宮城谷昌光のレビュー一覧
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以前から構想していた「とことん三国志」を開始する!
この宮城谷版「三国志」を中心に
吉川英治版「三国志」と
漫画「蒼天航路」(既読)を併読する試みです。
51歳を記念するといいながら、どう考えても
52歳くらいまではかかるボリューム、
なかなかチャレンジングな企画だと思う。
さて、この3シリーズ、歴史的な順序からすると
宮城谷版「三国志」がかなり先行することになる。
しばらくはレビューも宮城谷版のみになるのは致し方ない。
理由は、宮城谷版は三国志とは名ばかりで
スタートが曹操の祖父・曹騰の時代から始まるからだ。
正史で言えば、そのまま後漢史の中葉期となる。
それはつまり、1巻どころか2 -
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終わった。 田文、孟嘗君は斉の国に仕えず、育ての親の白圭のように天に仕えようと食客を連れて放浪する。しかし、人は見放さず、魏の宰相に推挙され、国力を回復させる。その後故郷の斉の宰相に。最後王に疎まれ、秦の宰相にされてしまうが、内部抗争で殺されそうになり、脱出。そのときの話が鶏鳴狗盗。 なるほどね。話の中のうち田文が主人公は本当に4巻、5巻のみ。3巻まではその前の関係者の話であったが、後書きを見るとあまり史記にも孟嘗君という人なりが残っておらず、作者が苦労したようだ。 でもそのため、話のあらすじが非常に旨く流れて孟嘗君、田文の成り立ちが良く掛けており、無いようもおもしろく読める。結構中国の春秋戦
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紀元前6世紀、中国春秋時代の五覇の一人で、晋の文公と呼ばれた重耳という人物の話。晋の君主の家系の二男に生まれたが、秀才でもなく人気もなく特徴のない人物であったため兄弟の中でも目立たなかった。しかし、晩年は、誠実で実直な性格により国内外の色々な人たちから一目置かれるようになる。身内の争いごとにより国外に脱出し19年間諸国を転々とする亡命生活を経て、晋に戻り君主となる。重耳の話というよりは、重耳に仕えたすばらしい臣の面々の話ではないだろうか。幼少期の教育係の郭偃をはじめ、丕鄭、孤突、孤偃、孤毛、先軫、介子推などなど見事な人物が揃っておりこれら臣に支えられてなければ重耳は君主にはなれなかっただろう。
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紀元前6世紀、中国春秋時代の五覇の一人で、晋の文公と呼ばれた重耳という人物の話。晋の君主の家系の二男に生まれたが、秀才でもなく人気もなく特徴のない人物であったため兄弟の中でも目立たなかった。しかし、晩年は、誠実で実直な性格により国内外の色々な人たちから一目置かれるようになる。身内の争いごとにより国外に脱出し19年間諸国を転々とする亡命生活を経て、晋に戻り君主となる。重耳の話というよりは、重耳に仕えたすばらしい臣の面々の話ではないだろうか。幼少期の教育係の郭偃をはじめ、丕鄭、孤突、孤偃、孤毛、先軫、介子推などなど見事な人物が揃っておりこれら臣に支えられてなければ重耳は君主にはなれなかっただろう。
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紀元前6世紀、中国春秋時代の五覇の一人で、晋の文公と呼ばれた重耳という人物の話。晋の君主の家系の二男に生まれたが、秀才でもなく人気もなく特徴のない人物であったため兄弟の中でも目立たなかった。しかし、晩年は、誠実で実直な性格により国内外の色々な人たちから一目置かれるようになる。身内の争いごとにより国外に脱出し19年間諸国を転々とする亡命生活を経て、晋に戻り君主となる。重耳の話というよりは、重耳に仕えたすばらしい臣の面々の話ではないだろうか。幼少期の教育係の郭偃をはじめ、丕鄭、孤突、孤偃、孤毛、先軫、介子推などなど見事な人物が揃っておりこれら臣に支えられてなければ重耳は君主にはなれなかっただろう。
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西暦208年、赤壁の戦。三国志のハイライトともされるこの水戦に曹操は敗れ、南方攻略の足場を失った。歴史にイフは禁物だとしても、この敗戦がなければ、曹操は存命中に全中華の八割方を支配することができたに違いない。
この時代の正史を書く陳寿も、この史実を吟味しただろう。ここをどう書くかで正史というストーリーの視座が定まる。三国鼎立の始まり、と見るのは我々を慣れ親しんだ史観だが、魏や晋を正統と見るならば、珍しく和同した南方抵抗勢力が報いた一矢、と描いただろう。
曹操は呂布、袁術、袁昭と強敵を破り、天子を保庇し、有用な人材を登用して華北に平和と安定をもたらした。陳寿は羅漢中のような小説家では -
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歴史小説を書くということは、歴史の中に一つの視座を定め、その視座に沿って一つのストーリーを切り出すということである。
長く中国古代史を書いてきた宮城谷さんは、日本の三河の小豪族の物語であっても、堂々たる正史の視座をとる。即ち、王者となるものには王者たる正当性があり、徳があり、その徳を慕って義や勇を備えた部下が集まってくる。そして欠かせないのは悪役というか、ライバルの存在。殷の紂王は暴戻に走って徳を失った、項羽は軍事において劉邦より優れていたが度量の大きさで劣っていた、と、ライバルの高い壁を乗り越えたのも単に戦に勝ったとか、幸運だったでは済まされず、ライバルよりも王者に相応しいことの立証が求め