あらすじ
民意が反映される王朝のありかたとは、どういうものか――。千年つづく政体の確立を目指して呂不韋は奔走する。しかし、昭襄王の崩御に乗じて、秦の力を削ごうとする他国との熾烈な戦いのさなか、呂不韋のもとに、即位したばかりの子楚・荘襄王の思わぬ訃報がもたらされ……。累計100万部を突破した中国歴史小説の金字塔、完結篇。【全五巻】〈解説〉平尾隆弘
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Posted by ブクログ
呂不韋の生涯、最後の第5巻、天明篇。
呂不韋さん〜、彼なりの信念と正義、民衆のために、と思って生きた方だったのですね。
イメージが良くないと言ってごめんなさい。
歴史書は、その後に書かれたものであったり、書いた人の主観が入っていたり、解読の仕方によって見方は変わることでしょう。
宮城谷昌光さんの優しい視点からみた、呂不韋の信念ある生き方を知ることができてよかったです。
Posted by ブクログ
呂不葦は、趙の人質である、異人 を見て、奇貨なり、と感じ、父に相談。
戦国策に父と呂不葦の問答あるとか、
問)耕田の利益は幾倍か →答)十倍だ、
問)珠玉の儲けは、幾倍か→答)百倍だ
では、国家の主を立てた儲けは、幾倍ですか →答)かぞえきれぬ
と。では、秦の公子である異人に、事えてみたいと思います。
奇貨、居くべし、蓄えておく と投機(買い持ちですな)を行う事を決断、
呂不葦は、秦に出向き、様々な艱難辛苦を経て、異人を、秦に迎える、という。
異人の子供が、秦の始皇帝となるわけですが、まあ、凄い物語であります、★四つ
Posted by ブクログ
読んだ本 奇貨居くべし 天命篇 宮城野昌光 20230527
いよいよ嬴政のお父さんを秦の王とし、宰相となった呂不韋。
キングダムの世界にリンクしてきました。呂不韋が使う将軍は蒙驁、麃公、王齕。蒙驁と麃公はいずれも堅実な武将ということで、キングダムとの相違が興味深いです。蒙武、蒙恬もちょいとだけ出てきます。しかし、李牧が蒙驁と互角の将軍として描かれてるのは少し残念な気も。しかし、北方で活躍したエピソードなどは共通。合従軍の蕞の話も考察が書かれてます。
成蟜や嫪毐も出てきて、こちらは何となくイメージ通り。しかし、いくら呂不韋を善良な人と描いても、嫪毐を送り込んだエピソードを読むと、やはり後ろ暗さを感じますねぇ。
そうそう、龐煖の名前も出てきました。
しかし何といっても、始皇帝嬴政という人の人格がよく描かれることはなく、呂不韋の死で終わるわけですが、呂不韋が崇高なものを目指して生きてきながら、宰相となってからは、どんなによく描いても、侵略国秦を動かす人になっちゃったかな。もう一冊分宰相の時代を読みたかったかな。
といいつつ、一気に読んじゃった感があり、宮城野昌光の小説、次は何読もうかなと考えてます。