あらすじ
成長した田文を孫ぴんに託して、養父・白圭は周へと移った。師の孫ぴんに導かれて、仁の資質、信の確かさを増していく田文。「わたしは文どのに広い天地と豊かな春秋をあたえたい」――。遂に孫ぴんは田文を実父・田嬰(でんえい)に引き合わせ、田文は貴人の家の子にもどった。全土に秦・魏・楚が屹立する中、斉王は孫ぴんを軍師に決定した。(講談社文庫)
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◯ この戦場に神がおりたな。田忌はふとそんな気がした。(167p)
◯ 多くの人を攪る人物というのは、いい笑顔をもっていなければならぬ。(172p)
◯ 自由を得るためには孤独という代償をはらわねばならぬ。(297p)
★ついに孫臏が軍師としての本領を発揮する。痛快の一言。
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全五巻の為最終巻で感想。
いよいよ戦国時代、風子(白圭)の流浪から孫臏登場で俄然大軍での戦闘シーンが増えてきた。
戦国七雄の争いは司馬遷の『史記』で生き生きと描かれている。
中でも魏の龐涓と斉の孫臏による一大決戦は、クライマックスの「龐涓死于此樹之下」のエピソードて、あまりにも有名。
作者はこの巻で、田文の成長と孟嘗君となるべく戦国時代の趨勢を、見せたと言える。
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ここまで主人公である田文の影が薄かったが、半分終わった頃にしてやっとメインに。
ちょっと、成長の度合いといい、大物風な存在感といい、やや唐突感がありありだが、まあ主人公だから仕方がないか、という感じ。
孫子の活躍が、また痛快!
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白圭に代わって田文が主役になる。この田文のスタートストーリーを読み進む程、晏嬰のストーリーを思い出す。どちらも、人を惹きつける魅力がある。この後のストーリーが楽しみ。
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3巻は、全体的に北斗の拳の世界観。
一万の矢が放たれた。
「うぬ」
どう
「ついに名を成さしめたな」
あざけって首を剄った。
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「して、その父母は」
「天と申しておきましょう」
なんかね。
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白圭に助けられた孫臏を中心に話が進む。田文がめきめき大きくなる。食客三千人の気配。孫臏の頭が良すぎる。龐涓も賢いのに、出世欲に基づく打算は判断を狂わせるなあ。龐涓を討ち取ったところまで。
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田文を孫臏に託し周に旅立つ白圭。
そして田文はついに実父・田嬰と対面。師・孫臏に導かれその才覚を伸ばしていく。個性豊かな食客たちが若き田文の人柄と知性に惹かれ彼の元に集い活躍する様子は、養父・白圭と重なる爽快さがある。
三巻で一番の見所は孫臏の兵法が冴え渡る「馬陵の戦い」。
大局を俯瞰する視野の広さ、因縁のライバル・龐涓の心理まで読みきった戦術。
ラストの決着シーンはシビれるほどの鮮やかさ。
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いつの世も保身へ向けた謀は醜いけど必ずありますね。その中でギリギリのところでかわすのはやはり天命なのか、それとも、人知の範囲なのか。その差が思いの強さと徳なのか。
あと、「狗猛ければ則ち酒酸くして售れず」は考えさせられた。身につまされる思い。
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上海への日帰り出張の飛行機で、居眠りをせずに読み通しました。田文(後の孟掌君)が漸く主役に躍り出て、師の孫鋤リに導かれてそのもてる才能を次第に開花させる田文。やがて、育ての父から実の父、母に認められて実家の貴人の田嬰の子に戻ったが、ますますその活躍の場を広げ、周りには彼の人柄を慕うようにさまざまな人が集い、彼を助けていく。危機に陥るも素直な性格そのままにまっすぐ物事に取り組み、難局を乗り切って、戦国の世の中を泳ぎ切っていく姿は爽やかである。
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戦国時代、斉・魏・秦の宰相になった「孟嘗君」を書いた作品なり。
戦国時代の中にいて国よりも人間を愛した孟嘗君の仁と義の心を味わっていただきたいなり。