あらすじ
徳を失い腐敗した後漢王朝の悲劇から、壮大な叙事詩がはじまる――。月刊誌「文藝春秋」に連載され、その緻密さと迫力で大反響を呼んだ宮城谷版「三国志」が、ついに合本となって登場! 正史に基づいた、かつてない「三国志」の第1巻から12巻まで全12冊を収録。
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宮城谷作品は、読了感のさわやかな作品が多くよく読んでいまが、この作品は、一味違う作品に仕上がっていると思います。宮城谷三国志は、後漢から始まり孔明死後の世界までに及んでいます。
登場人物の多さに驚愕
正史に基づいた三国志を読みたくて購入。
まず登場人物の多さに驚愕。
これだけの数の人物をよく調べあげたものだ。
また当時の官職や文化、書物などが詳しく書かれており、初めて知るものばかりで大変面白かったが、本筋から外れて説明文になることが多く、物語を追うのに苦労する。
途中でその情報量の多さに「もういいよ」とウンザリして、しばらく違う本を読んだりもしながら2、3ヶ月かけてようやく読み終えた。
しかし、やはりこの登場人物などの情報量の多さがこの本の魅力だ。
劉備や曹操、孫権といった有名どころだけがすべての物語の中心ではなく、その他何千何万もの人物の人生が折り重なって時代を紡いでいたのだと言うことに改めて気付かされる。
また、おおむね三国志で描かれる黄巾の乱より80年近く前から描かれるので、どのように後漢が衰退していき、三国時代となっていったか歴史の流れを知ることができる。
三国志の世界をより詳しく知りたい方にはオススメの一冊。
追記
昔って人を殺しすぎ……一人の罪によって一族郎党皆殺しとか怖すぎ……
現代がいかに人の命を大切にできている時代かを実感。