宮城谷昌光のレビュー一覧

  • 新三河物語(中)

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    宮城谷さんが描く、家康物のサイドストーリーでしょうか。家康を囲む重臣(大久保氏)からの視線で描く三河の新しい物語であります。大久保一族の名前をフォローするのが大変なので(忠員、忠世、忠佐、忠包、忠寄等々)、手元の一覧表を頼りに、読み進めております。もう一つの家康サイドストーリー、風は山河から、とも重なる攻防戦(信玄との戦い等)も描かれ、家康の遠江攻略の物語が立体的となる印象もあります。作者(豊橋、時習館高卒)の郷土愛の感じられる一冊、★四つであります。」

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    2023年01月15日
  • 三国志名臣列伝 後漢篇

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    本作には古代中国の後漢王朝末期の人物、何進、朱儁、王允、盧植、孔融、皇甫嵩、荀彧を主人公にした7篇の小説が収録されており、巻末には文芸評論家である湯川豊による解説が掲載されている。

    『三国志』の人物というと、どうしても『三国志演義』でのイメージが定着してしまっているが、本作は飽くまでも「正史」を元にしており、その点で新鮮な印象を受ける。
    特に『演義』で優柔不断な愚将のイメージが強い何進が、それなりに人望がある人物として描かれているのが興味深い。

    どの作品も宮城谷昌光らしい清廉な筆致で、読んでいて清々しく、また、面白かった。

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    2022年11月19日
  • 草原の風(下)

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    後半は戦争の記録みたいな感じ。
    「疾風にして勁草を知る」…作者は劉秀のこの言葉一つで、小説を書いたのではないか。

    苦難を乗り越えてほんとうの成功があるのだろうし、ぱっと出で成功した者が見ている景色は幻想に過ぎない。
    現代の成功者たちにも当てはまる。
    宮城谷氏の小説を読むと、
    何かを成したいと思う者は、歴史を学ばなければならない、というメッセージが込められている気がする。

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    2022年10月02日
  • 草原の風(中)

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    中巻は戦争です。その最中に多くの家族や仲間を失いながらも、仲間内での闘争を避けるために頭を下げ続ける劉邦。
    エンターテイメント小説ではないので、英雄が出て、さっと解決!にはならないんですよね。いろいろな苦難を越えて、ついに劉邦の時代が来る??
    陰麗華との話の盛り上がりを期待していましたが、そこはないのね〜笑
    宮城谷氏の色っぽい筆をたのしみにしている身としては、ちょっと残念。
    劉邦にはエロティックな要素は不要ということでしょうか。

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    2022年09月30日
  • 花の歳月

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     宮城谷昌光は始めて読んだ。「みやぎや」ではなく「みやぎたに」と奥付のふりがなは書いてある。以後注意。
     落ちぶれた名門の娘、竇猗房(とういぼう)が漢の王室に入ることになった。当時宮廷で威を振るっていたのはかの呂太后。
     やがて猗房は呂太后から北方の代国の王:恒に贈られ、代国の竇姫(とうき)となる。
     呂太后の死後、栄華を誇った呂氏一族は滅び、代王恒が皇帝となり、猗房は皇后となった。

     文章がりんとしていていい。他も読んでみよう。

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    2022年08月31日
  • 三国志 第三巻

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    董卓、袁紹、袁術、曹操、孫堅!!の3巻。
    弘農王妃のエピソードがせつなかった。
    劉備と関羽、張飛の扱いがちょっとしょぼい(^_^;)
    4巻以降に期待!

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    2022年08月20日
  • 三国志 第二巻

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    ようやく2巻の終わりになって、曹操や劉備、孫堅が登場。
    長かったけど、ここまでの宦官による横暴な政治や、黄布賊が巨大化した背景、幼帝・無能な帝が続いた歴史がよくわかった。
    長すぎる序章だったけど、とても大事な情報が詰まってました!
    これで三国志がもっと面白くなりそう。

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    2022年08月18日
  • 三国志 第一巻

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    想像していた三国志と全く違う。前半は難解で、なかなか進まなかった。後半一気に面白くなり、やっぱり宮城谷先生さすが!
    一巻では曹操のおじいさんが出てきます。それ以外の人物はほぼ知りませんでした笑。
    安帝の乳母は別の本で読んだことがある。

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    2022年08月10日
  • 三国志 第十一巻

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    ネタバレ

    三国が並び立ってからまだたったの数十年しかたっていないのに、三国ともが国家として衰退してく。
    建国の頃は忠臣、賢臣が次々と現れたはずなのに、今はどの国も人材不足であることは否めない。

