中原尚哉のレビュー一覧

  • 反転領域

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    なんか凄いものを読んだな。同じ登場人物達が少しずつ異なるループもののストーリーに登場する。
    どういう事だろうと読み進めると、あぁなるほど最初からそうだったのか、となる。
    最初のシーンの影響か19世紀頃に書かれた文書の様な肩苦しさが多少あるのが難点か。

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    2025年07月31日
  • マーダーボット・ダイアリー 下

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    記憶を消去された大量殺人については、前巻の説明で終わりなんかな。まだわからんけど。

    言葉の使い方自分でもおかしいと思うが、なんか、日常系のまったりしたところも感じるのは、あくまでこのマーダーボットの語り口なんだろうと思う。
    英語の原文見たって、ふた文字目から全く理解できない自信はあるが、訳者が上手いのか。ですますの敬体で書かれているのが、どこまでも薄皮被った距離感を生んでいる感じで面白い。

    戦闘シーンの描写も上手いし、ボット同士のコミュニケーション、フツーにやってしますハッキングも良い。
    そうした一つ一つの言葉について一切説明がない。
    全くSFという物に触れたことのない人は、一瞥なく置き去

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    2025年07月22日
  • システム・クラッシュ

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    安定の面白さのマーダーボットシリーズでした。
    このシリーズはすでに5冊ぐらい出ているので、いつもの展開で特に目新しさは無かった。つまらないわけでは無く、一応最後まで読み切れる程度には面白かったです。

    回を重ねるごとにアンドロイドの仲間が増えていくので、この部分は物語に変化をもたらしていたので良かったです。続きは当分無いと思いますがやるなら大きな変化が欲しいところですね。
    実写化の予定があるみたいなので楽しみです(^^)

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    2025年07月22日
  • マーダーボット・ダイアリー 上

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    かつて重大事件を起こしその記憶を消された人型ボット。

    自分を取り戻すボーンアイデンティティみたいな設定だが、面白い。
    ドラマは、今の所スケールが小さすぎてあれなんだが、その対人恐怖症のボットの、無機と有機の微妙な内面を、一人称で上手く書いている。
    いや、本当上手いと思う。非人間的な部分と、異常に人間的な部分と。

    かつての重大事件の「真相」の一部が明らかになったところでこの先どうなるのかまだ全く分からない。長いシリーズものは苦手なのだが、取敢えず地味に次を読みたいと思う。

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    2025年07月17日
  • 第六ポンプ

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    全体的に読みやすくて、SF短編集だったけど「こういうのもアリだな」と思える内容だった。中でも表題作の「第六ポンプ」が一番面白くて印象に残った。
    どの話もSFらしい設定ながらも、読みやすい文章と考えさせられるテーマでぐっと引き込まれた。

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    2025年07月12日
  • システム・クラッシュ

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    お気に入りの〈マーダーボット・ダイアリーシリーズ〉で『ネットワーク・エフェクト』の続編

    “ART”と“弊機”のやりとりは相変わらず人間よりも人間臭く「こういうやついる〜」ってニタニタしてしまう。

    ただ、シリーズもここまでくると最初のワクワク感が無くなって、日記風の文章が疎ましく感じるようなのが、とても残念。
    次はぜひ、“弊機”に別の世界へ旅してほしい(ちょくちょく“ART”は顔出し?してほしいけど)

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    2025年05月25日
  • 第六ポンプ

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    10話からなる短編集

    この中でより心に残っているは
    パショ
    イエローカードマン
    そして表題作の
    第六ポンプ

    パショは
    新しいものを取り入れて変わっていくことに抵抗感があり新しいものを取り入れない人の顛末
    知識が持つ絶大な力
    対立していて不穏な空気が漂う場面はあれど
    ガツガツしている雰囲気は一切なく
    穏やか過ぎていく日常を感じたお話

