宮城谷昌光のレビュー一覧
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以前から宮城谷昌光さんの歴史小説を読みたいと思っており、漫画『キングダム』の影響で春秋戦国時代を含む古代中国の歴史に関心を持っていたところ見つけた一冊でした。
本書は、春秋時代の20名の名臣を取り上げています。読んでみたのですが、知っている名前もあるものの、知らないことのほうが多かったです。何といっても春秋時代は、国の数が多いため、地理的な位置関係も当時の力関係の予備知識が少ないため、難解な内容です。登場する国は、春秋五覇を生んだ国や戦国七雄はイメージできますが、それ以外はなかなか難しいですし、君主の名前が同じ名前が多いので、全体を理解するのはあきらめ、その1話を楽しむようにしました。
もちろ -
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あれーー架空の人物だったのかぁ~和氏の璧を秦まで運んだ藺相如の副使となった公孫龍は15の城と交換しようという昭襄王の無礼を非難し、趙に持ち帰った公孫龍は殺されたと思っていた正使が帰って来て喜んだ。燕の楽毅の斉の攻略は進むが兵としている農民が不在の燕の農地は荒れ、飢饉となっている。韓都の卜天を紹介された公孫龍は素から送って貰えることになり感謝しつつ、韓の軍事力強化を安陽君の子に託すべきだと考える。楚が周を攻めると聞いて慌てた公孫龍は楚の頃襄王を説得して退かせた西周の武公と出会う。孟嘗君が死んだ薛国で内訌が起こり、子瑞から助力を求められた公孫龍は部下を率いたが様子がおかしい。趙に攻められ斉が救って
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誰かの思惑で受動的な流れでも、自分が決意した能動的な流れでも、なるようになれと身をまかせても、近づいた男たちはみんな不幸な死を遂げる。愛した相手でもそうでなくても。自分の息子も。自分の運命を呪う。シザーハンズ的な悲しさ。いやウツボカズラ的か?勝手に寄ってきて、入って、溶かされていく感じ?近づいて入ろうと思えば入れた人が、警戒して距離をおいた場合はそれを免れているよう。
それにしても中国の歴史は美女が悪戯をしていてドラマティック。夏姫は驪姫ほど強欲ではないけれど、それでも「そのとき歴史が動いた」または「動かずに済んだ」的な関わりが多い。日本の歴史ではあまりないと思う。この本の中にも書かれていた -
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呉の名臣、周瑜、魯粛、張昭、甘寧、陸遜、朱然、陸抗の話。
相変わらず面白い。
著者は、戦術家としては周瑜や陸遜を評価しつつも、劉備の呉にとっての利用価値を理解できなかったという点で、戦略家・宰相としては評価していない。
逆にそれを理解できた魯粛のことは戦略家・宰相としては評価している。
私は、魯粛よりも周瑜や陸遜の方が好きだが、評価としては著者が正しいと思う。
あと、個人的に張昭って結局何をやった人なのという関心を持って読んだが、読んでも結局理解できなかった(笑)。
孫権に家燃やされそうとしたエピソードや、古い考えで周瑜や魯粛を否定したというシーンはあるが、具体的にどういった観点で -
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楚漢戦争時代の素地があれば楽しめる反面、無いとそっけなく感じるはず。
なので著者の「劉邦」を読んだ上でこの「張良」を読むことをお勧めします。
大体の大筋は、秦によって滅ぼされた韓の宰相家の子である張良が、韓の復興を目指し、始皇帝への反抗や楚漢戦争に身を投じていく、というもの。
個人的にこの作品の良いと思う1つは、秦による6カ国併合が簡単ながら書かれている点。
楚漢戦争の作品の多くは、陳勝・呉広の乱辺りから書き始められており、どの順番で、どういう風に滅ぼされたのか書かれた本は少ないと思う。
キングダムをリアルタイムに追っている人は、ネタバレになってしまうため要注意ですよ。
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ネタバレ宮城谷先生作品再読祭、第2作目上巻再読完了。
夏が滅んで商が起こる時に活躍した伊尹さんのお話です。自然の脅威から始まる彼の数奇な運命は、桑の木から生まれた寵児として、時代の高貴な人々と繋がってしまいます。それによって命を失いかねない災難に見舞われたり、商の起こす戦乱に巻き込まれますが、しぶとく図太く生き残り、結局遺民の面倒をみたり、自国の民衆を救うために裏で立ち回ったり、大活躍です。
そして、為政者に取り立てられるかと思いきや、反対に迫害されて、ならばと、野に出て1人で生活を始めちゃう。生活できちゃう。
めっちゃ強か、さすが神木から産まれた子です。
しかし、神聖な太古の時代で、神木から産まれた -
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知人から勧められて宮城谷昌光をはじめて読んだ。本屋に行ってまず目に入ったのが「孔丘」だったからこの本から読み始めた。
知らないことが多かったので、読み進むたびに新しいことばかりで面白かった。ただ前提知識が無さすぎて人名、地名が覚えられず、また宮城谷氏のよく使う言い回しの読みが分からずに苦労した。
しかし資料も多くはないと思うが、よく物語にしたものだと、そちらに感心する気持ちが強かった。
陽虎はかなり興味深いキャラ。ちょっと追いかけてみたい。次は管仲を読むつもり。購入済み。
以下、読んで知ったこと(の一部)
・「孔丘」というのが孔子のことを指していること(真面目にしばらく読み進めるまで分