中原尚哉のレビュー一覧
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宇宙人は存在するのでしょうか?
しかし、よく考えてみると、我々は宇宙〈人〉と言っている時点で自分たちの概念を勝手に当てはめているだけなのかもしれません。人ではないかもしれないのですから。
では地球外生命体はどんな生物なのでしょうか?
エイリアンみたいな感じでしょうか?
地球の概念にあてはまらないのであれば、見えないのでしょうか??
見えないということはすでに存在しているということでしょうか???((((゜д゜;))))
☆☆☆☆
本書はSFであり、ホラーでもあり、ハラハラドキドキの冒険小説でもありました。ちょっとグロテスクな部分もありますが…。
読み終えると、宇宙から帰ってきた気分になれます。
おわり
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2024/04/23 読み終わった
岡田斗司夫さんが「SFはプロジェクトへイルメアリーとこの作品は読んどけ」と言っていたので。
近未来、星間航行やサイボーグ化、コネクテッドが生活に必須になっている頃。ロボット?である保険会社の警備ユニットが顧客である人間との交わりを通して成長?していく話、かな。
人間観察ものという意味で、「吾輩は猫である」にめちゃくちゃ近い気がした。人間て、非効率で意味不明で首尾一貫していなくて、変な奴らだけど、なんか目が離せない…。彼ら人間にうんざりしながらも、興味の尽きない対象として、警備ユニットはどこか愛情?羨ましさ?の眼差しを向けている。
読者はそれをさらに外から、人間の視点でもって興味をもって眺められる。警備ユニット、お前の方がなんだか人間臭いぞ。
背景の説明が全くないので、序盤は何の話をしているの?と思った。読み進めていくうちに世界観も分かってくるし、わかっていけば行くほど楽しめる。
日本語版は上下巻。原作シリーズの4作品を時系列でまとめて、それを上下巻にまとめている。原作も読みたいな。これ以降の話もすでに日本語訳されているのでまた読んでみたい。1人称Iの和訳を「弊機」としているのも、最初は慣れないけど、だんだん、警備ユニットらしいなって気がしてきて面白い。 -
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全体的に資源を際限なく使いまくり成長し切った世界の後、様々な物質や資源が枯渇した世界を描くお話が多く占めるSF短編集になります。
全話通して救われないような展開が多いですが、そういうのが好みの方には刺さります。(僕は大好物です)
中でも好きだった作品は以下
・「砂と灰の人々」
・「カロリーマン」
・「ポップ隊」
・「イエローカードマン」
・「やわらかく」
・「第六ポンプ」
第六ポンプは表題であることもあり、群を抜いて良かった気がします。ポップ隊も引けをとらないくらい好みでした。
その他はサイバーパンクと雨が似合うような作品多数。映像化されたら間違いなく好きな作品ばかりでした。
「ブルーテッド・ガールズ」に関してはよくこんな設定思いつくなぁと感心。
「砂と灰の人々」はやっぱり荒廃したSFと犬の相性は抜群。
「やわらかく」はこの中では特殊ですが、とても面白い。
サイバーパンクな世界観でも陰と陽で陰な世界観のサイバーパンクが好きな人は読むべし。 -
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ネタバレ感想
・最初の話題で感じたのは、やはりビッグデータから平均解を出して提案するので、個性がなくなる世界みたいなことになりかねないと思った。
5話目は日本での話だが、アイドル、ラーメン、探偵って安直で笑えた。
最終話はユートピアのようでもあり、ディストピアのようでもある。いつの時代も自分は何をしたいのかを持ち続けることが大事だと感じた。
あらすじ
AI技術者である筆者と技術者からSF小説家に転身した陳氏がSF小説仕立てで、20年後の未来を語る。
・最初はAI動的保険とその弊害
リスクを避けて保険料を安くするために個人がAIに従うように誘導する。
・深層学習に必要なのは、大量のデータ、単一の領域、明確な目的関数
・2話目はナイジェリアで民族紛争のために職を求める若者がフェイク動画を作る話。GANなどが使われる
・3話目は孤児院で子供に学習をさせるAI友達。自然言語処理NLPを使用。
・4話目はコロナが定期的に流行る世の中で、感染を恐れて3年間も家から出ていない女性の恋物語。AIを用いた診断、創薬など医療がテーマ。ロボット手術も発達するとある。
・5話目は、アイドルである博嗣が死んだ原因をファンである愛子が追う話。VR、AR、MRなどの技術が出てくる
・6話目はスリランカの子供がVRレースで働く話。VRゴーグルに加えて、体感スーツを着用して現実さながらのレースを体験する。ゲームだと思っていたものは実は現実だった。災害やテロなど突発的な事態に自動運転が対象できない際のゴーストドライバーだった。
・自動運転技術は、タクシーフィーの削減や自由時間の増加、無駄なCO2排出削減、事故低減などのメリットがあるが、一方で、事故時の責任所在問題やドライバーの雇用問題がデメリットとして挙げられる。
・7話目は自律兵器で人類が存亡の危機に立つ話。量子コンピュータによって計算能力が飛躍的に向上する
