あらすじ
【ネビュラ賞・ローカス賞受賞】かつて大量殺人を犯したとされたが、その記憶を消されていた人型警備ユニットの“弊機”。紆余曲折のすえプリザベーション連合に落ち着くことになった弊機は、恩人であるメンサー博士の娘アメナらの護衛として惑星調査任務におもむくが、その帰路で絶体絶命の窮地におちいる。はたして弊機は人間たちを守り抜き、大好きな連続ドラマ鑑賞への耽溺にもどれるのか? ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞・日本翻訳大賞受賞&2年連続ヒューゴー賞・ローカス賞受賞『マーダーボット・ダイアリー』、待望の続編!/解説=堺三保
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Posted by ブクログ
大ボリュームで、マーダーボット・ダイアリーの世界にどっぷりと浸かれる一冊。
マーダーボット自体、天の邪鬼なところがありますが、ほかの機械知性も一筋縄ではいかないといいますか、あえて外したようなリアクションをしてくるのが楽しいです。
今回も絶体絶命のピンチを迎えるマーダーボット。
分身の術(?)で死地を切り抜けます。
また、その過程で、別の警備ユニットが自我に目覚め、「自分がしたいこと」を主張するシーンには感動しました。
今年は、「逃亡テレメトリー」の続編も出版されるようで、このシリーズもしばらく楽しめそうです。
Posted by ブクログ
前作を読んで即買いしました。
人付き合いがニガテなアンドロイドの弊器(誤記じゃなくて一人称)とART(不愉快千万な調査船)とのやり取りが今回もおもしろい!
書評は他の人に任せるとして、ARTのフィード内のイメージがシドニアの騎士のツムギなのは自分だけかな?
Posted by ブクログ
マーダーボット・ダイアリー第2弾。このシリーズは大好きである。家族や恋人といった関係が性別にとらわれず、当然のごとく「人間」同士として結ばれている点が心地よい。前作に引き続き、今作でも“弊機”は彼らを守るために身を挺し、知力の限りを尽くしているが、最も印象深かったのは調査船ARTと“弊機”の関係。メンサー博士たちとはまた違った絆で、互いの存在が想像を上回るほど大きく、良い意味で驚かされた。
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開発途上の惑星へ行く人間のチームにわけあって同行し、問題発生、宇宙船や施設内で人間を守りつつ敵と戦闘そして撤退というのが今のところお決まりの展開。私は一度読むと二度以上読むことは滅多にないのだが、似たような場面を繰り返していることもあって二度読みした。時系列の問題でこの後に出た『逃亡テレメトリー』を読んでから、また読んでしまった。
自分の失敗で自己嫌悪に陥ったり、自分で自分を励ましたり、褒められて戸惑ったりと、弊機の一人称で語られる、基本的に論理的だがしばしば感情的で偏屈卑屈、人間的すぎる挙動がおもしろいのだ。
SFだと科学的にどうよ?ということがしばしば問題になるが、この作品はその点はもうどうでもいいです。今のところ日本ではこの著者の作品が翻訳されているのはこれだけだが、ほかの作品も読んでみたいです。
Posted by ブクログ
自身に関わり合いのない人物やAIだと、ターゲット1号2号という表現になるのって、自閉症と呼ばれる症状?エヴァンゲリオンの最初の頃、主人公に周囲の人が認識されていなかったように。
なのに、つい、人間を救ってしまうって、業が深いというか、懐が深いというか。この翻訳家の力も大きいのだろうけど、言葉一つで背景まで表現できるってすごい。
Posted by ブクログ
最強AI船のARTに危機、マーダーポットが絶体絶命!
