宮城谷昌光のレビュー一覧

  • 香乱記(一)

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    前205年頃。戦国時代の斉王(田氏)の末裔の田儋(でんたん),田栄,田横の話。中心は田横の話で,楚漢戦争で項羽と劉邦が争う中,どちらにも与せず,信義を貫いた人でした。劉邦は嘘ばかりの人で項羽は残虐な人で,どちらについても民衆は幸せになれない。田横が勝っていたら中国はどんな歴史になっていたのだろうと考えさせられました。本の最後は悲しい結末ではありますが,弱者でありながら信念を曲げてまでも強者に屈しない田横に惚れ込んだ一冊でした。
    『人を喪失すれば,城が残っても,国にとって何の意味もない。』この言葉が好きだ。

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    2009年10月07日
  • 晏子(一)

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    前520年頃。晏嬰(あんえい)とその父晏弱(あんじゃく)の物語。斉の名宰相と呼ばれた晏嬰。史記の著者である司馬遷も彼を尊敬していたそうです。
    晏嬰は,父が死んでから古い礼儀にしたがい3年間の喪に服したそうです。当時は1年はあったとしても,3年間は珍しく,これが人々の尊敬を集めるきっかけになります。喪中に敵が晏嬰宅に攻め込みましたが,これを見て感激し「手を出してはならぬ」と命じたそうです。
    晏嬰が喪から明けたとき,斉は宰相の崔杼の陰謀等により滅亡の危機でした。しかし崔氏も没落し,景公が王位についた時,晏嬰は入閣しました。晏嬰は景公にも臆することなく諫言し,国を大いに栄えさせました。
    晏嬰は歯に衣を着せず,相手が君主であろうとNOを言い続け,しかも天寿を全うしたことがすごい。
    また晏嬰は位が高くなろうとも質素倹約につとめたことは,管仲や范雎,子産が多少吝嗇に走ったことを考えると異質であり,すばらしい。
    春秋戦国時代は,富めば嫉視され,貧しければ蔑視される。力があれば憎まれ,力がなければ虐げられる。このような中,正道を進んでゆくのは至難である。しかも天寿を全うするなど,天が晏嬰を生かしたとしかいいようがない。
    「君主に愛されるより,民に愛されることだ。君主は一代であり,民は永代である」「人が迷うとすれば,欲においてである。欲を捨てれば,自ずと迷いも消える。ただ,欲を捨てようとすることも欲であり,難しい。過大な欲を捨て,寡欲であればよい」「勇気とはおのれの正しさを貫いてゆく力をいう」「やり続ける者は成功し,歩き続けるものは目的地に到着する。わたしは人とかわったところはないが,やりはじめたことはなげださず,歩き続けて休まなかったものです。あなたが私に勝てないというのであれば,ただそれだけのことです。」この言葉が好きだ。
    全4巻
    1回目2008/2/3

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    2010年09月22日
  • 太公望(上)

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    釣りの神様で有名な太公望の一生みたいな話。
    封神の影響で読み始めましたがまんまと宮城谷さんが好きになりました。
    上中下と三冊あるし長いですが、一度読み出すと止まらないです。

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    2009年10月04日
  • 華栄の丘

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    愛読している宮城谷さんの作品の
    なかでひさびさに涙したのがコレ。
    もともと春秋時代が好きなんだけど、
    宮城谷さんの 作品のなかでとくに
    こういう春秋・戦国時代の小国の、
    君主をカゲで支える系家臣に
    スポットをあてた作品が大好き。

    こういう清廉潔白な、なにがあっても
    正義をとおそうとする人がいい。
    そういうところは晏子に
    つうずるものがあると思う。
    泣いたのも晏子以来かも。

    君主っていうのは頭がよくなくていい。
    こういう逸材をひきよせ、アドバイスを
    うけいれる心があればいいんだ。

    宮城谷さんは、文章自体には一切感情を
    こめないのに 人のちいさな感情の
    動きを見事に表現するのがすごい。
    「目もとに微笑を含ませた−」
    とかそういう表現が好き。

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    2009年10月04日
  • 管仲(下)

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    矢張り偉人は偉人だと感じた本です。管仲は言わずもがなで、彼を推挙した鮑叔の言動も「人間わざとはおもわれない」(下巻P269)です。何と言うかもう人の交わり、情感の所在、全てが飛び抜けていて、歴史――過去の出来事であるのにファンタジーとしか思えないほど。
    中には幾つか不透明になる所もありましたが。幾つかの説話を持ってこられて鮑叔像が混乱したり(苦笑)。重要なのは血のつながり云々というよりも姓氏の方なのかとか疑問もあったり。まあこれは己の不勉強さ故なのですが。
    あ、この本で存外注視されていた文姜の存在がとても気になります。彼女の一生はとても興味深いです。

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    2009年10月04日
  • 楽毅(二)

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    実際に表舞台にたったのはとても短い期間だけだったのに見事さを失わなかった稀有な人だと。でも知れば知るほどコメさんが理想としていたのはうかがい知れるけども質は違うように思える…。

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    2009年10月04日
  • 重耳(上)

