宮城谷昌光のレビュー一覧

  • 太公望(下)

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    太公望全3巻の下巻

    上巻中巻で望が積み上げてきたものが、一つの力となって望を支え動いていく様子はとても爽快な気持ちになります。
    望は心も体もとても強いですが、どれだけ力が強いかではなくその強さを何にどのように使うのか。生きていく強さ、生命力は自分の持つ力の使い方だと感じました。

    面白いだけではなく生き方を考えさせられる全3巻。
    大満足でした!

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    2020年07月05日
  • 太公望(中)

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    太公望全3巻の中巻

    上巻は背景や人を覚えることに少し一生懸命でしたが、中巻は背景を理解した上で物語に集中することが出来、面白くあっという間に読み終わってしまいました。
    上巻で成長を重ね、下巻で目的を果たす。
    重要なシーンと大切な出会いの多いこの巻は、生き方が望みを叶えるのだと思わずにはいられません。
    成長から目的につながることが納得出来、充実した気持ちで読ませて頂きました!
    下巻ももちろんたのしみに

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    2020年07月05日
  • 太公望(上)

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    太公望全3巻の上巻

    商への復讐を胸に近い、様々な困難に立ち向かいながら心身ともに成長していく望の生き方は、とても惹かれるものがあります。
    冷静沈着に物事を広く見据えることの出来る太公望の目線で語られる物語。物語の展開も面白いですが、望の生き方からも目が離せません。

    先の展開が楽しみです

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    2020年07月05日
  • 三国志 第十一巻

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    ネタバレ

    特に第九巻で見られた人物に対する好悪の激しいくだりは影を潜め、宮城谷昌光らしいおだやかで、また含蓄のある筆致に戻っている。
    相変らず淡々と『正史』準拠の進行のため、展開にもの足りなさを少々感じるのは否めない。ただ、本巻は曹爽の族滅など言わば“動”の展開が多く、読んでいて応えることもあったため、恬淡とした筆致に救われた面もある。

    「人はいつ僥倖に逢うかわからず、天佑はいつくだるかわからない。そのときになってはじめては、まにあわないことがあり、それこそ人生の要所であり、分岐点になりうる。人の価値は、何も起こらない時間、平凡な時間を、どのように過ごすかによって決まる。」『敗残』より。
    「忍耐力も、

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    2020年06月29日
  • 小説 伊尹伝 天空の舟 上

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    ネタバレ

    夏王朝末期、桀王は衰退していく夏王朝に拍車をかけるように、酒池肉林を催し、自分は天子であるとして、諸侯を力で屈服させてきた。東からは、商の湯王が立ち、徐々にちからを蓄え、夏王朝の自滅のような感じになる事を待つかのごとく徳をつんでいく。伊尹と言われることになる、摯は、桀王や湯王に従うというのではなく、民草の声を率直に伝えて、死をも恐れず、直諫し、商の執政へと活躍の場を与えられていく。

    長く生きていると、恨みばかりがつもるものだ。その恨みをどう残し、どう捨てるかで生き方が違ってくる。まず己を治めること、それをしないで他人を恨むと、その者は一生の間悲憤が付き纏う。その悲憤が極限に達して自分がどうに

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    2020年05月22日
  • 合本 三国志【文春e-Books】

    購入済み

    登場人物の多さに驚愕

    正史に基づいた三国志を読みたくて購入。
    まず登場人物の多さに驚愕。
    これだけの数の人物をよく調べあげたものだ。
    また当時の官職や文化、書物などが詳しく書かれており、初めて知るものばかりで大変面白かったが、本筋から外れて説明文になることが多く、物語を追うのに苦労する。
    途中でその情報量の多さに「もういいよ」とウンザリして、しばらく違う本を読んだりもしながら2、3ヶ月かけてようやく読み終えた。

    しかし、やはりこの登場人物などの情報量の多さがこの本の魅力だ。
    劉備や曹操、孫権といった有名どころだけがすべての物語の中心ではなく、その他何千何万もの人物の人生が折り重なって時代を紡いでいたのだと言うこと

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    2020年05月08日
  • 孟嘗君(1)

