宮城谷昌光のレビュー一覧

  • 三国志名臣列伝 呉篇

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    三国のうちでも、呉は平和そうだと思っていましたが、そんなことはないと改めて知りました。私の劉備への評価が、まんま周瑜の劉備感と一致していて、それだけでも読んでよかった。

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    2025年10月10日
  • 戦国名臣列伝

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    宮城谷昌光氏の中国名臣列伝シリーズ2冊目、戦後時代編です。前回の春秋時代とは異なり、国のイメージもつきやすく、知っている人物も多かったので、格段に分かりやすくなりました。漫画『キングダム』にも登場するキャラも多いので、理解も進みます。戦国時代の激しい争いを経ながら、秦の統一に向けて歴史が進んでいきます。ここまで読んで、やはり秦の統一過程に俄然興味が湧いてきました。前作の感想で、名臣列伝シリーズを読んだ後、何を読もうか悩んでいましたが、そろそろ決めていきたいと思います。
    続編にあたる楚漢時代もとても興味深く読ませていただいております。

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    2025年10月04日
  • 三国志名臣列伝 呉篇

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    ネタバレ

    呉篇。
    周瑜・魯粛・張昭・甘寧・陸遜・朱然・陸抗
    目次にある名前を眺めるだけでワクワクしてくる。
    懐かしい感を得られるところは三国志に夢中になった人の特権だろう。

    「魯粛の死は、歴史にとっても痛恨事であった。」

    魯粛が生きていたら、関羽はあんな命の落とし方をしなかったのだろうか。
    はるかに遠い昔の話に、イフを考えてしまうのも、この本の魅力だ。
    そんな読書でした。

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    2025年09月21日
  • 桃中図 自選短篇集

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    自選短篇集~桃中図(架空の人物)・歳月(少娥)・指(疾)・布衣の人(帝舜)・買われた宰相(百里奚)・侠骨記(曹沫)・宋門の月(墨翟)・花の歳月(前漢文帝の竇皇后)~時代も色々、描き方も色々

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    2025年09月12日
  • 春秋名臣列伝

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    以前から宮城谷昌光さんの歴史小説を読みたいと思っており、漫画『キングダム』の影響で春秋戦国時代を含む古代中国の歴史に関心を持っていたところ見つけた一冊でした。
    本書は、春秋時代の20名の名臣を取り上げています。読んでみたのですが、知っている名前もあるものの、知らないことのほうが多かったです。何といっても春秋時代は、国の数が多いため、地理的な位置関係も当時の力関係の予備知識が少ないため、難解な内容です。登場する国は、春秋五覇を生んだ国や戦国七雄はイメージできますが、それ以外はなかなか難しいですし、君主の名前が同じ名前が多いので、全体を理解するのはあきらめ、その1話を楽しむようにしました。
    もちろ

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    2025年09月06日
  • 張良

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    生没年が分かってない人物の方が書きやすいと~戦国時代の韓の宰相家の長男は蜀への留学中、富豪の賓客である人相見から王佐の器だと云われる。秦により韓が滅ぼされ弟が殺され、秦を恨み仇として仇討ちと韓の再興を人生の目的とした。自らが賓客とした方士は東方に気が立つと云い、風を読む方士からの情報を得て、劉邦を知り、これを扶ける道を選び続ける~読売新聞オンラインで発表し続けて連載終了後の二月後には単行本として出版。そういう時代なんだね

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    2025年08月04日
  • 小説 伊尹伝 天空の舟 下

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    資料が少ない中、様々な知識を積み重ねて想像で空白を埋め物語に仕立てる。
    三国志なんかとはまた違った中国の話という感じ。
    異国で古い時代ということで読むのは少し大変だけどその分、雰囲気は残ってるかな。読む価値のある小説だと思います。
    連載ものだったのか章が細かく分けられているのでルビなんかも何度も振ってくれるので最初は戸惑っても慣れるのも早いんじゃないかな。
    楽しく読み通しました。

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    2025年08月03日
  • 公孫龍 巻四 玄龍篇

