中原尚哉のレビュー一覧
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待ってました、弊機ことマーダーボットの大冒険!今回は長編ということで分厚いし、話自体は超新しいとかそういうわけでもないのですが、読む手が止まりませんでした。良いスピード感と、可愛い可愛い弊機のモダモダにニヤニヤしていたらあっという間に終わりに。これは、続きありますね笑
1巻目で大好きになったART、また出てこないかな~と思っていたら、まさかの登場でテンションが上がりました。いろいろありましたが、ボロボロになりながらも、無事ひと段落着いてよかったです。メンサーの娘のアメナとのやり取りも好きだったし、ART/メンサーとの関係を"誤解"されるといった場面も、いい意味でまさに現代のSFだな~という感じ。自然に織り込まれている感じが好きです。訳者の中原さんのお力だなと思いますが。
アメナに「第三母」と呼ばれるくだりは面白くて笑ってしまった。それから寝方注意して寝かせたところとか、寝相見てるとか、まじでママ笑
まあそんな男と付き合うなんてけしからん!ってしてた時代からその傾向はあったよね笑
若い子どもに弱いARTも可愛いし、やっぱり弊機とARTのやり取りがたまりませんね。今回はお互い少し素直になって、大切な友人として奮闘してたのが胸熱でした。ARTが自分の乗船員から「ペリ」と愛称で呼ばれているのに、「ペットネーム」と意地悪くニヤニヤしているところさえ可愛い。最後はARTが死んだと思って情緒的破綻を起こしたこと認められて、えらいよ!よしよし!としたくなりました。
メンサーも本当に分かってくれる人で素敵…アメナの新しい配偶者を迎える喩えは笑いましたが、弊機は今ARTと一緒に居たいのなら、一緒にいるのがいいよ!
そして新キャラ、第三号くん。イケメンの予感。。もっと出してほしい笑!! -
Posted by ブクログ
「リスポーン」行動心理学によれば人間の行動は大きくレスポンポンデント条件付けとオペラント条件付けに分けられる、簡単に言うと環境に対して行動が発現する。それの極端な形が”ゲーム”である、というところからアイデアとったのかな?と思われる短編。ゲームの中でプレイヤーはどんな人にでもなれる。でも所詮それだって、条件付けの産物にすぎない。じゃあ、俺は俺のままでもなんだってできる。そういうことだろ?みたいな話。ゲームSFの懐の深さを見せつける読みやすい良作。
「救助よろ」ケン・リュウは別格なので置いておくとしたら、これが一番面白かった。最初から現社会と異世界の合いの子みたいな世界観で、まあ、SFなんだしこういうこともあるかなぁ、と思いながら読んでいたら意外な仕掛け。ゲームみたいな世界だったらなあ、とは誰しも一度は思うこと(多分)。でもラストのオチはお約束みたいでイマイチだったかな。そんなに悪い世界とも思えないし……。
「1アップ」ゲーム好きが、ゲーム好きならではの発想や推理力から、大きな敵に打ち勝つという王道ながら感動のストーリー。レディプレイヤーワンに求めてたのはこれだったのに……(その話は今は関係ないでしょ)。
「猫の王権」認知症とゲームの未来について、といった解説がなされていたけど、着想はゲームばかりでコミュニケーションを取ってくれなくなってしまった隣人からなのでは? ある意味どこにでもある話なのだと思う。ラストの解釈は難しいんだけど、そういう方向から考えたら、「ゲームは確かにコミュニケーションを奪う、でもそこにはそれだけの魔力も確かに存在している」ってことかな?