・8話目はAIにあらゆる仕事がとって変わられる話。人はベーシックインカムを保証されるが、やることがなく、治安が悪化する。建設労働者もAIにとって変わられ、転職を斡旋していた業者さえもがAIに変わる。仕事はAIが評価するゲームのようになっていた。
・9話目は富も名声も全てを手に入れ、燃え尽きた男がAIで幸福を最大化する島に招待されるが、本当の幸福を手に入れることは難しいという話。2041年時点では幸福の定義も曖昧なため最大化することは難しいとされている。
・10話目にはAIが全てを最適化することによって、エネルギーコストが0近くに下がり、衣食住にかかるあらゆるコストも下がる。貨幣はもはや価値をなさなくなり、人は承認要求のために仕事をする。市場は崩壊する。 -
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ディストピア物のSF短篇集(SF9篇+SFではない『やわらかく』の1篇を収録)。
人口、民族対立、エネルギー、化学物質、水、食料や食品添加物など、貧富の差や環境問題を下敷きにした退廃的未来を描いています。しかし、最後は希望が持てる終わり方が多いので、想像していたよりかは読後感は悪くないです。
とはいえ、代償は有りますが、民俗文化の対立をテーマとした『パショ』を除いて、未来世界を好転させるヒーローが不在なため、どの世界もその先の未来は、暗澹たる終局を迎えることは想像出来ますが。以下、個別に。
『ポケットのなかの法』
場所は未来の四川省成都。“活建築”という生物的に増殖する市街地の路地裏で、ストリート・チルドレンがチベット人にデータキューブを運ぶように依頼されますが、約束の場所に相手が現れません。その後、その依頼物を狙う外国人が現れて…サイバーパンクの雰囲気が良かったのと、データキューブの中身に驚きました。
『フルーテッド・ガールズ』
双子の姉妹が、金持ちの女性パトロンに楽器に生体改造され、秘密のパーティーのステージに上がり…荒唐無稽な手術と肉体改造された女性の復讐劇。えっちいのはいいとしても、ちょっと苦手な描写があるのが難です。
『砂と灰の人々』
生態系は破壊し尽くされ、食糧難に対応するため、砂を食べて栄養を得ることが可能になり、かつ四肢を切断しても生えてくる不死身を手に入れた人類。その世界では他に生き物の姿はなく、実物は動物園の保護下でしか生存出来ない。そこに一匹の犬があらわれ…犬好きは読まないように。ボロボロの犬の姿は、ミカエル・リンドノード『ジャングルの極限レースを走った犬 アーサー』を思い出しました(こちらは感動ノンフィクション)。
『パショ』
砂漠の村から商業都市に留学した青年。学問を修めて村に帰ったところ、伝統を重んじる人々に受け入れられない。その筆頭たる人物が、一番理解して欲しい身内の祖父だった。はたして彼のとった行動は…まるで、アーシュラ・K・ルグィンのような世界観。短篇という尺の短さが仇になっており、全体的に説明不足な感じ。しかし、民俗対立をテーマにしていたり、太字で書かれた教訓めいた言葉など捨てがたい。長篇にしたら化けるかも。
『カロリーマン』『イエローカードマン』
この二作は、同じ世界観を描いており、長篇の『ねじまき少女』に繋がっていきます。短篇でも面白いので、いつか『ねじまき少女』を読んで感想を書きたいです。
『タマリスク・ハンター』
深刻な水不足に陥っている近未来のアメリカ中西部。長い根を張って水を吸ってしまう、砂漠化の原因とされるタマリスクを伐採すると、報酬として給水割り当てが貰えます。主人公は知恵を絞って、より多くの給水割り当てを貰うため、タマリスク・ハンターとして生業を立てていますが…干上がった川の流域に暮らす、少ないながら目の前に水があっても、優先的な利用を抑えられた住民の嘆きが描かれています。住み慣れた場所を離れるべきかどうか、環境問題に限った話しではないですね。
『ポップ隊』
寿命が延び、永遠の命が手に入った世界。そこでは、出産と育児が厳禁であり、違法に生まれてくる子供を見つけてポップ(処分)する警察の隊員がいて…描写は苦手。ただ、主人公が完璧な女性より、肌に張りのない、どこもかしこもたるんだ体の女性に心を奪われるところが好き。
『やわらかく』
ある日曜日の朝、熱いバブルバスの湯船に夫婦仲良く入浴している。ただし、その妻は死んでいる…これはSFではないです。きっかけは些細なことだったりするものですが、この夫婦にはどの道未来はなかったでしょうね。
『第六ポンプ』
食品添加物の過剰摂取により、出生率の低下と痴呆化が浸透した近未来の人類。ニューヨークの下水処理施設の維持管理を担当する職員たちは、維持管理の技術継承もなく、大量の危険を知らせるログは無責任にも無視し続けられます。そんなある日、第六ポンプが故障し、危険な化学物質だらけの汚物が市街に溢れる危機に遭遇します…日本は食品の規制が他の先進国と比較してゆるゆるみたいで、がんになる人も年々増えています。やはり関係があるのでしょうか?ふと、考えさせられました。あと、トログという逆ポストヒューマンの存在は恐ろし過ぎます。
気に入ったのは、『ポケットのなかの法』『パショ』『カロリーマン』『イエローカードマン』『第六ポンプ』。しかし、全体としては他の人に勧めづらいので★4。
同じようにSF短篇集である、オースン・スコット・カード『無伴奏ソナタ』やレイ・ブラッドベリ『十月の旅人』のような感じの描写が大丈夫な人にはおすすめ。
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最高!