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    あれーー架空の人物だったのかぁ~和氏の璧を秦まで運んだ藺相如の副使となった公孫龍は15の城と交換しようという昭襄王の無礼を非難し、趙に持ち帰った公孫龍は殺されたと思っていた正使が帰って来て喜んだ。燕の楽毅の斉の攻略は進むが兵としている農民が不在の燕の農地は荒れ、飢饉となっている。韓都の卜天を紹介された公孫龍は素から送って貰えることになり感謝しつつ、韓の軍事力強化を安陽君の子に託すべきだと考える。楚が周を攻めると聞いて慌てた公孫龍は楚の頃襄王を説得して退かせた西周の武公と出会う。孟嘗君が死んだ薛国で内訌が起こり、子瑞から助力を求められた公孫龍は部下を率いたが様子がおかしい。趙に攻められ斉が救って

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    2025年07月31日
  • 歴史の活力

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    よく知る人物から知らない人物まで幅広く出てくる。中国の偉人と日本の経済人、立身出世した人達のポイントを中国の古い学びで説明する感じ。
    吉川晃司さんの解説も良かった。

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    2025年07月22日
  • 夏姫春秋(下)

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    誰かの思惑で受動的な流れでも、自分が決意した能動的な流れでも、なるようになれと身をまかせても、近づいた男たちはみんな不幸な死を遂げる。愛した相手でもそうでなくても。自分の息子も。自分の運命を呪う。シザーハンズ的な悲しさ。いやウツボカズラ的か?勝手に寄ってきて、入って、溶かされていく感じ?近づいて入ろうと思えば入れた人が、警戒して距離をおいた場合はそれを免れているよう。

    それにしても中国の歴史は美女が悪戯をしていてドラマティック。夏姫は驪姫ほど強欲ではないけれど、それでも「そのとき歴史が動いた」または「動かずに済んだ」的な関わりが多い。日本の歴史ではあまりないと思う。この本の中にも書かれていた

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    2025年07月19日
  • 三国志名臣列伝 呉篇

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    呉の名臣、周瑜、魯粛、張昭、甘寧、陸遜、朱然、陸抗の話。

    相変わらず面白い。

    著者は、戦術家としては周瑜や陸遜を評価しつつも、劉備の呉にとっての利用価値を理解できなかったという点で、戦略家・宰相としては評価していない。

    逆にそれを理解できた魯粛のことは戦略家・宰相としては評価している。

    私は、魯粛よりも周瑜や陸遜の方が好きだが、評価としては著者が正しいと思う。

    あと、個人的に張昭って結局何をやった人なのという関心を持って読んだが、読んでも結局理解できなかった(笑)。

    孫権に家燃やされそうとしたエピソードや、古い考えで周瑜や魯粛を否定したというシーンはあるが、具体的にどういった観点で

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    2025年06月29日
  • 重耳(上)

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    周王朝のゴタゴタと、晋のゴタゴタ、分離した翼と曲沃、積年の恨みで晋の主家の座を奪還しようとする称。出陣して手柄を上げる重耳。狐突の策略がハマるのが面白い。政略結婚とか因縁とか血縁内の争いとか占いとか、中国の歴史物語の色が濃くなってきて面白い。先が楽しみ。

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    2025年05月23日
  • 張良

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    楚漢戦争時代の素地があれば楽しめる反面、無いとそっけなく感じるはず。
    なので著者の「劉邦」を読んだ上でこの「張良」を読むことをお勧めします。

    大体の大筋は、秦によって滅ぼされた韓の宰相家の子である張良が、韓の復興を目指し、始皇帝への反抗や楚漢戦争に身を投じていく、というもの。

    個人的にこの作品の良いと思う1つは、秦による6カ国併合が簡単ながら書かれている点。
    楚漢戦争の作品の多くは、陳勝・呉広の乱辺りから書き始められており、どの順番で、どういう風に滅ぼされたのか書かれた本は少ないと思う。
    キングダムをリアルタイムに追っている人は、ネタバレになってしまうため要注意ですよ。

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    2025年05月12日
  • 小説 伊尹伝 天空の舟 上

