宮城谷昌光のレビュー一覧

  • 花の歳月

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    「重耳」を書いた宮城谷さんの本。
    中国版シンデレラ・ストーリーといったところか。
    漫画「項羽と劉邦」を読んだあとだったので興味深く読めた。

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    2010年10月22日
  • 古城の風景 7―桶狭間合戦の城―

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    このシリーズも7巻を迎えて完結するというのは喜ばしいことかもしれません。日本を書くことも著者には必然かもしれませんが、中国物を読みたいというのは読者のわがままですが支持者は多数派でしょう。今回は、桶狭間の合戦の城を訪ねながら、著者は砦の陰陽を感じているのでした。「善照寺砦は陽の砦である。」(p174)。羽豆城址と比べ明るさの質の違いに言及しています。古城めぐりへの誘いは何と周到ではないのでしょうか。

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    2010年10月12日
  • 太公望(下)

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    中国という国が好きか、と言われると、よくわからないです。正直なところ。
    でも、三国志とか、水滸伝とか、この「太公望」なんかを読んでいると、日本という土壌では醸成されるはずのない、スケールの大きい物語観というものが確実に存在していて、それは私にとってとても大きな魅力です。

    紀元前11世紀、周という巨大な国が中華の中心を治めていた。
    少年、望(ぼう)のいる呂族が周に襲われる。
    戦火の中で望は年端もいかない少年少女たちを引き連れ脱出。
    呂族は滅亡の憂目に逢い、望をはじめ脱出した子どもたちの、苦難の旅が始まる。
    のちの太公、呂望が死地を越え、周人以外を人と思わぬ周王朝の打倒を目指して活躍する物語です。
    この望、という人が、頭が良くて、馬術、剣術にも長けていて、まあ非常にかっこよく描かれています。
    少年時代に、いろいろな族の長や王朝の要となる人物などに「見所あり」と目をつけられるわけですが、断り続けるあたりもまたかっこいい。
    もちろん、脚色たっぷりで事実そのものとはいきませんが、確かにこの地球上にこの人物が実在していたんだ、と思うと、ちょっと感動です。

    大人になってからがちょっとつまらないのが残念。
    前半の素晴らしさは文句なし、なだけに。

    宮城谷さんは、中国の物語をいろいろ書いている人です。いつかほかのも読んでみよう。

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    2010年09月21日
  • 夏姫春秋(上)

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    直木賞受賞作。太公望と違って主人公であるはずの夏姫が薄い印象。ただ、この種の小説としてはやはり読みやすく、飽きることはなかった。

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    2010年09月08日
  • 楽毅(三)

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     中山国が世から消え去る時。楽毅は戦略で戦いながら、燕へと逃れる。
    そんな中で起きた動乱。主父が黙殺した、子殺しと反逆。主の流れを見た占い。
    それぞれの運命を、歴史の大きな流れとうねりを感じることができる。
     あきらめと決意、覚悟が入り混じっていて、中国の歴史感を良く表しているのだろう。面白い。

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    2010年07月09日
  • 太公望(上)

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    超人の主人公に出会う仲間や配下もことごとく傑物ぞろいで、うまくできすぎの気がして、王家の風日に軍配をあげてしまう。しかし読みやすかった。太公望が主人公なので仕方がないが、王家の風日と比べると太公望に係わる話が多く、商や周の動きなど歴史の流れの全体像がつかみにくいように思われた。

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    2010年06月12日
  • 晏子(一)

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    今年の重点テーマの一つである中国歴史物。
    晏子については、まったく知らなかったが、なかなか面白い。第2巻に突入。

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    2010年05月21日
  • 子産(上)

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    両面外交。小国の生きる道。天下統一の道といった今までの戦乱の世とは全く違う生き方。その中でどのように生きていくか上巻は序章に過ぎない感。下巻が楽しみ。

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    2010年05月13日
  • 晏子(二)

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    とにかく最後に晏弱、突然死んじゃった。。
    その印象で、最初のほうが吹っ飛んだ。。。。。

