宮城谷昌光のレビュー一覧

  • 太公望(上)

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    宮城谷氏の著作はもともと気になっていたのだが、実際の読むのは初めて。太公望は、マンガ『封神演義』でもおなじみの人物。神話性のある人物だが、この作品の中では、一人の人間として描かれている。
    上巻では、望の所属する姜族の集団が商王朝の受王(紂王)に襲われ、壊滅。望は数名の少年達と一人の少女を連れて草原を彷徨うことに。「紂王を殺す」という強い思いを秘めて。
    上巻では中国辺境地の古代の様子がよく描かれている。鬼方や、土方といった異民族。商から北方の支配を任された箕子など多彩な人物が登場する。

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    2018年11月14日
  • 随想 春夏秋冬(新潮文庫)

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    ネタバレ

    劉邦を読んでいる。癖で、初めての作家がいったいどんな人なのかにも興味が強いため、手に取った。読後に、存外に最近の本である事を知り、内容が今という時間軸に近いことを喜べたのはボーナス。

    劉邦には、内容に圧倒され続けている。古代。しかも、他国(隣国とはいえ)。広大過ぎる舞台、覚え切れるはずもないほど登場する人物群。極めて少ないはずの情報から、水が滴るように瑞々しく、リアル感のある物語を巧みに描き出してくれる宮城谷氏。読者としてはありがたくて仕方ない。

    子供の頃から、どういうふうに生きてきたか、大学生時代のお話も多いが、いかに小説家を目指すようになったのか。そして奥様との出会いから現在の夫婦関係

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    2018年10月22日
  • 劉邦(中)

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    ネタバレ

    中巻に入り、秦軍との初陣を勝利で飾った劉邦の軍は、着実に大きくなっていく。大きくなっていくとは、その陣容を確実に充実させていくということと、経験を力にしていくというようなことだ。

    出会いを大事にし、昨日の敵を味方とし、たとえ敵将であろうと敬うべきは敬う。劉邦の周りに人物が集まり、集まる人物はみなその才能を発揮する。そうして確実に劉邦軍の陣容は強さを増していく。

    親友と信じた旧友の裏切りを経験する。信じていたが故の怒りの心はすさまじい。その怒りを力に変えていく。また、負け戦も経験するが、大敗という経験が次のリベンジへの糧となる。

    何といっても中巻では、幾つかの出会いに強烈なインパクトがある

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    2018年10月20日
  • 楽毅(三)

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    中山国の滅亡と大国趙での砂丘の乱がこの巻での主題になります。感じたのは盛者必衰であり、いち早く変化に合わせ決断。行動したものが栄えるということでした。

    印象的な文章
    ・目的がなければ努力をしつづけにくい。が、人が目的をうしなったときに、目的をつくるというのが、才能というものではないか。

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    2018年09月30日
  • 楽毅(二)

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    滅亡に向かう中山国の中で、楽毅は何を考え行動したのか?
    葛藤と決断がこの巻のテーマだと感じました。最後の章の郭隗の章も面白いです。

    印象的な文章
    ・孤独をつらぬくには勇気が要る。まったく援助を得られていない立場に身を置いてみて、はじめて自己と他者というものがわかる。自分で考え、自分で決断し、自分で実行する。これほど勇気を必要とすることはない。

    ・こころざしが高い者は、それだけ困難が多く苦悩が深いということだ。人が戦うということは、おのれと戦うということであり、勝つということは、おのれに剋つということにほかならない。

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    2018年09月30日
  • 楽毅(一)

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    漫画キングダムから興味をもち、購入しました。

    戦国七雄の趙と燕に隣した小国「中山国」で名将楽毅が目覚め始めます。1巻では楽毅と戦国四君の一人である「孟嘗君」の出会いが印象的に描かれています。彼との出会いが楽毅の将器を大きくし、趙との戦争の中にその片鱗が見え始めます。愚君に仕えざるを得ない楽毅の葛藤ややりきれない心理描写も読みごたえありです。

    印象的だった文章
    ・成功する者は、平穏なときに、危機を予想してそなえをはじめるものである。
    ・ー真の名君は、臣下に聴き、臣下を信じ、臣下をうやまう人である。

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    2018年09月23日
  • 夏姫春秋(下)

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    春秋時代の戦乱のダイナミックさの中に一本夏姫の線が通っている。その悲哀な運命に暗澹たる思いだったが、最後に救いがあってよかった。

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    2018年09月03日
  • 新三河物語(上)

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    一向一揆の一つの見方として、家康に対する「審判」というキーワードが浮かんでくる。温情裁定の裏に隠された忍耐は、乱世を生き抜いた家康の処世術を象徴するかのよう。だからこそ長きにわたって民を掌握することができたのかもしれない。

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    2018年06月03日
  • 風は山河より(五)

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    ネタバレ

    今川氏真によって妻や妹を強引に人質に取られ、菅沼新八郎定盈は松平元康へ従うことを決める。別離や苦難が続く巻。
    野田四郎が新八郎へ言う「言葉賤しからずして、姿幽玄ならんを、達人と申すべきか。殿は、歌道を歩まれるでしょう」という予言めいた台詞が、物語の行く末を感じさせる。

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    2018年02月11日
  • 太公望(下)

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    最後の方は展開が面白くてすっ飛ばして読んでしまった。

    下巻になるにつれ登場人物が増し、かつ名前も読めないため誰が誰だか分からなくなりました。

    それを差し置いても、人を動かすには先を読む力が必要であると学べたのでよかったと思います。

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    2018年02月03日
  • 太公望(中)

