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Posted by ブクログ
古代中国の革命を描く中で、夏王朝の滅亡を桀王ひとりの暴虐に帰すのではなく、体制の限界と見ているのが合理的で、湯王を単なる聖王とも、桀王を単なる悪王ともしていない点に読み応えがある(宮城谷版『三国志』での後漢の衰亡もそのように描かれていたように思う)。
しかし合理一辺倒ではなく、あくまで古代は古代であり、呪術が生きている遠い時代としても書くところに、物語の奥深さと伸びやかさがあった。
主人公・伊尹は、史書において「阿衡」(「はかりのごとき人」)と称賛され、政治における絶妙な平衡感覚をもったひととされるけれど、この小説そのものも虚と実のバランス感覚が卓絶した作品であるのだろうと感じた。
Posted by ブクログ
自作農の主人公がスカウトされて、勤務先で活躍していく話。現代風に言うと。
そう書くと途端に面白くなさそうに見えるのはなぜだろう。
大きなことは、一人ではできない。組織に属する必要がある。
が、組織に属した途端、多くの人は組織の価値観に染め上げられる。
そうした状況の中で、いかに素志を貫徹できるか。
際立った組織人というものに感じる魅力というのは、その一点に限られるんじゃなかろうか。
主人公は組織(商)に属してしまったことで、その清冽さを失った。
けれど、組織の中で彼の持つ理想を実現しようとし、かつ実行したという点で、その生き様には際立ったものがある。
なんだけど、そうなると所謂「普通の歴史小説」って枠になっちゃうんだよねえ。
いやまあ素材的にそうならざるをえないんだけど、上巻の清々しさが強烈な印象だっただけに。
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