宮城谷昌光のレビュー一覧
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ネタバレ中国漢の高祖の物語の上巻。
司馬遼太郎の名作「項羽と劉邦」のキャラが焼き付いているのと、著者の別作品での扱いが悪かったので、本作の劉邦ができすぎた人で驚きました。
確かに、主人公はいつも立派に描かれていたり、別作品で脇役になると悪い面をクローズアップされたりする多面性も著者の人物像の描き方ですね。
さらに、本作の呂夫人も賢く行動力のある人で、既成の人物像をいい意味で裏切ってくれています。
また、これまでの著者の作品と異なり、主人公の親や祖父や師匠のように導く人がいないというのも特徴です。
本巻では決起するところまでで、劉邦がだんだん大人物になっていく途上が描かれていました。
次巻以降で登場す -
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劉備とは何者か、第七巻ではその問いかけが重要な意味を持つ。華北にいた頃は呂布や曹操に勝てず、逃げ回ってばかりいた流浪の将にも、荊州では妙な後光が差し始める。赤壁において彼は呉の属将だったのか、それとも同盟者だったのか。この定義はその後の荊州南部と蜀の支配を正当化できるかどうかを判定する上で重要なポイントだが、宮城谷さんは正直に筆を進めていく。その行為は武力侵攻だったかもしれない。しかし、単に武力に勝っていたから地を得たのではない。3日で得られたはずの成都に300日を費やす。そういう姿に、いつの間にか大人の徳が漂っている。劉備の輝きが増す分、大人の態度に徹せない孫権は分が悪い。
南方の王者た -
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宮城谷版、吉川版、蒼天航路の3シリーズ併読の
「とことん三国志」、先行する宮城谷版の第2巻。
大帝国の長期政権はいかにして腐敗していくか。
マクロの視点では体制は「変わらないこと」で
自壊していくとなる。
ローマ帝国における共和制及び皇帝制の永き閉塞が
その象徴であろう。400年続いた漢帝国も同様だ。
宮城谷はそこにミクロな視点を持ち込む。
漢帝国の体制は内部は変わろうとして
何度も何度も「革命」をするのだ。
皇太后の外戚が暴政を行なえば、宦官が改革を断行する。
その宦官が虐政をすれば、外戚が誅殺を行なう。
すべては「大義」のための革命だ。
しかし、いつの世も、権力の魔力が大義を取り込 -
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以前から構想していた「とことん三国志」を開始する!
この宮城谷版「三国志」を中心に
吉川英治版「三国志」と
漫画「蒼天航路」(既読)を併読する試みです。
51歳を記念するといいながら、どう考えても
52歳くらいまではかかるボリューム、
なかなかチャレンジングな企画だと思う。
さて、この3シリーズ、歴史的な順序からすると
宮城谷版「三国志」がかなり先行することになる。
しばらくはレビューも宮城谷版のみになるのは致し方ない。
理由は、宮城谷版は三国志とは名ばかりで
スタートが曹操の祖父・曹騰の時代から始まるからだ。
正史で言えば、そのまま後漢史の中葉期となる。
それはつまり、1巻どころか2