宮城谷昌光のレビュー一覧
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学生時代以来20年以上ぶりにこの方の小説を読んだ
期待していたほどのものではなく、後半の盛り上がりにかけ、あっさりしすぎている気がした
多分、せっかくの背水の陣や鴻門の会などの有名な話についての描写がかなり軽すぎるからじゃないか。歴史小説は、司馬遼太郎のように小説部分と著者の時代考察が良い塩梅で混ざっているものと、藤沢周平のように物語としての小説のみから成り立ち、登場人物の生活や感情の機微に焦点を当てられ、歴史の大きな流れや考察は背景として留めているものに分かれる。宮城谷昌光は明らかに司馬遼太郎的なのである。
読んでみて思うのは、おれは藤沢周平的なもののほうが好きだな。 -
Posted by ブクログ
「第3章 殷(商)の湯王と周の文王」が特に興味深かった。海音寺潮五郎の「中国英傑伝」の「乞食公子」を読んで重耳の小説を書こうと決意し、春秋左氏伝や史記を熟読、年表も作成し筆を取ったものの、更に昔を知らないと書けないと感じ、夏や商について勉強、それが「天空の舟 小説・伊尹」執筆に繋がったとのこと。ここまでこだわるからこそ、宮城谷昌光さんの小説には深みがあるんだろう。また、そのお陰で「天空の舟」だけでなく「沈黙の王」や「太公望」といった「重耳」より前の時代の作品も我々は読む事ができる。大いに感謝。湯王が征伐した葛氏が諸族に分かれて名乗った氏が諸葛氏という説も紹介されている。どこかで読んだ気もするが
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Posted by ブクログ
中国の戦国時代の名臣16人を、列伝形式風に紹介した本。魏ゼンは知らなかったが、殆どの人物は知っており、そのエピソードを改めて見ても面白くためになる。
それにしても、今みたいな国家観という凝り固まったものではなく、自身の生まれ故郷よりも自身の立身名誉などのため、国を渡り、その王に仕えるというのが今よりも当然のように感じられた。
またいかに華々しい活躍や出世を成そうとも、王が変われば、王の信頼や、王自身の資質によって、あっという間に凋落し死に直結していくことが多々あり、まさにこういったところは、流石に死ぬことはないが、身の処し方において現代に通じるところもあろう。
先に戦国時代の方を読んだ -
Posted by ブクログ
宮城谷さんの本は昔は読んだが、三国志はあまり知らない。週刊モーニングに連載していた蒼天航路のお陰でちょっと知識が付いた程度。
後漢王朝を支えた曹操 は魏を建国したが、曹家は衰退し、司馬氏に勢力が移っていく歴史の中、魏を支えた名臣たちの物語。
キッチリした文章だが、格好良すぎないかと思う処もある。蜀の将軍と魏の名将との腹の探り合いは面白いのだが、正史を読み込んだ成果なんだろう。
世間では曹操が悪者役で劉備は人気があるようだが、先に挙げたマンガのお陰で当方にそのイメージはない。本作の程昱の段で、劉備は曹操から受けた恩を返す人間ではないと諫言して、そして劉備はその通り裏切り、独立する。
半面、曹 -
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孔子は、学べばすなわち固くならず、と言った。本気の学問は、他人を宥せるようにさせるというより、おのれを宥すことができるようにさせるとおっしゃった。もっと学び、己に寛容になれ。
知るとは人を知ることだ、と論語にある
朽ちた木の橋でも渡り切ることができるかもしれない。築いたばかりの石の橋でも足を乗せれば崩落するかもしれない。どこが危険で、どこが安全かはわからない。
いつ好機がおとずれるかわからない。それが人生というものであり、それまで不遇であるのが常である。もっと言えば、不遇の過ごし方によって好機が生まれる
憧れを持つことだ、それは志とひとしくなる
儒教には、おのれに及ばぬ者を友としては