あらすじ
中国歴史小説の第一人者が、光武帝と呉漢、項羽と劉邦、商の湯王と周の文王の生涯をたどりながら、ビジネスや人間関係における考え方のヒントを歴史からどう学ぶかを、具体的に平易な語り口で解説する。伊藤忠商事元会長、丹羽宇一郎氏との対談も収録。文庫オリジナル
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Posted by ブクログ
ご本人曰く、人気のない中国歴史小説を書き続けられている意義を理解するのに、非常にポイントを押さえた文庫です。
中国の紀元前時代、どんな人物が国家を引っ張っていったのか、またその時代の歴史が現代に与える教訓とは。
なかでも、最後に収録された「文学と歴史のあいだ」という項目は非常に読み応えあります。
Posted by ブクログ
歴史書のほんとうの凄みというのは、年齢に関係なく、人の自立力、発想力を育ててくれるところにあるのではないかと思います。」
歴史から何を読み取れるか、とってもワクワクします
織田信長や水戸光圀など日本の多くの歴史上の人物も中国の歴史から知恵を得ているところも、同じものを読んだのかもしれないと思うとドキドキです。
Posted by ブクログ
中国の歴史小説が多く書かれてるが、とりわけ古代の話が多い理由がわかった。歴史を学ぶことで人間により興味がもてるようになる。このような指南書をたまに読むことで、新たな分野に興味が持てるようになれるのは大事なことだ。2020.8.22
Posted by ブクログ
中国呉漢王朝の光武帝(劉秀)などやはり人物に共通することは信用し、信頼される部下が多いことだ。その前の「項羽と劉邦」時代で20万人もの兵士を生き埋めに恩賞必罰が厳しい項羽など劉邦との格段の人格の差が天下統一できない理由でもあった。その劉秀の3つの言葉が気になった。「赤心を推して人の腹中に置く」銅馬を殺さず高位に取り立て、身を晒し信用を得た、「疾風にして勁草を知る」激しい風が吹いて初めてどの草が強いか分かる、「隴を得て蜀を望む」人間の欲望はキリがないものだ。
Posted by ブクログ
「第3章 殷(商)の湯王と周の文王」が特に興味深かった。海音寺潮五郎の「中国英傑伝」の「乞食公子」を読んで重耳の小説を書こうと決意し、春秋左氏伝や史記を熟読、年表も作成し筆を取ったものの、更に昔を知らないと書けないと感じ、夏や商について勉強、それが「天空の舟 小説・伊尹」執筆に繋がったとのこと。ここまでこだわるからこそ、宮城谷昌光さんの小説には深みがあるんだろう。また、そのお陰で「天空の舟」だけでなく「沈黙の王」や「太公望」といった「重耳」より前の時代の作品も我々は読む事ができる。大いに感謝。湯王が征伐した葛氏が諸族に分かれて名乗った氏が諸葛氏という説も紹介されている。どこかで読んだ気もするが面白い。
商や周時代の話が曹操や徳川光圀など後世の人物の思想や行動に影響を与えた事に、歴史の影響力や学ぶ意義を感じた。