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    一言で言うと船頭の様な人かと。
    家臣と時の二つの流れに逆らわずに、
    でもチャンと主導権は握っているところが
    純粋に凄いかと。話を聞くという事がどれだけ大事なのかと身につまされた。

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    2009年10月04日
  • 華栄の丘

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    『いい人』と言うのを究極まで煮詰めて、それに熱意と知恵で味付けをしたような人だと。味付けがキチンとなされているからこそ、負けないいい人になれたんだろうな。
    しかし、短い記述から想像する容貌がどうしても某RPGの商人になってしまうのは何故だ。

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    2009年10月04日
  • 子産(上)

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    博覧強記という言葉はきっとこの人の為にある言葉なんだろう。でもそれを言葉だけで終わらせずに生かし、実践したところにこの人の本当の凄さがあるんだろうな。
    と思ったりする。

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    2009年10月04日
  • 晏子(一)

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    春秋中期の斉の臣、晏弱、晏嬰親子の活躍を描いた小説。キーキャラクターである崔杼やそのほか、当時の有名人も派手に登場。脇役が光り、主役がその脇役に負けていない良作。
    丁寧な作りと描写力で丹念に描いています。

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    2009年10月04日
  • 太公望(上)

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    初めて読んだ歴史小説。
    歴史と言っても太公望については伝承しか残っていないので、少しだけ不思議な描写もあったり。でも、そんな幻想的な描写がさらに太公望の魅力だったりします。

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    2009年10月07日
  • 介子推

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    宮城谷氏の多くの作品では、主人公格は君主や宰相といった、国政を左右する立場の人間であることが多いため、このように最後まで下っ端だった人間を描いているこの作品は、その意味で新鮮である。春秋戦国のダイナミックさからは離れた、非常に純粋で美しい作品である。

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    2009年10月04日
  • 晏子(一)

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    最初に読んだのは、ハードカバーでした。

    とにかく、晏弱という人間性の気持ちいいこと。武将なので、人を斬っていくのが仕事なのですが、それでも暖かい。それを取り巻く配下たちも暖かい。

    話しの流れも面白く、すごくわくわく読みました。

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    2009年10月04日
  • 重耳(上)

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    傑作の誉れ高い作品だけあって満足の出来。主人公は春秋五覇の1人、晋の文公だが、話はその二代前の王から始まる。王たちはもちろん、その家臣団も含めると非常に多数の登場人物がいるが、各々豊かな個性が与えられていてさすがである。
    王の性格が、そのままその代の晋の姿に表れており、その意味で上中下巻それぞれ違った趣がある。

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    2009年10月04日
  • 小説 伊尹伝 天空の舟 上

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    商(殷)の開祖、湯の名補佐である伊尹が主人公。なんといっても話の舞台は、もはや伝説上にしか見られないような古代だというのが驚きだ。にもかかわらずあたかもその目でその時代を見てきたかのように活写する宮城谷氏の力量には驚嘆する。甲骨文字から当時の習慣を読み取るなど、単なる史料も彼の手にかかれば、その価値が何倍にも増幅されてしまうようだ。
    現在、中国の歴史モノを書かせれば、この人が日本一だろう。

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    2009年10月04日
  • 史記の風景

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    つまらない漢文の授業は、いらない!
    漢文は、漢字の羅列に頭が痛くなる人もいるだろう。
    苦労して読み下して、意味が分かったとしても、結局、「?」になるのがオチだ。
    漢文の最高峰、「史記」。
    中国歴史小説の第一人者の著者がエッセイでそれを優しく教えてくれる。
    この人の小説を読んでから、「史記」を読むと、面白い。
    長編が無理という人は、このエッセイから入ろう。

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    2009年10月04日
  • 介子推

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    人生のバイブル(大げさ?)。


    主人公の介推があまりにも潔白すぎる印象はあるけれども、「こんな風にすがすがしく、潔く行きたい!」と思わずにはいられません。
    この作品がきっかけで宮城谷昌光氏の作品を読むようになりました。

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    2009年10月04日
  • 晏子(一)

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    晏弱と晏嬰親子のお話。
    父上カッコ良すぎ。息子は意思強すぎ。
    違う格好良さの親子が飽きさせない小説。

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    2009年10月04日
  • 楽毅(四)

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    4巻編成の楽毅の最終巻。

    祖国・中山国の滅亡。趙の武霊王の殺害。楽毅の燕への逃避行。燕王の器量。郭隗の推薦。
    忠将・郊昔の苦悩。
    どれをとっても、何か思わずにはいられない話がたくさん詰め込まれた最終巻。
    あれだけ壮大で強豪だった斉が、彼によってほぼ落とされる彼の能力の凄さ。
    これが、名将・楽毅だ! と言える一冊です。
    また、王の皇子が暗愚だと、名将が死ぬ。というのもこの本に書かれる歴史を以て知ることができるはずです。
    「信義」とは、何か? というのが少し解った気がしました。

    とにかく、オススメ!

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    2009年10月04日
  • 楽毅(三)

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    宮城谷昌光氏の楽毅・第3巻。

    ここらへんで、楽毅がいかに名将と言われるかがよくわかりました。
    平易な言葉ですが、とにかくカッコイイ!! 彼の行動の一つ一つに彼らしさがにじみ出ています。
    将に、名将。

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    2009年10月04日