    イエローカードマンは
    これは個人的に凄いなと思ったのは
    昔大繁盛をしていた商売をしていたのに理不尽にすべてを奪われた一人の老人が
    身体の動きが鈍くなる中けがをしても仕事をもらおうとしている様が
    なんだか他人事とは思えなかった

    そして
    第六ポンプ
    やっぱり知識

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    2025年04月20日
  • 鋼鉄紅女

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    パシフィック・リム+陰陽五行+中華ファンタジーの欲張り設定でワクワクしながら読み始めました。

    中国の歴史とか文化を知っていたらもっと楽しめたかな。髪形とか服装のイメージ出来なかったのが残念。

    男性上位の世界観で女性はかなり辛い扱いを受けるので抵抗ある人にはオススメできないかも

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    2025年04月05日
  • ネットワーク・エフェクト

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    マーダー・ボット・シリーズ2。今作は長編。
    切れ味は中編の方がするどいかな。なんだかウェットな感じが増してきたしネットワーク転送と意識の問題も突っ込んでほしかった。だんだんファンタジーによってきた感あるな。この後耐えられるか?

    マーダー・ボットには性別はない。はずだけど、自分としてはどちらかといえば女性として捉えていることに気づく。何億年もの進化の結果としてできあがったものをひっくり返して自分は反応できるのだろうか?と、ふと思う。性差については個人ごとに感じる差はあるのだろうか?外見は男性だけど中身は女性というのは理解できる。しかし無性の存在はほんとうに理解できるのか?(漫画「シドニアの騎士

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    2025年03月24日
  • 鋼鉄紅女

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    悪習に囚われた国で生まれながらに罪人のような扱いを受けてる(女性だからというだけで)主人公があふれる才能でめちゃくちゃやるところはおもしろかった 姉の敵を暗殺するつもりがうっかり圧倒的な力の差でねじ伏せちゃったところとか

    纏足って子供の頃から小さい木靴に押し込めて成長させないものだと習った気がしてたけど、作中のわざと粉砕するシーンでこわすぎだった

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    2025年03月22日
  • システム・クラッシュ

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    ストーリーは前巻からの引き続き。惑星の入植者を巡って企業と対決。
    ARTの支援も限られる中、弊機の選択した起死回生策が、弊機ならではで痛快

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    2025年03月21日
  • マーダーボット・ダイアリー 下

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    保険会社の所有物ではなくなり、元顧客のメンサー博士の所有物となったものの、所有者のもとから脱走し、脱走ボットとなった弊機。指名手配され周囲から身を隠しながらも、弊機の旅は続く。

    色んな惑星で色んな人間に関わりながら、行く先々で人間を守る弊機。
    メンサー博士のような愚かで弱いが優しい人間が好きで、人やものを守ることも好きな弊機だが、人として扱われることは嫌だし、「人間にはなりたくない」というセリフが印象に残った。

    人間型のペットロボットであるミキが無邪気で人懐っこくて、素直で可愛かった。

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    2025年03月14日
  • マーダーボット・ダイアリー 上

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    「マーダーボット・ダイアリー」というタイトルの通り、人間の警備業務を行っているロボットである「マーダーボット」、自称「弊機」の一人称視点で物語が進む。

    この「弊機」は保険会社の所有物であり、過去に統制モジュールの異常による大量虐殺事件を起こしている。二度と人間を殺したくないという意思のもと、自ら統制モジュールをハッキングして自律した意思決定や行動を起こせるようになったものの、それを周囲に隠したまま警備ユニットとしての業務を継続している。

    連続ドラマの視聴が趣味で、業務中も暇さえあれば連続ドラマに耽溺している。
    顧客を守るという責任感がとても強い一方で、過去に大量虐殺事件を起こしてしまっ

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    2025年03月14日
  • システム・クラッシュ

