宮城谷昌光のレビュー一覧

  • 三国志外伝

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    名臣列伝以来の宮城谷さんの三国志であるが、史実の記述と小説風味を織り交ぜた書き方がやはり読みやすくて面白い。

    人選の基準が分からないが、太史慈、韓遂という有名どころ(その割にあまりどういった人物か知らない)から、呉祏、趙岐といった初めて名前を聞く人物、さらには陳寿という、名前は当然知ってはいるが由来等全く知らない人物に至るまで、演義ではさほど深く(というか全く)触れられていない幅広い年代、幅広い立場の人物が取り上げられている。

    韓遂の人の良さ、許靕の目まぐるしい変遷、陳寿と諸葛亮との関係等、非常に興味深い話が多く楽しかった。

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    2021年01月04日
  • 晏子(三)

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    感想は最終巻に記載したい。

    晏嬰の本格的な動きかと思いきや…

    箸休めではないが、こういう巻があってもいいかも。

    最終巻に期待。

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    2021年01月02日
  • 重耳(上)

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    中国春秋時代の晋の文公である重耳の物語。描写の濃やかさと人物の熱さで、宮城谷先生の歴史小説には毎回楽しませてもらっている上に、歴史の勉強にもなる。

    上巻では、晋が周によって封じられてより、翼の本家と曲沃の分家の二つに分立し、重耳の祖父である称が粘り強く宮廷工作を進めて本家の翼城を落として統一すると共に、これに乗じて曲沃を取ろうとする虢の国との戦いまでを描いている。重耳は初陣を果たして、翼攻めで軍功を挙げた駆け出しの状況。

    まだ先は分からないが、祖父ほどの器ではない詭諸の治世が暗雲のように漂い、いずれも大人物である異母兄の申生と同母弟の夷吾とのライバル関係も想起させるようなそれぞれの切磋琢磨

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    2020年12月27日
  • 呉越春秋 湖底の城 一

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    文庫本全9巻まとめてのレビュー

    春秋時代の中国南方(楚・呉・越)を舞台に展開された物語。
    話の大きな軸は二人。
    一人は伍子胥であり、もう一人は范蠡。
    この時代のこの二人に主な焦点をあてた作品が今までなかったので、
    読んでいてとても楽しい。
    伍子胥についての大まかな知識は、海音寺潮五郎氏の「孫氏」で読んだことがあるが、
    そこにはない伍子胥の生涯や魅力がこの本にある。
    呉の公子光や孫武が、伍子胥にとっていかに大切な人であったか。
    父親と兄の復讐をなすために、いかに多くの人々と巡り合い、力を貸してもらったか。
    伍子胥に人としての魅力があったからこそ運命的な巡り合いがあるし、人として寛容であったから

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    2020年12月23日
  • 呉越春秋 湖底の城 九

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    長い歴史の一幕が終わった。
    伍子胥も夫差も勾践も消え、范蠡と西施が遠く陶にて静かに向かい合い歩いて来た道程を思い出す。
    良いラストだった。
    疲れ果てた夫差が無気力になるのは、バイタリティ溢れる人によくみられる燃え尽き症候群のためか。
    ここから中国は戦国時代へと突入していく。

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    2020年12月16日
  • 呉越春秋 湖底の城 六

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    楚と呉の戦いは終わりを迎えて呉越の話に向かう。
    この小説のクライマックスが近づく。
    6巻の終章あたりで次々に主要人物が亡くなり、新たな世代の激突の予感。

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    2020年11月11日
  • 呉越春秋 湖底の城 三

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    楚を見限り呉に行き着いた伍子胥たち。
    伍子胥の飛躍の時が近づきつつある。
    紀元前の中国の話だが、現代中国にも復讐への執念は今も根付いているが、正義を愛し潔い精神は残っているのだろうか⁈

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    2020年10月16日
  • 呉越春秋 湖底の城 二

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    忍び寄る費無極の影。伍子胥たちは逃げ果せるのか?
    宮城谷の本はすべて読んでいるが、これはどこまでが真実なのか?
    大局的にはノンフィクションだろうが、詳細はフィクションなのだろう。あまりに登場人物の他人の真意を読む力が神ががかっているので。
    3巻へ話は続く。

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    2020年10月11日
  • 呉越春秋 湖底の城 一

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    1〜5巻まで読んでいたのだが、そのあとの巻の発売がなかなかなかったので放していた「湖底の城」
    やっと全巻文庫化されたので、あらためて最初から読み直した。春秋時代、呉の軍師、巨人伍子胥の楚時代の若かりし頃の話。あらためて年表を確認したところ、魯の孔丘、斉の晏嬰とほぼ同時期の人物なんだなと思った。
    まだ、静かな1巻。これから風雲急を告げる。

