感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読むたびに漢字へのこだわり、読解力の深さに感動します。
同書は、中国の長い歴史から幅広く(春秋時代から宋、元あたりまで)名言を取りあげているので、自分の世界がますます広がり、これから読んでみたいと思う本がたくさんでてきた。
Posted by ブクログ
名言集である。初めて聞く言葉もあり、新鮮だった。そもそも名言集を読むのは、先人の言葉に学ぼうとするのではなく、日頃自分の思ってることが正しいかどうか、確認するためだと思う。そういう意味で、この本は有用だった。中国文化の奥深さを再認識した。
Posted by ブクログ
宮城谷さんの文章はとても綺麗。
史記を手で写しながら、想像を膨らませるそうです。
同じ言葉を見たり、聞いたりしても
人によって受け取り方はさまざま。
宮城谷さん〜、そこまで読み解きますか!
脱帽です。
Posted by ブクログ
一つ一つが短編になっているので隙間時間に読みやすかった。その代わりに詳細には書かれていないので別の本に進んだ方が関連のエピソードがもっと面白く読めると思う。
Posted by ブクログ
荀子の考え方を整理してみると、自分を作り変えるには、3つの方法があると言う。
一、学問(これは知識と言ってよい)
二、見聞(これは体験と言える)
三、正しい人との親交(交際のこと)
上の2つはすんなり入るが、3つめについてだ。人間と言うのは、他人は見えていても、自分は見えないものである。自分を見たければ他人を通して自分を見るほかない。だから交際が大切なのである。ただし、自分を映す鏡である他人が歪んでいたり、汚れていたりすれば、自分の正確な像はつかめない。それゆえ荀子は正しい人に親しみなさいと言ったのである。
次に、『忍激のの二字は、これ禍福の関なり』という。出典は『呻吟語』である。我慢することと、激昂することは、災いと幸運の分かれ目である、ということだ。自分の人格を高めてゆく気であれば、何事も腹に収めていき、むやみに吐き出さないことを心がけるべきだ。我を忘れて怒りたいときもあろうが、そこが幸運と不運の境界だと思い、暴走しかかった自分をぐっと引き止められる胆力を養っておく必要がある。人格は作ってゆくものだということだ。
成吉思汗は、モンゴル軍を率いて、金の首都、燕京を陥落させたとき、金の王臣、耶律楚材を見出した。楚材はモンゴル帝国のために制度を改善し、法を制定したが、常々言っている事があった。『ひとつの利益を得ようとするなら、一つの害悪を取り除いたほうがよい。新しい仕事を一つ増やすなら、古びて役に立たない仕事を一つ減らしたほうがよい』と。
人には3種類の恨みがあると『列子』は言う。孤丘丈人(こきゅうじょうじん)という長老が、楚の宰相、孫叔敖(そんしゅくごう)に教えたことである。
一、爵位の高い人は人々がそねむ。だから、へりくだることが必要だ。
二、官職の立派な人は、君主から憎まれる。だから細心になることが必要だ。
三、高給取りは人々が怨む。だから、他人に広くほどこしをすることが必要だ。
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商(殷)の湯王が、宰相の伊尹にたずねた。
「天下を得るには、どうすればよいか」
伊尹は答えた。
「天下を得ようとすれば、天下は手に入りません。得るとすれば、まず、自分を得るのです」
このあと、『呂氏春秋』はこういうコメントを付している。
「すべての根元は、まず、自分を治めることにある。自愛することである。新しい気を用いて、古い気は捨てる。皮膚の間から、精気と邪気とを、代謝させる。精気は日ごとに新しく、邪気はすべて排出される。これで、天寿はまっとうされる。これを真人という」
内なる宇宙を修めることと天下を得ることとはひとしいのだ、そう肝に命じて鍼灸を努めようと思う私です。