宮城谷昌光のレビュー一覧
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全巻読破。最後までしっかり楽しめた。
師・孫臏の「天下万民のための宰相たれ」という遺言で魏・斉・秦の宰相をつとめる孟嘗君・田文。
白圭から受け継いだ「仁愛」の精神で施政を行い、孫臏から学んだ知略と食客たちの助力により困難を切り抜けていく。
激しい戦乱の時代ながら物語全体を通して実に爽快でスケールが大きく登場人物たちが生き生きと描かれている。
特に前半は白圭の人間性、後半は田文の成長していく姿にすっかり引き込まれてしまった。覇道・栄達を目指す時代の中で全く異なるスケールの大きさと魅力を持った親子だ。
今まで中国ものの歴史小説は北方謙三ばかり読んできたが、これからは宮城谷昌光も選択肢に入れるように -
Posted by ブクログ
斉の外交を担う田嬰の手腕が存分に発揮される巻。権力の中枢を狙う鄒忌との暗闘、周辺国との息詰まる腹の探り合い。
同盟・主従・静観・進軍。一歩間違えれば瞬く間に呑み込まれる乱世の過酷な勢力争いが繰り広げられる。
その頃、息子・田文は旅の空。周で大商人となった白圭の私財を投じた治水事業に参加。その過程で自ら国家観、仁愛の意味を確立させていく。
そして運命の女性・洛芭との切ないロマンスも。
田嬰・田文親子がどうもギクシャクしてるのがなんとももどかしい。(お互いに認め合ってはいるのだが)
田文のフットワークの軽さと人柄は白圭の影響が大きいが、観察力の高さと時折見せる鋭さは田嬰の血だろう。
で、このままラ -
Posted by ブクログ
ネタバレ史実に基づいた小説…なの?
きちんと文献に当たり、資料を読み込むことで書かれたこの作品は、もちろんノンフィクションとは言えないのだろうけれど、まるで見てきたように描写される古代王国はもはやフィクションですらない。
難しい言葉、知らない風俗が次々と現れるのに、不思議と読みにくくない。
決してドラマチックな文章ではないのに、全く退屈しない。
曽祖父の専横がたたって、祖父、父と不遇をかこってきた華家。
知る人ぞ知る知恵と礼儀(信義)の人・華元を訪ねてきたのは宋の王の弟。
不義の王を弑して、自分が王になろうと思うのだが…。
自ら手を汚す者は決して善ではない。徳を積みながらチャンスを待て。
そして