    蜀についてはもはやほとんど記載がないので、推して知るしかないけど、呉はひどい。
    もともと人材不足の国であったけれど、孫権の父や兄の時代からの忠臣が孫権を支え、孫権もまた臣の言うことをよく聴く人であったはずなのに、年老いた孫権は聞きたいことしか聞かなくなってしまった。
    共に呉を造った有能な部下が世を去り、それでもまだ何人か残っていた忠臣を、あろうことか孫権は次々と誅していく。

    並び立った二人の跡継ぎをめぐり、国

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    2022年07月28日
  • 三国志 第十巻

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    ネタバレ

    曹操の後を継いだ曹丕の出来が悪かったけれど、在位期間が短かったのが幸いして魏に大きなダメージは少なかった。
    曹丕の後を継いだ曹叡は、軍事にも行政にも有能であり(というか、大局を見る目を持っているのだと思う)、諫言を聞き入れる素直さも持ち合わせていた。
    ただ、巨大な建造物を作るのが好きって言うのが悪い癖というか、これだけは臣に諫められてもやめられなかった。
    30代、人生はまだこれからだったのに。

    後を継いだのは8歳の子ども。
    曹操の血を引いた子どもは出来なかったので、出自不明の養子である。
    いきなりその子どもが皇帝であると言われても、忠誠を誓うのはなかなか厳しい。
    血統も実績もないのだから。

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    2022年07月18日
  • 三国志 第九巻

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    ネタバレ

    一押しの曹操亡き後の三国志なんぞ…と思っていましたが、やっぱり面白い。楽しい。
    圧倒的に非凡な人材というのはもうどこにもいないので、あっちもこっちもいろいろと停滞していますが、そこに人間が表れると言いましょうか、ドラマですなあ。

    曹丕について思うところは次回に、と八巻の感想で書きましたが、特にこれといって功績も残さずさっくりと病死してしまいました。
    大失態はしませんでしたが、全てにおいて能力不足を露呈した曹丕。
    いや、能力が足りないだけならしょうがない。
    でも、努力をしない。
    しかも情に薄くて礼を失し、徳も持ち合わせていない。

    諫言はことごとく退けるので、曹操が恃みにしていた重臣たちもあっ

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    2022年06月16日
  • 三国志 第八巻

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    ネタバレ

    遂に曹操が死んでしまったが、その前に関羽。
    一枚岩かと思われた劉備と関羽と張飛だけれども、諸葛亮が加わることによって亀裂が生じた。
    諸葛亮が加わる前は、「国のために正義を尽くすぞ!」という一念で繋がっていた三人。
    その正義は必ずしも後漢王朝のための正義ではなく、自分たちにとって都合の良い正義だったとしても、本人たちの心はまっすぐであった。

    けれども、今の国のかたちが正義ではないのなら、正義の国を創ろうじゃないか。
    そのためには人材が必要だ。
    と、諸葛亮を加えたことで、目的のために手段を問わないことも出て来た。
    詭弁をもって謀るようになったのだ。
    それが、関羽には耐えられなかった。

    諸葛亮を

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    2022年06月02日
  • 三国志 第七巻

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    ネタバレ

    着々と領土を広げる劉備。
    そして、周瑜亡きあとも安定した強さを見せる孫権。
    60歳を迎える曹操には、やはり彼らが脅威だったのだとは思う。
    でもどちらにも義はないと思うんだよなあ。
    他人が納めていた土地を奪い取って、勝手に領主になっているだけなんだから。

    特に劉備に関して言えば、反曹操勢力の強い徐州はともかく、自分が困っている時に助けてくれた人たちからかすめ取っているわけじゃん。
    なんであんなに『三国志演義』で聖人扱いされているのかわからん。

    ”住所の定まらないことを『荘子』は、鶉居(じゅんきょ)といい、それが聖人のありかたであるというのであるが、ここまでの劉備がまさにそれであった。ただし聖

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    2022年05月19日
  • 三国志 第六巻

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    ネタバレ

    いよいよ赤壁の戦いです。
    その前に、いよいよ劉備と諸葛亮が出会います。
    しかし、諸葛亮は劉備がどのように生きてきたのかを知っています。

    ”妻子にも従者にも酷薄な人で、学問を嫌ったせいで浅学であり、知者や賢人を敬ったことがない。とりたててくれた公孫瓚をみかぎり、厚遇してくれた早々に後ろ足で砂をかけた。(中略)群雄のなかで劉備ほど無能な人はいなかったのに、豪傑が淘汰されてきた現在、何もしない劉備に輿望がある。”

