宮城谷昌光のレビュー一覧
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「夏草や兵どもが夢の跡」
松尾芭蕉が奥州平泉にて詠んだ有名な一句。
芭蕉が想い描いた奥州藤原家と源義経の跡よりさらに1500年ほど前の中国江南での激しい争い。
夏草の生い茂るさまが、ここで熱く生きた人々を一層気高く物悲しくさせる。
見るからに英雄らしい魅力を持つ伍子胥と、地味で心配性ながらここ一番の情熱を放つ范蠡。
勝敗はいっときの出来事でも、躍動した人たちは物語という舞台で永遠に輝く。
四文字熟語ばかりが世に広まって、実際にどのようなことがあったのかあまり知られていない呉越の争いが、作者の創造の翼を得てとんでもない大河ドラマになった。
読み終わったあとに全9巻を眺めてみると、セピア -
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面白かったです。
太公望、白圭や孟嘗君、張横などなど、魅力的なキャラが活躍する宮城谷先生の活劇を好んで読んでますが、この本はその流れを感じさせてくれました。
読みやすくスピードのある展開で、一気に読み切った感じです。
宮城谷先生の活劇主人公は、優れた能力をもって天に愛されてる、レベルの違う人に見えるけど、実は周りの人に助けられてるのが好きなのです。頼れる師、信頼できる友、優秀な部下がいて大事業を達成する。
羨ましいけど、皆様みんな何をするにも思いやり。謙虚で優しくそしてポジティブなんですよね。やっぱりポジティブ大事。
続きが楽しみです! -
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キングダムにでてきた楽毅。
中国、春秋戦国時代。
戦国の七雄でもない小国・中山国から斉へ留学、趙、魏、そして燕で活躍する名将・楽毅。
直接的に歴史が変わるほどの活躍があったわけではないけれど、楽毅の活躍は素晴らしくて、歴史の流れを変える働きとなっていて、すごいな。
各国の思惑、駆け引き、利害の対立。
同盟を組んだり解消したり、
国の王が入れ替わるとまた変わる。
弁舌で各国間を自由に行き来する縦横家たちの存在。
春秋戦国時代は本当に本当におもしろいです。
そして、いつも思うけど、少ない歴史の記録に基づきながらもこんなにも人物を生き生きと描き出せる宮城谷昌光さん素晴らしいです。
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古代中国、春秋五覇の一人、晋の文公である重耳。
親子で、兄弟で、国同士で、滅ぼし滅ぼされで‥なんかもう‥な時代。
亡命生活19年。
重耳自身の強い思いというより、臣下たちの強い思いに導かれるうよに覇者となっていくところがおもしろいなと感じました。
春秋時代の「中国の伝統的な情意のありかたと行動」のようですが、重耳が亡命時代に自分たちを冷遇した人たちを許さず復讐をするところはちょっと‥と思ったのだけど、覇者となるには当然のことなのでしょうね。
「天命も天啓も、あたえられたときに受けねば、二度と得られぬであろう。」 -
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後漢の光武帝、謙虚で思いやりとまごころのある皇帝の物語
あまりの立派な生き方に本当に感動しました
こんなに徳のある皇帝がいたのですね
「善は、積み重ねてはじめて善になる。」
「強くないこと、豊かでないことを、耐えるのではなく、その弱点こそ長所であると考え、それをもって強いもの、豊かなものをしのぐという発想である。」
「呉漢」を読んでから、呉漢が尊敬して仕えた光武帝に興味を持って読んだので、物語の後半で呉漢と出会い、感動
光武帝と呉漢から、謙虚に、思いやりをもって生きることの大切さを学びました。
「歴史は、いまを生きる者にとって、鏡戒(あきらかないさめ)となりうる。」という宮城谷さんの言葉