    まぁ、親子2代を描くのだから、このあたりで父の人生は終幕を迎えても当然といえば当然なんだけど。

    2000年以上前の話だから、推測の域といえば推測の域なんだけど、いい親子だなぁって思いますね。

    お互いを理解できるって出来そうでできない難しいことだし。

    わが子にかける期待は、いつの時代も変わらないんやね。

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    2010年04月27日
  • 華栄の丘

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    春秋時代の宋の宰相、華元を描いた物語。
    乱世にあって武や謀をよしとせず、礼と信義を貫く姿に心打たれます。

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    2010年04月24日
  • 風は山河より(六)

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    中国の春秋戦国時代を主に書いている作者の日本の戦国時代を書いた作品。

    一代ではなく三代に渡ってひとつの作品としていること。そして三代というと徳川三代なら家康・秀忠・家光と考えるところだが、ここで出てくるのは清康・広忠・家康。そもそもなかなかスポットライトの当たらない家康に至るまでの三代の時代を描いているのだが、その三人が主人公ではなく、それに仕える管沼家が三代描かれている点が斬新といえば斬新。

    歴史のスポットライトが当たるのはごく一部。でも、それを光り輝くために働いた人々が居たことを忘れるなよ!ということを痛切に感じさせてくれたのが本作品だ。

    作品の中では、何となく流れていく部分と歴史の変節点となる部分に向かって流れていく部分など、自分の半生もそんな感じで流れてそうだなぁと何となく共感してしまうところが印象的。(いや、そんな歴史に残る人に仕えてはいないんですよ・・・。雰囲気の話です)

    名誉・名声は確かに羨望してしまうものだが、堅実に生きることが大事。そう感じさせてくれる作品でした。

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    2010年04月19日
  • 風は山河より(六)

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    本書のクライマックスとも言える野田城での30000(武田軍) vs 400(野田菅沼軍)の攻防戦。
    リアル、スリーハンドレッド基、フォーハンドレッド in JAPAN!

    約400年前にあった日本の話です。

    そして、舞台は長篠の戦いへ・・・
    戦国の明暗を分けた戦いの1つの顛末が、筆者独特の哲学にて語られます。

    こんなこと、本当にあったんだ?
    日本人は、なんだかすごいな。
    そんな風に思える本書です。

    それにしても塩を送ったり水を送ったりと、
    日本の戦いは泥臭いのに結構妙なところでフェアです。
    これも基質か?

    結末はわりと切ない・・けど事実だから変えようがないのですね。
    合計6冊中々読み応えがありました。

    戦国時代の徳川、三河武士に興味があるなら特にオススメの本です。

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    2010年04月18日
  • 風は山河より(五)

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    浮世をはなれなければ、浮世がみえぬではありませぬか。(17P)
    全体感を感じるには、まずは孤としての自分を感じろと言うことでしょうか?
    自分を感じる。
    なんとなくいい言葉です。

    四郎と新八郎がようやく舞台に上がって本編がはじまりました。
    長い前置きだったわい。

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    2010年04月15日
  • 楽毅(一)

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    古代中国の戦国春秋時代、中山国の宰相の息子、楽毅の物語。第1巻では、学生としての留学先である斉の臨淄で、名高い斉の宰相、孟掌君と知り合う、その後、中山へ趙国が攻め入るが、楽毅の提案である斉との同盟はその歴史的背景から、なかなか実らない。

    楽毅という日本ではそれ程有名ではない主人公が、焦点となり中国の戦国春秋時代が丁寧に語られていく。

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    2010年04月10日
  • 楽毅(二)

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    まだ高名になる前の楽毅雌伏の時代を描く。どれ程、祖国中山への思いを持っても、中山国王との溝は深く、たとえその太子が人格者であっても楽毅の苦労は続く。そして、趙国の侵略は度重なる。

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    2010年04月10日
  • 風は山河より(六)

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    久々に読み応えのある長編を読んだ。
    宮城谷氏は元々中国モノが得意ということで、使用される漢語が硬めなのと、序盤の豪族に関する記述が詳細なので、1~2巻は少し読みにくいかも知れない、、、と言うか、ここまでで挫折する方が居るかも?
    が、3巻以降は非常にテンポ良く読めるようになる。

