宮城谷昌光のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
三国志や春秋戦国時代をさらに遡り、時代は殷。暴君紂王が悪虐の限りを尽くし、天も人も新たな風を求めた世において、後世にも不滅の光芒をはなつ人物があらわれる。王朝の殺戮から逃れた羌族の少年、太公望がそのひとである。
中国史においては、三国時代や春秋戦国時代が有名で多くの書物やゲームでも題材にされているように思います。実際、私もこれらの時代はいろんな媒体を通じて楽しませてもらっているところですが、私にとってのはじめての中国史は藤崎竜氏の漫画「封神演技」でした。基本はバトルものですが、緻密な構成にギャグ要素もあり、週刊誌に掲載されていたこともあって、子供だった当時は毎週ワクワクしながら読んでいた覚え -
Posted by ブクログ
ネタバレ遂に終わってしまった。
三国時代って、中国の長い長い歴史の中で一瞬のように短い。
蜀は二代、魏は五代、呉は四代しか続かず、その国の終焉はどれも自滅と言っていいようなもの。
才ある者の枯渇、権力者の専横、など。
滅ぶべくしてほろんだ王朝ではあるけれど、建国前から読んでいた身にすると、先人たちの苦労や偉業をふみにじるような愚かな後継者たちに忸怩たる思いがぬぐえない。
それにしても今まで読んできた三国志となんと違う事よ。
曹操の祖父の時代から書きはじめられたのは、幕末を描こうとして関ヶ原から描き始めたみなもと太郎にも通じるけれど、わかりやすくはあるけれど情報量が多すぎて、思考も行きつ戻りつしながら -
Posted by ブクログ
ネタバレ読む前はちょっと腰が引けていました。
宮城谷昌光だからなー。
史実に基づいたエピソードが、多少時系列を前後させながら淡々と書かれているんだろうなー。
難しくなきゃいいけれど、ま、三国志だし、なんとかなるか。
いや、もう、面白かったのなんのって、久しぶりに手を引っ張られる勢いで物語世界に引きずり込まれました。
普通の三国志は、人心がすさみ食べる物にも事欠くような世の中で黄巾の乱が起こり、それを憂いた劉備と関羽と張飛が桃の木の下で兄弟の契りを結ぶところから始まるのですが、この本は違う。
「四知」から始まります。
「四知」とは「天知る。知知る、我知る、子(なんじ)知る」のことで、誰にもバレないだ