宮城谷昌光のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
本作は、袁家掃討から、荊州南部攻略までが描かれています。
宮城谷さん版三国志には、知らない人物や評価を見直さないといけない人物がたくさん出てきます。(某ゲーム社の数値と比較してですが。)
私にとっての今回の白眉は、「田ちゅう」と「李典」でした。
(田ちゅうは、初めて知りました(覚えていないだけかも・・・)。 李典は、楽進と張り合う”武一辺倒”かと思っていましたが、 宮城谷三国志では、かなり評価アップされている気がします。)
黄忠が戦う前から劉備寄り(?)なのも、いつもと違う感じで興味深かったです。
言うまでもなく次回に期待です。
※孔明は、今のところ、イメージ通りです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自作農の主人公がスカウトされて、勤務先で活躍していく話。現代風に言うと。
そう書くと途端に面白くなさそうに見えるのはなぜだろう。
大きなことは、一人ではできない。組織に属する必要がある。
が、組織に属した途端、多くの人は組織の価値観に染め上げられる。
そうした状況の中で、いかに素志を貫徹できるか。
際立った組織人というものに感じる魅力というのは、その一点に限られるんじゃなかろうか。
主人公は組織(商)に属してしまったことで、その清冽さを失った。
けれど、組織の中で彼の持つ理想を実現しようとし、かつ実行したという点で、その生き様には際立ったものがある。
なんだけど、そうなると所謂「普通の歴史 -
Posted by ブクログ
大久保彦左衛門の三河物語からの徳川家康の物語。はじめの頃は家康の波瀾万丈と大久保家の活躍がメインであったが、最終巻のここでは既に家康は秀吉と並びNo2までとなっていく。だんだん戦が減ってきて活躍するのは武将である大久保家の人々から本多正信、土井利勝など知謀の人に移っていく。また家康も昔から支えてきた人たちよりこのような知略のものを重視する。ただ彦左衛門忠教の大久保家の家訓の黙って欲を欲せずの姿はすがすがしい。誰かが言ってましたが、やはり下巻からはなんか、第3者目の語り口になっていますね。話の内容が最後のところで、秀忠、家光まで彦左衛門の三河物語を読みに来るところで終わっているがちょっとほのぼの
-
Posted by ブクログ
中国春秋時代の一君主の話である。戦と、諸国との間での権謀術数によって覇権を競う、悪く言えば一生懸命陣取り合戦をしている時代の話である。晋という国を治め、中華を統一し重耳の一生を3冊1000ページを超える大作で記している。
現在に生きているとなかなか理解できない点も多い。「各国の間はお互いの利益があるか、害になるかを判断基準に盟約を結び、敵味方がはっきりしている」「その各国の敵味方の判断においては、君主同士をはじめ、お互いの人と人の間の礼や仁義が大きく影響している」「親子を始め、血縁関係が内紛の争いの元になり、そこに何かを仕掛けるときの大義となること」「邪魔者は消すべしということで、相手に罪がな -
Posted by ブクログ
ネタバレ・人は不運故に、胆知を練り、知恵を育てる。
・身内優先の仁、他者への愛である義。義をきわめることで仁にせまる。
・他人を侮蔑すると、感情の濃度が高くなりすぎて、精神の働きを鈍化させ、人としての成長をとめてしまう。
・人は両眼を備えているのに、その両眼で人を見極めることができない。
・失敗を心の中で引きづり続けると、起死回生の機を損なう。
・内を修めないで、外に力を発揮することはできない。
・わかるということは知ることではなく、日常と非日常にいかすことでなければならない
・欲をたつことが、自分を守ることになる。
・家族だけではなく、他人のことをおもいやり、他人の心を容れて、他人のために尽くせば、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・勇と智とをあわせもっているものは、攻めるときよりも退くときに、何かをなすときより、なにもなさないときにその良質をあらわす。
・諸侯がみずから師を選ぶものは王者となり、みずから友を選ぶものは覇者となる。自己に満足し、群臣が及ぶことのできぬところにいる者は滅ぶ。
・勇気とは、人より半歩進み出ること。人生でも戦場でもその差が大きい。
・孤独をつらぬくには勇気がいる。
・天からもっとも離れた所にいる者こそ、天の高さがわかり、天の恐ろしさも恵もわかるだけに、天祐を受けられる。
・何かを信じ続けることは難しい。それより、信じ続けたことをやめる方がさらに難しい。
・志が高いものは、それだけ困難が多く苦悩が -
Posted by ブクログ
ネタバレ・取ろうとするものはまず与える。
・さびしさの向こうに、人の真影がある。
・名誉にも不名誉にもにげない、性情のままの自分であること
・成功するものは、平穏なときに、危機を予想して備えを始めるものである
・知恵というものは、おのれの意のままにならぬ現状をはげしく認識して生じるものである
・道おこなわれず。筏に乗りて海に浮かばん
国家に正しい道がないとき、流亡の旅もやむを得ない。国家も人も、滅ぶときにはうちから滅ぶ。
・優勢にあるものがおのれの優勢さを誇り、劣勢にあるものを怒らせて、よい結果が得られたためしはない。
・王朝が天下の民にとって元凶に変わったとき、滅亡しやすいところに王都を定めるべきで