宮城谷昌光のレビュー一覧
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ネタバレ前漢の創始者・劉邦と関わりを持つ人物を主役に据えた5つの連作短編集。
劉邦の長子・劉肥を描いた『風の消長』や、漢王室の儒者の宗家・叔孫通を描いた『満天の星』などは特に読み応えがあった。
とりわけ『風の消長』に関しては、本作で現れる劉邦像が、同作者の長編『劉邦』で描かれたものよりも、もっと茫漠としてあやしく、しかし不思議な大きさと暖かさがあるものとして映し出されており、劉邦像として面白く感じられた。
捉えどころのない劉邦を考えるには、本人や臣下や2代皇帝の目線よりも、愛憎の入り混じるべき劉肥の目線が必要だったということなのかもしれない。
劉肥と駟鈞との関係性も、短い文章ながら魅力的に描かれて -
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以前から宮城谷昌光さんの歴史小説を読みたいと思っており、漫画『キングダム』の影響で春秋戦国時代を含む古代中国の歴史に関心を持っていたところ見つけた一冊でした。
本書は、春秋時代の20名の名臣を取り上げています。読んでみたのですが、知っている名前もあるものの、知らないことのほうが多かったです。何といっても春秋時代は、国の数が多いため、地理的な位置関係も当時の力関係の予備知識が少ないため、難解な内容です。登場する国は、春秋五覇を生んだ国や戦国七雄はイメージできますが、それ以外はなかなか難しいですし、君主の名前が同じ名前が多いので、全体を理解するのはあきらめ、その1話を楽しむようにしました。
もちろ -
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あれーー架空の人物だったのかぁ~和氏の璧を秦まで運んだ藺相如の副使となった公孫龍は15の城と交換しようという昭襄王の無礼を非難し、趙に持ち帰った公孫龍は殺されたと思っていた正使が帰って来て喜んだ。燕の楽毅の斉の攻略は進むが兵としている農民が不在の燕の農地は荒れ、飢饉となっている。韓都の卜天を紹介された公孫龍は素から送って貰えることになり感謝しつつ、韓の軍事力強化を安陽君の子に託すべきだと考える。楚が周を攻めると聞いて慌てた公孫龍は楚の頃襄王を説得して退かせた西周の武公と出会う。孟嘗君が死んだ薛国で内訌が起こり、子瑞から助力を求められた公孫龍は部下を率いたが様子がおかしい。趙に攻められ斉が救って
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誰かの思惑で受動的な流れでも、自分が決意した能動的な流れでも、なるようになれと身をまかせても、近づいた男たちはみんな不幸な死を遂げる。愛した相手でもそうでなくても。自分の息子も。自分の運命を呪う。シザーハンズ的な悲しさ。いやウツボカズラ的か?勝手に寄ってきて、入って、溶かされていく感じ?近づいて入ろうと思えば入れた人が、警戒して距離をおいた場合はそれを免れているよう。
それにしても中国の歴史は美女が悪戯をしていてドラマティック。夏姫は驪姫ほど強欲ではないけれど、それでも「そのとき歴史が動いた」または「動かずに済んだ」的な関わりが多い。日本の歴史ではあまりないと思う。この本の中にも書かれていた -
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呉の名臣、周瑜、魯粛、張昭、甘寧、陸遜、朱然、陸抗の話。
相変わらず面白い。
著者は、戦術家としては周瑜や陸遜を評価しつつも、劉備の呉にとっての利用価値を理解できなかったという点で、戦略家・宰相としては評価していない。
逆にそれを理解できた魯粛のことは戦略家・宰相としては評価している。
私は、魯粛よりも周瑜や陸遜の方が好きだが、評価としては著者が正しいと思う。
あと、個人的に張昭って結局何をやった人なのという関心を持って読んだが、読んでも結局理解できなかった(笑)。
孫権に家燃やされそうとしたエピソードや、古い考えで周瑜や魯粛を否定したというシーンはあるが、具体的にどういった観点で