【感想・ネタバレ】オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史3 帝国の緩やかな黄昏のレビュー

あらすじ

「ゴルバチョフが捨て身で提示した核全廃の選択肢を、ソ連の脅威を楯に拒否したのはアメリカ」「ソ連への牽制のため、イラン、イラクなどのイスラム国家を利用、対立する国双方に武器や資金を提供し、戦争の火種を撒き散らした」「イスラム原理主義者に直接・間接的に資金提供を続け、9・11テロの原因を作った」「未曾有の被害をもたらした9・11テロをも利用し、二つのイスラム国家に戦争を仕掛けた」ソ連とのあいだに生まれた緊張緩和(デタント)の機運は、米国政権内のタカ派の圧力ですぐに消え去った。ソ連崩壊後、単独の覇権を謳歌するアメリカは、世界の警察官を任じるに至った。史上最低と呼ばれた大統領のもと、非人道的な国家を援助し、大量破壊兵器を有してもいない国家に戦争を仕掛けその文明を破壊したアメリカでは、国内経済の瓦解がとどめようもなく進行していた。そしてその覇権にも翳りが見え始める――9・11テロはその象徴だったが、ネオコンの圧力のもと、軍事費は国家予算を圧迫して増大し続ける。未曾有の所得格差に怒りの声を上げ始めたアメリカ国民は、改革の兆しを初の黒人大統領、オバマに認めたが、その希望はすぐに失望に変わった……頽廃が忍び寄る「帝国」の病理を容赦なく描き出す、歴史超大作完結篇。(全3巻)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

訳はいまいちだったが、公に語られてこなかったアメリカの歴史がよく分かった。改めてアメリカへの見方が変わった。

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2015年06月02日

Posted by ブクログ

三巻目はフォード大統領から最近のオバマ大統領まで。カーター大統領あたりからなんとなく記憶があるので生々しく読めた。これまでのほほんと生きてきたけど、核戦争直前の危機が何度もあったとわかって改めて驚愕。しかも概ね米国が悪いとらしい。中でもレーガンとブッシュ ジュニアが危な過ぎ。よく人類生きてるな。

安倍首相も同類のような気がしてならないのだが。

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2013年07月24日

sun

購入済み

エンタメ性の高い読み

3巻目、ストーンの強い反体制・反帝国主義のスタンスが顕著に表れている。ウォーターゲート事件、レーガン時代、湾岸戦争、9/11テロ事件後の戦争など、アメリカの政治・経済・軍事政策を厳しく批判しているが、その見解はかなり偏っていると考えた方がいいかもしれない。ストーンが歴史をドラマチックな語り口で綴るのでエンタメ性の高い読み物となっている。

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2025年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アメリカ史の、冷戦終了後から、現在まで。
イラク戦争、フセイン、タリバン他テロリストに対する、アメリカ政府の対応が、一部の人々のために行われてきた、その側面を語っています。そしてそれを引き継いだオバマ政権が、何も出来ていない現実。非常に衝撃を受ける内容です。
どんな人々、政権にも、良い面と悪い面があると思います。この本は、悪い面を強調して書かれています。真実が書かれているでしょうが、これだけで判断してはいけないと思います。それだけ良く出来ています。この本は。

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2014年01月11日

Posted by ブクログ

「オリバーストーンが語る…」全三巻を読み通した。
第一次世界大戦から始まる二十世紀=戦争の世紀から二十一世紀のオバマ政権まで、世界においてアメリカの果たした役割でありながら、アメリカ国内における歴史認識とはいささか異なる面を語る。

日本人にとってわかりやすいのは、ヒロシマ、ナガサキの原爆投下の話だろう。現在のアメリカの一般的な歴史認識では、百万人以上の死傷者を生んだであろう言われる日本本土決戦を回避するために必須であったとされる事が多い。しかし、実際に当時のアメリカ、トルーマン政権は日本は既に戦争継続の国力を欠いており、ソ連へ終戦交渉を始めている事知っていながら、戦後の冷戦時代を見越して、ソ連への牽制として原爆を使用した。原爆投下は戦争の終結には全く不要なものであり、本土決戦の被害規模は後付けて作られた話だというところだろう。
※その話は有名な話なのだが、アメリカにおいては、本土決戦回避のためには原爆の使用は必要であったとする論が強いと言われている。

おしなべて、ケネディあたりまでは大統領の人柄などにも踏み込んだ話が多く、読む方も引き込まれる。しかし、カーター以降になると、そういう部分が薄くなり、事実や当時の記事などを追うだけになる感じで、歴史を読んでいるという感じが薄れる。
クリントン政権を殆ど取り上げないのに対し、やはりブッシュ批判が強いのは、ブッシュの一般的な評価から見て当然と思うが、ブッシュこそ父と子の対立など、大統領個人の視点からもっと踏み込んだ内容を期待したかった。
1、2巻に対して3巻の評価の星が一つ少ないのはそんなところからだ。

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2013年08月26日

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