宮城谷昌光のレビュー一覧
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中国後漢〜三国時代。世は乱れ、群雄が割拠し覇を競っていた。
これは、群雄の1人である劉備に仕えて蜀漢建国に尽力し、三国鼎立実現の立役者となった諸葛亮の生涯を描いた伝記ロマン作品である。
なお上巻で描かれるのは、父と兄に薫陶を受けた8歳頃から劉備の軍師として主君の益州入りを整える30歳頃までの諸葛亮である。
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亮は落日を見ていた。いつにも増して大きく美しい日がゆっくり沈みゆくさまに典麗な音楽を感じつつ佇んでいると、朱色の光の中に現れた黒い影が近づいてくるのが見えた。兄の瑾だ。
瑾は、学問をしに洛陽に行くことになりそうだと亮に告げた。張りのある声からは -
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呂不韋の生涯、第二巻、火雲篇。
波乱万丈な青年時代を生きる呂不韋。
秦の兵士に囚われ奴隷のようになるも、そこでの師と仰ぐ人と出会い、運命に導かれるように流れていく。人との出会いの意味を深く思います。
荀子、孟嘗君。
困難にあい、乗り越え、人と出会い、学び続ける呂不韋。
とてもいい人に成長しそうな気配なのだけど。
同時期を生きている白起や楽毅も気になってきます。
「—— 学は耳より入れば、心に著(つ)き、四体に布きて、動静に形(あら)わる。
ようにしなければならない。耳できいたことを心に到らしめ、全身にゆきわたらせて、行動や態度に表現しなければ、理解したとはいえないのである。」
「努力し、本 -
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キングダムの中で良いイメージのない呂不韋。
呂不韋の生涯、全5巻のはじまり、春風篇。
少年の頃はこんな日々を送っていたのね。
孤独、生まれもった資質。
環境が人を成長させていく様子が興味深いです。
呂不韋と藺相如との出会い。
藺相如の和氏の璧と「怒髪上りて冠を衝く」エピソード。
黄歇(春申君)、孟嘗君、廉頗将軍、とその他の登場人物にもわくわく。
「偉人とは苦難のかたまりのようなものだ。偉人になりたいと望むことは、天に、死ぬほどの苦難をくださいとねだることだ。」
どんな苦難を乗り越えて、あのキングダムの呂不韋になっていくのか、続きが楽しみです。 -
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三国志は登場人物がたくさんいて名前も似てるし、広いから地名も覚えたりイメージするのが大変で、関連本や解説本を含めて何度読んでも新たに知ること、理解することが多く本当に奥深いです。
今回は宮城谷昌光さんの三国志入門。
宮城谷さんらしいわかりやすい入門書で、流れがよくわります。
「三国志のことば」の章では「水魚の交わり」「鶏肋」「呉下の阿蒙」など三国志にまつわる故事成語が紹介されており、とても興味深かったです。
正史「三国志」、「三国志演義」、その他「三国志」を扱った中国ドラマや映画「レッドクリフ」。
いろいろな視点によって登場人物のイメージが変わったり、深まったりするのも「三国志」のおもしろ -
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呉越春秋は呉の伍子胥から越の范蠡に主人公がうつっていきました。范蠡篇。
呉から見ていたものを越側の視線に変えるとまた見え方が変わってきて、王が変わると国も変わってきて、興味深かったです。
上に立つ者の資質によって国のあり方は変わってしまうし、努力や忠誠は報われるわけではないのか‥
人を見抜く目や先を見越してどう振る舞えばよいかを見極める大切さ‥
いろいろと考えさせられました。
「人は、環境と地位のちがいによって、変わるものである。他人への好悪の方向、角度、濃淡さえ変わる。」
確かな歴史的記述が極めて少ない時代を宮城谷さんの力で生き生きとした世界に作り上げてくださり、春秋時代に色がついて見 -
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中国・春秋戦国時代。楚王に父と兄を処刑され復讐のため呉で生きる伍子胥が中心の伍子胥篇。
「屍に鞭打つ」がここに。
そして「孫氏の兵法」で有名な孫武との出会いと2人の信頼関係。後宮の女性たちを兵に仕立てるエピソード。
点であった歴史上の事実やエピソードがストーリーになると、生き生きと人間味を帯び、身近に感じます。
「生まれてから死ぬまでの時間が、すべて有意義であるという人などひとりもいない。むなしさにさらされている時を、意義のあるものに更えるところに、人のほんとうの心力と智慧がある。」
うんうん、どんなときも工夫と心持ちで次への力に変えよう。
次は越の范蠡篇へ。 -
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後漢の忠臣たちから見る三国志時代は、また違う景色が見えます。
後漢末期、王朝のために立ち向かった7人の忠臣たちのお話。
その忠臣の荀彧や孔融や漢王朝最後の皇帝の献帝たちがでてくる「三国志 Secret of Three Kingdoms 」という漢王朝と曹操をめぐる中国ドラマをちょうど見終わったあとだったので、さらに彼らの生き方をや時代を知ることができておもしろかったです。
私は吉川英治さんの「三国志」しか読んだことがないので、宮城谷昌光さんの「三国志」も読んでみたいし、後漢・魏・呉・蜀それぞれの視点から見える三国時代も比べて見てみたいなと思います。
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『重耳』を読んで興味を持った介子推。
中国・春秋時代、賤臣として、重耳が晋の王位(文公)につくまで19年に及ぶ苦難の亡命生活に従い重耳を陰から助けた介子推。
人知れず尽力した介子推の功績は重耳に届くことはなく、論功行賞の対象にはならず、功臣の要求に応じて論功行賞を行ったりそれどころかそれまで命を狙っていた者も受け入れるという重耳に失望したということです。
認められなかったことではなく、敬愛する主君への失望から、故郷の山へ去ってしまう介子推。
生きのびるのが精一杯の想像を超える苦難を乗り越えたのに、19年も、それはもうやってられないですよね。
なんだか哀しい。