【感想・ネタバレ】呉越春秋 湖底の城 七のレビュー

あらすじ

楚の出身である范蠡(はんれい)は十二歳の時、家族と住居を盗賊の襲撃により失った。奇跡的に難を逃れた彼は、父の親族がいる越の会稽へ移り住み、賢者・計然のもとで学ぶ。ここで親友の種(しょう・後の大夫種)と出会い、優秀な二人は二十代半ばにして太子・句践(こうせん)の側近に抜擢される。やがて、越に呉が攻め入ると、范蠡は策略をめぐらし越を救う存在となるのだった。謎多き忠臣を活写する中国大河歴史ロマン第7弾!

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Posted by ブクログ

最終巻で本の感想を書く。

前巻までで伍子胥の物語が一旦終わり、ライバルである「越」の范蠡の物語が始まった。既に以前の巻で伍子胥とは交わっているが、范蠡にはわかっていない。

呉王闔閭が倒れ、世代は越王勾践と呉王夫差となる。
これまで出てきた人物とも意外なところで交わっていき、いよいよ物語は終盤へ。

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2024年12月13日

Posted by ブクログ

主役は伍子胥から若き范蠡へ。それでも伍子胥は輝きを失うことなく、その存在感は際立っていた。伍子胥恐るべし、である。
呉王闔廬自ら率いる呉軍の侵攻に対し、気鋭の新国主である句践率いる越軍が迎え撃つ。呉と越の存亡をかけた戦いがついに始まった。
これまで戦のシーンでもどちらかというと“静”の印象を受けていた宮城谷の筆致だが、本巻では“動”の描写の連続で、読んでいて心が震えた。

「━━人の造った物のなかで、もっとも美しい物は、もっとも醜い物になりうる。」『将来の妻』より。
「偶然とおもわれることも、天意あるいは神力がはたらいて、じつは必然であったことがあとでわかる。」『将来の妻』より。
「徳で攻め治めることは、才や威のそれにまさる。商売だけではなく政治でもおなじことがいえる。」『将来の妻』より。
「いまの自分が弱いので、強い者を避けつづけるのでは、いつまで経っても強くはなれない。」『将来の妻』より。
「人生も戦いの場であるとすれば、戦って敗れたがゆえに逃げるのは宥されようが、戦うまえに逃げては世の人々の赦しは永遠に得られない。」『将来の妻』より。
「……意いつづけていれば、いつか成就する、」『范季父』より。
「━━欲するためには、備えよ。」『国難』より。
「すぐれた人と思想があれば、たとえそれが敵側にあっても、学ばなければならない。これは、できそうでできないことである。悪感情がさきに立つと、それが自身の思考的視野をさえぎってしまう。」『越軍の策』より。
「━━威張ったら、人としての成長がとまる。」『夕映えの空』より。
「人は、聴く耳をもたない人には、語りかけないものだ。民と政府のありようもおなじで、訴えても願っても、とりあってもらえない政府には、なにもいわない。沈黙した民はおとなしい良民ではなく、不満と怒りのかたまりであるとおもうべきだ。そうなるまえに、悪感情の捌け口をつくっておく。それも政治の方法のひとつだ。」『海辺の風』より。
「勝つ、ということは、勝ちつづける、ということだ。」『諜者たち』より。
「人生にも、攻守がるのだ。まず内をかためるのが、成功への常道だ」『西施』より。
「信用を失えば、人として立てない。」『諜報戦』より。

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2020年12月23日

Posted by ブクログ

越、范蠡の巻。
闔盧が死に、夫差と勾践はどんな戦いをみせるか。
臥薪嘗胆の前段階。
傾国の美女、西施の未来を宮城谷はどのように描くのか?

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2020年11月21日

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