宮城谷昌光のレビュー一覧

  • 新装版 奇貨居くべし(二) 火雲篇

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    藺にいた呂不韋が秦国・白起将軍の侵攻により捕虜にされ、秦国宰相の魏冄の領地である穣邑に連行されてしまう。その道中で荀子と出会い、彼に師事することにより人としての器を大きくしていく。

    穣邑から逃れた後も当代きっての人相士である唐挙との出会いや晩年の薛公・孟嘗君との出会いがさらに呂不韋を大きくしていきます。

    (印象的だった文章)
    ・そこに在るものを安定と考えて、そこに乗ろうとする者がいる。ところが、そこに在るものは過去のものだと考え、未来の安定を求め、乗っているものが不安定であるとおもう者がいる。(中略)そういう未来像を描ける頭脳を生かすのが真の経営者であろう。

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    2021年02月21日
  • 新装版 奇貨居くべし(一) 春風篇

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    キングダム60巻で表舞台から姿を消した呂不韋について、書かれた本が文庫本化されることを知り、興味を持ちました。

    戦国時代末期に韓の陽翟にある商人の次男として生まれた呂不韋が秦の宰相となるまでにどんな生き様を見せてくれるのか二巻以降が楽しみになる内容でした。
    特に、「完璧」の語源ともなった趙の藺相如と秦の昭襄王の和氏の璧(と15城)をめぐる駆け引きは、戦国時代の外交に如何に胆気が必要であったかを教えてくれました。

    (印象に残った文章)
    ・与えられることになれた者は、その物の価値がわからず、真の保有を知りませんから、けっきょく豊かさに達しないのです。
    ・信用という目にはみえぬものを蓄え、それを

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    2021年02月21日
  • 重耳(下)

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    下巻は重耳の流浪の物語。詭諸の死後に驪姫や奚斉が重臣たちに呆気なく滅ぼされるも、後継に推すのを重耳か夷吾かで国論が揉める。重耳は乱となるのを避けて狄に留まる。晋公の地位には、秦公が躊躇いながらも支持した夷吾がつ 就く。しかし、夷吾は秦に恩を仇で返し、国内でも悪性を敷き、重耳に刺客を送る。

    重耳は、刺客に追われる形で、諸国を放浪し、衛で冷たい仕打ちにあうなどしたが、最後は、春秋五覇の筆頭である斉の桓公の厚遇を得て、斉の要職に留まり、桓公から息子を託されて、帰国の意思を徐々に失っていく。

    それを部下達の機転で、桓公の死に乗じて斉を脱出。衛、曹、宋、鄭などを回った後に、将来のライバルとなる楚の成

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    2021年02月18日
  • 呉漢(上)

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    中国史に明るくないので、登場人物や国の名前があまり整理できないまま一通り読んでみた。地図帳を近くにおきながら読みたい。

    自分には志がない…すぐ人を羨んでしまうし自分を大きく見せようとしてしまうし卑怯で汚いところがある。かといって羨望の思いを向ける相手ほど努力しているのかと言われるとそうでもない。苦しい。自分に自信がない。自分に自信がないから動けない、さらに自信がなくなる。負のループ。志ってなんだ。

    ・話半分

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    2021年02月07日
  • 重耳(中)

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    中巻では、称が周の宮廷工作を整え翼を滅ぼして晋を盤石にし、子の詭諸に引き継ぐが驪戎攻めで捉えた驪姫にゾッコンとなり、驪姫が翼の公子である優施に半ば操られながら自らの子である奚斉をたいしたにしようと画策して、申生、重耳、夷吾の三兄弟との内ゲバが始まる。

    申生は、孝を体現したような性格で亡命を勧められても断固拒否し、父の意図であればということで最終的には自決する。重耳は良臣を固めつつも、母の実家である白狄に亡命、夷吾は、秦の衛星国である粱に亡命し再起を図る。

    孝の申生、徳の重耳、才の夷吾と三人三様の生き様が際立って面白い。また、周の宮廷政治や、周の卿士である鄭や虢の役割、唇亡歯寒を地で行って詭

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    2021年01月26日
  • 三国志外伝

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    名臣列伝以来の宮城谷さんの三国志であるが、史実の記述と小説風味を織り交ぜた書き方がやはり読みやすくて面白い。

    人選の基準が分からないが、太史慈、韓遂という有名どころ(その割にあまりどういった人物か知らない)から、呉祏、趙岐といった初めて名前を聞く人物、さらには陳寿という、名前は当然知ってはいるが由来等全く知らない人物に至るまで、演義ではさほど深く(というか全く)触れられていない幅広い年代、幅広い立場の人物が取り上げられている。

    韓遂の人の良さ、許靕の目まぐるしい変遷、陳寿と諸葛亮との関係等、非常に興味深い話が多く楽しかった。

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    2021年01月04日
  • 晏子(三)

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    感想は最終巻に記載したい。

    晏嬰の本格的な動きかと思いきや…

    箸休めではないが、こういう巻があってもいいかも。

    最終巻に期待。

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    2021年01月02日
  • 重耳(上)

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    中国春秋時代の晋の文公である重耳の物語。描写の濃やかさと人物の熱さで、宮城谷先生の歴史小説には毎回楽しませてもらっている上に、歴史の勉強にもなる。

    上巻では、晋が周によって封じられてより、翼の本家と曲沃の分家の二つに分立し、重耳の祖父である称が粘り強く宮廷工作を進めて本家の翼城を落として統一すると共に、これに乗じて曲沃を取ろうとする虢の国との戦いまでを描いている。重耳は初陣を果たして、翼攻めで軍功を挙げた駆け出しの状況。

