宮城谷昌光のレビュー一覧
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ネタバレ時代は前漢王朝前期・呂太后の専制下、名家ながら没落した竇(とう)家の娘、猗房(いぼう)が、推されて漢の宮中に出仕することから話は始まる。
貧しいながら助け合って暮らす家族と別れ、宮中に入るわずか十歳の彼女。
彼女を支えていたのは、父が語ってくれた「老子」の教えと、兄の励ましの言葉。
所々にみられる老子の教え。
「上善は水の若し」-最上は水のようなもの。水は万物を潤し、争うことをしない。そして水は上から下へと流れる、即ち謙ることを表す。
「高は下をもって基となす」-高いものは低いものを基本としている。
「禍か福の倚るところ、たれかその極をしらん」-禍は福のもたれかかるところと -
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商(殷)の湯王が、宰相の伊尹にたずねた。
「天下を得るには、どうすればよいか」
伊尹は答えた。
「天下を得ようとすれば、天下は手に入りません。得るとすれば、まず、自分を得るのです」
このあと、『呂氏春秋』はこういうコメントを付している。
「すべての根元は、まず、自分を治めることにある。自愛することである。新しい気を用いて、古い気は捨てる。皮膚の間から、精気と邪気とを、代謝させる。精気は日ごとに新しく、邪気はすべて排出される。これで、天寿はまっとうされる。これを真人という」
内なる宇宙を修めることと天下を得ることとはひとしいのだ、そう肝に命じて鍼灸を努めようと思う私です。