あらすじ
女あり、玉のごとし――その女人は、滑らかな手触りのいにしえの玉の燭台が乗り移ったかのような肌体の、穏やかで艶のある人妻だった。男は何年待っても、その女人を妻にしたいと願ったが……人を愛することの至上の喜びと、別離の悲しみを描く表題作。ほかに、女の真の美しさをひきだし、いつくしむ天与の指をもつ男の生涯を描いた作品など、はかなくせつなく幻想的な六篇の恋物語。
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Posted by ブクログ
宮城谷作品というと、2〜3巻におよぶ長編が多いんだけど、この『玉人』は短編集なので、初めての人にぜひお勧めしたいな。どの作品も、すごく個性的で魅力的で、最初の1ページでぐいぐい引き込まれて、あっという間に読まされてしまう。全部読んだ後、「どれも似たようなのばかりじゃん」って、がっかりすることはないと思う。登場人物は多分すべて歴史上本当に存在した人物。世界史で習ったような王朝の樹立者から、思想家、史家など、「あ、知ってる!」みたいな発見もあって面白い。
Posted by ブクログ
女性を中心にした6つの短編です。
何時もの重厚さは影を潜め、やや軽い仕上がりです。
ミステリータッチあり、ややエロティシズムありと宮城谷さんの作品としては珍しい部位に入ると思います。
やや尻切れトンボ的な作品が多く、なんだか充分に書き込めてない印象を受けました。
Posted by ブクログ
短編で、ミステリーっぽい。推理とかもあって、中国古代を舞台にしているのが目新しいけど普通のミステリー。面白くなくはないけど、物足りないかな。ただ、この時代背景の中でふつうに生活する人々を眺めるのは楽しい。この本の解説は私はいまいちです、解説者にはファンが多いと思うのでふせますが。えへ。
Posted by ブクログ
なんだか不可思議な作品集。まずは冒頭の「雨」。この作品の題名が「雨」だっていうところが微妙ですよね。けっきょく牛っていうのは何者だったんだろうかなあ。ラストの1行が「雨だけが現実である」ではなくて「雨だけが現実であるのかもしれない」となっているのがますます幻想味をましていると思うのですが。
4編目「桃中図」この短さで淡々と綴られる人の半生、短さのゆえにかえって重いものに感じられますね。桃の木に隠された地図の秘密もさることながら、水浴していた美女は誰だったのだろうと考えるととても味わい深いですね。
表題作「玉人」これはまたとりわけ幻想的な話です。いったいこの女の正体はいったい何だったのでしょう?表題作に限らず、謎の答を直接に記述せず言外に匂わすという作品が多かったようです。わかるでしょう?わかりますよね、という感じ。何度も読みなおすほどに味がでてきます。