    まだ先は分からないが、祖父ほどの器ではない詭諸の治世が暗雲のように漂い、いずれも大人物である異母兄の申生と同母弟の夷吾とのライバル関係も想起させるようなそれぞれの切磋琢磨

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    2020年12月27日
  • 呉越春秋 湖底の城 一

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    文庫本全9巻まとめてのレビュー

    春秋時代の中国南方(楚・呉・越)を舞台に展開された物語。
    話の大きな軸は二人。
    一人は伍子胥であり、もう一人は范蠡。
    この時代のこの二人に主な焦点をあてた作品が今までなかったので、
    読んでいてとても楽しい。
    伍子胥についての大まかな知識は、海音寺潮五郎氏の「孫氏」で読んだことがあるが、
    そこにはない伍子胥の生涯や魅力がこの本にある。
    呉の公子光や孫武が、伍子胥にとっていかに大切な人であったか。
    父親と兄の復讐をなすために、いかに多くの人々と巡り合い、力を貸してもらったか。
    伍子胥に人としての魅力があったからこそ運命的な巡り合いがあるし、人として寛容であったから

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    2020年12月23日
  • 呉越春秋 湖底の城 九

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    長い歴史の一幕が終わった。
    伍子胥も夫差も勾践も消え、范蠡と西施が遠く陶にて静かに向かい合い歩いて来た道程を思い出す。
    良いラストだった。
    疲れ果てた夫差が無気力になるのは、バイタリティ溢れる人によくみられる燃え尽き症候群のためか。
    ここから中国は戦国時代へと突入していく。

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    2020年12月16日
  • 呉越春秋 湖底の城 六

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    楚と呉の戦いは終わりを迎えて呉越の話に向かう。
    この小説のクライマックスが近づく。
    6巻の終章あたりで次々に主要人物が亡くなり、新たな世代の激突の予感。

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    2020年11月11日
  • 呉越春秋 湖底の城 三

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    楚を見限り呉に行き着いた伍子胥たち。
    伍子胥の飛躍の時が近づきつつある。
    紀元前の中国の話だが、現代中国にも復讐への執念は今も根付いているが、正義を愛し潔い精神は残っているのだろうか⁈

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    2020年10月16日
  • 呉越春秋 湖底の城 二

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    忍び寄る費無極の影。伍子胥たちは逃げ果せるのか?
    宮城谷の本はすべて読んでいるが、これはどこまでが真実なのか?
    大局的にはノンフィクションだろうが、詳細はフィクションなのだろう。あまりに登場人物の他人の真意を読む力が神ががかっているので。
    3巻へ話は続く。

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    2020年10月11日
  • 呉越春秋 湖底の城 一

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    1〜5巻まで読んでいたのだが、そのあとの巻の発売がなかなかなかったので放していた「湖底の城」
    やっと全巻文庫化されたので、あらためて最初から読み直した。春秋時代、呉の軍師、巨人伍子胥の楚時代の若かりし頃の話。あらためて年表を確認したところ、魯の孔丘、斉の晏嬰とほぼ同時期の人物なんだなと思った。
    まだ、静かな1巻。これから風雲急を告げる。

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    2020年10月03日
  • 孟嘗君(1)

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    小説として単純に面白いと思う。
    展開が早いので、飽きさせない。
    肝心の孟嘗君は、まだ赤子の状態。
    秦での孝公と公孫鞅のくだりなど、中国ならではの内容で興味深い。

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    2020年10月01日
  • 新三河物語(上)

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    <上中下を通してのレビュー>

    徳川家康を支えた大久保一族を描いた小説。
    松平家を古くから支えてきた大久保一族の結束と忠誠心。
    大久保彦左衛門が執筆した「三河物語」がベース。
    家臣の視点が面白い。

    歴史的事実の裏側で家臣たちがいかにして主君を支えてきたのか。
    それに報いてきた主君家康。
    徳川家が巨大な権力を手にしてからの大久保一族の変遷。
    やるせない事も多々あっただろう…
    大久保彦左衛門が「三河物語」を残してくれたからこそ、
    後世の我々が知ることが出来た部分も大きい。

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    2020年09月21日
  • 花の歳月

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    竇猗房のけなげな姿が可愛らしく…… いや、萌える! 多くの宮城谷昌光作品の中で傑作と言って良いだろう。

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    2020年11月02日
  • 歴史を応用する力

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    中国の歴史小説が多く書かれてるが、とりわけ古代の話が多い理由がわかった。歴史を学ぶことで人間により興味がもてるようになる。このような指南書をたまに読むことで、新たな分野に興味が持てるようになれるのは大事なことだ。2020.8.22

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    2020年08月22日
  • 楽毅(三)

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    趙との壮絶な戦いを凌いできたが、遂に中山は滅ぶ。中山を破った趙だが、主夫が足元を見誤り、後継者問題で内乱が起きる。楽毅のストーリーだが、趙での出来事が中心の巻である。

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    2020年07月23日
  • 楽毅(一)

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    弱小国の中山に楽毅はいた。斉に憧れて、斉へ行き、田氏に会い、兵法を勉強する。楽毅は、斉でもう一つ運命的な出会いがある。中山に帰った後、趙との戦いに中山内部で活躍するが、まだ、世の中に知られた存在ではない。

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    2020年07月23日