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名臣列伝以来の宮城谷さんの三国志であるが、史実の記述と小説風味を織り交ぜた書き方がやはり読みやすくて面白い。
人選の基準が分からないが、太史慈、韓遂という有名どころ(その割にあまりどういった人物か知らない)から、呉祏、趙岐といった初めて名前を聞く人物、さらには陳寿という、名前は当然知ってはいるが由来等全く知らない人物に至るまで、演義ではさほど深く(というか全く)触れられていない幅広い年代、幅広い立場の人物が取り上げられている。
韓遂の人の良さ、許靕の目まぐるしい変遷、陳寿と諸葛亮との関係等、非常に興味深い話が多く楽しかった。
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キャラクターはやや地味ですが、外伝らしく、方々にマニア垂涎の件が鏤められていました。三国史ではなく三国志らしく、つい感情移入してしまいました。
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本作は王粲に始まり12名の人物を取りあげた短編集である。中でも『正史』の著者である陳寿にスポットを当てたのは興味深い。
また韓遂の生涯には心打たれるものがあった。
ただ、これらの作品は全て宮城谷昌光自身の手によるものなのかは疑わしい。その理由は宮城谷作品の“肝”の一つといえる漢字の使い方が、作品により異なるからだ。しかし、それが本作の評価を下げることにはならなだろう。
どの作品も面白かった。
「人は、出発はおなじでも、おなじ道を歩きつづけることはむずかしい」『許靖』より。
「人は無名のころに他人から受けた恩と仇を死ぬまで忘れない。恩を忘れず、仇を忘れることができたら、その人は聖人に近い。曹操は恩を忘れず、仇を忘れたふりをすることができた。ゆえに彼は英雄であり傑人であった。忘れたふりをつらぬくことさえ、凡百の人にはできない。」『蔡琰』より。
「身分の高低にかぎらず、怠慢はかならずおのれを損するかたちで返ってくる。それは人だけではなく王朝という組織についてもいえることかもしれない。」『蔡琰』より。
「武人にとっての弁解とは、敗戦の原因についてくどくどと解説することではなく、つぎに汚名を雪ぐほどの功を樹てることであろう。」『陳寿』より。
「勇気とか不屈とかいう精神は、政治や軍事の表舞台に立つ者だけが発揮するものではない。無名の者でも、あるいは匍匐叩頭して生きなければならない者でも、失ってはならない。失わないかぎり、その精神がかがやくときがくる。」『陳寿』より。
「文芸には伝播力ある、と最初にいったのは孔子であり、その点でも、かれは偉大であった。事実というものは、そこにとどまるが、その事実が文芸的表現をまとうと、時空のかなたまでゆける。」『楊彪』より。
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三国志の脇役というか、ほぼエキストラのような人達を紹介する外伝!
韓遂、太史慈、劉繇はどの様な役割を果たしたか知っています。
許靖、公孫度、楊彪はかろうじて名前だけ知ってます。
蔡邕の娘が蛮族に攫われた話も何かで読んだ気がします。
他の人達はほぼ知りません。
超マイナーな人物達の物語に少しだけ触れてみましょう。
お勧めは
異民族の為に生涯を捧げた男『韓遂』
諸葛亮から処罰された男の息子た『陳寿』
意外や意外!仁徳のあった『劉繇』
他に蔡琰、鄭玄も面白かったです。