宮城谷昌光のレビュー一覧

  • 草原の風(上)

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    後漢王朝の創始、光武帝・劉秀の生涯。
    上巻は常安での留学などの若き日々の劉秀が描かれています。
    慕われ尊敬される劉秀の器の大きさ、徳の深さに引き込まれました。
    高祖・劉邦の末裔でありながら、田圃で汗する日々。現場主義という言葉は少ししっくりこないけれど、汗をかき、工夫を怠らず、和を尊ぶ姿勢を当たり前のように貫ける人柄が魅力です。
    中下巻が楽しみ。

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    2016年04月28日
  • 劉邦(中)

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    上巻よりダイナミックな面白さがある。ただ、神懸かり的な判断力を発揮してきた劉邦も、大きな軍と多数の臣下を従えるようになって迷いや悩みが出てくる。というより、漢王や皇帝として有名になる前の物語は当時としても記録が少なく、いろいろ盛って語られてきたんだろうな。

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    2016年03月24日
  • 孟嘗君(5)

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    今まで読んだ、宮城谷昌光の中ではナンバーワン。それは、キングダムを読んだ影響からかもしれないが笑
    戦国のなんでもありのルールの中で仁を貫く主人公。しかしやはりかっこいいのは白圭であろう。商売の神様みたいなのだが、周りの中国人にきいても知らないのが悲しい。

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    2016年01月31日
  • 三国志 第五巻

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    派手な面々が退場する。
    呂布は董卓暗殺の鮮やかさがあるから、どんどん精彩を欠いていく姿を見るのが苦しい。そんな呂布に従った陳宮はただひたすら曹操を嫌っていたという解釈が好き。
    決断力に欠ける袁紹、この人も後年残念になるパターン。対比して、そじゅの潔いこと。
    孫策は一瞬のきらめき。振り向かず前だけむいて突き進んだ結果、暗殺という形で生を終えてしまった。えっていうか小覇王の活躍あれだけ??フォローしてくれる誰かがいてくれたらなあ……

    宛城そして官渡。
    荀彧、荀攸、郭嘉、程昱ら能臣の活躍もめざましく、人材バンク曹魏の様相。徐晃とか張コウとかかくとかも集まってきた。
    宛城に鄒氏なんて出てこない、けれ

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    2016年01月30日
  • 劉邦(下)

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    七十余戦負けたことがなかった項羽が、初めて敗れた時が命を落とすことになったのに比べ、劉邦は幾度となく楚軍に敗れながらも最後は天下を取る。運と人間力の違いをまざまざと感じる物語である。

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    2015年12月26日
  • 劉邦(上)

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    この歳までボンクラだった劉邦がいきなりのヒーローっぷりに呆れるが、宮城谷さんらしい。
    全体の感想は3巻読み終えた後に。

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    2015年12月04日
  • 呉越春秋 湖底の城 一

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    主人公は楚出身の伍子胥だが、孫武の戦わずして勝つが学べる物語。
    楚は王族が上位を占めるので、人材が育たず改革が進まない。
    生涯の敵がいると思えば用心を怠らず倦怠に陥ることがない。

    2019/8/6
    呉から越に話がうつり、伍子胥の最後、呉の最後までに至る。

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    2019年08月06日
  • 三国志 第四巻

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    孫堅死す、早すぎる退場。
    孫策のターンになったけれど、まだ若くなかなか思うようにはいかない。それでも生まれ持った誠実さで人々を魅了していく。イケメンは強い。

    董卓も退場。専横を尽くした彼の末路はまさかの灯台であった。
    属将としては鬼神の如き力を発揮する呂布も、彼自身は王朝の権威の賛美者。王允に使われ、そして陳宮を得て、彼の行く先は。