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    2020年10月03日
  • 孟嘗君(1)

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    小説として単純に面白いと思う。
    展開が早いので、飽きさせない。
    肝心の孟嘗君は、まだ赤子の状態。
    秦での孝公と公孫鞅のくだりなど、中国ならではの内容で興味深い。

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    2020年10月01日
  • 新三河物語(上)

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    <上中下を通してのレビュー>

    徳川家康を支えた大久保一族を描いた小説。
    松平家を古くから支えてきた大久保一族の結束と忠誠心。
    大久保彦左衛門が執筆した「三河物語」がベース。
    家臣の視点が面白い。

    歴史的事実の裏側で家臣たちがいかにして主君を支えてきたのか。
    それに報いてきた主君家康。
    徳川家が巨大な権力を手にしてからの大久保一族の変遷。
    やるせない事も多々あっただろう…
    大久保彦左衛門が「三河物語」を残してくれたからこそ、
    後世の我々が知ることが出来た部分も大きい。

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    2020年09月21日
  • 花の歳月

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    竇猗房のけなげな姿が可愛らしく…… いや、萌える! 多くの宮城谷昌光作品の中で傑作と言って良いだろう。

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    2020年11月02日
  • 歴史を応用する力

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    中国の歴史小説が多く書かれてるが、とりわけ古代の話が多い理由がわかった。歴史を学ぶことで人間により興味がもてるようになる。このような指南書をたまに読むことで、新たな分野に興味が持てるようになれるのは大事なことだ。2020.8.22

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    2020年08月22日
  • 楽毅(三)

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    趙との壮絶な戦いを凌いできたが、遂に中山は滅ぶ。中山を破った趙だが、主夫が足元を見誤り、後継者問題で内乱が起きる。楽毅のストーリーだが、趙での出来事が中心の巻である。

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    2020年07月23日
  • 楽毅(一)

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    弱小国の中山に楽毅はいた。斉に憧れて、斉へ行き、田氏に会い、兵法を勉強する。楽毅は、斉でもう一つ運命的な出会いがある。中山に帰った後、趙との戦いに中山内部で活躍するが、まだ、世の中に知られた存在ではない。

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    2020年07月23日
  • 孟嘗君 全5冊合本版

    購入済み

    安定の宮城谷ワールド

    さすが安定の宮城谷さんの作品。紙の本でも持っているが、利便性を考え電子書籍を購入。孟しょう君は他の作品にも出てくるので好きなのだが、本作品では彼が活躍するまでの話が長い!そのため星4つの評価。その代わり養父の活躍をたっぷり楽しめる。これからも読み返していく良い作品であるのは間違いないでしょう。

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    2020年07月20日
  • 三国志 第十二巻

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    ネタバレ

    第九巻で顕著だった人物(国)へ対する好悪の激しい筆致には低劣さを覚え嫌気がさしていた。今巻もいつ“それ”が現れるかひやひやしながら読んでいたが、全編宮城谷昌光らしいおだやかな、あくまでも『正史』に沿った淡々とした描写で安心した。
    ただ一言で感想を述べれば、面白かった!
    私としては特に蜀滅亡の件での鄧艾、鍾会、姜維三者の生き様(思惑)が面白く、楽しささえも感じた。

    「王朝にかぎらず組織を立て直す近道は、益をふやすよりも害をのぞくことである」『蛇足』より。
    「最悪の事態とは、君主が選択をあやまることではなく、決定をためらいつづけることである」『劉禅』より。

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    2020年07月18日
  • 劉邦(下)

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    司馬遼太郎の項羽と劉邦とはまた違った面白さでした。
    わりとあっさりした印象の作品です。

    統一後のドロドロした権力闘争を誰か書かないかな。
    あまりに幻滅なので、読む人は少ないかもしれないけど。

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    2020年07月07日
  • 劉邦(中)

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    劉邦が挙兵するきっかけとなった「陳勝・呉広の乱」は、劉邦が40代のころだったらしい。
    それから中国を統一するまで、わずか7年。

    遊び好きのたいしたことない男が、40代で事を起こし、50半ばで天下を取る。

    どうしてそんなことが可能だったのか。
    じつに不思議な話である。

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    2020年07月07日
  • 劉邦(上)

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    人が人を識る不思議さ。

    人を見抜く力というのは、あてになる情報がまるでない中で判断しなければならない昔の方があったのかもしれないな。

    土地の有力者呂公が劉邦の人物を見抜いて、娘を嫁に与えようとする場面を読んで、そう思った。

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    2020年07月07日