宮城谷昌光のレビュー一覧

  • 子産(上)

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    <上下巻を通してのレビュー>

    信義なき世をいかに生きるか――春秋時代、小国鄭は晋と楚の二大国間で向背をくりかえし、民は疲弊し国は誇りを失いつつあった。戦乱の鄭であざやかな武徳をしめす名将子国と、その嫡子で孔子に敬仰された最高の知識人子産。
    二代にわたる勇気と徳の生涯を謳いあげる歴史叙事詩。


    読んでいるうちに、子産の考えや行動がじんわりと心に浸みてくる一冊です。
    当時最高の知識人であった子産は、礼を重んじ不毛な権力争いには加わらず、一歩ひくことで最善の結果を出したような人物に思えます。
    子産を信頼し続けた鄭の簡公や、子産を宰相に推薦して信じ続けた子皮などの様々な人々の援護や理解があってこそ

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    2019年03月29日
  • 呉越春秋 湖底の城 四

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    ネタバレ

    かつての敵国の大国である呉の覇権争いに巻き込まれる伍子胥。本来、後継者であるはずの李氏が王を拒み、それが元凶であるにも関わらず、徳の人と描かれているのが可笑しい。こういう奴って周りにひとりくらいいるよなーって実感する。ストーリーは相変わらず伍子胥を中心引き込まれていく。伏線拾いまくりで腑に落ちる面白さ。

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    2019年03月18日
  • 呉越春秋 湖底の城 一

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    今まで敬遠してた宮城谷昌光作品。少し堅苦しい表現が多いけど、途中からぐいぐい引っぱられるストーリー展開は秀逸!伍子胥の漢気、清々しさに惚れますわ。

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    2019年03月17日
  • 晏子(四)

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    目まぐるしい政変の傍らで、何人殺されても同じ言葉を刻む史官のエピソードが印象的。

    晏嬰の筋の貫き方も、対比の中で、一層、際立つのか。

    大義、歴史、民、幅 ――― 

    考えさせられることが多い。

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    2019年01月04日
  • 草原の風(下)

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    ちょっと地味な感のある後漢の創始者劉秀=光武帝の話。人望もあり、自らの将才も中々、学識もある優等生タイプなので、破天荒な劉邦とかに比べると物語的な魅力はないかもしれない。あと、劉邦における項羽とか、曹操における劉備・孔明みたいな強烈なライバルもいないのもあれかも。
    まぁ、漢楚の戦いや三国志みたいな劇的な話ではないけど、城も兵もない状態からじわじわと勢力を広げて河北平定に至るところは読み応えある。

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    2018年12月14日
  • 劉邦(下)

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    ネタバレ

    いよいよ下巻の戦いは、項羽軍と劉邦軍の戦いに集約されてくる。

    中巻で、章邯の圧倒的な大軍に少数で挑んだ項羽の、まさかの勝利が電撃的に伝えられる。奇跡的と思える勝利だが、項羽自身はこの勝利に自信があったのだろう。

    項羽軍の印象は、彼自身もその武将達も一騎当千の強者ぞろいという感じだ。相手が大軍であろうと、必ず一点を突き崩して、全体を壊滅に持ち込むというそういう印象だ。

    彼の軍の機動力は、常に「勝つか負けるか、生きるか死ぬか」の精神に裏付けられている。負けることへの恐怖心が、闘争心を掻き立てているかのようだ。そしてまた彼らの勝利は、敗者の惨殺を意味する。まさに戦闘マシーンと化している。

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    2018年12月13日
  • 太公望(下)

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    長い、長い旅を終えた気分だ。太公望は、周の軍師としてつにに商に挑む。牧野の戦いと呼ばれる天下分け目の大合戦だ。商の受王(紂王)は重要な人物でありながら、この物語の中ではほとんど顔を見せない。
    才能に恵まれ、果断な行動力もあった受王ではあるが、「受王は~~であった」「受王が~~した」といった伝聞の形でしか姿を見せない。
    稀代の悪王という説もあるが、ここでは残虐な面はあるにせよ悪王とは言えないし、愚昧では決してないという評価か。また、妲己についても悪女としては描かれていない。どちらかといえば、英邁な女性といった感じか。やや世間知らずな一面はあるにせよ。
    周の文王、武王、周公但といった有名な人物も登

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    2018年11月14日
  • 太公望(中)

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    姜の青年、太公望は「商を倒す」という強い思いを秘めつつ、旅をしながら多くの人物と出会い、自らを鍛えて大きく成長してゆく。「呪術の不合理から脱して、合理的な考えのできた人物」と、作者は太公望を評しているが、当たっていると思う。

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    2018年11月14日
  • 太公望(上)

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    宮城谷氏の著作はもともと気になっていたのだが、実際の読むのは初めて。太公望は、マンガ『封神演義』でもおなじみの人物。神話性のある人物だが、この作品の中では、一人の人間として描かれている。
    上巻では、望の所属する姜族の集団が商王朝の受王(紂王)に襲われ、壊滅。望は数名の少年達と一人の少女を連れて草原を彷徨うことに。「紂王を殺す」という強い思いを秘めて。
    上巻では中国辺境地の古代の様子がよく描かれている。鬼方や、土方といった異民族。商から北方の支配を任された箕子など多彩な人物が登場する。

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    2018年11月14日
  • 随想 春夏秋冬(新潮文庫)