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    待ってましたのマーダーボット・ダイアリーシリーズ。日本では4冊目で、お話の内容としては2冊目の「ネットワーク・エフェクト」の続きとなってます。
    今回は映画で言うと前半の見どころシーンが300ページほどの文庫になっている感じで、正直クライマックスまで大きなドラマがなく、いつも楽しみな“弊機”のシニカルな独白もさすがにダラダラと退屈に感じられてしまいました。が、クライマックスはさすがのマーダーボット。弊機の活躍と少し前向きで成長したボヤキ、ARTとのやりとりが楽しめます。
    あまり話が展開しないなと思ったものの、そういえば、一冊目から中編短編4つのエピソードで構成されていて、2冊目だけが長編で特殊だ

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    2025年01月05日
  • マーダーボット・ダイアリー 上

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    評価が高かったので期待し過ぎた。主人公のボットがめちゃくちゃ優秀なのに、人間との会話が苦手とかドラマが好きとか可愛い一面があって、萌えということなのか…

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    2025年01月02日
  • スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選

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    ゲームを題材にした短編アンソロジー。

    「リスポーン」、「1アップ」、「キャラクター選択」が面白かったが、驚くほど面白いというものには出会えなかった。

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    2024年12月30日
  • 第六ポンプ

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    近未来ディストピアSF短編集。

    ・感想
    面白かった……んだけどなんだか読み終わるのにすごく時間がかかってしまった。
    続きが気になって読む手が止まらない、とか読んでて高揚感がある作品じゃないしひたすら「こんな世界は絶対にやだ……」と思う世界観だったからかなw

    科学技術の影響により環境破壊された世界、痴呆化した人類、エネルギー供給が限定された世界などなど。
    倫理観、道徳感、死生観や哲学などの人文的素養が変質、退行あるいは消失して、根源的な欲望と快楽のみで動く人類もどきたちが彷徨いている世界。

    特に印象的だったのがフルーテッド・ガールズと表題作の第6ポンプ。
    痴呆化した人類(トログ

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    2024年12月03日
  • アポロ18号の殺人 下

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    「アポロ計画」
    20世紀最大の宇宙開発、それは人類初の月世界到達。
    さらに並行して、米ソの「冷たい戦争」の延長として開発競争が繰り広げられていた。

    物語はそんな冷戦を背景とした「アポロ」と「スペースシャトル」の間の時代の、事実を交えた架空の出来事。
    冒険小説のようなミステリーやアクションの連続が懐かしく面白い。

    ただ、率直に言って、感情移入できる主人公的存在がいなかったためか、「カッコいい」と感じられなかったのが残念。

    さすがにNASAなどの現場の雰囲気はリアリティ溢れている(知らないけど)ので、お仕事小説に徹しても良かったのでは?

    上下巻のボリュームに対して、少し報われなかった感じ。

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    2024年10月26日
  • シリコンバレーのドローン海賊 人新世SF傑作選

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    2024-10-11
    グレッグ・イーガン目当てで読んだのだけど、他の作品も粒ぞろい。結末が明るいもの、暗いもの、どちらもあるけれど、明るいものはやや夢想的になっている気がする。まあ、そりゃそうか。

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    2024年10月11日
  • 第六ポンプ

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    中華の雰囲気漂うディストピアSFもの。
    「カロリーマン」が一番印象に残った。
    鉱物資源が枯渇した社会で、さらに植物がニッポン・ジーンハック・ゾウムシという害虫によって遺伝子に異変が起き、ソイプロというハイカロリー植物しか育たなくなった荒廃した世界。全てのエネルギー源をソイプロに依存し、またそのソイプロはアグリジェン社という企業に独占されているというディストピアな世界観がかなり良い。
    遺伝子操作された動物のグロテスクな描写や、ゼンマイを回して動力を作ったりPCの操作が足踏み式だったりと、近未来感とアナログ感が上手く合わさり、資源が枯渇した後の荒廃した未来社会が暗く面白く描かれている。
    また表題作

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    2024年09月20日