    曹操のスーパー復讐タイム。失ったものは大きいが、苦難を乗り越え曹操は益々大きくなる。
    荀彧や程昱、夏候惇といった人々の個性が段々見えてきて楽しい。

    劉備の徐州入り。この劉備はただひたすらに朴訥。
    かく(変換できない)の生き方も光って見える。
    献帝の受難は続く

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    2015年11月30日
  • 劉邦(上)

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    秦末から劉邦が項羽に勝つまでの数年間を描いている。漢王朝成立後のことは書かれていない。
    無から生じた有はいつでも無へたちかえることができるがゆえに無限。
    縦横家は怒らせる説術からはじめる。そのほうが信用度が増すと考えた。

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    2015年11月29日
  • 劉邦(下)

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    あとがきをよんで納得
    筆者の「香乱記」を読んで劉邦が嫌いだ、と思った。この本の後書きで筆者は「筋が通らない劉邦は嫌いだった。」とあり納得した。
    しかし、司馬懿が裏切りったとき「われはあなたを裏切ったかもしれないが、国家を裏切ったわけではない」といったことから、劉邦を再評価したことに納得した。ただ、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」から育ったので神秘的な劉邦はちょっと首をかしげた。人物の過去、思考を重視するので速読には向かず、戦闘シーンは北方謙三と真逆でさらっとしすぎているので、星一つ減らして星4つとしました。個人的にはこの本の醍醐味は「香乱記」を読んだ後、本書を読み、後書きを読むことでさいこうのあじが

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    2015年11月05日
  • 夏姫春秋(下)

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    ネタバレ

    上巻の最後の方までは存在の希薄だった、主人公・夏姫の物語が動き始める。

    下巻の序盤、恩人である家宰の一族を救うために有力者たちに身を投げ出す場面は悲壮で胸が痛い。
    幼い頃から抵抗するでもなく、男たちに身を任せて来た夏姫という人物が、よくわからないままで話は進んできた。しかし決して自ら頽廃を好むわけではなく、喜ぶわけでもないことがわかった。むしろこの時の無私の決意と行動によって彼女の清廉さが際立ち、ようやく彼女の内側の魅力が垣間見えた。隠されてきただけに強烈な印象を伴って。

    しかし夏姫の持つ最大にして唯一の武器は、結局はその美貌と肉体であり、男たちは勝手に溺れていく。ここへきて、夏姫の物語は

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    2015年10月25日
  • 劉邦(下)

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    最後になって〝先生〟っぽくなちゃった。史記にはこう書いてあり,漢書にはこうかいてあるが,どういうことか判断つかないってね~楚は趙を救いに秦の1/10の兵で向かいこれを撃破し,碭に留まっていた劉邦にも征西の要請が届く。劉邦は,まっすぐ北へ向かわず,北の昌邑を攻めるが果たせず,酈食其の手引きで陳留に招かれる。開封から白馬へ進み,潁川郡と張良と再会を果たし,兵数は2万に,南陽で3万に,宛で7万5千に達する。南に迂回し,胡陵から武関に進み,

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    2015年10月24日
  • 劉邦(上)

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    どういう劉邦を描くかと思ったら,実にオーソドックスで,不思議な力を持っている人物として~47歳の劉季は豊邑の出身だが,跡取りではなかったから少年としてあちらこちらを流浪し,客となって過ごしたが,いわば不良で悪党の一歩手前。富裕な呂公が泗水に越してきて挨拶に出向き,ありもしない祝い金の金額を他の十倍書いて目に留まり,次女を貰うことになった。曹氏という女性がいて子もなしていたが,所詮は妾。毒には毒でと,泗水亭長という吏員になったが,目立った働きはない。張耳に世話になっていたが,郡界を逃げ回っていてお尋ね者になった寧君が,その恩人かも知れない。夜,川で小用を足していると,気配がして目の前の川に飛び込

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    2015年10月21日
  • 三国志 第三巻

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    董卓、孫堅、公孫瓚など、やっと三国志らしくなってきた。が、細部の人間模様はこれまであまり注目していなかった人材満載で、引き込まれる。

