中原尚哉のレビュー一覧

  • マーダーボット・ダイアリー 上

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    軽く読めるSFとしては、ぶっちぎりで面白かったです笑!
    どう考えても"I"で書かれているだろう原文を、"弊機"と訳した中原さん、天才か…?笑

    ドラマを見るのが大好きで、極度のコミュ障である弊機は自分はロボットである…という体で、ロボットではあるのだけれど、感情を持っていて(人と付き合うのが面倒くさいとかもしっかり感情w)、なんだかんだで顧客の人間たちを必死に守っているのがもう可愛いし面白いしで、終始楽しみながら読めました。これはシリーズ作全部読みます!笑
    弊機のへりくだり方が本当にくせになってしまうし、二話目の「人工的なあり方」でARTを名付けた時は、

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    2022年12月11日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    時間をテーマにした作品が目立つのが興味深かった。時の進み方は相対的なんだよ、と諭されてるようで。また、多次元宇宙というのは昨今の流行りなのかな。

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    2022年12月11日
  • スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選

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    TVゲームをモチーフにした短編SFアンソロジー。本作で初めて日本語訳される方も含め新進のSF作家の作品をまとめて読めるお得な本。いくつかの作品で感じたのはゲームを題材に、ゲーム的な解釈であればかなり殺伐とした雰囲気や残酷な展開もわりとマイルドに感じてしまえるということの面白さとある種の怖さ。ゲーム的な発想や物事の解釈はとっくにゲームの外にも飛び出していて私たちの発想に染み付いている。それは良くも悪くもなんだろうけど、ゲームはそんなことはお構いなしに面白さで突き進んでしまえるんですよね。

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    2022年12月04日
  • ネットワーク・エフェクト

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    プリザベーション連合に取り敢えず落ち着いた弊機は惑星調査の警備任務に就くが、帰還の途中で襲撃を受け調査メンバーの一人、メンサー博士の娘アメナと共に謎の船に拉致される。奇妙な異星生物が乗り込んでいたその船は“あの”船のはずなのだが気配が全く感じられない…。相変わらず対人対物関係には後ろ向きな弊機だけど他者を心配したり喪失に絶望しかけたり再会に喜んだりと感情の幅が大きくなっているようでにやり。前作より大規模に手を変え品を変えやってくる危機に翻弄される弊機一同。ぼやきながら危機に対応しないといけないので、新たなお気に入りドラマも出来ているのになかなかじっくり見られないのがお疲れ様です。最後まで手に汗

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    2022年11月27日
  • マーダーボット・ダイアリー 上

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    ラノベのようにサクサク読めて面白いSF!
    主人公の語りで進行する小説なのだが、主人公の中2感が良い。人間嫌いで何かというと内に引きこもってドラマばっかり観ているというダメなオタクで、この本を読んでいるであろうオタクは感情移入できることこの上ない。
    だけど、本気を出せば悪い奴をバッタバッタと倒して上手いこと事件を収めてしまう。話にメリハリがあるし、上下巻と言えども中編4話で区切ってくれているので、楽に読めるのもグッド!

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    2022年10月26日
  • マーダーボット・ダイアリー 下

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    ネタバレ

    「まったく人間何してんだよ」やれやれという、「弊機」の心の声と実際に繰り広げられている事態のギャップがなんとも可笑しい。
    対人恐怖症のアンドロイドっていままでよんだことないので楽しかった!続編もさっそく購入ポチりました!

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    2022年10月24日
  • この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選

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    J・J・アダムズ編纂というのがそもそものウリの短編集シリーズであるのに、訳者だったり(本書)作者だけ(「スタートボタンを押してください」)がクレジットされるのは当ブログの大いなる欠陥であるが、日本の読書界においてアンソロジストなるものが認知されてないという文化の欠落を物語る。

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    2022年10月16日
  • 第六ポンプ

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    これぞディストピア・オブ・ディストピアって感じ。「こんな未来は嫌だ」の大喜利のような暗い設定ばかり。絶対にこんな世界で生きたくはないが読み物としては好みだ。
    特に『イエローカードマン』の世界が一番暗くて嫌だったなー。
    『ポップ隊』の設定は映画化されそう。

    特に“科学技術による生命倫理への挑戦”みたいなテーマが好きな作家さんっぽい。
    人格をデータ化して小さなキューブに保存したり、楽器のように改造したり、遺伝子操作で不死身にしたり。
    環境破壊のせいで新たな格差社会が生じたり、人々が痴呆化したり。科学技術が部族間の争いに繋がったり。

    各短編の翻訳を中原尚哉さんと金子浩さんの2人が別々に担当されて

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    2022年10月02日
  • マーダーボット・ダイアリー 下

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    ネタバレ

    さて第三話。第一話で敵対していたグレイクリス社の陰謀の証拠を掴むために、弊機が惑星ミルーへ向かうところから始まる。
    警備ユニットであることを隠しながら、色んなシステムをハッキングし、周囲を監視するとともに自分の痕跡は消しながら行動する姿は、そこらのスパイも顔負け。
    密航した貨物船で一緒に来た調査隊の一行を助けざるを得ないシチュエーションになるが、人間たちの行動に苛立ち、彼らに同行する人型ペットボットに対しても心を乱しながら、次第に芽生えてくる何とも言えない感情に戸惑う弊機が面白い。
    誰もいないはずのテラフォーム施設に潜んでいた戦闘ボット・戦闘ドローンとの闘いや胡散臭い警備員コンサルタントを出し

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    2022年09月24日
  • マーダーボット・ダイアリー 上

