本大震災による福島の事故から修正されるべきだろう。著者の今の考えはどう -
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人類の10万年史を振り返ると、近現代の生活水準の向上は驚くべきものである。現代社会の抱える恐るべき貧困でさえ、個別的な事例の悲惨さはさておき全体的な視点から見れば、過去の歴史における破局的な貧困よりはマシであるのは間違いない。ことによると我々人類がマルサスの罠に捉えられていたころの平均的な生活水準でさえ、現代人の感覚からすれば貧困状態と言っても間違いかもしれない。我々は、ともすれば、この科学技術社会を語る際に、産業革命以前の社会のノスタルジックな側面と対比しがちであるが、ノスタルジックな幻想を抱くことも多いが、「世界は常に良くなってきた」ことを、もっとキチンと認識すべきである。
というのが、 -
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「あなたは自分がしていることを堂々と母親に告げられますか?」
これはebayが他国に進出する時、倫理規定を考えた時に考え出した言葉である。はっとさせられる言葉である。
コンピュータはプログラムを忠実に実行するだけだが、ヒトは何らかの意図を持ち、複雑な行動を組み合わせて何らかの結果を生む。
海馬により短期記憶、睡眠により定着すると言われている記憶はいずれも過去のモノである。
各種ホルモンは未来の行動の方向性、意思決定の際のバイアスであると考える。これの異常が、うつ、発達障害などや影響しているのはもはや疑いは無いだろう。
本書が示すのは、我々の行動、特に他者へのいたわり、優しさの根源には、オキシト -
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人の信頼関係を、小さな分子(ペプチド)で、脳の中で信号を送る神経伝達物質と、血液中でメッセージを運ぶホルモンの両方の働きを持つ「オキシトシン」に着目して、どのような時にそれが分泌されるのか、あるいはそれを注入した場合にどのような影響を与えるのか等の実験から「愛と共感」との相関を導き出し、それこそが経済を繁栄に導くと説く。
共感あるいは信頼関係が経済活動にブラスに働くというのはパットナムの『哲学する民主主義』以降、定番とも言える言説ですが、ハグやマッサージのようなスキンシップあるいは宗教やダンスそして感動の物語でオキシトシンが分泌され共感と信頼に繋がるとの実験結果はとても新鮮で良かった。 -
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脳科学、生物学的な知見も含めた行動経済学に興味があり、新しい社会のモデルについて知りたくなり手に取る。
伝達物質のひとつである「オキシトシン」が信頼と共感を生み、資本主義に代わる新しい経済のあり方について研究の成果に基づいて説明している。
オキシトシンは女性ホルモンであり、他者からの信頼を得ることで一時的に自らもオキシトシンが増加することで、利他的で非合理的な行動をとるという。
公共財ゲームや信頼ゲームといった実験を重ねることで、特に愛情を受けて育った人、信仰の深い人は他人を信頼し幸福度が高いことが分かる。
しかし、進化の過程で人間は生存するために、知能をもった他の生物から生き延びるた -
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「死」とはどういうものなのかを哲学的に突き詰めて考えてみよう、という本である。前半は形而上学的な話で、正直ややこしい。魂の有無や、死ぬと“私”という存在はどうなるのかといった問題を扱っているのだが、文字を自分のペースで読んでいるから辛うじて理解できるけれど、講義でこの話を耳から聴いてたら、ついて行けなさそう…。だが、私たちの多くはなぜ死を悪いものだと思っているのかと問い始めるあたりから、話は具体性を帯び、俄然おもしろくなってくる。そして死を突き詰めていくことで、死よりも価値あるものとみなせる「生」とはどういうものか、という「生」の話に反転するのだ。なかなかお見事!
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歴史の大局を踏まえた過去の著作と比べるとやや物足りなさが残った。
誰とは名指ししていないが、下記の記述はトランプ政権を指していることは明白であり、著者が米国の現状に強い危機感を抱いている様子が窺える。
・強権的な指導者が民主制を切り崩すのに使う最もありふれた方法は、自己修正メカニズムを1つまた1つと攻撃するというものであり、手初めに標的とされるのは裁判所とメディアであることが多い。
・ポピュリストは人民の力と言う民主主義の原理を際限なく拡大解釈し、自分だけが人民を代表していると断言し、政治的な権限の唯一の正当な源泉であると主張し、全体主義に転じる。
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序章は歴史が示す今までの悪人の例。そして、悪人なのは生まれつきなのか、後天的なのか。その例として3歳児の実験をしている。そこでもともとは不正はしてはいけないと思っている人が多かった。
では次にどうして悪人はできるのか。
権力や環境でその確率は上がる。また周りの目や意識によっても格差や階級が生まれる。
そして、権力を持つと腐敗する。
第9章はなかなか興味深く、権力や地位は健康や寿命に影響を与えるというもの。
上の階級のサルはコカインか食べ物かの選択で誘惑に抗い食べ物を選んだ。「厳しい要求と少ない 裁量権の組み合わせ」が 問題である。
ストレスといってもボス猿のような圧倒的ストレスにさらされ常