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    2015年09月25日
  • 三国志 第二巻

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    王朝の組織としての不健全さと機能不全が浮き彫りに。
    梁皇后は善政を敷く気持ちがあったし聡明であったのに、何故兄の蛮行を見抜くことができなかったのか?身内だから目が曇ったのか、梁冀がずる賢かったのか。

    曹操、袁紹、孫堅、董卓、劉備など、漸く知った名前が出てきた。
    辺境で育ったからこそ中央の腐敗を冷やかに見ることができた董卓。
    ヤンチャもしたけどやっぱり有能だった曹操。
    孫堅といえば海賊退治。
    意外とヤンチャで劉邦を意識するかのようなスタートを切った劉備。
    楽しくなってきた。

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    2015年09月01日
  • 太公望(下)

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    宮城谷さんをちゃんと読んだのは初めて。他の本も読んでみたいと思った。望の成長を見ることができる上・中がやはりおもしろい。中国の広大さには感嘆。大きな物語は中国が舞台になるとやはりいい。

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    2015年08月30日
  • 太公望(中)

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    ネタバレ

    中巻では、商に敵対する勢力が出始めて、なんだか壮大な話になってきます。

    望は離れ離れになってしまった同族の仲間たちと次々と再会します。
    さらに彼は商の周辺を飛び回って、商に反感を持っている勢力の信頼を得ていく。
    そうすることで、来る戦いのための地固めを行なっていきます。
    全体的に、上巻は悲壮感が半端なかったですが、中巻は希望の光が見えてきた雰囲気でした。

    印象的だったのは、中巻の望の心に、復讐を果たした後のこと、つまり新しい王朝、新しい国をつくるという志向が去来したことでした。
    上巻の望は商王への復讐心に支配されていたきらいがありましたが、苦しい経験をしたことで、将来を考えるようになったよ

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    2015年08月25日
  • 太公望(上)

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    太公望の青年時代を描く上巻。

    一族を商によって殺された望は、商王を倒すという復讐心を持ちながら各地を放浪。
    しかしその旅の中で、商という国の絶対的な力に触れ、ときどき不安になりつつも、なんとか折れずに精神的に成長していきます。

    一応歴史小説なのですが、冒険記のような感じもあって、熱いシーンが多々ありました。

    それにしてもまだ若造であるはずの望の能力に、偉いおじさんたちが次々と引き込まれていくところは、非現実的ではあるけれど、太公望の最強っぷりがよく現れていて、いいと思いました。

    ここから望がどうやって商との因縁を晴らしていくのか、非常に楽しみです。

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    2015年08月21日
  • 劉邦(下)

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    劉邦という自分を著者なりに分析し、理解し、消化している。劉邦はある意味で、単純であるように見えて、理解しにくい点がある。漢帝国の建設という偉業を達成できたのは、国家に平和と安定を求める才能ある人々が劉邦と言う乗り物をうまく利用したのかもしれない。

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    2015年08月14日
  • 三国志 第九巻

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    通常、帝国の興廃は二代目・三代目にあるといってもよい。一生をかけて戦場を駆け巡った曹操・劉備の後を、魏は曹丕と曹叡が、蜀は劉禅が継承する。そして、皇帝の器量は、最早本人の武将的才覚というより、優秀な臣下を集め、働かせるかにある。

    魏の二代目曹丕に対する評価はいま一つだが、鍾繇、陳羣、華歆、そして司馬懿といった多士済々に支えられているのが魏の強さ。この時代、魏は軍事的拡張を遂げた訳ではないが、内政的には充実していったのだろうと推測できる。国を支えるのはそのような臣たちなのだ、という陳寿の心の叫びが聞こえてきそうだ。

    一方、呉と蜀には人がいない。呉は周瑜・魯粛の時代に大きな成功を収めて以降、長

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    2015年08月04日