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    「本の雑誌が選ぶ文庫2020年度ベストテン」の第4位。
    この手の本はあまり読まないのだけど、この時のレビューに惹かれてずっと「読みたい」に入れていた。なかなか中古本屋に出て来ず、2年近く掛かってようやく入手。

    大量殺人を犯した過去ゆえに“マーダーボット”と自称する人型警備ユニットが主人公。
    自分のことを『弊機』と呼び、『対人恐怖症で、娯楽フィードに逃避しがち』と自覚するこじれた性格だが、密かに自らの行動を縛る統制モジュールをハッキングして自由になりながら、それを隠して業務を続けている。

    第一話はある惑星資源調査隊の警備任務。
    いきなり謎の生物に襲われて、それを調べる内に別の不穏な動きに気が

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    2022年09月24日
  • ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下

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    アメリカから見た戦時中の日本って、こういう怖さがあったのかと客観視できた気がします。
    日本が戦争に勝った世界線で、アメリカが勝利する設定のコンテンツがあるという設定が面白いです。

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    2022年09月15日
  • アポロ18号の殺人 下

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    ジャケ買い。

    星は4.5相当。

    トラブルがあったが、月まで行ったアポロ18号。

    まだまだ、前途多難。

    冒頭の伏線も回収し、最後の最後まで行きつく暇を与えない、

    作者、第1作でこんなに秀逸な小説を仕上げたら二作目以降が大変かも。

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    2022年09月08日
  • アポロ18号の殺人 上

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    本屋でジャケ買い。

    星は4.5相当

    実際のアポロ計画は17号で終了。

    ソ連が軌道上に高精細のカメラを積んだ偵察衛星を打ち上げる情報を察知したアメリカは地質調査目的で打ち上げるはずだったアポロ18号を初めて軍事目的で打ち上げることとする。

    併せて、月面を無人で探査する無人車も活動しているため、アポロ18号のクルーは偵察衛星と月面探査車の詳細調査と無力化の命令を受ける。

    作者は実際にISSに行ったことのある宇宙飛行士、描写も細かく、実在の人物も実名のまま登場する。
    例:アンドロポフ、ブレジネフ、アラン・シェパードなど

    面白くて上下巻を一気読みしたので、上巻がどこまでだったか詳しく覚えて

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    2022年09月08日
  • 逃亡テレメトリー

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    タイトル作『逃亡テレメトリー』と、短編『義務』『ホーム』を収録。
    時系列的にバラバラで、『逃亡テレメトリー』は『ネットワーク・エフェクト』の直前(読後に『ネットワーク・エフェクト』をまた最初から読むことになる)、『義務』はセルフハック後にそれを隠してそのまま働いていた時の話で一番古い。『ホーム』は『出口戦略の無謀』(マーダーボット・ダイアリー(下))の後で、主にメンサー博士の視点による三人称で書かれている。
    「必要なら抱きついてもかまいませんよ」がまた出てきた。何回読んでも笑っちゃう。体温が高いのは意図的に上げているのか、それとも…。
    そういう場面は他にもあるし、この作品は、知名度が上がると同

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    2022年09月03日
  • マーダーボット・ダイアリー 下

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    ネタバレ

    解説を読んで驚愕。弊機って「彼女」なのか?!
    っていうか性別なんかいらないじゃん。警備ユニットなんだからさー。
    何はともあれ、次の作品が読みたい。

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    2022年08月14日
  • マーダーボット・ダイアリー 上

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    新たな切り口のAIロボットもの。原題にダイアリーとあって日記形式のモノローグでいちいち「弊機」「弊社」と語る格式ばった口調に最初のうちは違和感しかないのが、愚痴めいたユーモアに加えて本人の意に反して次第に人間味を増していく様子に引き込まれていく。

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    2022年07月28日
  • マーダーボット・ダイアリー 下

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    コミュ障のマーダーボットが人間たちと共に戦い過ごす中で少しずつ心を開き、人間らしさを獲得していく。このキャラは日本人には特にウケるのではないだろうか。
    普段SFを読み慣れてない(というか自分の想像力が足りないだけ…)せいか、戦闘シーンや攻殻の電脳戦のような描写は絵が浮かびにくく、読むのに苦戦した。漫画やアニメになったら是非見てみたい。

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    2022年07月13日
  • 最後の宇宙飛行士

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    ★3.5

    何とも言えんですね。著者は、ホラー作品などを書いている作家でもあります。その作家の背景をしって読むと、本書の中の描写の理解も進みます。

    表紙に描かれている宇宙船は、アポロなのかソユーズなのかに似ていますが、時代は2055年。中身ははるかに進んでいる様です。

    広い宇宙には、なにが潜んでいるのかわからないので、本書の描写もあながち荒唐無稽と言えないことが怖いかも。

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    2022年07月07日
  • 逃亡テレメトリー

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    どうしても「暴走中のボット」というとらえかたをされて信頼されない弊機なのだけど、その能力と秘められたやさしさ(?)で初めは疑心暗鬼だった相手をつぎつぎと落としていつのまにか味方につけていくのがいいよね。今回はプリザべーション連合での事件が中心でした。もう少しゆっくり「サンクチュアリムーンの盛衰」を見られるといいね(笑)

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    2022年06月27日
  • マーダーボット・ダイアリー 下

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    下巻に入り弊機が少しずつ、人間的な感情を持ち始めてきたような印象を受けて、期待している流れとは少し違うかなと思った。
    マーダーボットはあくまで人間の持つ独特の感情面には影響されずに独自の批判的な視点を持ち続けてほしいと思うのです。
    ありきたりな親子間や男女間に起こる感情とはまったく切り離されて、科学的(微生物学的)な視点から嫌悪しているような描写を期待するのは変ですかね。

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    2022年06月25日