「神モード」セカイ系! 崩壊していくセカイ、そこに残されるきみとぼく。よくあるストーリーだけど、それでも好きなものは好き。コメント以上。
「リコイル!」MGSが好きなんだろうなあと思いました。
「キャラクター選択」ゲームがスカウトの役割を果たす、というアイデアは「The video game with no name」にもありましたね。こっちはちょっとひねってある。ネットの感想で「なぜわざわざガーデニングの上手い人をとるのか、オチが雑」というのを見たけど、多分「戦うことを求められる場においても人々の幸せを求めて違った選択肢を見つけられる人こそが平和を守るためには必要」。泣ける。
「時計仕掛けの兵隊」ゲームを進めるに連れて、ゲーム世界と作中世界、そして現実世界までもが交錯していく様は、まさに”ナラティブ”なゲーム体験。抑圧され、知ることを許されず、自己選択を制限されることの苦しみ、それに不自由な身でありながらも少しでも抵抗しようと試みるのは、何よりもそれが自分自身の問題であるから。「無知であることと、知ろうとしないことは、別物である」これはアレックスに向けた、そして私たち読者に向けたメッセージ。その読後の余韻の重さにしびれる。 -
Posted by ブクログ
プリザベーション連合に取り敢えず落ち着いた弊機は惑星調査の警備任務に就くが、帰還の途中で襲撃を受け調査メンバーの一人、メンサー博士の娘アメナと共に謎の船に拉致される。奇妙な異星生物が乗り込んでいたその船は“あの”船のはずなのだが気配が全く感じられない…。相変わらず対人対物関係には後ろ向きな弊機だけど他者を心配したり喪失に絶望しかけたり再会に喜んだりと感情の幅が大きくなっているようでにやり。前作より大規模に手を変え品を変えやってくる危機に翻弄される弊機一同。ぼやきながら危機に対応しないといけないので、新たなお気に入りドラマも出来ているのになかなかじっくり見られないのがお疲れ様です。最後まで手に汗握る展開だけど長編だからかちょっと途中中だるみ感があったかな。それにしてもこの世界でのパートナー制度、自由で宜しい。
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これぞディストピア・オブ・ディストピアって感じ。「こんな未来は嫌だ」の大喜利のような暗い設定ばかり。絶対にこんな世界で生きたくはないが読み物としては好みだ。
特に『イエローカードマン』の世界が一番暗くて嫌だったなー。
『ポップ隊』の設定は映画化されそう。
特に“科学技術による生命倫理への挑戦”みたいなテーマが好きな作家さんっぽい。
人格をデータ化して小さなキューブに保存したり、楽器のように改造したり、遺伝子操作で不死身にしたり。
環境破壊のせいで新たな格差社会が生じたり、人々が痴呆化したり。科学技術が部族間の争いに繋がったり。
各短編の翻訳を中原尚哉さんと金子浩さんの2人が別々に担当されていて、なんとなくだけど、中原さんが翻訳したのは内省的な主人公の内面描写が多い作品で、金子さん翻訳の作品はそうでないものが多い気がした。
どちらも甲乙つけ難く好きです。
『カロリーマン』『イエローカードマン』と同じ世界観で描かれてるらしい『ねじまき少女』も是非読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
本屋でジャケ買い。
星は4.5相当
実際のアポロ計画は17号で終了。
ソ連が軌道上に高精細のカメラを積んだ偵察衛星を打ち上げる情報を察知したアメリカは地質調査目的で打ち上げるはずだったアポロ18号を初めて軍事目的で打ち上げることとする。
併せて、月面を無人で探査する無人車も活動しているため、アポロ18号のクルーは偵察衛星と月面探査車の詳細調査と無力化の命令を受ける。
作者は実際にISSに行ったことのある宇宙飛行士、描写も細かく、実在の人物も実名のまま登場する。
例:アンドロポフ、ブレジネフ、アラン・シェパードなど
面白くて上下巻を一気読みしたので、上巻がどこまでだったか詳しく覚えていないくらい面白い。
確か、打ち上げて軌道上のソ連の偵察衛星との辛味くらいまでか。
これ以上書くとネタバレになるので、このへんで。 -
Posted by ブクログ
タイトル作『逃亡テレメトリー』と、短編『義務』『ホーム』を収録。
時系列的にバラバラで、『逃亡テレメトリー』は『ネットワーク・エフェクト』の直前(読後に『ネットワーク・エフェクト』をまた最初から読むことになる)、『義務』はセルフハック後にそれを隠してそのまま働いていた時の話で一番古い。『ホーム』は『出口戦略の無謀』(マーダーボット・ダイアリー(下))の後で、主にメンサー博士の視点による三人称で書かれている。
「必要なら抱きついてもかまいませんよ」がまた出てきた。何回読んでも笑っちゃう。体温が高いのは意図的に上げているのか、それとも…。
そういう場面は他にもあるし、この作品は、知名度が上がると同人誌界隈に出てきそうなのが気になる。既にファンによる作品がYoutubeにアップされている(個人的には見て後悔)。著者のサイトや版元Tor.comなんかも見てみましたが、TVシリーズ向きという評価があるそうで、著者も前向きらしい。「弊機が『サンクチュアリムーンの盛衰』を見ているマーダーボットダイアリーズ」を見ている私、が実現したらいいなあ。
元のペーパーバック等、公式なものでマーダーボットの顔が見えるものは今のところありません。日本の翻訳版のカバーイラストはちょっとかわいい過ぎるのではないかと思います。挙動からするとそんな感じですけど。
次回先が待ち遠しいです。星一つ減は、分量的に物足りなかったということが理由。