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    ネタバレ

    宮城谷先生作品再読祭、第2作目上巻再読完了。
    夏が滅んで商が起こる時に活躍した伊尹さんのお話です。自然の脅威から始まる彼の数奇な運命は、桑の木から生まれた寵児として、時代の高貴な人々と繋がってしまいます。それによって命を失いかねない災難に見舞われたり、商の起こす戦乱に巻き込まれますが、しぶとく図太く生き残り、結局遺民の面倒をみたり、自国の民衆を救うために裏で立ち回ったり、大活躍です。
    そして、為政者に取り立てられるかと思いきや、反対に迫害されて、ならばと、野に出て1人で生活を始めちゃう。生活できちゃう。
    めっちゃ強か、さすが神木から産まれた子です。
    しかし、神聖な太古の時代で、神木から産まれた

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    2025年05月01日
  • 孟嘗君(5)

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    ◯助けてくれた人に礼をいうより、助けてあげた人に礼をいうものだ。(292p)

    ◯戍よ、長生きせよ。人が生きることはたいへんなことだ。そのたいへんさがわかって生きることは貴い(293p)

    ◯今日つくったいのちも明日にはこわれる。それゆえ、いのちは日々産みだすものであろう(293p)

    ★色々なことが凝縮された5巻。最後に思いがけない回収があった。

    ★それにしてもこの小説は、風洪(白圭)の魅力が際立った。

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    2025年04月25日
  • 長城のかげ

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    逃げる
    垓下から南に逃げる項羽を季布の視点から描く。季布の将軍から逃亡者に変わり心情が変化していく。

    長城のかげ
    劉邦と生まれた日が同じで、幼馴染の盧綰の話。謀反の疑いをもたれても、劉邦を信じる心はいじらしい。

    石径の果て
    儒者の陸賈が劉邦崩御後に弁舌により陳平と周勃を結託させる。

    風の消長
    劉邦と曹氏の子である劉肥の話。子の立場から見た劉邦。

    満天の星
    儒者である叔孫通が主人公。紆余曲折あり、短編とは思えない作品であるが、他の作品に比べ、文章が難解。

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    2025年04月20日
  • 孔丘 下

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    知人から勧められて宮城谷昌光をはじめて読んだ。本屋に行ってまず目に入ったのが「孔丘」だったからこの本から読み始めた。

    知らないことが多かったので、読み進むたびに新しいことばかりで面白かった。ただ前提知識が無さすぎて人名、地名が覚えられず、また宮城谷氏のよく使う言い回しの読みが分からずに苦労した。

    しかし資料も多くはないと思うが、よく物語にしたものだと、そちらに感心する気持ちが強かった。

    陽虎はかなり興味深いキャラ。ちょっと追いかけてみたい。次は管仲を読むつもり。購入済み。

    以下、読んで知ったこと(の一部)
    ・「孔丘」というのが孔子のことを指していること(真面目にしばらく読み進めるまで分

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    2025年04月15日
  • 三国志入門

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    20250410-0417とても読みやすい。どうしても人物像が横山三国志のイメージになってしまうのだけど、曹操孟徳はやはりスケールが大きいし、魅力的だなと思った。孫権は、ンー、お兄ちゃんや父親が早世しちゃったから王になれた感じ。

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    2025年04月30日
  • 草原の風(中)

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    中巻は挙兵から河北転戦迄を描く。

    劉秀の性(さが)は丁寧に書かれていると思うが、少しずつ史実の著述に追われる窮屈さが出て来ていると感じられた。

    ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入。

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    2025年04月05日
  • 孔丘 上

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    周での留学が終わって魯に戻る。ギクシャクしていた子どもの鯉との関係は良くなりそうでよかった。仲孫氏と季孫氏との関係はどうなって行くのか?すでに因縁の伏線が張られている陽虎とはどんな応酬合戦が繰り広げられるのか?孔丘はどうやって学問を極め、広げて行くのか?はじめ人名と地名にかなり苦労したがやっとペースが上がってきた。下巻が楽しみ。

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    2025年04月04日