宮城谷昌光のレビュー一覧

  • 晏子(二)

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    とにかく最後に晏弱、突然死んじゃった。。
    その印象で、最初のほうが吹っ飛んだ。。。。。

    まぁ、親子2代を描くのだから、このあたりで父の人生は終幕を迎えても当然といえば当然なんだけど。

    2000年以上前の話だから、推測の域といえば推測の域なんだけど、いい親子だなぁって思いますね。

    お互いを理解できるって出来そうでできない難しいことだし。

    わが子にかける期待は、いつの時代も変わらないんやね。

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    2010年04月27日
  • 華栄の丘

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    春秋時代の宋の宰相、華元を描いた物語。
    乱世にあって武や謀をよしとせず、礼と信義を貫く姿に心打たれます。

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    2010年04月24日
  • 風は山河より(六)

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    中国の春秋戦国時代を主に書いている作者の日本の戦国時代を書いた作品。

    一代ではなく三代に渡ってひとつの作品としていること。そして三代というと徳川三代なら家康・秀忠・家光と考えるところだが、ここで出てくるのは清康・広忠・家康。そもそもなかなかスポットライトの当たらない家康に至るまでの三代の時代を描いているのだが、その三人が主人公ではなく、それに仕える管沼家が三代描かれている点が斬新といえば斬新。

    歴史のスポットライトが当たるのはごく一部。でも、それを光り輝くために働いた人々が居たことを忘れるなよ!ということを痛切に感じさせてくれたのが本作品だ。

    作品の中では、何となく流れていく部分と歴史の

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    2010年04月19日
  • 風は山河より(六)

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    本書のクライマックスとも言える野田城での30000(武田軍) vs 400(野田菅沼軍)の攻防戦。
    リアル、スリーハンドレッド基、フォーハンドレッド in JAPAN!

    約400年前にあった日本の話です。

    そして、舞台は長篠の戦いへ・・・
    戦国の明暗を分けた戦いの1つの顛末が、筆者独特の哲学にて語られます。

    こんなこと、本当にあったんだ?
    日本人は、なんだかすごいな。
    そんな風に思える本書です。

    それにしても塩を送ったり水を送ったりと、
    日本の戦いは泥臭いのに結構妙なところでフェアです。
    これも基質か?

    結末はわりと切ない・・けど事実だから変えようがないのですね。
    合計6冊中々読み応

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    2010年04月18日
  • 風は山河より(五)

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    浮世をはなれなければ、浮世がみえぬではありませぬか。(17P)
    全体感を感じるには、まずは孤としての自分を感じろと言うことでしょうか?
    自分を感じる。
    なんとなくいい言葉です。

    四郎と新八郎がようやく舞台に上がって本編がはじまりました。
    長い前置きだったわい。

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    2010年04月15日
  • 楽毅(一)

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    古代中国の戦国春秋時代、中山国の宰相の息子、楽毅の物語。第1巻では、学生としての留学先である斉の臨淄で、名高い斉の宰相、孟掌君と知り合う、その後、中山へ趙国が攻め入るが、楽毅の提案である斉との同盟はその歴史的背景から、なかなか実らない。

    楽毅という日本ではそれ程有名ではない主人公が、焦点となり中国の戦国春秋時代が丁寧に語られていく。

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    2010年04月10日
  • 楽毅(二)

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    まだ高名になる前の楽毅雌伏の時代を描く。どれ程、祖国中山への思いを持っても、中山国王との溝は深く、たとえその太子が人格者であっても楽毅の苦労は続く。そして、趙国の侵略は度重なる。

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    2010年04月10日
  • 孟嘗君(1)

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    戦国春秋時代でその名をはせた孟掌君の物語。彼の数奇で不幸な生まれから丁寧に描かれているが、また最初が丁寧であとが雑に描かれないことを祈りつつ読み進めていこう。しかし、どの程度孟掌君の資料が残っているのかは知らないが、作家とは想像力たくましく、あたかもそこで物語が展開しているかのように、本当の話であるかのように物語を紡いでいくのだから、凄まじい。さすがプロなのでしょう。。。。

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    2010年04月05日
  • 孟嘗君(2)

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    相変わらず、孟掌君の回りの人々の話が続く。秦の孝公に仕えて、国を法家思想で改革する公孫鞅(こうそんおう)や魏に囚われて孫鋤リ(そんびん、孫子)が両足を切断される話などが出てくるが、まだ孟嘗君は幼子で話題の中心にはなって来ない。これでは、主人公の話はまた尻切れトンボ??

    しかし、一つ一つの話は面白く作ってあり、飽きさせる事はないのだが、、、、

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    2010年04月05日
  • 孟嘗君(3)

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    上海への日帰り出張の飛行機で、居眠りをせずに読み通しました。田文(後の孟掌君)が漸く主役に躍り出て、師の孫鋤リに導かれてそのもてる才能を次第に開花させる田文。やがて、育ての父から実の父、母に認められて実家の貴人の田嬰の子に戻ったが、ますますその活躍の場を広げ、周りには彼の人柄を慕うようにさまざまな人が集い、彼を助けていく。危機に陥るも素直な性格そのままにまっすぐ物事に取り組み、難局を乗り切って、戦国の世の中を泳ぎ切っていく姿は爽やかである。

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    2010年04月05日
  • 孟嘗君(4)

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    上海への日帰り出張の飛行機で、居眠りをせずに読み通しました。田文(後の孟掌君)が漸く主役に躍り出て、師の孫鋤リに導かれてそのもてる才能を次第に開花させる田文。やがて、育ての父から実の父、母に認められて実家の貴人の田嬰の子に戻ったが、ますますその活躍の場を広げ、周りには彼の人柄を慕うようにさまざまな人が集い、彼を助けていく。危機に陥るも素直な性格そのままにまっすぐ物事に取り組み、難局を乗り切って、戦国の世の中を泳ぎ切っていく姿は爽やかである。

