宮城谷昌光のレビュー一覧
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中国歴史モノ、畏れながらも何も知らない自分ですが、先輩のオススメがあったのでこわごわ手を伸ばしてみました。
とりあえず、「楽毅」ってIMEの変換で出てくるくらいの有名人だったのか…というレベル。中山国の首都、霊寿も石家庄と言われると何となくわかるような。
全4巻の第1巻、序盤はスロースタートの印象でしたが(色々と国やら背景やらを説明されるものの、ストーリーと連動しないからまぁ頭に入ってこない…)、本巻の半分くらいからはテンポ良く話が進んでいきます。
人の駆け引きであったり、兵法であったりが出てくるあたりは今後の面白さを感じさせます。文中に出てくる「孫氏の兵法」と「墨子の兵法」の違いは、戦略と戦術の違いに似ているようにも思え、なるほど楽毅の凄さを感じさせます。しかし、挿絵の印象と文中の印象が全然一致しません(笑
何にしても、歴史小説の常で、人間同士の駆け引きや地政学を大いに楽しませてもらえそうな本です。とりあえずは4巻全部読み通してみようかなと。
いきなり読み出すには取っつきづらい本で、オススメがなければ自分からは絶対に手に取らなかった本だと思います。先輩のリコメンドに感謝。 -
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ネタバレ五巻までは五子胥編、六巻からは范蠡編だ。
五子胥編では、楚出身の子胥が父、兄を誅殺され、呉に逃れて、楚に復讐するはなしだが、そんな中でも、孫武と出逢い、これを呉にまねき、闘いに勝っていく様がこ気味良い。復讐は、既に死んでいた楚の王を墓から出して屍に鞭打ってけりをつける。五子胥は、呉王 闔臚に信頼されていたので、楚出身といえども、呉を使って、復讐ができたのである。
范蠡編は、呉越の戦いだが、越王 允常は破棄旺盛で、呉を侵したが、ケガを負い亡くなってしまう。越王 勾践に代わり、こちらは非常に民衆からも慕われていたが、闔臚の後の呉王 夫差となったとき、戦いで負けたため、夫差に囚われ、僕のような生活を強いられた。これになんとか耐え、范蠡などの奔走で国に返ることを許された。その後、勾践は、国を富ますために、10年間無税にするなどし、満を持して呉との闘いにいどむ。その頃、呉は夫差の悪政により、軍も弱くなっており、戦いは圧勝に終わり、復讐をはたしたのである。
全9巻 -
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徳川家に仕える大久保一族を書いた小説。山岡壮八の徳川家康と比べると、作者の違いによって異なる家康像が見えてくるのも面白い。綿密な研究で歴史をより忠実に描こうとしている作者なため、歴史について学べるところが大きい。物語としての面白さは少し半減するのだが。
一向一揆について、山岡壮八著では家康の母であるお大が、家康に無益な戦をやめるように諭し、慈悲を持って一向一揆収めたように描くが、この作品では家康を母を高めるためにそんなフィクションを作らない。リアルな一向一揆と、その特に感動的ではない収束を描く。
長篠の戦いも、鉄砲の魅力が事を決したように描かないのが、新鮮だった。 -
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あらすじを書くと夏姫は傾国の美女という印象だが、むしろ人形のように強い意志を持たず、運命に流されて行く女性として描かれる。
題は夏姫春秋だが、主人公はそれを取り巻く男達であり、魅力的な男が出てこない前半はさほどでは無い
。終盤、物語は一気に盛り上がり面白くなる。それは楚王と最後に夏姫を救うことになる巫臣のキャラクターによるところが大きい。
しかし、ちょっと詰め込みすぎです。次々に現れる登場人物(それが又、色んな名前をもっている)。本筋から外れるようなエピソード。
どんどん変化する登場人物の気持ち。もう少し枝葉を刈り込んだら、もっと面白い話になったと思います