【感想・ネタバレ】三国志名臣列伝 後漢篇のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年04月20日

三国志において、後漢の衰亡に抗った人々の生き様を描く7つの短編集。
時期としては、三国志の中でも、献帝が曹操の手中におさまる以前(つまり魏呉蜀の三つ巴が始まる前の時期)を中心にしている。

何進や朱儁、皇甫嵩など、三国志を読めば必ず目にする脇役たちが、ひとりひとり美点もあれば欠点もある人間として生き...続きを読む生きと描かれていて面白い。

最後に収められた短編は「荀彧」であり、他の作品とは時期がずれている。しかし、読んでいくとどうやら、荀彧を単に曹操の臣でなく、献帝をも支えた「陰徳の人」として描くことで、あくまで後漢の臣と捉え『三国志名臣列伝 後漢篇』に収めたということのように思われて興味深い。
また、荀彧が死に際し、空の器を曹操に与えられた、という謎掛けのような故事について「空の器を王朝であるとみれば、あなたはそれをかかえて死ぬがよい、といったともとれる」と読み解いていたことも、荀彧を後漢の臣と規定するならば、確かに納得できる暗喩だと思わされた。

短編ながらそれぞれ読み応えがあり、また宮城谷三国志を一から読み直したくなる。

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Posted by ブクログ 2024年03月04日

後漢の忠臣たちから見る三国志時代は、また違う景色が見えます。
後漢末期、王朝のために立ち向かった7人の忠臣たちのお話。

その忠臣の荀彧や孔融や漢王朝最後の皇帝の献帝たちがでてくる「三国志 Secret of Three Kingdoms 」という漢王朝と曹操をめぐる中国ドラマをちょうと...続きを読む゙見終わったあとだったので、さらに彼らの生き方をや時代を知ることができておもしろかったです。

私は吉川英治さんの「三国志」しか読んだことがないので、宮城谷昌光さんの「三国志」も読んでみたいし、後漢・魏・呉・蜀それぞれの視点から見える三国時代も比べて見てみたいなと思います。

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Posted by ブクログ 2022年11月19日

本作には古代中国の後漢王朝末期の人物、何進、朱儁、王允、盧植、孔融、皇甫嵩、荀彧を主人公にした7篇の小説が収録されており、巻末には文芸評論家である湯川豊による解説が掲載されている。

『三国志』の人物というと、どうしても『三国志演義』でのイメージが定着してしまっているが、本作は飽くまでも「正史」を元...続きを読むにしており、その点で新鮮な印象を受ける。
特に『演義』で優柔不断な愚将のイメージが強い何進が、それなりに人望がある人物として描かれているのが興味深い。

どの作品も宮城谷昌光らしい清廉な筆致で、読んでいて清々しく、また、面白かった。

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