宮城谷昌光のレビュー一覧

  • 楚漢名臣列伝

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    宮城谷さんの楚漢軍記物は「長城のかげ」「香乱記」、以来ではないでしょうか。
    今回は10人の名臣が出てきます。

    楚漢戦争が8年という短さのせいか、どのエピソードも同じ時間・場面が語られて、読み進めると少し飽きるときもありますが、どの話も面白かったです。
    特に簫何の劉邦に対する見方は斬新でした。
    三国志も良いですが、楚漢ものも面白いです。

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    2013年09月15日
  • 介子推

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    古本で購入。

    後に春秋五覇のひとり、晋の文公となる重耳に陪臣として仕えた介推。
    山霊より授けられた棒術をもって、暗殺者の魔手から重耳を陰ながら守護する。
    長年の流浪の末に晋の君主となった重耳は名君となるものの、たちまち欲望の論理の世界に巻き込まれてしまう。
    失望した介推は我が身をもって重耳を諌めるべく、山へと隠遁する。
    介推の功績を知った重耳は必死に呼び戻すが、介推が山から下りることはなかった―

    後世その清廉と忠節が慕われ、神となった介推を主人公とした小説が本書。宮城谷作品は本人の心延えを映してか、非常に爽やかな印象を与える。この『介子推』もまたそうだが、もしかしたら群を抜くかもしれない。

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    2013年08月31日
  • 介子推

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    とにかく面白かった!!
    分量といい、映像化してもイイんじゃないかってぐらい面白かった!!!
    棒術の達人って設定をもっと活かして、
    活劇要素がもうほんの少しだけ欲しかったかも…。

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    2013年08月14日
  • 重耳(中)

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    2013年08月 02/42
    重耳の祖父である称から、父である詭諸(きしょ)の時代に移り、波乱じみて来ました。登場人物それぞれの思いがからみ合って実におもしろい。

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    2013年08月12日
  • 重耳(上)

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    2013年08月 01/41
    春秋ブームに乗って家の在庫から読み始めました。続けて読んでるので少しずつ位置関係があたまに入ってきます。
    中盤辺りの翼に攻めこむあたりから勢いがついてきておもしろい。

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    2013年08月12日
  • 子産(下)

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    2013年07月 06/40
    「礼」をもった政治を行った春秋時代の鄭の宰相「子産」のお話。「湖底の城」を読んでいたら、もう少しあのあたりの時代が読みたくなってそのままの流れで読みました。家の本棚にまだ残っているので、しばらくは春秋戦国時代を攻めようと思います。

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    2013年07月30日
  • 呉越春秋 湖底の城 一

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    2013年07月 02/36
    春秋戦国時代の楚の「伍子胥」の話。まだ呉に移る前ですが、それまでのくだりで一冊の物語に十分になりそうです。先はまだ長そうですが、実に楽しみ。

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    2013年07月30日
  • 三国志 第五巻

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    第5巻では三国志前半のクライマックス、華北の覇者を決めた官渡の戦が描かれる。曹操は袁紹を破り、漢の皇帝をも掌中に治め、天下の第一人者に躍り出る。

    殷の紂王は徳を失い、新たに徳を備えた王者が求められた、と孟子は易姓革命を定義した。司馬遷は更に一歩進めて、秦王朝の失徳は当然として、戦に長けた項羽よりも人を惹き付ける魅力のある劉邦の方が王者に相応しいとした。陳寿もその構図を継承していて、名門のアドバンテージを抱えながら人を活かしきれない袁紹と、酷薄だが有能の士を登用しリーダーシップを発揮する曹操を、鮮やかに対比させている。

    曹操はかつて中原と呼ばれた地域を制覇し、次は南方、劉表の荊州へ目を向ける

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    2013年07月07日
  • 花の歳月

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    やっぱり宮城谷さんは、日本語がきれい。

    でも、もっと長い話が読みたかったなー
    自分の長編好きを再認識。

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    2013年06月30日
  • 太公望(上)

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    初めて読んだ宮城谷さんの作品。
    ストーリーに引き込まれるし、所々に出てくる人生訓が心に響きました。

    中・下とどのように続いていくのか楽しみ!

