あらすじ
春秋戦国時代末期、周王朝の末裔という出自を隠して生きる商人・公孫龍は、天賦の才により諸侯のブレーンとして名をはせてきた。だが、西の大国秦の台頭で諸国の均衡が揺らぎ、徳より力が支配する時代が近づいてくる。それは公孫龍にとって青年期の終わりでもあった――歴史小説の面白さを刷新する著者渾身の大長編最終巻。
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Posted by ブクログ
あとがきに書かれている通り、平原君を書くつもりで色々考え、名家の公孫龍子をモチーフにした架空の「公孫龍」を主人公とし、孟嘗君後期から亡きあとの戦国の世を書いている。
著者の「孟嘗君」や「楽毅」は読んだ上で本作に取り掛かる方が、理解も楽しみも深まる。
登場人物がとにかく多いため、相関図を用意しなければなかなか理解・整理が追いつかないと思う。
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あれーー架空の人物だったのかぁ~和氏の璧を秦まで運んだ藺相如の副使となった公孫龍は15の城と交換しようという昭襄王の無礼を非難し、趙に持ち帰った公孫龍は殺されたと思っていた正使が帰って来て喜んだ。燕の楽毅の斉の攻略は進むが兵としている農民が不在の燕の農地は荒れ、飢饉となっている。韓都の卜天を紹介された公孫龍は素から送って貰えることになり感謝しつつ、韓の軍事力強化を安陽君の子に託すべきだと考える。楚が周を攻めると聞いて慌てた公孫龍は楚の頃襄王を説得して退かせた西周の武公と出会う。孟嘗君が死んだ薛国で内訌が起こり、子瑞から助力を求められた公孫龍は部下を率いたが様子がおかしい。趙に攻められ斉が救ってくれそうだが、一人を残して孟嘗君の子は殺され、薛という国は趙と楚の共謀により滅ぼされてしまったのだ。秦は楚の都を奪い、楚王は遷都し、趙の助力でシンに奪われた地を奪い返そうとし、平原君と一緒に公孫龍も出征した。次に秦は魏から趙を襲い、再び強国となった斉を攻めようという勢いに趙は長城を築く。秦が闊与を囲むと、迎え撃つ趙は趙奢の機転で秦を斥けた。三年後、趙の恵文王が死んで赴いた沙丘で出会った主父と思しき人物の呂不 韋が周を滅ぼすので今の内に殺しておけという助言は人物を見るだけに留めておくのだった~戦国の四君を書けという出版社の要望に応えることができなかった宮城谷先生は平原君に優遇された客に公孫龍子がいたと気付いて架空の公孫量を思いついたのでしたって!なんだい!騙されたz!!
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公孫龍の燕、趙の活躍を描く。燕の飢餓を救い、戦争を援助する、政争を解決することをしてきた。 楽毅を支えて燕を支えたが、支えた王が亡くなって楽毅が燕を去り、燕の弱体化がはじまった。それで公孫龍も燕を去った。最後はなんか知らないうちに終わり、いつ死んだかがわからないため、死んでエンドでは無いところはちょっと終わり方が難しいからかと思われる。
Posted by ブクログ
月刊誌で時々読んでいた、一ヶ月分は盛り上がりもはっきりしていて次が楽しみだった。さて、まとまってみるとその分量も多くて持ちあまりする〜かとも思えたけれど、グイグイと進む。
「完」の字を見たときにはもっと、春秋戦国時代のこの人物とその周辺の物語、もっと丁寧に読めばよかったと、反省してしまった。
Posted by ブクログ
戦国時代を描く中国歴史小説の最終巻。
完璧から刎頸の交わり、漁夫の利などの語源のエピソードを交えながら、戦国を終わらせる呂不韋の登場で締めくくられていた。
公孫龍子は詭弁を弄する策士と思っていたのですが、あとがきで名前だけをいただいて戦国時代、特に平原君を書きたかったようです。
著者には珍しいほぼオリジナルに近い主人公なので通史ものとしては良かったかも。