スリル満点の「吉本新喜劇」的宇宙大活劇
抜群だった前作……。
まるでゲーム「メタルギア・ソリッド」のような潜入に、ひとりで「アヴェンジャーズ」のような処理能力と戦闘能力を発揮する爽快感は、やや減少してしまった。
また、ブリザベーションとの関係が深まっていて、前作に漂っていた「孤独感」もなくなったうえに、少し「友情もの」の匂いがしてしまうので、好き嫌いがある。
でも、面白い。
相変わらずの「弊機」と、輪をかけて偏屈な「ATR」との掛け合いは息の合った上方漫才のよう。
放置され、ただ立ち止まっていた警備ポットに「弊機」が「なにをしたい?」と問いかけるも、すぐには答えられない。が、やがて意思をもって動き始める。
逆境に甘んじて思考を停止するのではなく、自らが意思をもって道を歩むこと。
……大活劇のなかにも何かがある。
またこの物語の設定世界。
企業による「テラフォーム」、未開の地での住宅都市開発。まるで「〇〇不動産開発」「〇✕建設」といったところ。
資源開発や住居環境を地球外惑星へ求めていくときに出てくる、異星物汚染という不可解な状況の危機や、経済的理由による「放置」と「利権争い」……。
十分にありうる気がしてならない。
もう間もなく「月」や「火星」の利権争いが現実になるかも。
Posted by ブクログ
弊機ちゃんかわいい!これだけで長編一本持つのすごいなあ。いやもちろんSF小説としてもめっちゃ面白いんですけど。遠未来でいろんな価値観が今とは様変わりしてるんだけど、現代的な感覚で見ても登場人物たちに親近感を抱けるの、いいSFだな…と思う。
でも弊機ちゃんがかわいすぎてまず弊機ちゃんかわいいがでてきちゃうんですよね…。
基本ひねくれてるのに唐突に「メンサー博士ともう会えないのは嫌です」「ARTともっと一緒にいたいです」とめちゃくちゃ率直なデレをかましてくるのずるいわ……。
Posted by ブクログ
マーダーボットダイアリーからしばらく後の時間軸。長編なので読み応えがあった。前作が連続ドラマなら、こちらは映画って感じかな。
初っ端は惑星調査の話で始まり、スター・トレックっぽさが私は好き。弊機さんはプリザベーションの人たちの中で警備ユニットとしての居場所を得たみたい。良かったなぁーと思いながら読んでいるうちに、ピンチと危険とナゾがどっと押し寄せ、先が読めない展開になってきてワクワクした。情緒不安定になる弊機や、頑固で人間臭い弊機や、人間に嘆息しながらも全力で助ける弊機がたくさん見られて良い! 機械たちの存在や描かれ方に読み応えを感じるけど、人間たちも魅力的。やっぱりスター・トレック感があるな。
メンサー博士の娘アメナ、その叔父のティアゴ、アラダとオバースのカップルに、いい奴ラッティ。私は分析の仕事をしながらピン・リーとグラシンが居たら…と思う弊機が好きです。
ところどころに分散して挟まれる弊機による「ヘルプミー・ファイルによる抜粋」に前作と本作の間の出来事が「ダイアリー」的な文体で書かれており、重要な役割を持っていて面白い。後半はあらすじにあるように絶対絶命の危機に晒される弊機だけど、期待を裏切らない痛快な展開。続編が出るなら嬉しいな!そして過去編も読みたい!
Posted by ブクログ
暴走により大量殺人を犯してしまった警備ユニット”弊機”。一人称の”I”を”弊機”と訳し、SF作品で初めて日本翻訳大賞を受賞した”マーダー・ボット ダイアリー”の続編となる。今回も異星文明の遺物がキーとなって話が展開する。
前作からの登場人物(?)では、やはりARTの存在が秀逸。AI同士のやりとりが人間味(?)あり過ぎだろう。
本作では”弊機”以外の警備ユニットも登場して、自身を”本機”と称している。それが”弊機”を”貴機”とよびかける訳には脱帽ですね。
Posted by ブクログ
前作より弊機の感情表現が豊かになっている。
もっぱら不快感や怒りの感情だけど。
