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惑星パラダイス-1軌道上のすべての宇宙船で、感染する狂気が猛威を振るっていた。どれだけ食べても「肉」が欲しくて止まらない飢餓感、存在しない寄生体に侵入されたという嫌悪感。AIも同じ妄想にとりつかれ、船内は死に蝕まれている。狂気の原因は人間にもAIにも感染する「病原体」バジリスク。その衝撃の正体とは? サシャたちは狂気の闇から逃れることができるのか!? 実力派作家によるノンストップ・ホラーSF。
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Posted by ブクログ
未来を舞台にしたディストピア小説。人類は遠宇宙まで進出し、コロニーを形成して大繁栄している。ところが、謎の病原体に感染し、ある集団は自発的な呼吸を忘れ、別の集団は人肉食も辞さない飢餓感に襲われ共食いを始める。そのほか、ありもしない虫を探してそこらじゅう(自分の体内も)探し回ったり、光を極端に避けて生...続きを読むきるようになったりする。この症状は人間だけでなく、AIも感染する。原因は病原体ではなく「アイディア」、人間もコンピューターも感染するコンピューターウィルスのようなもの。このアイディアの発生源である惑星に着陸しようとする主人公たちと、それを阻止しようとする「発生源」の戦いが繰り広げられる。ホラーチックなSF小説として、読み応え十分。
早川書房 翻訳SFファンタジイ編集部のXタイムラインに流れているのを見て、面白そうだったので購入。 防衛警察(防警)のアレクサンドラ(サシャ)・ペトロヴァ警部補は、上司であるラング局長から、連絡が途絶えている、太陽系から百光年離れたコロニー惑星<パラダイス-1>への調査を命じられる。<パラダイス-...続きを読む1>―――そこは、サシャの母親である前防警局長エカテリーナ・ペトロヴァが移住(政争の敗北により流刑されたとの噂も。)している惑星であった。 サシャは、<パラダイス-1>へ向かう旅客輸送船アルテミス号で、医師のジャン・レイ、船長で元恋人のサム・パーカーと乗り合わせる。コールドスリープ状態となった3人を乗せ、遥か彼方の<パラダイス-1>へ航行中、アルテミス号は植民船ペルセポネ号からなぜか攻撃を受ける。コールドスリープから目覚めた3人は、ロボットのラプスカリオンと協力して危機を脱しようとするが・・・彼らを待ち受けていたのは人間、そしてAIの理性をも狂わす精神感染体<バジリスク>であった―――。 孤立無援の宇宙空間で、人間だけではなくAIをも狂わす「目に見えない」謎のエイリアンの恐怖を描いたSFホラー。狂い異形の姿となるAIホログラムや、理性を失いゾンビ化した人々の姿等のホラーシーンを始めとした状況描写が優秀で、映像化前提で書かれたのではないかと思うほど、物語の各シーンが容易に頭の中で映像化出来てしまう。ただ、その分物語の進行も遅めなので、人によっては冗長と感じる場合もありそう。(読み易いテキストで紙面の空白部分も多いとはいえ、上巻508頁(下巻479頁)なので、ボリュームはなかなかのもの。) 上述したホラー部分には何度もゾッとさせられた程でしっかりと怖く、ジャンの手甲が変形してゾンビを撃退する場面や、ラプスカリオンが狂った植民船のロボットと戦う場面等、アクションシーンも手汗握る(ちょっと中二心をくすぐる)迫力のあるものとなっており、なんとなく映画『エイリアン2』の雰囲気を感じられる(内容は全然違うのだが)。また、事件の真相を究明するシナリオの引き込みも良く、(まだ上巻だけしか読んでいないが、)全体として優秀なSFホラー作品に仕上がっている。 本書(上巻)ラスト、とんでもなく続きが気になる終わり方をしてくれましてね。さて、<パラダイス-1>で起こっている事件の真相とはいかに―――。
太陽系から百光年離れた星系にある植民星「パラダイス‐1」と連絡が途絶し、その調査に送り込まれた防衛警察の警部補、医師、パイロットたちが、目的地到着の目前コールドスリープから目覚めるや否や正体不明の敵からの襲撃を受け、そこからノンストップで危機また危機の戦闘に巻き込まれていくという、難しいこと言いっこ...続きを読むなしのエンタメSF。上巻だけで510ページほどあるが7~8ページ単位の70章ほどの短い章に分かれていてテンポよくサクサク読める。謎の敵は人間にもAIにも感染し、どちらも発狂させゾンビ化させてしまうウィルスのようなもので、それによって「ソンビ化した人間」はお馴染みのあれなのだが、「ゾンビ化したAI」というのは本書の独創的なアイデアで、これがかなりおぞましくて秀逸。悪趣味で言葉づかいの汚い艦付きのロボッが憎めない感じのキャラでこれまたいい。
SFでホラーというジャンル。アレクサンドラ・ペトロヴァ(サシャ)は防衛警察の警部補である。防警の泳がしていた対象人物を捜査して逮捕時に射殺したというので拘束され、新たな命令が下された。新規植民星のパラダイス1の様子を見て来いというのだ。母親のエカテリーナ・ペトロヴァが引退した植民衛星だ。なにがあると...続きを読むいうのだろうか?サシャはパイロットのサムと医師のジャンとともに太陽系から100光年離れた惑星に向かう。冷凍睡眠から目覚めて目にしたものは…。彼らの頭に侵入する妄想だった。
タイトルに惹かれて購入。分かり易い翻訳と短い章の積み重ねで、500ページ超のボリュームでもサクサク読み進められる。太陽系から100光年彼方の宇宙船内、搭乗員3人+AIロボットだけの閉鎖空間での恐怖は、あのSFホラー映画の傑作「エイリアン」を思い起こさせる。冒頭からスリリングな展開で、感染したカニバリ...続きを読むズムの狂気と対峙する後半も疾走感たっぷり。そして衝撃の上巻ラスト。続きが気になるので即下巻へ。
惑星パラダイス-1に向かう途中で突然、宇宙船が攻撃されて、ともかく状況を把握し敵に反撃をするまでの前半部分が退屈でつまらなかった。 敵の正体が分かり、戦いが本格的に始まってからは、とても面白かったのだが・・・ これ、3部作なんだってさ
ヒトだけでなくAIにまで「感染」する、明確な意図を持った狂気。 遠く離れた植民星に派遣された船。その星系に到着した途端に、何も分からないままその狂気に投げ込まれた。 上巻終わって、ちょうど「事件」が一段落して謎が深まったところと見えるが、下巻が楽しみ。 仕掛けが良くてのめり込んでいるが、流石に...続きを読む色んな既視感は否めない。 エイリアンだったり、2001年だったり、宇宙船ビーグル号だったり、ゾンビだったり。 SFというジャンルが書かれて長い時間が経っているから、大概のアイデアが発表されているわけだ。世界観とか、設定とか現象とか、逃れられないよねえ。ここをどうするかで、作品の方向とか、作者の腕が問われるような気がするね。 さて、下巻。
予備知識なく読み始めたのが良かった。海外SFでこの馬鹿SFさ加減や矢継ぎ早のホラー展開と激しいスプラッターはあまり読んだことがなく、読みやすくて面白く感じたけど、おいおい感も相当で、知っていたら躊躇して読まなかったかも。主人公たちは短い章立てでガシガシと追い詰められてパニックSFでもあるが、狂ったA...続きを読むIという言い方が良いのか、宇宙を駆け巡るゾンビ化したAIには、とても勝てる気がしない。読み手は、この絶望的な船に乗ってしまったので、とりあえずそのまま下巻へ行くことにします。
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