宮城谷昌光のレビュー一覧

  • 楽毅(一)

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    漫画キングダムから興味をもち、購入しました。

    戦国七雄の趙と燕に隣した小国「中山国」で名将楽毅が目覚め始めます。1巻では楽毅と戦国四君の一人である「孟嘗君」の出会いが印象的に描かれています。彼との出会いが楽毅の将器を大きくし、趙との戦争の中にその片鱗が見え始めます。愚君に仕えざるを得ない楽毅の葛藤ややりきれない心理描写も読みごたえありです。

    印象的だった文章
    ・成功する者は、平穏なときに、危機を予想してそなえをはじめるものである。
    ・ー真の名君は、臣下に聴き、臣下を信じ、臣下をうやまう人である。

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    2018年09月23日
  • 夏姫春秋(下)

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    春秋時代の戦乱のダイナミックさの中に一本夏姫の線が通っている。その悲哀な運命に暗澹たる思いだったが、最後に救いがあってよかった。

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    2018年09月03日
  • 新三河物語(上)

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    一向一揆の一つの見方として、家康に対する「審判」というキーワードが浮かんでくる。温情裁定の裏に隠された忍耐は、乱世を生き抜いた家康の処世術を象徴するかのよう。だからこそ長きにわたって民を掌握することができたのかもしれない。

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    2018年06月03日
  • 風は山河より(五)

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    ネタバレ

    今川氏真によって妻や妹を強引に人質に取られ、菅沼新八郎定盈は松平元康へ従うことを決める。別離や苦難が続く巻。
    野田四郎が新八郎へ言う「言葉賤しからずして、姿幽玄ならんを、達人と申すべきか。殿は、歌道を歩まれるでしょう」という予言めいた台詞が、物語の行く末を感じさせる。

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    2018年02月11日
  • 太公望(下)

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    最後の方は展開が面白くてすっ飛ばして読んでしまった。

    下巻になるにつれ登場人物が増し、かつ名前も読めないため誰が誰だか分からなくなりました。

    それを差し置いても、人を動かすには先を読む力が必要であると学べたのでよかったと思います。

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    2018年02月03日
  • 太公望(中)

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    上中下の中でこの中が一番面白い。
    話が急激に進む展開ではないけれど、読んでいて一番学びや納得できる箇所が多かった。思わず云々と唸って読んでしまった。

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    2018年02月03日
  • 太公望(上)

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    史実を元に作っているものの、登場人物の心理描写など見事であっという間にのめり込んでしまいました。
    ただ途中歴史解説が挟まってくるため物語が寸断され残念。
    遊牧民の童子だった太公望が鬼公や箕子など上の人にどのように取り入っていったのかもとても勉強になる。

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    2018年01月29日
  • 楽毅(二)

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    ネタバレ

    趙の度重なる軍事侵攻により、中山国の首都・霊寿は陥落。暗愚であった中山王は没し、英明な太子が立ったものの、その太子も間もなく戦死。そのような状況の中、楽毅がゲリラ戦と外交戦を趙に対して仕掛ける第2巻。どんどん盛り上がっていて、続きが気になる。

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    2018年01月10日
  • 楽毅(一)

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    ネタバレ

    中国の戦国時代の名将・楽毅の生涯を描く長編小説。第1巻は井陘の塞、防衛戦まで。
    聖王の時代の故事なども興味深く、本筋も脇道も楽しい小説。

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    2018年01月09日
  • 草原の風(上)

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    やはり宮城谷さんの本はおもしろい。

    後漢王朝の祖・光武帝(劉秀)の物語。
    困窮のため、子供の頃、一人だけ叔父の家に預けられたコンプレックスもありながら、土や光、天候に親しみ、農業の天才とまで言われて、清澄さを失わない劉秀はとても魅力的な主人公。
    多くの人に愛され、のちには期待されるようになるけど、本人はそんな周りの評価に戸惑い、いろいろな人との出会いを自分の糧にしていくまでが、上巻。
    次巻からはいよいよ現皇帝を倒す反乱を起こすが、なるべく劉秀はこのままで進んでほしい。
    中下巻も楽しみ♪

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    2017年12月01日
  • 孟嘗君(1)

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    面白かった。宮城谷作品の中では活劇的傾向の強い、どちらかというと司馬遼太郎を思い起こさせるような作品でした。
    個人的には前半の風洪を主人公とした物語が好みです。主人公や脇役達が生き生きと活躍します。特に美人達が良いですね。妹で活発な明るさを持った風麗・その友人で後に風洪の妻となるひっそりした感じの翡媛。特に豪商・鄭両の娘で風洪に恋するが後に孫ピンの妻になるビン林。最初は清潔感と頭のよさだけで色気が無いが、次第に美しく変身して行く姿が素敵です。(IMEの手書き文字を使ってもピンやビンの文字が検索できません)
    後半、孟嘗君が主人公として中心になると、次々に孟嘗君を助ける食客たちや、複雑な春秋時

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    2017年11月16日
  • 介子推

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    介子推は清廉・無私・誠実の人として中国では有名だそうだが、その割りにその功績は知られていない。著者は介子推に山霊に授けられた棒術の名手とし、通常の無私の働きに加え、暗殺者・閹礎との暗闘を通してその功績を語る。
    前回読んだ「花の歳月」に対し、主人公が棒術の名手であり、かつ重耳の覇道を助けた人物という事で活力を感じる話に仕立てられている。
    特に前半は不死の泉・それを守る虎・山霊の化身である老人などが現れ伝奇的要素を持っており、面白い。しかし、重耳に対する無私の奉公についてはもう少し(オーバーにでも)書き込んでも良かったのではないか。特に暗殺者・閹礎は魅力的なのでもっと登場回数を増やしてほしかっ