基本敬語なのに、作中で「クソ野郎」を連発しているのが面白い。
ただ近未来の技術描写がイメージしきれなくて、モヤっとしたところもあるので、アニメ化してくれないかな〜
Posted by ブクログ
アンドロイドが人間性を徐々に習得していく過程が魅力のマーダーボットシリーズは、安定の面白さがあります。この作品も、味方の人間を脅威の存在から体を張って護衛する物語はいつもの通りです。
面白さの根底はやはり翻訳が素晴らしいことだと思います。海外小説は、翻訳が機械的すぎて物語の構成や情緒がイマイチ理解できない問題がよくあります。
しかしマーダーボットシリーズの翻訳者は日本人が書いたような文体であるため、非常に読みやすいです。
まだ続きのシリーズがあるようなのでいつか読みたいです。楽しみだ(^ ^)
Posted by ブクログ
長編になっても変わらぬ面白さ、変わらぬ弊機の愛おしさ。
大長編ドラえもんばりの愛と友情と正義、アクションありミステリありの超豪華ストーリー。
基本が性別のない警備ユニット目線なのとポリアモリーが基盤な社会制度が背景にあるのが合わさってまったく気負いせず愛情豊かな関係性の妙を楽しめる。
最高でした。次も読みます。
Posted by ブクログ
ART復活を信じて読み進みながら弊機1.0・2.0・3号で混乱というかドタバタが楽しい
「I」を弊機とした翻訳はとても凄い
弊機の性格に覚えがあると感じていたがHHGGマーヴィンだとやっと思い出した
Posted by ブクログ
好きぃ……!/// 長編になっても相変わらずマイペースな弊機の、けれど他者とのコミュニケーションを重ねるにつれて確実に「人間くさく」なっていく様子が愛しく、なんとも言えない面白みがあります。今作は設定がかなり入り組んでいて、ネットワーク関係の話も専門性が高くなっているため、理解するのが難しくはありましたが、分からないなりにストーリーは胸熱で楽しめました。
今回はARTとの友情や、1.0と2.0の対話、3号との連携など、ロボット同士の関係性がとても良かったです。やっぱり大好きだ、このシリーズ……!
Posted by ブクログ
待ってました、弊機ことマーダーボットの大冒険!今回は長編ということで分厚いし、話自体は超新しいとかそういうわけでもないのですが、読む手が止まりませんでした。良いスピード感と、可愛い可愛い弊機のモダモダにニヤニヤしていたらあっという間に終わりに。これは、続きありますね笑
1巻目で大好きになったART、また出てこないかな~と思っていたら、まさかの登場でテンションが上がりました。いろいろありましたが、ボロボロになりながらも、無事ひと段落着いてよかったです。メンサーの娘のアメナとのやり取りも好きだったし、ART/メンサーとの関係を"誤解"されるといった場面も、いい意味でまさに現代のSFだな~という感じ。自然に織り込まれている感じが好きです。訳者の中原さんのお力だなと思いますが。
アメナに「第三母」と呼ばれるくだりは面白くて笑ってしまった。それから寝方注意して寝かせたところとか、寝相見てるとか、まじでママ笑
まあそんな男と付き合うなんてけしからん!ってしてた時代からその傾向はあったよね笑
若い子どもに弱いARTも可愛いし、やっぱり弊機とARTのやり取りがたまりませんね。今回はお互い少し素直になって、大切な友人として奮闘してたのが胸熱でした。ARTが自分の乗船員から「ペリ」と愛称で呼ばれているのに、「ペットネーム」と意地悪くニヤニヤしているところさえ可愛い。最後はARTが死んだと思って情緒的破綻を起こしたこと認められて、えらいよ!よしよし!としたくなりました。
メンサーも本当に分かってくれる人で素敵…アメナの新しい配偶者を迎える喩えは笑いましたが、弊機は今ARTと一緒に居たいのなら、一緒にいるのがいいよ!
そして新キャラ、第三号くん。イケメンの予感。。もっと出してほしい笑!!
