Posted by ブクログ
2021年09月26日
田横。
秦末の人。戦国時代の斉王の一族。楚と漢が天下を争った時期に斉の支配者となった。
田横の人柄は
「漢王と自分は共に王であったのに、彼に仕えるというのは大変恥ずかしい。またいくら天子の命令があるとはいえ、煮殺した相手の弟と肩を並べるというのは恥じ入らずにはいられない。私はそれに耐えられないだ...続きを読むろう。そもそも漢王が自分を招くのは、私の顔を一度見ておこうということに過ぎない。いま自分の首を斬っても、ここからなら洛陽まで容貌がわからなくなるほど腐敗することはないだろうから、私の顔を見せるには十分だろう」
からもわかる通り、義の人だったのかもしれない。
項羽、劉邦の楚漢戦争の切り口を大胆にかえて、第三者からの楚漢戦争を語った今作。
全体的におもしろく、あっという間であった。
1巻、2巻は田氏の内容がスピードよく書かれて、これぞ、主人公!という感じではあったが、後半になるにつれ、項羽、劉邦の話が多くなったのが、少し残念。
宮城谷氏の作品をさらに読みたいと思わせてくれる作品でした。