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    ネタバレ

    劉邦を読んでいる。癖で、初めての作家がいったいどんな人なのかにも興味が強いため、手に取った。読後に、存外に最近の本である事を知り、内容が今という時間軸に近いことを喜べたのはボーナス。

    劉邦には、内容に圧倒され続けている。古代。しかも、他国(隣国とはいえ)。広大過ぎる舞台、覚え切れるはずもないほど登場する人物群。極めて少ないはずの情報から、水が滴るように瑞々しく、リアル感のある物語を巧みに描き出してくれる宮城谷氏。読者としてはありがたくて仕方ない。

    子供の頃から、どういうふうに生きてきたか、大学生時代のお話も多いが、いかに小説家を目指すようになったのか。そして奥様との出会いから現在の夫婦関係

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    2018年10月22日
  • 劉邦(中)

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    ネタバレ

    中巻に入り、秦軍との初陣を勝利で飾った劉邦の軍は、着実に大きくなっていく。大きくなっていくとは、その陣容を確実に充実させていくということと、経験を力にしていくというようなことだ。

    出会いを大事にし、昨日の敵を味方とし、たとえ敵将であろうと敬うべきは敬う。劉邦の周りに人物が集まり、集まる人物はみなその才能を発揮する。そうして確実に劉邦軍の陣容は強さを増していく。

    親友と信じた旧友の裏切りを経験する。信じていたが故の怒りの心はすさまじい。その怒りを力に変えていく。また、負け戦も経験するが、大敗という経験が次のリベンジへの糧となる。

    何といっても中巻では、幾つかの出会いに強烈なインパクトがある

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    2018年10月20日
  • 楽毅(三)

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    中山国の滅亡と大国趙での砂丘の乱がこの巻での主題になります。感じたのは盛者必衰であり、いち早く変化に合わせ決断。行動したものが栄えるということでした。

    印象的な文章
    ・目的がなければ努力をしつづけにくい。が、人が目的をうしなったときに、目的をつくるというのが、才能というものではないか。

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    2018年09月30日
  • 楽毅(二)

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    滅亡に向かう中山国の中で、楽毅は何を考え行動したのか?
    葛藤と決断がこの巻のテーマだと感じました。最後の章の郭隗の章も面白いです。

    印象的な文章
    ・孤独をつらぬくには勇気が要る。まったく援助を得られていない立場に身を置いてみて、はじめて自己と他者というものがわかる。自分で考え、自分で決断し、自分で実行する。これほど勇気を必要とすることはない。

    ・こころざしが高い者は、それだけ困難が多く苦悩が深いということだ。人が戦うということは、おのれと戦うということであり、勝つということは、おのれに剋つということにほかならない。

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    2018年09月30日
  • 楽毅(一)

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    漫画キングダムから興味をもち、購入しました。

    戦国七雄の趙と燕に隣した小国「中山国」で名将楽毅が目覚め始めます。1巻では楽毅と戦国四君の一人である「孟嘗君」の出会いが印象的に描かれています。彼との出会いが楽毅の将器を大きくし、趙との戦争の中にその片鱗が見え始めます。愚君に仕えざるを得ない楽毅の葛藤ややりきれない心理描写も読みごたえありです。

    印象的だった文章
    ・成功する者は、平穏なときに、危機を予想してそなえをはじめるものである。
    ・ー真の名君は、臣下に聴き、臣下を信じ、臣下をうやまう人である。

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    2018年09月23日
  • 夏姫春秋(下)

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    春秋時代の戦乱のダイナミックさの中に一本夏姫の線が通っている。その悲哀な運命に暗澹たる思いだったが、最後に救いがあってよかった。

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    2018年09月03日
  • 新三河物語(上)

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    一向一揆の一つの見方として、家康に対する「審判」というキーワードが浮かんでくる。温情裁定の裏に隠された忍耐は、乱世を生き抜いた家康の処世術を象徴するかのよう。だからこそ長きにわたって民を掌握することができたのかもしれない。

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    2018年06月03日
  • 風は山河より(五)

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    ネタバレ

    今川氏真によって妻や妹を強引に人質に取られ、菅沼新八郎定盈は松平元康へ従うことを決める。別離や苦難が続く巻。
    野田四郎が新八郎へ言う「言葉賤しからずして、姿幽玄ならんを、達人と申すべきか。殿は、歌道を歩まれるでしょう」という予言めいた台詞が、物語の行く末を感じさせる。

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    2018年02月11日
  • 太公望(下)

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    最後の方は展開が面白くてすっ飛ばして読んでしまった。

    下巻になるにつれ登場人物が増し、かつ名前も読めないため誰が誰だか分からなくなりました。

    それを差し置いても、人を動かすには先を読む力が必要であると学べたのでよかったと思います。

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    2018年02月03日
  • 太公望(中)

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    上中下の中でこの中が一番面白い。
    話が急激に進む展開ではないけれど、読んでいて一番学びや納得できる箇所が多かった。思わず云々と唸って読んでしまった。

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    2018年02月03日
  • 太公望(上)

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    史実を元に作っているものの、登場人物の心理描写など見事であっという間にのめり込んでしまいました。
    ただ途中歴史解説が挟まってくるため物語が寸断され残念。
    遊牧民の童子だった太公望が鬼公や箕子など上の人にどのように取り入っていったのかもとても勉強になる。

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    2018年01月29日