宮城谷昌光のレビュー一覧
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なんだか不可思議な作品集。まずは冒頭の「雨」。この作品の題名が「雨」だっていうところが微妙ですよね。けっきょく牛っていうのは何者だったんだろうかなあ。ラストの1行が「雨だけが現実である」ではなくて「雨だけが現実であるのかもしれない」となっているのがますます幻想味をましていると思うのですが。
4編目「桃中図」この短さで淡々と綴られる人の半生、短さのゆえにかえって重いものに感じられますね。桃の木に隠された地図の秘密もさることながら、水浴していた美女は誰だったのだろうと考えるととても味わい深いですね。
表題作「玉人」これはまたとりわけ幻想的な話です。いったいこの女の正体はいったい何だったのでしょう? -
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三国志の一つ「呉」国の名臣列伝。
周瑜、魯粛、張昭、甘寧、陸遜、朱然、陸抗の七名。
呉の歴史を振り返ると、どうしても老醜を晒す孫権から逃れられないので、陰鬱になってしまう。それもあるからでしょうか、陸抗の清廉というか人格の見事さが際立ちます。呉の中でも名臣でありますが、三国志全体通しても稀に見る人物だと思います。好敵手とされる羊祜とともに、人徳が高い二人が並び立ったのは奇跡でしかないように思います。
魯粛評が高いのが意外でした。戦略家として周瑜や呂蒙よりも優れている、という。
中間管理職の印象が強いのが魯粛です。呉と蜀の間で右往左往している外交官という印象は、横山三国志からくるものかな。強 -
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宮城谷昌光氏の中国名臣列伝シリーズ3冊目、楚漢戦争編です。春秋、戦国と読み続けてきて、国家の統一、統治体制の強化など時代の流れを改めて感じます。時代は始皇帝没後の秦末期から、陳勝呉広の乱、項羽と劉邦の争い、漢帝国の成立、そして漢初期に活躍した人物です。当たり前ですが、この時代、項羽側か劉邦側に付いた武将や文官、特に中枢で活躍した人物ばかりなので、同じ歴史をそれぞれの視点で何度も繰り返し読むことになります。前2作と比べればちょっと物語に広がりがないのは仕方ないと思いつつ、物足りなさを感じてしまうのは贅沢かもしれません。いずれにしてもこの3作を連続で読めたのは非常に面白く、ますます興味を持つことが