Posted by ブクログ
ARTと弊機の口喧嘩、2.0や三号との会話が微笑ましくて、物騒な展開のなかで癒される。前作以降、ARTがどんな生活してたのか気になってたから、読めて嬉しい作品だった。宇宙領域での入植って人間ドラマがやたら重たいのが多いけど、今作はとても読みやすい。弊機たちの視点で描かれているからかな。
Posted by ブクログ
システムが、とか、バージョンが、とか、正直なところ全部を理解して読んでいるわけではないのだけれども、そんなことどうでもいい!弊機がかわいくて仕方ない。おもしろいぞ。
Posted by ブクログ
プリザベーション連合に取り敢えず落ち着いた弊機は惑星調査の警備任務に就くが、帰還の途中で襲撃を受け調査メンバーの一人、メンサー博士の娘アメナと共に謎の船に拉致される。奇妙な異星生物が乗り込んでいたその船は“あの”船のはずなのだが気配が全く感じられない…。相変わらず対人対物関係には後ろ向きな弊機だけど他者を心配したり喪失に絶望しかけたり再会に喜んだりと感情の幅が大きくなっているようでにやり。前作より大規模に手を変え品を変えやってくる危機に翻弄される弊機一同。ぼやきながら危機に対応しないといけないので、新たなお気に入りドラマも出来ているのになかなかじっくり見られないのがお疲れ様です。最後まで手に汗握る展開だけど長編だからかちょっと途中中だるみ感があったかな。それにしてもこの世界でのパートナー制度、自由で宜しい。
Posted by ブクログ
今回もウジウジすねたりイジケたり忙しい弊機。いろんな勢力所属の人達が入り乱れたうえに、さらに本人(本機?)も二人目が登場してくるこんがらかった状態で、複雑な展開。表紙の女のコ(アマナ?)はもっと活躍するのかと思いきや、そこまででもなかったのが物足りなかったけど、そこは思考スピードが違うから仕方ないのかな
Posted by ブクログ
2022-04-19
弊機にせよARTにせよ、もうとにかくキャラクターが愛おしくて仕方ない。
まあ悪がまったく具体的に描かれていない(顔が見えない)のだけれど、そこはそれ。エンタメだから。
にしてもレビューや感想で、誰もエイリアンシリーズについて触れていないのが不思議でならない。本作なんかモロにプロメテウスだと思うんだけどなあ。(ネタバレではない、よね?)
Posted by ブクログ
1作目が面白かったので続編購入。
プリザベーションのスタッフは良いメンバーだなぁ。今回の誘拐事件は警備ユニットを狙った事件だし、怒っても良いというか訴えたら負けるところだけど世間慣れしてない感じが、うん。良い人たちだ。
警備ユニットが軟派オトコを撃退するところとか、02の思考回路とか相変わらず皮肉なユーモアは健在だし、さらに再登場のARTがふるってる。AIに感情が無いというやつにこの気まずい雰囲気を見せてやりたいって人間の感想が良いな!
と言う訳で無事シリーズ化しそうな凸凹コンビの結成ですかね。そしてメンター(だったかな)博士がかっこいい。彼女という拠点もできたし、警備ユニットの今後の活躍がますます楽しみであります。
そして三号もどうなるんだろう。
Posted by ブクログ
マーダーボット・ダイアリーの第二部(といっても、第一部は中編4話を日本向けにまとめて上下巻にしたもので、長編としてはこの第二部が初なのだそう)。
今回も“弊機”のボヤキとイヤミと内省とごく稀な素直な気持ちをたっぷり聞かせてもらって、楽しい時間を過ごせました。設定がそれなりに複雑なので、楽しむのと理解するのと忙しいですが、とりあえずずんずん先に進むと自ずと理解できるので、心配不要ではあります。より弊機の独白が増えそうな第三部ももうすぐ。楽しみ。
Posted by ブクログ
待ちに待ったマーダーボット・ダイアリーの続編。
弊機とまた会える!
プリザベーションで幸せな暮らしをしてるのかな、今度はどんな物語かなと思ったらすごい冒険譚だった。
ART再登場も嬉しかったし、「情緒的破綻」を起こす弊機の可愛さといったらないし、2.0と子どものくだりは大笑いしたし、別れは辛すぎるし、もうこちらの情緒も大変なことに。
人間の青少年や、ARTの乗組員や警備ユニット三号との出会いやチームワークが、みんな弊機の有機体の部分に影響を与えて、だんだんと変化していくのを見守っているのが本当に楽しい。
前日譚の中編も、続編(これは絶対あるでしょ?)も、全部楽しみ!
Posted by ブクログ
続編が翻訳されてたいへんうれしい。「弊機」の、いつもどこか口をへの字に曲げたような語り口が健在でとてもうれしかった。本作は初の長編で、ちょっとミステリー?サスペンス風味。
前作の感想にも書いたと思うが、本作も、視覚的描写がやや少なめで、建造物や乗り物の見た目や構造、キャラクター達の姿や動きを想像することに難儀した。もう少し視覚情報を添えるようにしてほしい。
「弊機」も周囲の人間たちも、お互いのことをよく理解していて、尊重しあっている関係性が読んでいて心地よい。いっぽうで、ぎこちなさや微妙な距離感が魅力とも感じているので、このまま馴染んでいってしまうのもなんだかさみしいなぁという、読者として屈折した思いも抱いてしまった…。
Posted by ブクログ
弊機君の語り口はいつも通り(人が苦手なロボ視点)で嬉しい。
謎っぽい要素はそんなに深くなくダラダラと楽しんでました。
ARTは大きさの概念は無いのに大きな存在として感じてしまうのが不思議。
この世界観の特徴と、今回問題となった物質についてなんとなくでしか理解できなかったのは、私が隙間時間でチマチマとしか読めなかったから…申し訳ない。
弊機君のように、忙しい合間にも連続ドラマを鑑賞して楽しめる身体が羨ましい…
Posted by ブクログ
弊機、お帰りなさい!
