宮城谷昌光のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
先日、宮城谷昌光さんの「重耳」を読んだことを紹介した際、「孟嘗君」全5冊を買ったことにも触れていましたが、ようやく読み終えました。
全5冊、読み終える日数はかかりましたが、実際はかなりぶっ飛ばしました。
というか、面白くてついつい端折ってしまった感はあります。
「重耳」のときは、重耳自身の活躍ぶりが、あまり紹介されていなかった…と思ったのですが、この「孟嘗君」は、孟嘗君(田文)の活躍ぶりもしっかりと描かれています。
ただ、5巻中、3巻の後半までは、ほとんど孟嘗君(田文)はでてきません。
どちらかというと「白圭(風洪)」の活躍が中心で、ものすごく魅力的に描かれています。
この白圭(風洪)と同じぐらい、孟嘗君(田文)も魅力的に描かれているのが、「重耳」との違いでしょうか。
白圭(風洪)、孟嘗君(田文)だけでなく、孫子(孫臏の方)をはじめ、多くの魅力的な人が描かれています。
周囲にいる人の魅力も描かれた小説なので、どこをとっても面白いです。
いろいろな名言がちりばめているのも、この本の魅力です。 -
Posted by ブクログ
たとえば、その頃の日本は縄文時代と呼ばれている。
邪馬台国の卑弥呼が魏志倭人伝に登場するのはそれから1000年以上後のことになる。
そういう時代である。主人公の望も、後世からは神話的性格が色濃くみえ、その人となりをつかむには、真っ暗闇の平原を手探りでさがしまわるような困難があったはずである。もともと歴史小説にはファンタジーを描くような側面があるが、この主題に取りくむことは、それこそ想像力に翼でもはやさなければやり遂げることはできなかったであろう。
そして、生身の望をぼくはみた。宮城谷昌光の暗闇の中を踏破する勇気によって生々しさが与えられた太公望であると、そうおもっている。
じつは、この作品はぼくがはじめて読んだ宮城谷作品であり、はじめて読んだ、「児童」という字のとれた本格的な小説であった。宮城谷作品のなかでも文体がすこしだけ高いところにあるような雰囲気もあるが、それでも「宮城谷でオススメある?」と訊かれたら、真っ先にすすめたいものはやはり『太公望』しかない。