宮城谷昌光のレビュー一覧
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「万里の旅」
下巻で描かれたこの出来事こそ、晋の重耳を春秋五覇たらしめた。
加えて、宮城谷氏の『重耳』では、誕生の背景から放浪までの間の数々のエピソードで主人公重耳の神話性を高め物語の重厚感を加え、登場する人達の個性を多様化することで更なる広がりを見せている。
読者は、登場する人達にも魅了されてゆき、重耳をめぐる様々な事件を越えて、次第に清涼感をおぼえるようになる。
ただ、
登場人物の中には、春秋時代から戦国時代へ移る大事件「晋の滅亡と韓魏趙三国分裂」を匂わせることが顔を見せており、この晋の文公という大いなる成功者すら、歴史のなかのほんの一コマに過ぎないと感ぜずにはいられない。
いずれ -
Posted by ブクログ
劉備亡き後、蜀を率いる諸葛亮。煌びやかな武将たちも多くは世を去り、あまり馴染みのない武将たちの名が連なる。
記憶の中では、「死せる諸葛、行ける仲達を走らす」ぐらいしか記憶になかった。
ただ、この小説から劉備亡き後もいかに足掻き続けたか、劉備の想いをどう叶えようとしたのかが味わえた。一時期、蜀軍を中華最強にまで育て上げ、何かの歯車がうまく噛み合っていれば歴史の歯車を大きく動かしたのかもしれない活動にあらためて敬服。
死後、しばらく無名のまま、中華全土に名前が知れたのは遥か後世、と言う最後の下りも味わい深かった。久しぶりに、宮城谷ワールドを満喫した。
いつか、宮城谷三国志も手に取りたい。