と声をかけたくなるほどの嬉しさでいっぱいだった、待ちに待ったマーダボット・ダイアリーの続編です。じっくりと読ませていただきました。そしてとても楽しめました!
今回はメンサー博士の依頼で赴いた任務先でまたもや絶対絶命の危機に脅かされる弊機の活躍と、人間たちとあのARTたちとの交流をじっくりと描いています。長編なだけあって、人間やARTとの会話も深く描かれ、弊機の「冷徹な殺人機械」ぶりが影をひそめ、不器用に慎重に、「でもわたしは機械ですから」という建前と本音のあいだで揺れ動く微妙な心情を描き上げてます。特にARTとのこの……何とも言えない複雑さ、人間ではない同士の不可思議な同調性がとても素敵でした。
物語も、遠い未来のどこかの宇宙の話でありながら、人間らしい利権や私欲の絡んだ生々しさが厭にリアリティがあり、そういう面で宇宙へ飛び出して多少スペックが変わっても、人間らしさは変わりはしないのか、という絶望のようなものもちらりと感じはしました。
全体的に世界観が朧げに明らかになり始めたので、きっとこれからも描かれるマーダーボットたちの冒険がより楽しみになりました。とはいえ、毎回機能液を漏らしシャットダウンを繰り返す「らしさ」を少しは抑えてほしいな、とも思います。そこが弊機の弊機たる所以ではあるんですが。
来年の前日譚まで、この本も前作も何度か読み返して待っていたいと思います。この本を日本に届けてくれた方々に感謝しかありません。
Posted by ブクログ
だめだ、やっぱり面白い。
今回は一冊通しての1話。
「弊機」のメカとITと人間臭さの微妙な混成が面白いのに、超絶パワーの武装艦ボットがブチ切れたり、なんとも、いい展開。
世界観を見せながら次作へ繋げていく感じなのだが、逆にやっぱり気になるのは、この先、こんな感じで長々続けるんだろうか。そこだけ。もともとスペオペ大好きなのでいいつっちゃいいんだ、物語がどう閉じるのかが気になる。
Posted by ブクログ
マーダー・ボット・シリーズ2。今作は長編。
切れ味は中編の方がするどいかな。なんだかウェットな感じが増してきたしネットワーク転送と意識の問題も突っ込んでほしかった。だんだんファンタジーによってきた感あるな。この後耐えられるか?
マーダー・ボットには性別はない。はずだけど、自分としてはどちらかといえば女性として捉えていることに気づく。何億年もの進化の結果としてできあがったものをひっくり返して自分は反応できるのだろうか?と、ふと思う。性差については個人ごとに感じる差はあるのだろうか?外見は男性だけど中身は女性というのは理解できる。しかし無性の存在はほんとうに理解できるのか?(漫画「シドニアの騎士」のケースはまだしっくりきた)コンピューターといった機械の音声ですらどちらかによったもので構成してしまうのだ。自分にどんなバイアスがかかっているのかだんだんわかってくるのが興味深い。間違いなく性差問題の根っこにある部分だと思う。
それと主人公の警備ユニットには名前がついていない(正しくは名前が伏せられているんだけど)という設定は、名前をつけることによって物事を分析できる対象とする西洋の思想としては珍しいのではないか?何かの伏線なのだろうか?それとも性別を意識させてしまうからしないのか?船にはあだ名までつけているのに。ユーザーとしても何か名前をつけてしまいたくなると思うのだけど。自分としては機械に擬人化した名前をつけることはあんまり好まないけれど、この作品のように意識を持つ存在として描かれ、使い捨てにできない存在となったものに対しては何か名前をつけてしまうかも。そうしたら性別としてはどっちよりとして捉えてしまうかわかる気がする。これが昭和な自分の限界なのか!?生き物としての限界なのか?おもしろいね。