【感想・ネタバレ】呉越春秋 湖底の城 六のレビュー

あらすじ

天才軍師・孫武を迎え入れた呉は、連戦の末に楚都を陥落させた。呉軍を率いる伍子胥は、殺された父兄の仇を討つため、平王の墓を暴き、屍に三百回も鞭を打つ。虚しさを感じつつも復讐をはたした伍子胥のもとに、孫武の病の報せが舞い込んだ。中国歴史小説の第一人者が綴る春秋戦国絵巻。心を揺さぶる伍子胥篇。

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Posted by ブクログ

最終巻で本の感想を書く。

「死者に鞭打つ」
現代においては嫌悪感があるが、伍子胥の復讐が中国史上稀に見る壮絶さであったことはよくわかる。
ここまでで伍子胥の復讐劇は終わり、この先、「呉越同舟」や「臥薪嘗胆」など有名な四文字熟語の物語へ。

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2024年12月12日

Posted by ブクログ

中国・春秋戦国時代。楚王に父と兄を処刑され復讐のため呉で生きる伍子胥が中心の伍子胥篇。
「屍に鞭打つ」がここに。
そして「孫氏の兵法」で有名な孫武との出会いと2人の信頼関係。後宮の女性たちを兵に仕立てるエピソード。
点であった歴史上の事実やエピソードがストーリーになると、生き生きと人間味を帯び、身近に感じます。

「生まれてから死ぬまでの時間が、すべて有意義であるという人などひとりもいない。むなしさにさらされている時を、意義のあるものに更えるところに、人のほんとうの心力と智慧がある。」
うんうん、どんなときも工夫と心持ちで次への力に変えよう。

次は越の范蠡篇へ。

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2024年03月05日

Posted by ブクログ

楚と呉の戦いは終わりを迎えて呉越の話に向かう。
この小説のクライマックスが近づく。
6巻の終章あたりで次々に主要人物が亡くなり、新たな世代の激突の予感。

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2020年11月11日

Posted by ブクログ

伍子胥と孫武は楚を陥落させた。
それにしても平王の墓を暴いて死体に鞭打つってすごすぎ。この巻がピークかなぁ

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2021年11月12日

Posted by ブクログ

呉に勝利をもたらす孫武のあざやかな兵法には、賛嘆と痛快さを感じてならない。まさに神算鬼謀の天才軍師である。
歴史というのは、いわば集団劇のように有名無名の多くの人たちによってつくられるのか、それとも個人の英雄的なちからによってつくられるのか…… 孫武、申包胥、そして伍子胥、彼らの姿を見ると後者のように思われた。

「勝った者は、かならず美化されます。」『蔡と唐』より。
「━━戦いとは、情報戦である。」『大別山の戦い』より。
「わずかのあいだにみえた勝機をつかみそこねると、その怠慢はかならず苦戦に変わる。」『柏挙の陣』より。
「法に例外を設けると、それがとりとめのない紊乱のもとになる。」『楚都近し』より。
「性根が腐りきっていないかぎり、人はなにかのきっかけで善良にかわりうる。」『追う者』より。
「人は大事をやり遂げると満足する。同時に、人格の成長が止まる。生涯の敵がいるとおもえば、つねに用心をおこたらず、怠倦におちいることがない。」『好敵手』より。
「人がほんとうに屈するのは、武の力ではなく、徳の力である。」『好敵手』より。
「老いるとともにめんどうなことを避ける性向が強くなる。」『申包胥』より。
「━━知らぬということは、気楽なことだ。」『去就』より。
「将の優劣は、攻めるときにではなく、退くときに、あきらかになる。」『ふたりの呉王』より。
「━━大きなものを得れば、大きなものを失う。」『黄金期』より。

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2020年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

復讐者・伍子胥としてのエピローグ。全ての景色が単色に見えるほどに仄暗さが伍子胥を覆う。ただひとりで国をも潰えさせた復讐劇も、寂寥感が伍子胥を包み込む。伍子胥を中心とした春秋時代は新たな戦国時代へのプロローグとなる。

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2019年03月19日

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