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    上中下の中でこの中が一番面白い。
    話が急激に進む展開ではないけれど、読んでいて一番学びや納得できる箇所が多かった。思わず云々と唸って読んでしまった。

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    2018年02月03日
  • 太公望(上)

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    史実を元に作っているものの、登場人物の心理描写など見事であっという間にのめり込んでしまいました。
    ただ途中歴史解説が挟まってくるため物語が寸断され残念。
    遊牧民の童子だった太公望が鬼公や箕子など上の人にどのように取り入っていったのかもとても勉強になる。

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    2018年01月29日
  • 楽毅(二)

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    ネタバレ

    趙の度重なる軍事侵攻により、中山国の首都・霊寿は陥落。暗愚であった中山王は没し、英明な太子が立ったものの、その太子も間もなく戦死。そのような状況の中、楽毅がゲリラ戦と外交戦を趙に対して仕掛ける第2巻。どんどん盛り上がっていて、続きが気になる。

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    2018年01月10日
  • 楽毅(一)

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    ネタバレ

    中国の戦国時代の名将・楽毅の生涯を描く長編小説。第1巻は井陘の塞、防衛戦まで。
    聖王の時代の故事なども興味深く、本筋も脇道も楽しい小説。

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    2018年01月09日
  • 草原の風(上)

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    やはり宮城谷さんの本はおもしろい。

    後漢王朝の祖・光武帝(劉秀)の物語。
    困窮のため、子供の頃、一人だけ叔父の家に預けられたコンプレックスもありながら、土や光、天候に親しみ、農業の天才とまで言われて、清澄さを失わない劉秀はとても魅力的な主人公。
    多くの人に愛され、のちには期待されるようになるけど、本人はそんな周りの評価に戸惑い、いろいろな人との出会いを自分の糧にしていくまでが、上巻。
    次巻からはいよいよ現皇帝を倒す反乱を起こすが、なるべく劉秀はこのままで進んでほしい。
    中下巻も楽しみ♪

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    2017年12月01日
  • 孟嘗君(1)

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    面白かった。宮城谷作品の中では活劇的傾向の強い、どちらかというと司馬遼太郎を思い起こさせるような作品でした。
    個人的には前半の風洪を主人公とした物語が好みです。主人公や脇役達が生き生きと活躍します。特に美人達が良いですね。妹で活発な明るさを持った風麗・その友人で後に風洪の妻となるひっそりした感じの翡媛。特に豪商・鄭両の娘で風洪に恋するが後に孫ピンの妻になるビン林。最初は清潔感と頭のよさだけで色気が無いが、次第に美しく変身して行く姿が素敵です。(IMEの手書き文字を使ってもピンやビンの文字が検索できません)
    後半、孟嘗君が主人公として中心になると、次々に孟嘗君を助ける食客たちや、複雑な春秋時

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    2017年11月16日
  • 介子推

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    介子推は清廉・無私・誠実の人として中国では有名だそうだが、その割りにその功績は知られていない。著者は介子推に山霊に授けられた棒術の名手とし、通常の無私の働きに加え、暗殺者・閹礎との暗闘を通してその功績を語る。
    前回読んだ「花の歳月」に対し、主人公が棒術の名手であり、かつ重耳の覇道を助けた人物という事で活力を感じる話に仕立てられている。
    特に前半は不死の泉・それを守る虎・山霊の化身である老人などが現れ伝奇的要素を持っており、面白い。しかし、重耳に対する無私の奉公についてはもう少し(オーバーにでも)書き込んでも良かったのではないか。特に暗殺者・閹礎は魅力的なのでもっと登場回数を増やしてほしかっ

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    2017年11月16日
  • 楽毅(一)

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    高校時代だろうか「孫子の兵法」を読んだ事がある。殆ど内容は覚えていないのだが、なんとなく想像していた「寡兵をもって大軍を征する」的な戦術論ではなく、至極あたり前といえる「味方が敵より少なければ戦うな」とか「相手が攻めて来ようと思はないほどの強兵を養うのが上将軍」といった記述が多かった。
    ところが将軍・楽毅は常に敵より少ない兵力で、強敵を打ち破る戦いをしており、ある意味で義経を見るような気がする。最後の斉都侵略はいわゆる「中入り」戦術の最たるもので、寡兵をもって敵の本拠を一気に急襲し、これを落としてしまう(もちろんその前に戦略=外交戦を十分やっているのだが)。
    しかし、この外交戦はわかりにく

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    2017年11月16日
  • 劉邦(下)

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    久しぶりに宮城谷さんの小説を読みました。いつ読んでも、何を読んでも面白い!

    後書きで宮城谷さんが書いていたこと、項羽には親近感があったけど劉邦は鋤になれなかった、というのはまさに私もそれで、どちらかというと項羽の方が好きでした。
    今もそれは変わらないのですが、この小説を読んだら劉邦への見方も少し変わりました。劉邦が天下を取れて、項羽が取れなかったというのはやはり項羽に足りないものがあった、ということなのだろうと改めて考えました。

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    2017年11月12日
  • 玉人

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    女性を中心にした6つの短編です。
    何時もの重厚さは影を潜め、やや軽い仕上がりです。
    ミステリータッチあり、ややエロティシズムありと宮城谷さんの作品としては珍しい部位に入ると思います。
    やや尻切れトンボ的な作品が多く、なんだか充分に書き込めてない印象を受けました。

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    2017年11月08日