宮城谷昌光のレビュー一覧
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藺にいた呂不韋が秦国・白起将軍の侵攻により捕虜にされ、秦国宰相の魏冄の領地である穣邑に連行されてしまう。その道中で荀子と出会い、彼に師事することにより人としての器を大きくしていく。
穣邑から逃れた後も当代きっての人相士である唐挙との出会いや晩年の薛公・孟嘗君との出会いがさらに呂不韋を大きくしていきます。
(印象的だった文章)
・そこに在るものを安定と考えて、そこに乗ろうとする者がいる。ところが、そこに在るものは過去のものだと考え、未来の安定を求め、乗っているものが不安定であるとおもう者がいる。(中略)そういう未来像を描ける頭脳を生かすのが真の経営者であろう。 -
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キングダム60巻で表舞台から姿を消した呂不韋について、書かれた本が文庫本化されることを知り、興味を持ちました。
戦国時代末期に韓の陽翟にある商人の次男として生まれた呂不韋が秦の宰相となるまでにどんな生き様を見せてくれるのか二巻以降が楽しみになる内容でした。
特に、「完璧」の語源ともなった趙の藺相如と秦の昭襄王の和氏の璧(と15城)をめぐる駆け引きは、戦国時代の外交に如何に胆気が必要であったかを教えてくれました。
(印象に残った文章)
・与えられることになれた者は、その物の価値がわからず、真の保有を知りませんから、けっきょく豊かさに達しないのです。
・信用という目にはみえぬものを蓄え、それを -
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下巻は重耳の流浪の物語。詭諸の死後に驪姫や奚斉が重臣たちに呆気なく滅ぼされるも、後継に推すのを重耳か夷吾かで国論が揉める。重耳は乱となるのを避けて狄に留まる。晋公の地位には、秦公が躊躇いながらも支持した夷吾がつ 就く。しかし、夷吾は秦に恩を仇で返し、国内でも悪性を敷き、重耳に刺客を送る。
重耳は、刺客に追われる形で、諸国を放浪し、衛で冷たい仕打ちにあうなどしたが、最後は、春秋五覇の筆頭である斉の桓公の厚遇を得て、斉の要職に留まり、桓公から息子を託されて、帰国の意思を徐々に失っていく。
それを部下達の機転で、桓公の死に乗じて斉を脱出。衛、曹、宋、鄭などを回った後に、将来のライバルとなる楚の成 -
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中巻では、称が周の宮廷工作を整え翼を滅ぼして晋を盤石にし、子の詭諸に引き継ぐが驪戎攻めで捉えた驪姫にゾッコンとなり、驪姫が翼の公子である優施に半ば操られながら自らの子である奚斉をたいしたにしようと画策して、申生、重耳、夷吾の三兄弟との内ゲバが始まる。
申生は、孝を体現したような性格で亡命を勧められても断固拒否し、父の意図であればということで最終的には自決する。重耳は良臣を固めつつも、母の実家である白狄に亡命、夷吾は、秦の衛星国である粱に亡命し再起を図る。
孝の申生、徳の重耳、才の夷吾と三人三様の生き様が際立って面白い。また、周の宮廷政治や、周の卿士である鄭や虢の役割、唇亡歯寒を地で行って詭 -
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中国春秋時代の晋の文公である重耳の物語。描写の濃やかさと人物の熱さで、宮城谷先生の歴史小説には毎回楽しませてもらっている上に、歴史の勉強にもなる。
上巻では、晋が周によって封じられてより、翼の本家と曲沃の分家の二つに分立し、重耳の祖父である称が粘り強く宮廷工作を進めて本家の翼城を落として統一すると共に、これに乗じて曲沃を取ろうとする虢の国との戦いまでを描いている。重耳は初陣を果たして、翼攻めで軍功を挙げた駆け出しの状況。
まだ先は分からないが、祖父ほどの器ではない詭諸の治世が暗雲のように漂い、いずれも大人物である異母兄の申生と同母弟の夷吾とのライバル関係も想起させるようなそれぞれの切磋琢磨 -
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文庫本全9巻まとめてのレビュー
春秋時代の中国南方(楚・呉・越)を舞台に展開された物語。
話の大きな軸は二人。
一人は伍子胥であり、もう一人は范蠡。
この時代のこの二人に主な焦点をあてた作品が今までなかったので、
読んでいてとても楽しい。
伍子胥についての大まかな知識は、海音寺潮五郎氏の「孫氏」で読んだことがあるが、
そこにはない伍子胥の生涯や魅力がこの本にある。
呉の公子光や孫武が、伍子胥にとっていかに大切な人であったか。
父親と兄の復讐をなすために、いかに多くの人々と巡り合い、力を貸してもらったか。
伍子胥に人としての魅力があったからこそ運命的な巡り合いがあるし、人として寛容であったから