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    2017年11月16日
  • 楽毅(一)

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    高校時代だろうか「孫子の兵法」を読んだ事がある。殆ど内容は覚えていないのだが、なんとなく想像していた「寡兵をもって大軍を征する」的な戦術論ではなく、至極あたり前といえる「味方が敵より少なければ戦うな」とか「相手が攻めて来ようと思はないほどの強兵を養うのが上将軍」といった記述が多かった。
    ところが将軍・楽毅は常に敵より少ない兵力で、強敵を打ち破る戦いをしており、ある意味で義経を見るような気がする。最後の斉都侵略はいわゆる「中入り」戦術の最たるもので、寡兵をもって敵の本拠を一気に急襲し、これを落としてしまう(もちろんその前に戦略=外交戦を十分やっているのだが)。
    しかし、この外交戦はわかりにく

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    2017年11月16日
  • 劉邦(下)

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    久しぶりに宮城谷さんの小説を読みました。いつ読んでも、何を読んでも面白い!

    後書きで宮城谷さんが書いていたこと、項羽には親近感があったけど劉邦は鋤になれなかった、というのはまさに私もそれで、どちらかというと項羽の方が好きでした。
    今もそれは変わらないのですが、この小説を読んだら劉邦への見方も少し変わりました。劉邦が天下を取れて、項羽が取れなかったというのはやはり項羽に足りないものがあった、ということなのだろうと改めて考えました。

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    2017年11月12日
  • 玉人

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    女性を中心にした6つの短編です。
    何時もの重厚さは影を潜め、やや軽い仕上がりです。
    ミステリータッチあり、ややエロティシズムありと宮城谷さんの作品としては珍しい部位に入ると思います。
    やや尻切れトンボ的な作品が多く、なんだか充分に書き込めてない印象を受けました。

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    2017年11月08日
  • 太公望(上)

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    少年ジャンプで連載していた封神演義の知識しか持ち合わせておりませんが読んで見たいなぁと思い手に取りました。

    仙人や宝貝とか特殊能力バトルが始まると思いきや意外と現実路線!
    波乱万丈の前半と恵まれた出逢いにより積み上げられる能力とコネクション!
    中巻が楽しみです!!

    最初長いかなぁと思いましたが上巻が終わってみると、同じボリュームがあと二冊!!とワクワクします!



    中国の殷末期!紂王が即位の前に人狩りと称し遊牧民族の羌族を襲う!
    一族の殆どが囚われ族長等主だった者は殺されるが、主人公の太公望は運良くその難を逃れ、羌族の少年少女五人を引き連れ北の果てにある街を目指す・・・

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    2017年11月01日
  • 春秋の色

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    春秋時代や戦国時代に、少しだけ興味がある。
    どうやって知るか、となると、研究書にしても、何を読んでいいかわからないし、読みこなせるとも思えない。
    そこで、何か小説で、と宮城谷さんの本のお世話になる。

    本書は、古代中国の文化や文献を素材にした随筆なのだけれど、同時に夏王朝の頃を描いた出世作、「天空の舟」などを書いた頃の話や、故郷蒲郡についてのエッセイもあった。

    宮城谷さんは、英文学をやってきた人だったことも、本書で初めて知った。
    また、立原正秋ら、大学の恩師たちとの関わりと修業時代のことも何度も出てきた。
    正直、この世代の作家が、大学の文学誌(早稲田文学)で世に出ていくというコースがあるのか

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    2017年10月31日
  • 管仲(下)

    購入済み

    春秋時代面白い

    長生きの人だ 鮑叔の事をもっと書いてほしかった

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    2017年10月25日
  • 孟嘗君(5)

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    全巻読破。最後までしっかり楽しめた。
    師・孫臏の「天下万民のための宰相たれ」という遺言で魏・斉・秦の宰相をつとめる孟嘗君・田文。
    白圭から受け継いだ「仁愛」の精神で施政を行い、孫臏から学んだ知略と食客たちの助力により困難を切り抜けていく。
    激しい戦乱の時代ながら物語全体を通して実に爽快でスケールが大きく登場人物たちが生き生きと描かれている。
    特に前半は白圭の人間性、後半は田文の成長していく姿にすっかり引き込まれてしまった。覇道・栄達を目指す時代の中で全く異なるスケールの大きさと魅力を持った親子だ。
    今まで中国ものの歴史小説は北方謙三ばかり読んできたが、これからは宮城谷昌光も選択肢に入れるように

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    2017年09月23日
  • 孟嘗君(4)

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    斉の外交を担う田嬰の手腕が存分に発揮される巻。権力の中枢を狙う鄒忌との暗闘、周辺国との息詰まる腹の探り合い。
    同盟・主従・静観・進軍。一歩間違えれば瞬く間に呑み込まれる乱世の過酷な勢力争いが繰り広げられる。
    その頃、息子・田文は旅の空。周で大商人となった白圭の私財を投じた治水事業に参加。その過程で自ら国家観、仁愛の意味を確立させていく。
    そして運命の女性・洛芭との切ないロマンスも。
    田嬰・田文親子がどうもギクシャクしてるのがなんとももどかしい。(お互いに認め合ってはいるのだが)
    田文のフットワークの軽さと人柄は白圭の影響が大きいが、観察力の高さと時折見せる鋭さは田嬰の血だろう。
    で、このままラ

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    2017年09月19日