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Posted by ブクログ
下巻では、子産の父の子国が陰謀に巻き込まれて殺害され、それを収めて家を継ぐ。
位も世代交代とともに執政まで上がり、子展・子皮といった宰相に仕えて軍事・外交・政治で成果を上げ、晋と楚に挟まれて右顧左眄していた鄭の政治に中興をもたらす。
政治姿勢は、礼を重んじ、豊富な有職故実の知識を保ちつつ、前例に流されずに、状況に応じて適切な辞を繰り出す言葉の天才でもあり、孔子が尊敬する二人のうちの一人(もう一人は周公旦)であった。現代風に言えば、人を動かす言葉の達人、ナラティブの達人であったということか。また、子展の死後に、子皮から全権を任されて、農地・兵制改革に従事し、貴族でなく国・公室に一定の力が蓄えられるように制度を見直した改革者でもあった。
同時代人として、斉の晏子、呉の季札がいる。また、孔子が30歳の頃に亡くなったが知己は無かったという。
宮城谷さんが春秋左氏伝から読み解き、本書では一切の架空の人物は出していないという。その分、子産の歴史的意義を正確に伝えているとも言えるが、他の作品と比べて視点が少し引いた三人称的で、歴史小説としての面白さが少し割り引かれている印象を受けた(読み終わるのに時間がかかった)。
しかし、こうした思想を持った人の影響を受けて孔子が登場したということを理解できたのは良かったと思う。
Posted by ブクログ
ここの所、暫く宮城谷の作品を読んできているが、この子産は、いささか筆が重い感じで、読むのにスムーズに進んでいかない。このシリーズ上下で随分時間を取ってしまった。それも、何か読んでいて引き込まれるものが無く、主人公がいつまで経っても、作品中で輝いて活き活きしてこないことが原因だと思い至った。教訓的な話が多く、理屈が先に立って、心に迫る膝を打つ話が無いために、子産の素晴らしさが伝わってこないのです。結果的に私にとっては、この作品は失敗なのかも知れません。ちょっと宮城谷に作品を読むのはお休みして、司馬遼太郎氏の世界に遊ぶことにしましょうか?!
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