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    わくわくしっぱなし。ずっと仙泉のこと考えながら読んでた。あと風洪がめちゃ好き。これからどうなっていくのだろ。
    「学者は所耳におぼれる」て言葉に共感。
    やっぱり読みやすいし楽しいな。

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    2020年05月07日
  • 孟嘗君(5)

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    ネタバレ

    斉の君主の家に生まれながら、魏の宰相となり、斉の宰相となり、秦の宰相となる中庸の人田文。
    最後に出てきた馮緩が田文と洛芭の子だと暗示されるのもそうだけど、登場人物が濃密に関わり過ぎなところが、吉川英治っぽいなと思う。それは非現実的ではあるけど、フィクションとして面白い。

    五巻まで読んで、やっと少しずつ国と人が結び付けられるようになった。
    魏にいたのが龐涓や恵王や公子緩で、鄭両がいたのもここ。
    秦は最初に風洪が風麗たちを連れて行ったところで、孝公が公孫鞅に律令を作らせ、徹底的な法治政治が行われた。が、人情に欠ける国になり、宰相の孟嘗君を追って鶏鳴狗盗の故事を生んだのもここ。
    楚は他国と一線を画

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    2020年04月11日
  • 孟嘗君(3)

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    ネタバレ

    白圭に助けられた孫臏を中心に話が進む。田文がめきめき大きくなる。食客三千人の気配。孫臏の頭が良すぎる。龐涓も賢いのに、出世欲に基づく打算は判断を狂わせるなあ。龐涓を討ち取ったところまで。

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    2020年04月05日
  • 花の歳月

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    ネタバレ

    前漢の第5代皇帝・文帝の皇后であり、第6代皇帝・景帝の母である竇猗房(とういぼう)を主人公に据えた歴史小説。短い作品で、各登場人物の描写も少ないながら、それぞれに存在感がある。
    漢字にまつわる宮城谷昌光のあとがきも面白い。

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    2020年03月17日
  • 呉漢(下)

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    後漢の祖 劉秀に支える大司馬 呉漢を主人公とした話

    後漢が平定せれるまでに非常に長い年月を要している。
    歴史の教科書では前漢と後漢の間には新という国があり、平家物語の序文で新の王莽という秦の趙高に並ぶ悪党が居たらしいという程度の知識しか無かったので非常に新鮮に読めた!

    モグラ叩きのようにあっちこっちで群雄が立ったり反乱が起きたり、たまに謀反が起きたり・・・
    その度に劉秀や後漢が鎮定に繰り出される。

    これ迄、ノーマークだったこの時代に興味が湧いたので次は同作家の草原の風を読もうかと思う!

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    2020年02月23日
  • 呉漢(上)

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    項羽と劉邦から200年後 三国志の群雄達が割拠する200年前の時代 新の王莽が簒奪し新が起きる、その後光武帝 劉秀が全てを平らげ後漢の祖となる!

    本作は光武帝 劉秀の家臣で大将軍となる呉漢の物語!


    呉漢の成長と人間性、次々と現れる呉漢を支える仲間達 読んでてワクワクしてきます!

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    2020年02月17日
  • 呉漢(上)

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    劉秀(後の光武帝)を支えた武将・呉漢。貧家から劉秀軍の最高権力者・大司馬まで上り詰めた人物を描く長編小説は、自身初の宮城谷昌光。三国志以外の中国歴史物を読んでみたいなと思っていた矢先に書店で発見。漢の時代は前漢と後漢に分かれているけど、なぜ後漢ができたのか、光武帝って聞いたことあるけどいつの時代の人なのか、そのあたりがよく解っていなかった自分にとってはとても興味をそそられる作品でした。

    さて、呉漢。劉秀の功臣として大司馬に登用され、数々の戦いを制した人物。軍人ということもあり、豪快で我の強い人物かと思いきや、本書で描かれる呉漢は実直で素朴です。そして、その人柄を見いだされ出世の道を歩むことに

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    2020年02月17日
  • 孟夏の太陽

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    古代中国を自家薬籠中のものとしてきた著者の初期連作小説。実は宮城谷昌光氏は喪われた古代書物を匿していて、それを翻訳しているだけではないか?と窃(ひそか)に測っているが、証拠を見つけること我能わず。