ラーマとエイリアンのベストミックス。
冒頭の柔らかい壁とか布製エアロックとかに惹き込まれ、深夜までの一気読み。
途中の中だるみさえ我慢すれば、タイトルに記される主役と謎解き係の女性博士が後半大活躍。男性陣がほぼ全滅の中、エンディングのどんでん返しが素晴らしく(博士の冷静な判断は女性ならでは?)、きれいな着地点に誘導してくれる。この30ページは圧巻だし、最後の一行は感動モノだ。
実はエンディングは予想の範疇で、やはりそうきたか!なんだけど、そこに至るストーリーがハラハラドキドキで、最後の数行のようやくきたか!感がとても良かった。きれいな伏線回収だな。
女性のドラマではないし、そんな区分は無意味だけど、ラーマつまり宇宙のランデブー延長線かなと思うね。中国ではなく韓国企業があまり良く描かれてないので、これが日本でなくて良かったかな。荒っぽいかもしれないけど、必読の様式美SFだ。
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昨秋文藝春秋さんから頂いた本。
分厚いのでつい後回しになって、ようやく読み終わった。
AIによる明るい未来、がコンセプトかな。
未来1 恋占い
未来2 仮面の神
未来3 金雀と銀雀
未来4 コンタクトレス・ラブ
未来5 アイドル召喚!
未来6 ゴーストドライバー
未来7 人類殺戮計画
未来8 大転職時代
未来9 幸福島
未来10 豊饒の夢
と、SFストーリー仕立てで、
AIが普及した2041年の社会の姿を描いている。
保険プログラム
ディープフェイク
AI教育
パンデミック
娯楽
Ai自動運転
科学者 武器
職業
幸福度
豊穣
がテーマ。
AIによって仕事がなくなる!は今もよく言われるところ。
エネルギーも満ち溢れ働かなくてよくなって
人々は幸福をどう感じるか、、、
問題提起している
正直それぞれの小説はいまひとつだった。
が、大いに知的好奇心をくすぐられるものであった。
インスパイアされたのは、AI教育、かな。
ずっと履歴をAIが押さえることで、最適な教育が組める。
これは健康にも言える。
いつも思う。
その人の体のことを一番よく知っているのは本人。
ただ、表現しきれない。
医者はそのつたない表現と、触診やら目検やらだけで
病気を判断する。
そんなの無理だろう、最近よく思う。
と言って本人に医療知識が十分あるわけではない。
最近はWEBでかなりいいところまで調べられるが、
見当違いということもままある。
だとしたら、、、
AIに活躍してもらえばいい。
個人健康データを可能な限り把握してもらい、
AIの持つ医療知識で最低限の判断をする。
その見立てをもとに、最終的には医者が検査等で総合的に判断する。
そのためにマイナンバーカードを健康保険証替わりにする、
というのなら大賛成だ。
いろんな病院での診察結果をすべて保存する。
人間ドックの結果も、レントゲンもいろんなカルテも。
いまはばらばら。
更にスマートウォッチの記録も、体重も、全部。
まあ別にカードじゃなくてサーバーに個人ごとに蓄積すればいいんだけど、
そこまで整わないなら、せめてカードに焼けばいいという意味。
状況もわからず診察する医者も助かるんじゃないかなあ。
なんでそれができないのか。
厚生労働省がさぼってるんだろうな。
考えりゃ出来そうなものだ。
AIの未来は明るい。
ただ、それを使いこなすことができるか、だ。
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Posted by ブクログ
文明が衰退・滅亡した後のオルタナティブな文明を描いたお話がつまった短編集。
荒廃した世界の過酷な境遇の中で主人公たちがそれぞれの矜恃、それぞれの希望を見出していくところに「SF的美しさ」が存在している。
挿入される造語に初めは戸惑うが、読み進めるにつれて造語に馴染みそれと共にその世界にも馴染んでいく感覚があった。
身体を所有され(改造され)支配される少女といったフェミニズム的テーマの「フルーテッド・ガールズ」、異なる種族(ポストヒューマンと犬)の間の残酷な友情が扱われる「砂と灰の人々」を筆頭に「パショ」「カロリーマン」「ポップ隊」「イエローカードマン」など脳の痺れるような傑作ばかりだった。
同作者は長編を主戦場としているらしく、そちらもいずれ読んでみたいと思った。