宮城谷昌光のレビュー一覧
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中国の戦国時代の名臣16人を、列伝形式風に紹介した本。魏ゼンは知らなかったが、殆どの人物は知っており、そのエピソードを改めて見ても面白くためになる。
それにしても、今みたいな国家観という凝り固まったものではなく、自身の生まれ故郷よりも自身の立身名誉などのため、国を渡り、その王に仕えるというのが今よりも当然のように感じられた。
またいかに華々しい活躍や出世を成そうとも、王が変われば、王の信頼や、王自身の資質によって、あっという間に凋落し死に直結していくことが多々あり、まさにこういったところは、流石に死ぬことはないが、身の処し方において現代に通じるところもあろう。
先に戦国時代の方を読んだ -
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宮城谷さんの本は昔は読んだが、三国志はあまり知らない。週刊モーニングに連載していた蒼天航路のお陰でちょっと知識が付いた程度。
後漢王朝を支えた曹操 は魏を建国したが、曹家は衰退し、司馬氏に勢力が移っていく歴史の中、魏を支えた名臣たちの物語。
キッチリした文章だが、格好良すぎないかと思う処もある。蜀の将軍と魏の名将との腹の探り合いは面白いのだが、正史を読み込んだ成果なんだろう。
世間では曹操が悪者役で劉備は人気があるようだが、先に挙げたマンガのお陰で当方にそのイメージはない。本作の程昱の段で、劉備は曹操から受けた恩を返す人間ではないと諫言して、そして劉備はその通り裏切り、独立する。
半面、曹 -
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孔子は、学べばすなわち固くならず、と言った。本気の学問は、他人を宥せるようにさせるというより、おのれを宥すことができるようにさせるとおっしゃった。もっと学び、己に寛容になれ。
知るとは人を知ることだ、と論語にある
朽ちた木の橋でも渡り切ることができるかもしれない。築いたばかりの石の橋でも足を乗せれば崩落するかもしれない。どこが危険で、どこが安全かはわからない。
いつ好機がおとずれるかわからない。それが人生というものであり、それまで不遇であるのが常である。もっと言えば、不遇の過ごし方によって好機が生まれる
憧れを持つことだ、それは志とひとしくなる
儒教には、おのれに及ばぬ者を友としては -
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下から読むことに~劉璋に招かれた劉備はゆっくり進み,関羽と張飛を残していく。劉璋に譲られた劉備は成都に入るが,関羽が裏切りにあって死に,張飛もまた然り。曹操が死に,曹丕が魏帝となる。それを許せない劉備は弔い合戦に出て行くが,病に倒れ,後を諸葛亮に委ねたいが,それはできず,諸葛亮は劉禅を皇帝に奉り,丞相の地位に留まって,先帝の念願であった天下統一の為,魏攻略のため馬謖と策を練る。陳倉を落とせず,馬謖が街亭で大敗したが,糧道こそが大切だと考えながら,兵を強くしていく。呉攻めを計画していた曹丕が死んで孫権が北伐するのを狙って,諸葛亮も出師するが,病に倒れる~まあ,結末は変わらないから,そこまでを宮城
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諸葛亮孔明の一生を描く。 まず、少年期から始まるが、母が早くに亡くなり、次いで父親が死んだ後、叔父の諸葛玄とともに東へ西へとさすらい、荊州で腰を落ち着け、隆中へ。その後に荊州動乱、劉表の死後の混乱期に劉備に三顧の礼で出廬する。
その後の益州の動乱も始まり、その対応が下巻の始まり。 さて。
今まで三国志を読んできていて孔明の活躍は知っていたが、どちらかというと公明はスーパーマンみたいな働きをしていたがこちらではそこまではまだない。 周りの人物から上げられている感じで本人は意外と冷めているのが本編の孔明だな。
だから思ったほどの感動はない。 -
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古城の風景3巻。
北条の城、北条水軍の城というサブタイトル通り、北条早雲ゆかりの城を巡る旅になっております。これはもう「新九郎、奔る」の予習なんですよ。
こちらで予習、または復習になりました。都合の良いことです。
静岡東部と伊豆の古城を巡る旅は、土地勘あるためにすんなり読める。これは2巻から引き続いています。教科書に載るような戦場はないけども、それぞれの城に、それぞれの歴史があるということの発見の3巻でした。
日本全国で数多くのドラマが生まれた戦国時代。掘れば掘るほど、多くの歴史が生まれるのでしょうね。郷土資料館とかめぐったら楽しいんだろうなぁ。役所がその役割を果たしているというのは驚きでし