    冗談はそれぐらいにして、紐解いたのは、小野不由美「十二国シリーズ」の世界観は、孔子以前、つまり古代中国春秋時代だと当たりをつけている私が、また別の作家の視点から、その世界を見たかったからです。

    小説は紀元前655年ごろから始まり、時代の覇権を担った晋の宰相を務めた趙氏一族を7代に渡り記し、紀元前453年ごろに終わります。

    すると驚く勿れ、十二国の世界観が至る所に展開されていました。
    曰く。

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    2020年02月14日
  • 呉漢(下)

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    ネタバレ

    呉漢が劉秀を助けて中国を統一して行く過程が下巻。 後漢は直ぐに統一したかと思ったが、実は10年近くも周辺に乱立した諸侯と戦争をして勝ち取ったと言うことであって、そこに呉漢の活躍が光っている。 もちろん皇帝劉秀がこれほど各地を行幸といって出没して、それぞれの諸侯を倒していき、最終的に統一を果たす。まあ、どちらかと言うと下巻より、前巻の方が主人公呉漢は光っていた様に思う。
    まあちょっと最後は普通の終わり方。 先回の草原の風の劉秀が主人公の本もそうだった気がする。

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    2020年02月11日
  • 呉漢(上)

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    ネタバレ

    後漢の武将呉漢の話。 貧しい農民であった後漢が、出世をしていく物語。前巻は呉漢が後漢の皇帝劉秀に会うまでの流浪の旅とそこで成長していく過程が描かれている。歴史には表に出てこないもしくは作者の想像?の祁登に教えられて大きく成長する。さて後半は如何に。

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    2020年02月08日
  • 三国志外伝

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    宮城谷好きなはずなんだけど、
    最近読んだのは
    なんとなく薄っぺら区感じられたようなきがするが、
    これは面白かった
    色々読み直したくなる

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    2020年02月09日
  • 楽毅(四)

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    中国戦国時代、楽毅の活躍を描いた物語の最終巻。期待していたよりもカタルシスがある展開に、楽毅という大人物の矜持や振る舞いの魅力。個人的にはそれほど読みやすい訳ではなかったですが、4巻読み通すだけの価値がある本だと思いました。

    恵まれた環境にはなく、スポットライトも当たらない、そんな状況下で考え抜き、手を尽くし、機を逃さずに、あくまで自己ではなく王のために動く。
    凄まじいまでの胆力で、本著で楽毅が策や振る舞いを間違うことは基本的にはなく、この点では親近感のある存在ではなく圧倒的なカリスマとして描かれています。
    同じ宮仕え(といってもこちらはただのリーマンですが(笑)として自分自身の今までの行動

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    2020年01月11日
  • 楽毅(二)

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    中国戦国時代、楽毅の活躍を描いた物語の第2巻。祖国である中山は隣国の侵略でどうにもボロボロな状態になってしまいます。その中で知恵をめぐらせてもがく人々の姿が描かれます。
    第2巻は序盤からハイペースでストーリーが進んでいき、物語に没入しているうちに読み切れました。面白いです。

    楽毅や、楽毅が仕える中山王、敵方の武霊王など、様々な人物の姿が描かれ、同時にその人物の限界までも描かれることで、王やそれを支える宰相がどうあるべきか、という姿が示されます。

    なお、結構大事な局面がサラッと1行で書かれていて、このシーンが読めたら読み応えあるだろうなぁと思ったのですが、本著が書きたいのはあくまで主人公であ

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    2019年10月14日
  • 三国志 第十一巻

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    ネタバレ

    二宮の変酷すぎてちょっと擁護できない……
    真に信頼できる者がいなくなった中、老い衰えて死んでいった孫権だが、ほんとなんでこうなっちゃったんだろうね。
    それからの呉は精彩を欠いている。

    魏の政変、司馬懿が演技をするところはノリノリで書かれていて笑ってしまった。
    司馬懿は別に魏を壊そうとは思ってなかったんだよな。
    師は?

    蜀は諸葛亮の後継が次々死んでしまう。
    今回は魏、呉の政変の陰に隠れて目立たない。

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    2019年08月31日