宮城谷昌光のレビュー一覧
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ネタバレ劉邦を読んでいる。癖で、初めての作家がいったいどんな人なのかにも興味が強いため、手に取った。読後に、存外に最近の本である事を知り、内容が今という時間軸に近いことを喜べたのはボーナス。
劉邦には、内容に圧倒され続けている。古代。しかも、他国(隣国とはいえ)。広大過ぎる舞台、覚え切れるはずもないほど登場する人物群。極めて少ないはずの情報から、水が滴るように瑞々しく、リアル感のある物語を巧みに描き出してくれる宮城谷氏。読者としてはありがたくて仕方ない。
子供の頃から、どういうふうに生きてきたか、大学生時代のお話も多いが、いかに小説家を目指すようになったのか。そして奥様との出会いから現在の夫婦関係 -
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ネタバレ中巻に入り、秦軍との初陣を勝利で飾った劉邦の軍は、着実に大きくなっていく。大きくなっていくとは、その陣容を確実に充実させていくということと、経験を力にしていくというようなことだ。
出会いを大事にし、昨日の敵を味方とし、たとえ敵将であろうと敬うべきは敬う。劉邦の周りに人物が集まり、集まる人物はみなその才能を発揮する。そうして確実に劉邦軍の陣容は強さを増していく。
親友と信じた旧友の裏切りを経験する。信じていたが故の怒りの心はすさまじい。その怒りを力に変えていく。また、負け戦も経験するが、大敗という経験が次のリベンジへの糧となる。
何といっても中巻では、幾つかの出会いに強烈なインパクトがある -
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面白かった。宮城谷作品の中では活劇的傾向の強い、どちらかというと司馬遼太郎を思い起こさせるような作品でした。
個人的には前半の風洪を主人公とした物語が好みです。主人公や脇役達が生き生きと活躍します。特に美人達が良いですね。妹で活発な明るさを持った風麗・その友人で後に風洪の妻となるひっそりした感じの翡媛。特に豪商・鄭両の娘で風洪に恋するが後に孫ピンの妻になるビン林。最初は清潔感と頭のよさだけで色気が無いが、次第に美しく変身して行く姿が素敵です。(IMEの手書き文字を使ってもピンやビンの文字が検索できません)
後半、孟嘗君が主人公として中心になると、次々に孟嘗君を助ける食客たちや、複雑な春秋時 -
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介子推は清廉・無私・誠実の人として中国では有名だそうだが、その割りにその功績は知られていない。著者は介子推に山霊に授けられた棒術の名手とし、通常の無私の働きに加え、暗殺者・閹礎との暗闘を通してその功績を語る。
前回読んだ「花の歳月」に対し、主人公が棒術の名手であり、かつ重耳の覇道を助けた人物という事で活力を感じる話に仕立てられている。
特に前半は不死の泉・それを守る虎・山霊の化身である老人などが現れ伝奇的要素を持っており、面白い。しかし、重耳に対する無私の奉公についてはもう少し(オーバーにでも)書き込んでも良かったのではないか。特に暗殺者・閹礎は魅力的なのでもっと登場回数を増やしてほしかっ -
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高校時代だろうか「孫子の兵法」を読んだ事がある。殆ど内容は覚えていないのだが、なんとなく想像していた「寡兵をもって大軍を征する」的な戦術論ではなく、至極あたり前といえる「味方が敵より少なければ戦うな」とか「相手が攻めて来ようと思はないほどの強兵を養うのが上将軍」といった記述が多かった。
ところが将軍・楽毅は常に敵より少ない兵力で、強敵を打ち破る戦いをしており、ある意味で義経を見るような気がする。最後の斉都侵略はいわゆる「中入り」戦術の最たるもので、寡兵をもって敵の本拠を一気に急襲し、これを落としてしまう(もちろんその前に戦略=外交戦を十分やっているのだが)。
しかし、この外交戦はわかりにく