    しかし、情もないけど欲もない人なのです。
    諸葛亮は劉備のもとに行き、劉備を盛り立て、劉備の欠点を隠しながら呉と交渉をするのです。
    劉備が諸葛亮を信頼し、それにつれて人となりも多少変わ

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    2022年05月04日
  • 三国志 第五巻

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    ネタバレ

    いよいよ曹操の時代となっていきますが、曹操が周囲を従えてぐいぐい前に出ていくわけではありません。
    彼は実によく周囲の意見をよく聞くのです。
    そして人を見る目があります。
    敵の将を捕虜としても、有能な人材であれば官職を与えて仕事を任せます。

    曹操の瑕疵は2つ。
    出身が宦官の家であること。
    当時の有力者の中で曹操を忌避する人の理由は、これが一番多いように思います。
    そうそう自身は宦官ではありませんし、仮にそうだったとしても、曹操が私腹を肥やすことはないでしょう。
    ただ、感覚的に宦官は嫌、と思われていたのです。

    もう一つは、そうです、父の仇を討つために、徐州で大虐殺を行ってしまったこと。
    庶民は

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    2022年04月22日
  • 三国志入門

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    入門というだけあって、全体の流れや三国志の主要人物はつかみやすかった。ただ気になったのは妙に描写が主観的で作者の想像が強く入っている点。作者は元々小説家なのでそういう書き方に慣れているのかもしれないけど、新書として読む場合には事実と後世による創作と、作者の想像とはもう少し分けて描いてもらえるとありがたい。
    あと、入門という割にはマニアックな説明がところどころ入っているのも作者が古代中国小説をたくさん書いているからなのかも。古代中国がすきなひとは嬉しいだろうけど、そうでないなら少し難しいので流しちゃっていいかも。

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    2022年04月12日
  • 三国志 第四巻

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    ネタバレ

    14ページ目で孫堅が死に、途中でちょっと劉備が出るものの、ほぼ曹操の巻。
    と思ったら、次巻に向けての最後の一文『建安年間は、曹操の時代であると言ってよい。』ですって。
    まだ序章だったか。

    ”曹操は不正を憎み、汚吏(おり)には厳罰を与えてきたが、民を苦しめる秕政(ひせい)をおこなったことはいちどもない。”

    また、捕虜に取った黄巾軍に対しても、「生産をすることなく流れ者になって略奪を続けていても未来はない。自分の部下にならないか?」などと声をかけ、なってもならなくてもかまわないぞと釈放する。
    そうやって少しずつ少しずつ味方を増やしていったのに。

    三国志演義で曹操が悪役なのは、父の敵を取るため

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    2022年04月05日
  • 史記の風景

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    中国の古典「史記」を題材にしたショートエッセイ集。

    よくこんな細かいところに疑問を持つな、というところから始まってしっかり話を広げるところはさすが。あとがきにもあるが、「小説家は一種無責任な立場から、想像や空想を広げ」て自由自在に話題を展開している。

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    2022年04月03日
  • 三国志 第三巻

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    ネタバレ

    ようやく、知っている三国志の時代に入ってきました。
    皇帝を私物化した董卓はもちろん大悪党だと思いますが、董卓が出てくる以前から、皇帝も皇后も皇太子も権力争いのための旗印にすぎず、倫理観の欠如している人たちにとっては、国を動かしてうまい汁を吸うための人質にすぎなかったのが、霊帝の何代か前からの実態なのでした。
    もう、霊帝の無能さと言ったら、朱理に「上に立つ者が無能なのは、それだけで罪だ!」と怒鳴って欲しいくらい。
    *どっかのネットまんがで『BASARA』がミステリ・サスペンスに分類されていたけど、『ミステリと言う勿れ』に引っ張られた?
     その割に『7SEEDS』は冒険ものでした。

    曹操は、見る

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    2022年03月23日
  • 三国志 第二巻

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    この巻は延々と後漢王朝の腐敗が書かれています。
    外戚が横暴をきわめたかと思えば、次は宦官です。

    なぜ本来は何の権限も持たない宦官が、権力を持ち財産を増やしてゆくことができたのかと言うと、梁冀が、気に入らない皇帝を次々と亡き者にしていったから。
    皇太后の兄であるのをいいことに、好き勝手に権力をもてあそび、人の命を奪ってきた梁冀から皇帝の命を守ったのが宦官たち。
    桓帝・霊帝は宦官たちこそを信頼し、心ある臣下の言うことに耳を貸さない。

    宦官も、最初は純粋に皇帝の命を守っていたのだろうけれど、大量の褒賞が彼らを狂わせたともいえる。
    皇帝からしたら、ほんの感謝の気持なのだろうが、受け取った方は、「

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    2022年03月02日