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    2013年06月27日
  • 三国志 第四巻

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    曹操はついに一国を得る。兗(えん)州といえば、今の河北省と河南省の間くらいか。

    正史は王朝の交替を語るにあたり、前王朝の非を説き、乱れを説き、民心の離反を説いて政権交代を正当化しようとする。その司馬遷の構図を陳寿も宮城谷さんも継承していて、これまで宦官の専横、黄巾の乱、董卓の圧政と話を進めてきたのだが、三国志の場合ここからが若干ややこしくなる。それは、後に漢の丞相になった曹操も、皇帝の末裔であることを強く意識した劉備も、勤皇を掲げていたからだろう。一方で袁紹と袁術は次第に徳のなさや脇の甘さが明らかになっていく。つまり、興隆する後の三国分立の主役たちと、名門袁氏の失徳・凋落を対比している訳だ。

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    2013年05月26日
  • 介子推

    購入済み

    中国の伝説は高尚な人な人が多い

    なぁ、と感じます。
    介子推は強くて高潔でまさに仙人みたいなひとでした。
    その潔い生き方には心が洗われます。

    でも、他の宮城谷作品にくらべると、
    物語の流れで盛り上がりに対して、
    介子推がどんどん盛り下がっていくので(笑)
    爽快感が物足りないです。

    勢いのある最後ではありませんが、
    そこには、
    欲にまみれた人間社会から、
    少し遠ざかることができるような、
    清涼感があります。

    次は重耳が読みたくなりました。
    実は先に重耳を読んだ方が面白いです。
    介子推はスピンオフみたいな感じなので。
    ぜひ、電子化をお願いします!!!

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    2013年05月16日
  • 太公望(下)

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    封神演義と比べながら読んだ。とくに牧野の戦いはダイナミックな展開で面白かった。しかし、部分的に理解が繋がらない部分が有ったので、機会をみて再読したいと思う。

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    2013年04月27日
  • 楽毅(一)

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    かれこれ10年ぶりくらいに読む歴史長編~。
    氏の沢山の著作のなかで、どれから読むかとても迷いました。
    楽毅といえば三国志の孔明のアイドルであったということしか知らなかったので
    まずはこれから。
    滅びゆく小国、中山国の宰相の嫡子であった楽毅の人生は
    冒頭から不安に充ちていますが、まれにみる天分の才とひらかれた思考、
    孟嘗君やさまざまの人物との出会いなどから翼を得て、気を穿いていく―

    生き延びることすら難しいような戦国時代のなかでおのれの生きざまを貫いていく登場人物たちがすごく魅力的です。それも孟嘗君といい楽毅といい、信念は貫きながらも仕える国は変わったりしていくので柔剛を併せもち、亡国や愚王に

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    2013年04月19日
  • 介子推

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    重耳こと晋の文公の長い流浪時代を陰で支え続けた介子推。真の忠臣とは彼のような人物のことを言うのだろう。後に山に隠遁してしまった介子推をもう一度出仕させるために、重耳は山に火をつけた。しかし介子推は山から出て行かず焼死してしまった。この伝承が真実であるならば、余りにも悲しすぎる。

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    2013年03月29日
  • 楽毅(四)

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    人〜生楽ありゃ苦もあるさ〜。
    混沌があり、上って、堕ちての楽毅の大河
    怒涛の展開で、最後の巻が一番面白うございました。

    久々にじっくり読んだーという読後感を味わった。
    しっかし中国の国名覚えにくいアルね。

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    2013年03月28日
  • 史記の風景

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    2013年02月 05/09
    史記にまつわることを新聞で連載していたものです。
    かなりマニアックで、半分くらいしかきちんと理解できませんでしたが、おもしろかったです。
    史記が現代にもさまざまに影響を与えていることを教えてくれます。過去の中国ってすごい。
    「晏子」を読みたくなりました。

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    2013年02月20日
  • 夏姫春秋(下)

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    難しい。これまで傾国の美女の話といえば、その時代の男女の失笑噺が多い。傾国の美女を客観的、男性的目線から捉え、その苦悩を浮き彫りしたところが共感を呼んでると思う。神道と当時の対女性観がよくわかる秀作。

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    2013年01月27日
  • 風は山河より(五)

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    主人公である菅沼家3代(定則・定村・定盈)と
    徳川家3代(清康・広忠・家康)を対比して物語を進みます。

    東三河の小豪族で取り上げられることのあまりない
    菅沼一族がそれぞれ生き生きと描かれています。

    物語的には野田城の籠城戦、長篠の戦いがクライマックと
    なります。
    そのため同じ著者の「新三河物語」とは異なり、
    この後老醜・妄執に囚われる家康が出てこないで終わります。

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    2013年01月05日
  • 孟嘗君(5)

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    んー、考えさせられる本でした。情報が今のように入りにくく、策謀がひしめく中で、道を外さず一貫した善政。「民のために」。この本当の意味は、与えるのではなく、与えられる邪念なき器が必要だということかと。情報はその通信手段に依存せず、邪念なき器には必ず集まる。これが本当の民意なんでしょうね。最後は爽快な読後感でした。

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    2012年12月19日