    戦国時代中期以降に東三河に勢力を伸ばした野田菅沼氏の視点を通して語られる、織田・今川・松平・武田各氏の興亡は戦国モノ好きには堪らない。
    特に序盤の松平清康(家康の祖父)に関しては、大著で扱われていることが少ないのでとても興味深く読めた。

    以前から文庫化を楽しみに待っていたが、大満足でした(*´▽`*)

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    2010年03月26日
  • 三国志 第三巻

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    第三巻は12代霊帝の終盤から14代献帝初期の時代。しかし最早帝号で時代を数えることにあまり意味はない。中央政府は統治能力を失い、内乱から群雄割拠の時代に入るからである。

    正史は政権の正当性を重視する。軍事力で洛陽を占領した董卓は極悪人だし、董卓以前の地方軍閥も「賊」扱い。後世の知識人は暢気な歴史観で登場人物を仕訳することができるが、当事者たちは正統な政権はどこにあるのか、に思い悩みながらも、次第に自らの旗を打ち立てていく。

    曹操と孫堅は果敢に戦う。たとえ董卓が強大でも戦うことで名を上げ、次代の主役にのし上がろうとする。一方の袁紹と袁術は名門を背負いアンチ董卓の主役と目されながら、目の前の損得にこだわり、天下の輿望を集めることができない。

    本巻でも様々な人物が登場する。だがあまりに多すぎて印象に残るのは名将皇甫嵩や曹操を援ける鮑信くらいか。学を修め徳を積んだ者が称賛をもって多数紹介されるのだが、乱世にあって多くは芽を出すことができない。この辺のギャップが、正史三国志が史記などと比較して人気がない要因なのかもしれない。

    そんな中巻末に至りようやく、エリート官僚や名門とは無縁の無頼漢が次第に頭角を現してくる。劉備登場の描き方は漢王朝の高祖劉邦を意識しているのか、とも思った。

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    2010年02月28日
  • 三国志 第二巻

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    第二巻は8代順帝の死後から11代霊帝期の黄巾の乱まで。ようやく通常にいう三国志時代が始まる。ということは、後漢王朝は衰亡の道を辿っていく。

    民衆が反乱するということは、政権の信頼が喪われたということであり、第二巻の前半は前巻に引き続き、宦官と外戚の暴欲比べのようなものが続く。党錮の禁に象徴されるように、官僚は常に権力者の暴戻の犠牲者であるかのように書かれているが、実態はどうだったのだろう。多分にプロパガンダを含むのではないか。

    世の中が乱れ、遂に曹操や董卓、あるいは劉備の師である蘆植や、孫権の父である孫堅が、歴史の表舞台に登場する。

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    2010年02月21日
  • 三国志 第一巻

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    宮城谷文学といえば諸国がしのぎを削る春秋戦国時代を背景に、颯爽とした英雄が登場して・・・というストーリーを愛読してきたが、三国志となると勝手が違う。貪欲な意図を持ったものが権柄を握り、清廉な志で政治を立て直そうとする者も、やがて奸悪な刃に斃れていく。正史三国志が正史紀伝体の常として、前王朝のプロパガンダ的批判から入る仕立てになっているのもあるだろうし、何より後漢書も三国志も、異民族台頭下での亡国の嘆きを基調としていることがあるのだろうか。

    第一巻は後漢王朝の中盤、6代安帝から8代順帝の時代が主に語られる。前漢滅亡時に官僚が皇帝の藩屏として機能しなかった反省から、後漢王朝では科挙による学識登用でなく、考廉による徳目登用が行われ、そういう恣意的な官吏登用システムが結局は宦官や外戚による専横の土壌となった。楊震ら多くの官僚や学者たちの悪戦苦闘も描かれるが、良き意図もいずれ邪悪なものに飲み込まれていく、というペシミズムが物語の根底を流れ、変わることはない。

    王朝が緩やかに衰亡へ向かう中、希望の種が蒔かれる。それが曹操の祖父である宦官の曹騰である、ということになるのだろうか。

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    2010年02月21日
  • 風は山河より(一)

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    籠城戦はとても好きですね。忍城もいいし、晋陽もいいし、火怨も・・・。もっと家康との会話があるとよかったな。

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    2010年02月17日