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    2010年04月05日
  • 風は山河より(六)

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    久々に読み応えのある長編を読んだ。
    宮城谷氏は元々中国モノが得意ということで、使用される漢語が硬めなのと、序盤の豪族に関する記述が詳細なので、1~2巻は少し読みにくいかも知れない、、、と言うか、ここまでで挫折する方が居るかも?
    が、3巻以降は非常にテンポ良く読めるようになる。

    戦国時代中期以降に東三河に勢力を伸ばした野田菅沼氏の視点を通して語られる、織田・今川・松平・武田各氏の興亡は戦国モノ好きには堪らない。
    特に序盤の松平清康(家康の祖父)に関しては、大著で扱われていることが少ないのでとても興味深く読めた。

    以前から文庫化を楽しみに待っていたが、大満足でした(*´▽`*)

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    2010年03月26日
  • 三国志 第三巻

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    第三巻は12代霊帝の終盤から14代献帝初期の時代。しかし最早帝号で時代を数えることにあまり意味はない。中央政府は統治能力を失い、内乱から群雄割拠の時代に入るからである。

    正史は政権の正当性を重視する。軍事力で洛陽を占領した董卓は極悪人だし、董卓以前の地方軍閥も「賊」扱い。後世の知識人は暢気な歴史観で登場人物を仕訳することができるが、当事者たちは正統な政権はどこにあるのか、に思い悩みながらも、次第に自らの旗を打ち立てていく。

    曹操と孫堅は果敢に戦う。たとえ董卓が強大でも戦うことで名を上げ、次代の主役にのし上がろうとする。一方の袁紹と袁術は名門を背負いアンチ董卓の主役と目されながら、目の前の損

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    2010年02月28日
  • 三国志 第二巻

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    第二巻は8代順帝の死後から11代霊帝期の黄巾の乱まで。ようやく通常にいう三国志時代が始まる。ということは、後漢王朝は衰亡の道を辿っていく。

    民衆が反乱するということは、政権の信頼が喪われたということであり、第二巻の前半は前巻に引き続き、宦官と外戚の暴欲比べのようなものが続く。党錮の禁に象徴されるように、官僚は常に権力者の暴戻の犠牲者であるかのように書かれているが、実態はどうだったのだろう。多分にプロパガンダを含むのではないか。

    世の中が乱れ、遂に曹操や董卓、あるいは劉備の師である蘆植や、孫権の父である孫堅が、歴史の表舞台に登場する。

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    2010年02月21日
  • 三国志 第一巻

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    宮城谷文学といえば諸国がしのぎを削る春秋戦国時代を背景に、颯爽とした英雄が登場して・・・というストーリーを愛読してきたが、三国志となると勝手が違う。貪欲な意図を持ったものが権柄を握り、清廉な志で政治を立て直そうとする者も、やがて奸悪な刃に斃れていく。正史三国志が正史紀伝体の常として、前王朝のプロパガンダ的批判から入る仕立てになっているのもあるだろうし、何より後漢書も三国志も、異民族台頭下での亡国の嘆きを基調としていることがあるのだろうか。

    第一巻は後漢王朝の中盤、6代安帝から8代順帝の時代が主に語られる。前漢滅亡時に官僚が皇帝の藩屏として機能しなかった反省から、後漢王朝では科挙による学識登用

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    2010年02月21日
  • 風は山河より(一)

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    籠城戦はとても好きですね。忍城もいいし、晋陽もいいし、火怨も・・・。もっと家康との会話があるとよかったな。

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    2010年02月17日
  • 楽毅(二)

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     部下の郊昔が楽毅を評していう「自分と楽毅とは精神の置き方や置く場所が違うようである。」という部分に、楽毅の凄さを見出している。つまり、知らず知らずのうちに自分の立ち位置を、小さな場所に留めて視界を狭めてしまうことに対する警鐘だ。偉大なる人物は自分を世界・宇宙・自然などの大きなところからとらえているようだ。そこから始まる戦略は、偉大なものになりえる。危険なのは、精神の置き場を違え、つい陥りがちな目の前の小さな問題を解決するための戦術を戦略と勘違いすることだから。
     「王必ず士を致さんと欲せば、まず隗より始めよ」この不朽の名言もこの時代に生まれた言葉だ。それぞれの王が持つ精神の置き場。それを見極

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    2010年01月30日
  • 香乱記(一)

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    秦の初代が没して、再び各地で国と王が興る時代。
    主人公の人柄が素敵で、爽やか。
    先へ先へと読み進めたくなる小説です。

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    2010年01月30日
  • 風は山河より(一)

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    いつもながら手に汗握る展開に、
    夢中になってしまいました。
    特に定村くんの最期は、
    いつもながら死の宣告(つーか帯!!)から、
    その瞬間までがつらくて、、、、

    しかし読み返してみると、
    イマイチ状況が理解しきれていないところが。笑
    戦国ってだから苦手なんだよなー、
    って思っちゃいました。

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    2010年01月11日
  • 風は山河より(四)

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    盛り上がって参りました!
    菅沼家視点中心となり感情移入がスムーズ。サクサク読めた。
    学校の日本史には絶対出てこない全国区から見れば小さな一族の物語だがよく発掘したものだ。何を主文献としているのか。
    本巻は家康の父広忠と菅沼定村の死、定盈立ち上がり。野田家中分裂がテーマか。最後は暗雲を引っ張って終了。続きが気になる。

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    2009年12月23日